国公労新聞 第1010号
  【国公労連第44回臨時大会特集号】
総対話と共同に全力あげ「行革」攻撃をはねかえそう   国公労連第44回臨時大会ひらく
  国公労連は、2月3・4日、第44回臨時大会を東京でひらき、99年春闘方針と平均3万円(8・1%)の賃上げ要求を含む「統一賃金要求」を決定しました。大会では、春闘をめぐる情勢の厳しさと同時に、展望を切り開く条件があることを確認しました。そして、「両輪の署名」を軸とする行革闘争と新ガイドライン法阻止などの国民課題を結合して、総対話と共同を広げることに産別一体で総力をあげることが意思統一されました。
99年春闘アピール(要旨)
 主権者・国民の生活を大切にする平和な民主主義社会を実現するのか、大企業の儲け最優先で弱肉強食の軍事大国社会を許すのか、99年春闘は正念場のたたかいである。その春闘にあたり、全国のすべての仲間に、知恵と力を総結集してたたかいへの決起を呼びかける。
 いま、国民の生活は危機に瀕している。消費税増税や社会保障制度の改悪など、悪政と大企業の横暴によって不況が深刻化している。失業率は戦後最悪、中小企業の倒産は過去最高、国内総生産は4期連続マイナスを記録し、中低所得層ほどその影響が大である。しかし政府は、大企業減税、ゼネコン奉仕の浪費・破滅型の99年度予算を国会に提出し、年金・医療改悪など、逆立ちの政治を強めている。そればかりか、新ガイドライン関連法の成立を急ぐなど、この国の「あり方」を一気に「改革」する動きを強めている。  政府が1月26日に決定した「中央省庁等改革に係る大綱」は、首相権限と内閣機能を極端に強化する反面で、民営化、独立行政法人化などによる「10年間で25%」の国家公務員「純減」目標を盛り込み、行政を徹底して「合理化」する内容となっており、自民党政府の悪政推進の具体化、体制づくりの「行革」であることを露骨に示した。また日経連は、7年連続のベアゼロを宣言し、春闘つぶしと雇用流動化を含むリストラ「合理化」を強調している。こうした攻撃のもとで、展望を切りひらく条件も広がっている。銀行への60兆円もの公的資金投入など国民への犠牲転嫁で、いきづまりを反動的に打開しようとしている小渕内閣に対する国民の怒りは頂点に達している。昨年の参院選挙にも明らかな政治意識の変化は、政府・財界と国民との深刻な矛盾の現れであり、国会解散・総選挙も視野に、統一地方選挙で政治の民主的転換を展望し得る情勢にある。各県・地域労連の対話・労組訪問活動などに応えた共同が着実に前進し、「隔年春闘」や平均賃上げ方式の放棄などへの反発、特定政党支持路線の破綻など、「連合」路線と内部の矛盾も表面化してきている。
 本大会では、これらの条件をいかし「2・7国民総決起集会」を起点に、国民春闘に結集してとりくむ「2・25国民総行動」などで列島騒然たる状況をつくりあげてたたかうなら、国民犠牲・行政切り捨ての「行革」粉砕、「3万円、8・1%」の賃上げ実現、年金・医療制度の改悪阻止、新ガイドライン関連法案阻止などの要求を実現させることができること、また、行革大規模署名、年金改悪反対署名の「両輪の署名」と大量宣伝を軸に、広範な国民との「対話と共同」で圧倒的な賛同をかちとり、それらを背景に政府・各省当局の使用者責任の徹底追及とともに、国会闘争を飛躍的に発展させる必要があることを意思統一した。
 職場と地域を主戦場に、「生活と雇用に安心」を、「行財政と司法の民主化」を、「日本と世界に平和」を確保・実現をするため、この歴史的な99年春闘を悔いなくたたかい抜こう。
春闘勝利・戦争法案(新ガイドライン関連法案)阻止・国民犠牲の行革NO!
