(※単組・ブロック・県国公で自由にアレンジして、臨機応変に対応・活用してください) ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、運輸局、労働基準監督署、公共職業安定所(ハローワーク)、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関や独立行政法人で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など)です。 いま、私たちの仲間が宣伝ビラを配っていますので、ぜひ、手にとって私たちの主張に耳を傾けていただきたいと思います。 ▼宣伝スポット原稿〈全運輸〉 「地方分権改革」自動車登録の独立行政法人化反対 いま、国の責任を放棄し、地方に丸投げする地方分権の議論が乱暴に進められています。 これは、公務職場の総人件費抑制の施策に基づくものであり、公務員の数を減らすことはもとより、更なる規制緩和をすすめ、国民の「安全」「安心」をも切り捨てる施策であることは明白です。昨年12月に出された地方分権第2次勧告では、国が行っている事務・事業の見直しの内容が明確にされていないにもかかわらず、根拠のない3万5千人もの公務員の削減が勧告されました。このことこそ、公務の実態を見ない、公務公共サービスの切り捨て、公務員減らしありきの議論と言わざるをえません。 このような一方的な「決めつけ」で、くらしと地域が良くなるのでしょうか。ぜひ、私たちの意見も聞いていただきたいと思います。 地方分権第2次勧告では、地方分権とは何の関係もない自動車登録行政の独立行政法人化が勧告されました。この間、分権委員会は自動車登録の地方委譲を画策してきました。しかし、日本のみならず、世界規模で取引されている自動車であって、かつ、日本中を移動する自動車の登録をそれぞれの地方に任せることはかえって非効率であるとの指摘に、有効な反論ができず、断念しました。その腹いせとも思えるような登録業務と独立行政法人とする勧告に私たち登録職場で働く者は、怒りを禁じ得ません。 自動車登録の職場では、後を絶たない自動車の不法投棄や盗難の防止と、リサイクル促進のため、自動車重量税を所有者へ還付する制度や、ナンバープレートの番号を悪用した個人情報の漏洩防止の強化をすすめてきました。さらには、今年の4月からはエコカーへの減税措置など新たな仕事が増えていますが、業務量増に見合った職員は配置されず、現在の要員数で精一杯で頑張っている状況です。 このように仕事は減るどころか、日々、増加する中、職員の削減だけがすすめられていますが、業務を遂行していく上でこれ以上職員を減らす余裕などどこにもありません。 また、私たちの職場は車検証に記載されている以上の「個人情報」を有しています。車をお持ちのみなさん、一度は車の車検証をご覧になられたことがありますか。車検証には「所有者」「使用者」といった個人情報が記載されています。その車が全国に7,900万台あります。ということは、7,900万件の「個人情報」を預かっていることになります。 こうした個人情報は、犯罪捜査や自動車税の徴収といった多様な公的機関と連携して活用されています。自動車登録行政が一部でも崩壊することになれば、国民生活に大きな影響を与えることは明白です。さらには、車の名義変更で500円、廃車で350円の手数料を国としていただいていますが、独立行政法人化、さらには民営化されれば、独立採算で運営する以上、この手数料が値上げされることは容易に想像ができると思います。自動車登録行政の独立行政法人化はこうした問題を孕んだものであり、公共的な行政サービスを、営利を目的とした民間企業に運営を委ねるべきではないと思います。 国が責任をもって自動車登録行政を担っているからこそ、「安全」で「安心」なのではないでしょうか。ご通行中のみなさん。ぜひ、私たちの訴えを書いたビラを手にとって、お読みいただきたいと思います。そして、公務はどうあるべきなのか、安全・安心な日本のためには何が必要なのか、一緒に考えていきませんか。 ▼宣伝スポット原稿<全法務> 登記など法務局の仕事は全国統一の処理基準で みなさん、政府の地方分権改革推進委員会は、昨年12月8日に、「国の出先機関の見直し」についての「第2次勧告」を取りまとめました。今後は、2009年度中にも、「第3次勧告」を行い、「新地方分権改革推進一括法」の提出をねらっています。 法務省所管の業務では、法務局の登記等の業務が地方移譲の対象とされており、「第2次勧告」では、組織をスリム化したうえで、国の業務として存続するとされています。しかし、受け入れ側の知事会は「不十分」と指摘しています。 法務局は、国の行政機関として、登記・供託・戸籍・国籍・訟務・人権擁護などの仕事を行っています。 