  --2・7国民総決起集会に8万人--
  --2・8霞が関総行動--1千名の国公労働者が終日奮闘
  --1/12 全労働が中央行動を実施1/12全労働が中央行動を実施

 2月7日、99年春闘勝利・不況打開に向けた国民総決起集会が、東京・代々木公園でひらかれました。全国から8万人が参加した集会は、国民的なたたかいの一大決起の場となりました。引き続く8日は「霞が関総行動」がおこなわれ、国公労連から1千名の仲間が参加し、早朝宣伝行動や国会議員要請、昼休みデモ、人事院前要求行動など多彩な行動を終日展開しました。
「行革春闘」勝利へ産別一体で全力を   --国公労連・藤田忠弘委員長の大会あいさつ(要旨)--
 行革闘争はまさに「正念場」をむかえています。「正念場」をたたかう上で、大切なことは、情勢の持つ二つの側面を過不足なく認識することです。1月26日の推進本部の「行革大綱」決定で「大勢は決した」と思い込み、たたかいに確信をもてない傾向や「行革大綱」にふれられなかったことにより「攻撃をまぬがれた」と思い込む傾向などの一面的な見方を克服しなければなりません。
 二つの側面の一つは、きびしさの側面です。「行革大綱」が攻撃的な内容をもり込んで決定されたという事実は、甘くみてはならない事態であるし、この「行革」の断行によって政権維持の血路をひらこうとする小渕内閣が、法案の成立に死力をつくしてくることも明らかです。このことは直視しなければなりません。
 同時に、この2年余のわれわれのたたかいが切りひらいてきた側面、つまり展望につながる側面についても見落としてはいけません。当初「孤立無援」ともいうべき状況からスタートしたたたかいでしたが、今日では、不十分な段階ですが、世論の変化も実感できるようになってきています。さらに重要なことは、「橋本6大改革」の現状です。6つの内の4つまで挫折が明白になり、矛盾の深まりが露呈しています。この現状をみれば、「6大改革」のかなめの位置を占めている「行革」だけが首尾よく貫徹しうる保証はありません。つまり、挫折の可能性さえはらんでいるわけです。
 しかし、だからといって自滅するわけではありません。われわれがたたかって追い討ちをかけなければ、「行革」を挫折の淵に沈めることはできません。その意味で、たたかいは「正念場」をむかえているし、これからのたたかいが行革闘争の帰すうを決するわけです。
 それではどうたたかうのか。国公労連は、三つの柱を重視したいと考えています。一つは国民世論に対する働きかけ。二つは政府・各省当局や推進本部など、「行革」の具体的な推進勢力とのたたかい。三つが国会闘争です。
 国民世論に対する働きかけに関していえば、産別の統一したとりくみとして「両輪の署名」を、各単組・県国公が一致協力して、何としても成功させることについて、本大会での意思統一をお願いします。この2年余の経験は、このとりくみこそが、政府・財界の進めている「行革」の反国民的本質を国民のみなさんの前に暴露し、国民にとって真に必要な行財政改革とは何かを明らかにするもっとも有効な手段であることを教えています。
 国会闘争に関していえば、昨年の署名への賛同をいただいた到達点(衆院4会派、参院8会派、あわせて89議員)を土台に、その拡大をはかることが大切です。あわせて、法案審議に対して具体的に対応しなければならないと考えます。
 以上のことについて、議論を深めていただき、「行革春闘」にふさわしい意思統一をはかっていただくようお願いする次第です。
大会全発言(要旨) 「両輪の署名」を軸に総力あげよう
 「両輪の署名」を軸に総力あげよう
 〔1〕東海(鈴木) 98秋闘の行革闘争は、11月に4県で県内キャラバンを実施。シンポ、独自の行二集会や青年・女性交流集会も成功。行革闘争の勝利のために国民春闘の発展が重要。全組合員参加の運動に向け、単組本部の指導をのぞむ。
 〔2〕島根(藤田) 国立大田病院の委譲・不採用阻止に向け、総力をあげた。人権無視の面接で、看護婦など32名の不採用が出た。5次にわたる宣伝行動や市長への要請などを展開、最終的には、全員の雇用が守れた。全国の支援に感謝したい。
 〔3〕青森(相坂) 県知事選(1月31日投票)で、県国公として初めて「民主県政を作る会」へ加入。当初は異論もあったが、組合員の思想・信条の自由を保証し要求実現を基本にたたかい、惜敗したが前回より7千票(2・52%)のばした。地方選勝利に向けがんばりたい。
 〔4〕山口(富田) 全国から大田闘争を支援いただき、結果として32名全員の職場を確保。今回の攻撃は、行革の先取りであり、労働組合を弱体化させるもの。このたたかいは、世論が政治を動かせることや、国民とともにたたかうことの重要性を教えている。
 〔5〕福岡(蛇島) 行革賛成の人でも各省の具体的な問題点を訴えれば賛同してくれる。地元国会議員要請では自民党の行革担当議員が丁寧に応対。31カ所の地域討論集会に726名が参加。職場の仲間は情報を求めている。世論を変えるため行革署名に全力あげる。
 〔6〕全建労(佐藤) 北陸地本では行革闘争本部を中心に、請願、キャラバンなどにとりくんだ。生公連を中心に建設分野の共同の輪も広がった。なぜ国会の重要な時期に定時退庁運動を追及するのか明らかにし、日程を早めに決めてほしい。
 〔7〕厚生共闘(北川) 大田闘争での全員雇用確保は画期的な勝利。今後も統廃合・委譲、「立ち枯れ」政策で音をあげさせる攻撃も続く。独立行政法人化では国立病院が最大のターゲット。署名運動や「守る会」の活動で、国民に問題点を具体的に訴えていく。
 〔8〕九州(原崎) 行革大綱決定後、当局がこれに追随するという態度をとらせてはならない。使用者責任の立場から行革反対を貫かせることが大事。大綱をふまえ産別と単組の運動が相乗効果を発揮するようにくふうを。独立行政法人の際限なき拡大を許さない重点的対応策の検討を。
 〔9〕中国(藤井) Vマップの観点から、金融機関等への公的資金投入などを検証し資料を作った。例えば長銀は、98年3月期で自己資本比率が10%を超えており、株主に配当しながら公的資金を受けている。まさに底の抜けたバケツだ。資料を活用してほしい。
 〔10〕全税関(宮応) 資本主義のゆきづまりで、新自由主義など支配層の理論がカベにぶつかっている。税関の職場は、規制緩和による効率化のもとで、まともな通関行政ができない状態。国民に責任を持てる行政確立にむけて奮闘する。
 〔11〕愛媛(浜田) 社保協と共同して、県国公のキャラバンを展開。70市町村で要請にとりくみ、地域の世論を広げた。県自治労連・県労連との共同で150名規模の決起集会を開いた。行革署名に全力をあげたい。
 〔12〕大阪(森井) 国立泉北病院、共済連合会の新香里病院の統廃合問題で大阪国公としてたたかってきた。行革闘争では、地域の労組訪問などを通して対話と共同を広げていく。県国公の運動への結集強化にむけて、単組本部は職場への指導を。
 〔13〕京都(久保) 2月9日に350名規模の総決起集会を開催する。中立組合も訪問し、署名を訴えてきた。京都総評では、行革問題で宣伝や学習にとりくみ、民間からも多数が参加。今後も共同拡大にがんばりたい。
 〔14〕福島(宍戸) 県国公で移動行政相談にとりくんだ。行革闘争の前進のためには、政治を変えるたたかい重要。統一地方選挙では、政党支持の自由を原則にしながら、政治的中立におちいるのではなく、革新政党の前進にむけてがんばる。