法務局が取り扱う事務は、全国どこの地域で暮らしていても、どこの地域で行う経済活動でも、全国統一の事務処理基準によって審査・判断を行い、利用者と国民生活や経済活動の安心・安全に寄与しています。 また、国が行うことによって、今日まで全国津々浦々で均一の法務行政サービスの提供を可能にしています。 地方分権改革推進法は、基本理念を第2条で、「・・・地方公共団体の自主性及び自立性を高めることによって、地方公共団体が自らの判断と責任において行政を運営することを推進し、・・・」と規定しています。 このことを法務局の業務に当てはめれば、「全国統一の事務処理基準」の維持は困難となり、むりやり地方移譲した場合、登記制度などの法務局の仕事がそれぞれの地方公共団体の自主性と責任において運営されることになり、行政の公平さが失われ、利用者・国民の安全・安心が著しく損なわれることが考えられます。 したがって、法務局の業務は国が直接実施する必要があり、地方移譲にはなじまないものです。 法務局で行っている登記は、「国が保証する信用制度であり、登記は国が責任を持ってこそ信頼性・安全性が図られる」ものであり、私たちの運動へのご理解とご協力をよろしくお願いします。 ▼宣伝スポット原稿<全経済> 経済産業省の見直しは、経済再生にマイナス 世界同時不況の中で、国、地方を上げた地域経済振興が求められています。ところが、地域経済振興を担っている経済産業省の地方出先機関である地方経済産業局は、地方分権を口実に進められる地方振興局への統合に伴い、大幅な人員削減が押し付けられ、機能低下が避けられない状況です。 輸出産業が立地する地域をはじめ、いま全国すべての地域の経済が落ち込んでいます。日銀が1月に開いた支店長会議では、全体の景気判断を「停滞している」から「悪化している」に下方修正し、東海地方については「急速に下降」しているとしています。地域経済の振興は、あらゆる手段をとるべき、待ったなしの状況です。地方経済産業局の定員は、国の出先機関のわずか1%という限られた人員の中で、中小企業活動・行政の先進的経験を全国的規模に普及させるなど地域経済振興で大きな役割を果たしてきました。 しかし、政府が進める地方分権改革では、地方振興局を作る過程で、国の地方出先機関の大幅な人員削減を行うとしています。これは、地方経済産業局も例外ではありません。すでに地方経済産業局は、2006(平成18)年度から今年度までの3年間だけで、70人(4%)の純減となっています。地域経済振興は、知恵がカギ、人がカギです。これ以上の人員削減は、地域経済振興を担う経済産業局の機能を奪うものです。これは、不況脱出を求める国民の願いにも逆行するものであり、直ちに中止すべきです。 全国例外なく不況となっているいま、産業政策は、都道府県ばらばらでなく、全国的規模で一体的に行わなければ効果は上がりません。中小企業は、自前で状況を打開することは困難であり、政府として、金融支援、技術支援、などなど日本と世界の経済にかみ合った対策を立てることが特に求められています。それなしには、自治体がいくら頑張っても、効果的な地域・中小企業対策にはなりません。国の出先機関として、そのために奮闘しているのが地方経済産業局です。道州制ビジョン懇談会や地方分権改革推進委員会は、国が地域経済振興をやる必要がないかのように主張しています。しかし、例えば、埋もれた中小企業の技術、ノウハウを全国に広めて新しい商品、産業を作っていくには、国、都道府県、市町村や商工業団体が力を合わせていかなければ出来るものではありません。地域経済振興は、知恵がカギ、人がカギです。経済産業局の人員削減は、不況脱出の足を引っ張るものです。不況脱出のためにも、経済産業局の機能と役割を充実する必要があります。 ▼宣伝スポット原稿<全気象> 災害を未然に防ぐため、気象事業の整備拡充を 気象庁の事業は、気象や地震などを観測・監視し、観測の成果や現象推移の予測情報を、適時・的確に広く周知することによって、災害を未然に防ぎ、また、軽減させることにあります。阪神・淡路大震災から10年目の2005年、神戸市で「国連世界防災会議」が開かれました。そこでは、前年スマトラ沖で発生した大地震を教訓に「防災活動は国の第一義的責任において行われるべきもの」と決議されました。このように、防災活動には国が直接的な責任を持つことは、いまや国際的な常識となっています。 こうしたなかで、気象庁は、国民の期待に応えるべく、緊急地震速報や竜巻注意情報など、さまざまな情報の発表を始めました。また、近年、局地的大雨が増加していますが、きめ細かな注意報・警報発表のための研究も急がれています。しかし、気象事業へのニーズが高まる一方で、政府の定員削減計画によって職員は減り続けています。同時に、気象事業予算の削減もつづいています。