 〔15〕総理府労連(伊達) 統計センターの独立行政法人化に反対する。前の統計局長も、企画立案部門と実施部門の分離は、統計資料の質の低下につながると指摘している。2月9日には統計局庁舎前で集会を開くなど総力でたたかいぬく。
 〔16〕全通産(泉部) 民営化や独立行政法人化が強行されれば、通産省全体では4千人の削減だ。統一行動を配置し、職場から追及を強めてきた。集会には本省職場からも6割以上の組合員が参加した。当局の一方的な強行は絶対に許さない。
 〔17〕全労働(塩沢) 行政スリム化を求める声が国民にある中で、真の行革とは何なのかを訴える必要がある。労働福祉省の問題点を明らかにするために、名古屋でシンポを開催し、民間を含め幅広い参加を追求。
 〔18〕全厚生(加藤) 独立行政法人化によって、国の研究機関としての責任が果たせるのか、職場で議論してきた。栄養研究所などは、長期にわたり、基礎的な研究をすすめ、貴重なデータを提供している。研究所存続のため、国民世論に訴えていく。
 〔19〕北海道(宮城) 行革署名推進委員会を発足し、全農林や自治労など連合の組合も訪問。汚職・腐敗をなくすためには、情報公開が重要。国民のための行革にむけて、情報公開のあり方についても国公労連としてはっきり提起すべきだ。
 〔20〕愛知(川添) 2・25総行動に行革課題をもちこむなど、国民とともにたたかう立場が重要だ。4月のキャラバン行動の具体的なイメージを示せ。調整手当の改善めざして、自治体労働組合などにもよびかけて共闘組織をつくってたたかう。
 〔21〕総理府労連(小林) 両輪の署名の成功にむけ全力をあげたい。新宿を中心に地域に打って出て、労働組合訪問などにとりくみ、追い上げをはかっていく。
 〔22〕人事院職組(野村) 公務員制度見直しを先取りして、人事院内の議論が進められている。民主的公務員制度確立にむけ、人事院の労働組合として奮闘したい。組織拡大も追及する。
 〔23〕全通産(近藤) 国立研究機関は、民間ではできない基礎的・長期的な研究をしてきた。独立行政法人化は、国の知的財産の放棄だ。行革署名と連動して、新聞投書やシンポ、意見広告なども追求し、がんばりたい。
 〔24〕全法務(浅野) 11月に行政相談活動を展開、全国41支部約千名が参加した。地域とのつながりが強まり、参加した組合員の確信となっている。国民との連帯強化など、運動のすそ野を広げるためにたたかう。
 〔25〕全運輸(宮垣) 車検業務などは、国民の安全に不可欠なものであり、独立行政法人化は、国の責任放棄だ。法案の具体化が進むなかで、各省当局への追及強化も重要。当面する2・7集会は600名参加を目標に全力をあげる。
 〔26〕全労働(木村) 政府は、自自連立によって国民犠牲の攻撃にむけた陣容を整えた。組合員に攻撃の本質と展望を示していくためには、強固な意思統一が必要。各単組の運動をたばね、国公労連として積極的な運動提起を要請する。
 〔27〕開建労(中里) 結成以来初めて職場の過半数の組織を達成。行革闘争では、学習不足もあり、傍観的になっていた面もあるが、今後は、職場内のとりくみを強化しながら署名の推進体制を確立してがんばりたい。
 〔28〕全港建(小濱) 年金署名はすでに6支部で目標を達成。行革署名も、目標の5割をこえる支部が出てきている。当面、関連法案を国会に提出させないたたかいに重点をおくべきだ。政府のねらいを打ち砕くため、今こそ力の集中を。
 〔29〕全司法(中矢) 司法改革が進む中で、裁判所の役割を国民に訴えていく。少年法改悪阻止の課題は、民主的な司法をつくる課題でもあり総力あげる。司法改革と結合させて、行革闘争を全力でとりくむ決意だ。