このため、原油価格が高騰するなか海洋・気象観測船の運航に支障が生じ、また、観測・予測になくてはならない気象衛星の打ち上げ費用の捻出にも苦労する状況に陥っています。 私たちは、過去の自然災害の教訓から、注意報・警報などの防災情報を生かして災害を防ぐためには、予報精度の向上にとどまらず、自然現象の確実な補足や、情報の迅速な伝達、そして、利用者に対しても十分な支援・指導ができる体制を整えることが必要だと考えます。加えて、地域の産業や日常生活に役立つ気象情報についても、国の直接的な責任で提供すべきだと考えます。 これらのことを実現していくため、私たちは、自然現象の観測監視や、調査研究、数値予報をはじめとする技術開発など、気象庁における基盤となる業務を、充実・強化するよう求めています。 ▼宣伝スポット原稿<全建労> 国の責任で守ろう!国民の生命と財産 〜道路・河川は、役割や目的に応じて国と地方が管理 いま、政府は、究極の構造改革と位置づける道州制に向け、強引な地方分権を推し進め、この国の形を変えようとしています。 しかし、いま進めている道州制・地方分権は、国の責任を放棄し、国は外交と防衛のみを行い、その他の公共サービスは全て地方に押しつけようとしています。 その中で、国民生活の安全・安心を確保するために欠かせない国土建設、防災まで全て地方に押しつけようとしています。 このままでは、地方財政が厳しい中で、公共事業に大きな地域間格差を生じさせ、危険な道路や橋、川があちこちに生まれ、住民の生活の安全と安心が損なわれてしまいます。 いま、政府が進める「地方分権改革」では、国土交通省が行っている道路と河川の行政は国と地方の「二重行政」であると指摘をされ、地方分権委員会がこれまでに出した勧告では、国が管理する国道と河川を出来る限り地方に移管することとしています。 また、昨年12月に出された第二次勧告では、道路・河川の地方移管に伴い、地方出先機関を廃止・統合するとしています。 しかし、道路や河川の管理は、本当に二重行政なのでしょうか? 分権委員会は具体的な指摘はしていませんが、たとえば同じ道路の同じ区間を、国や都道府県・市町村が重複して工事を発注したり、同じ河川の同じ区間を国と都道府県が一緒にパトロールをしているというのでしょうか。 確かに、国も都道府県も市町村もそれぞれが道路管理や河川管理を行っています。しかし、国と都道府県が管理するそれぞれの道路や河川には違った役割とその重要度の違いがあります。 道路には「国道」や「都道府県道」「市町村道」などの格付けがあり、例えば国道は日本全国を結ぶネットワークとしての役割があります。全国一環したネットワークがあり、常に全体が整備されているからこそ、全国すみずみまでの物流が確保され、地域間の格差を最小限にとどめる役割を担っています。それぞれに役割と重要度が違い、管理するレベルにも差があります。 現状においても、道路の役割や目的、重要度に応じて分担し、効率よく管理することで「二重(ムダ)」を無くしています。 また、河川の管理は、洪水などから住民を守る治水行政と水道用水や工業用水、農業用水などの利水行政があります。洪水などで水があふれると地域住民の「生命」や「財産」に深刻な被害が出る河川や区域は国が責任を持って管理しています。利水では流域全体に及ぼす影響が大きいものなどは国が管理しています。河川管理でも、それぞれ役割分担をし、効率的な管理を行っています。 このように、道路・河川の管理は、これまでの長い歴史と経験の中で、今の体制が作られてきました。地方分権改革推進委員会の言う「二重行政」では決してありません。 さらに、日本は、地震や台風、最近では地球温暖化が原因と言われるゲリラ豪雨が多発する「災害列島」と言われています。国の責任で、安全・安心の国土を作り、重要度の高い道路・河川を管理し、災害から国民の「生命」「財産」を守ることこそが求められています。 ▼宣伝スポット原稿<全労働> 労働局のブロック化、ハローワーク削減で、労働者に重大な影響 〜雇用確保と労働者保護は国の責任 みなさん、いま、「地方分権改革」の名の下で、労働者の権利が大幅に後退させられ、事業主のみなさんの利便性も大きく損なわれようとしています。 内閣府に置かれた地方分権改革推進委員会は昨年12月、「第2次勧告」をまとめましたが、ここでは、(1)都道府県労働局を廃止してブロック機関に集約し、地方厚生局と統合する、(2)地方自治体の無料職業紹介事業を拡大し、将来的には国のハローワーク(公共職業安定所)とその職員を大幅に縮小することを打ち出しています。 みなさんもご存じのように、昨年後半から「派遣切り」「非正規切り」などが激増し、雇用・失業情勢はかつてなく深刻化しています。こうした中で、国民の勤労権・生存権を保障するために国が果たすべき責任と役割が重要です。大きな社会問題となった「違法派遣」や「偽装請負」を取り締まる窓口は、各都道府県に置かれた労働局です。