 〔30〕全建労(明比) 賃金アンケートの全体の集約状況が年々下回っている。アンケートを重視するならきちんと集めるべきだし、なぜ集まらないのか分析すべきだ。全建労では、3万円の案を受け、再度分会から要求額をどうするか議論した。
 〔31〕全法務(内藤) 要求額については、国公労連とほぼ同じ分析だ。一時金については、前年比較だからベースは見えている、切り下げの攻撃に対する反撃が重要。調整手当の問題は、近畿の仲間が危惧している、組織の総力をあげて阻止しよう。
 〔32〕全通信(岡村) アンケートに90%を超える仲間が結集。公務大産別の要求額が設定されたことも評価したい。しかし、額ありきではないか。厳しい情勢の中で組合員が結集するにはある程度のルールづくりが必要ではないか。
 〔33〕全通産(池山) Vマップは有効だと思うが、何をもって内部留保とするのか。国公労連の税制改革の提言では未処分利益剰余金は除いているが、Vマップは入っている。現実に手元にない金まで入れるのはおかしいので除くべきだ。
 〔34〕全国税(山口) 省庁再編の焦点に財政と金融の分離が取りざたされているが、その裁量をだれがどう使うかだ。国税は定員が増えていたが、今回初めて減る。今までも行二をターゲットに減らしてきた。仕事に誇りが持てない状況だ。
 〔35〕全労働(松川) 職場には弱者の人たちがたくさん来る。公務員は恵まれているなど、組合員の中に賃金要求への確信が揺らいでいる。学習しながらたたかっていく必要がある。調整手当は地方交付税の基礎でもあり、どの地区も落とさないようたたかう。
 〔36〕福島(菅野) 人勧が地域経済も引き上げていることを宣伝したい。調整手当は職場討議資料を支持する。見直しの原資は地方から出させるのは分かり切っている。地方は地方なりに不便で金がかかる。東京でも地方でも安心して暮らせるようにしてほしい。
 〔37〕東北(佐藤) 調整手当の見直しは地方を削るだけだ。見直し阻止は一定理解できる。討議資料の抜本的改善に向けてを支持する。調整手当は一度本俸に繰り入れて新たに都市手当を創設すべきだ。異動補償の3年についてはどうするのか。
 〔38〕千葉(坂元) 成田在勤者に対しての調整手当改善要求は署名をはじめ、運動の柱としてたたかってきた。見直しを行わないことは私たちの要求と矛盾する。改善の道を閉ざされる。いつになったら改善要求を掲げられるのか。
 〔39〕静岡(星野) 浜松では何十年も調整手当でたたかい組織の団結も強めてきた。民間企業からも人事院に支給するよう要望が出されている。地域からのうねりを作るのが春闘のテーマ。2・25への結集など、単組の縦の指導にかかっている。
 〔40〕東海(佐藤) 調整手当のたたかいでは愛知国公が支給地と官署指定の拡大で署名にとりくむ。国公の要求理解できるが、改善要求も理解を。人事院交渉は一昨年まで50名の参加で実施してきたが、今は本院の指示で人数や時間制限がある。正常化に向け各ブロックと協議したい。
 〔41〕近畿(伊藤) 調整手当の見直しは89年に示された暫定支給地も含まれる。矛盾点の抜本的論議が必要との事だが降りかかる火の粉は払わねばならない。関空は業務の多忙化で、当局も人事院に働きかけている。労使一体で阻止したい。
 〔42〕全建労(野木村) 政府・人事院の3月末の回答は重要。昨年は民間の一時金が切り下げられているだけに、国公の切り下げは必至だ。ヤマ場の配置で民間と官があるが、どちらかに統一すべきだ。
 〔43〕広島(糸原) 2月10日に「くらしを守れ、大幅賃上げ、消費税減税」の3課題で県内の連合などあらゆる労働組合を結集した集会を予定。昨年の労働法制反対のたたかいが契機だ。行革闘争は大綱決定を受け体制を強化。署名に全力あげる。
 〔44〕全建労(八木) 地方公務員に対する攻撃が激化し、愛知で賃金凍結が強行され、神奈川、岡山にも波及。早晩、国公にも来る。公務大産別のたたかい強化すべきだ。公務員制度調査会に国公労連の代表が入ってないとあるが、どう取り組むのか。
 〔45〕全港建(今村) 毎年、神戸港の事務所脇に春闘要求の大看板を立て民間の仲間を激励。国公賃金要求は支持したい。民間が厳しいとき要求が高いという意見もあるが、大幅賃上げで不況打開という立場で港総行動の強化など官民一体でがんばりたい。
 〔46〕厚生共闘(渡辺) 医療供給体制への攻撃を阻止するたたかいが重要。昨年6カ月以上の入院に国から6千円補助が出ていたが2500円に削減され、患者追出しが始まっている。97年11月にILOが政府に全医労との交渉拒否是正の勧告をだしたが回答を拒否している。
 〔47〕全労働(宮下) 企業の連鎖倒産は過去5年間で最悪。大学、短大、高校の就職率も最悪。緊急の雇用増が重要。政府は公務員の定員を25%削減すれば景気は良くなると宣伝しているが、まやかしだ。署名を持って国民の中へ入るときだ。
 〔48〕厚生共闘(北川) 全医労は単組独自の運動ばかりでなく国公産別の運動にもとの叱咤激励だが、気になるのは国立病院の独立行政法人化が強行されれば患者の負担も増え、難病医療も切り捨てられる。全医労のエゴのたたかいではない。みなさんの一層のご理解を。
 〔49〕北海道(工藤) 共済連合会は97年に全国7病院の統廃合を発表。札幌でも斗南と興南病院が統廃合の対象に。連合会は病院は赤字だといっているが内部留保を吐き出せば経営は可能。地域医療を守るため移譲阻止共闘会議を結成した。みなさんのご支援を。
 〔50〕国共病組(田村) 連合会は赤字10億円以上の病院を統廃合の対象に。斗南病院は札幌の中心地で受診率も高い。連合会は2月末にも結論を出すとしており、事態は緊迫。組合としては交渉を重ねているが連合会側は不誠意な態度に終始。阻止に向けご支援を。
 〔51〕全建労(久内) 建設省では月100時間を超える超勤で30名の青年が退職。超勤縮減の通達出たが予算査定業務は除外。これは絶対認められない。全労連会館建設は職場討議が不十分、7月大会で決めるのは無理だ。再検討をお願いしたい。
 〔52〕全労働(木下) 中央労働基準審議会で職業紹介業務の自由化が画策されており、強行されれば求人情報を企業が握り、労働者の職業選択の権利が剥奪される。しかも公務員にも雇用の流動化は波及する。方針欠落しているので補強を。
 〔53〕高知(下元) 消費税減税を春闘の基軸にすえるべき。国会に提出している消費税廃止法案の審議を促し、列島騒然とさせ、解散・総選挙に追い込むべきだ。革新統一の定義は、情勢の発展で変化している。保守との共同も加えるべきだ。
 〔54〕宿泊労連(梶) 大会参加の皆さん、連合会の宿泊施設をぜひ利用していただきたい。宿泊施設のあり方について検討する場を国公労連に作り、公務員の福祉施設はどんなものがよいか検討していただきたい。
 〔55〕大阪(出口) 4年前、横山ノックが知事就任以来、教育・福祉は切り捨てられ、巨大公共事業を促進。行革の名のもと、府民と職員に犠牲をしわ寄せ。春闘と知事選勝利で3・12に近畿決起集会をひらく。ご支援を。
 〔56〕関東(難波) 東京国公でも20年振りに都知事候補として前全労連議長の三上満さんを推薦。「勝たせる会」を作り奮闘中。東京が変われば日本も変わる。3・12に決起集会ひらく。ご支援を。