個別労働紛争も急増していますが、この相談も都道府県労働局が行っています。セクハラやパワハラの被害にあった労働者が相談する窓口は、労働局にある雇用均等室が担っています。このように、都道府県労働局は、まさに労働者の「かけこみ窓口」としての重要な機能を果たしています。加えて、最低賃金の決定や、労働保険の適用などに関する業務も労働局が行っています。 こうした重要な役割を果たしている都道府県労働局を、全国で10足らずのブロック機関に統合してしまったら、深刻な問題を抱えた労働者の多くは泣き寝入りをするほかなくなってしまいます。労働者の権利を後退させる「地方分権」など論外です。労働者の雇用と権利を守るためにも、都道府県労働局の拡充強化が必要です。 みなさん、無料職業紹介事業の実施は、国が国民に果たすべき重要な責任です。ILO(国際労働機関)も、国がしっかりとした責任を果たすように条約で定め、日本も批准しています。雇用の確保は、国民の生きる権利=生存権と切り離せない関係にあります。そして、それは、単に仕事を紹介すれば済むというものではなく、労働基準行政や雇用均等行政と十分な連携を図ることによってこそ、本当に労働者・国民のための役割を果たすことができます。みなさんが住む地域によって、勤労権や労働条件の水準に大きな差が生まれるということがあってはなりません。無料の職業紹介事業は、国民に対する雇用のセーフティネットとして、より充実させる必要があります。 私たちは、労働行政の体制・機能の充実・強化と合わせて、いまこそ、雇用と労働条件の確保に国がしっかりした役割を果たすべきだと考えています。みなさんのご理解とご協力をよろしくお願いします。 ▼宣伝スポット原稿<全港建> 出先機関は災害から命を守る防波堤 どこでも安全な暮らしは国の責任 いま、「地方が主役」を掲げて「地方でできることは地方で」と、地方分権改革が押し進められています。しかし、この地方分権改革は、国の行政責任を一方的に地方に押しつけ、国の行政そのものを切り捨てようとするものです。 私たち、地方整備局の港湾関係行政は、四方を海に囲まれた日本において、国民生活を支えるうえで欠かせない交通基盤としての港湾や空港の整備をはじめ、高潮や波浪などに対する沿岸防災の仕事を行っています。こうした仕事を地方に委ねることは、財政力によって一層の地方間格差を助長するものであり、頻発している大災害や温暖化のもとでは命の格差にもつながりかねません。 生命・財産を守るための防災は、国民の「生存権」に関わる問題であり、どこで暮らしていても安全で住めるように国が責任を負わなければならない分野です。 港湾・空港は国の防災機能に不可欠 背後に多くの住宅や工場を控えている港湾は、国民生活や産業活動を支える重要な物流や生産基盤であると同時に、防潮堤などを設けて津波や高潮から国民の命や財産、経済活動を守っています。1995年に発生した阪神・淡路大震災においても、内陸の交通手段が被害を受けたため、緊急物資等の輸送では海上輸送が重要な役割を担いました。阪神・淡路大震災以降も各地で地震が頻発し、さらに大規模地震の発生が切迫するなか、地域の防災力の向上と、災害に強い海上輸送ネットワークの構築は防災機能として欠かせないものです。 日本は台風や豪雨による自然条件に加え、環太平洋火山帯に位置していることからプレ−トのひしめく地震列島です。実際、世界で発生するマグニュチュ−ド6以上の2割が日 本周辺で起こっています。近い将来、東海地震、東南海・南海地震をはじめ巨大地震が発生すると言われていますが、津波や揺れによって広範囲での被害が予測されています。 出先機関は防災の第一線基地 このような大規模災害などの緊急事態に対して、予防や復興など国が中心的役割をになうことは当然のことです。いま進められている地方分権改革は、こうした国の責任を放棄し、自治体にその役割を押しつけようとするものです。国民の生命や財産を守ることは国の責任であり、国民の権利でもあります。防災の基本は国と自治体の関係でお互いの責任と権限を明確にして進めることにあり、それは2重行政というものではなく役割分担が必要です。そして、その役割を担っているのが地方出先機関なのです。 憲法25条の「生存権」は生活保護や最低賃金の保障のみではありません。防災などの生活環境など多岐にわたるものであり、構造改革によって地域間格差が広がっているなかで、どこで暮らしていても安心と安全が保障されるように国はその役割を果す必要があります。 政府自らも、大規模地震の切迫性などの自然災害は「国の安全・安心に関わる大きな脅威であり、国土並びに国民の生命、身体及び財産を保護することは国の最重要課題である」と言っています。防災の第一線機関である地方出先機関つぶしは許されません。 |
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