 〔57〕全港建(篠原) 神戸は全国に先がけて「神戸港非核方式」のもと23年間アメリカ艦船の寄港を許していない。政府はガイドラインの先取りとして条例を作り、この形骸化を画策。地方選、引き続く国政選挙に勝利し、政府の策動打破を。
 〔58〕全税関(高橋) 先の戦争の時、軍需物資の出入りを自由化するため税関が廃止され、今も安保で米軍はフリーパス。ガイドライン法成立されれば全国の空港や港の税関は廃止も同然。賃金差別裁判25年目。横浜は2月判決、東京も年内に結審。全国からご支援を。
 〔59〕愛媛(丸山) 7月31日、松山で日本母親大会が開催される。成功に向けご支援を。県内の全自治体へ協力要請を実施中。県国公女性協は少人数なので、男性の協力が不可欠。四国はもとより全国から多数の参加を要請したい。
 〔60〕全司法(井上) 1月21日、司法制度審議会が少年法改悪答申を決定。この特徴は戦後民主運動で培われた法律の解体であり、少年に厳罰主義などを課すもの。日弁連をはじめ広範な団体が署名を実施。ご協力を。
 〔61〕全労働(新宮) 労働行政の拡充・強化に向け、全労働では2万人総対話で学習と対話進め、1月12日独自の上京団に942名結集。2月も2次の総対話を予定。行革の組織的攻撃に対し、一つの独法化も許さないという側面と、あらゆる事態を想定した側面の組織対策が重要。産別として本省組織強化の重視を。
 〔62〕愛知(宮沢) 2・25総行動は中央では4団体だが、愛知では8団体に発展。しかし、地区国公は地域共闘への参加が弱い。行革闘争も正念場で、住民の理解なしでは前進しない。行革課題で地域へ出ることを重視した単組の指導強化を。
 〔63〕福岡(藤田) 春闘討論集会に726名が参加。行革大綱決定以降、単組の発言に温度差が広がっているが、「去るも地獄、残るも地獄」だ。地方選や解散・総選挙での勝利が鍵。3月議会請願や学者等の賛同アピールも検討を。行革法案は廃案をめざすのか。
第44回臨時大会で採択・承認された議案
 臨時大会に、提出された議案・報告はすべて採択・承認されました。以下、採択・承認された議案です。 
 (1)1998年秋季年末闘争総括、1999年春闘方針(統一賃金要求を含む)
 (2)1998年度中間決算報告
 (3)1998年度一般会計・特別会計の補正予算
 (4)会計規則改正
 (5)全労連会館建設資金貸付
 (6)会計監査委員会報告
 (7)中央闘争委員会の設置と中央闘争委員の構成
 (8)研究機関対策委員および社保専門委員の委嘱
両輪の署名を軸に行革闘争の強化を   --本部中間答弁(要旨)国公労連・小田川義和書記次長
 25名の代議員、オブザーバーの行革闘争にかかわる発言は、全体として、方針を補強するとともに、たたかいの勝利に向けた決意が表明されるものでした。そのことを全体で確認するとともに、次の点を再度強調したいと思います。
◇ 一つは、行革闘争における「課題の重点化」にかかわってです。行政「減量化」の目玉が独立行政法人化であり、その具体化の焦点に国立病院や試験研究機関が置かれていますが、今の局面、時期には、独立行政法人制度の創設を許さず、「25%削減」の決定を許さないことを焦点に産別統一闘争を強めることが必要だと考えます。
 行革攻撃が、公務員減らし、行政サービス切り捨ての大「合理化」としてすべての行政分野にかけられている点で意思統一を深め、これをはね返すたたかいを展開することが、局面打開のカギだと考えます。
◇ 二つは、自自連立政権の成立で、「行革」がさらに加速をしたことに見られるように、「行革」は極めて政治的な課題であることと、その点を見すえた世論への訴え、国会議員要請などをねばり強く取り組むことの重要性を、全組合員の共通認識とすることが今こそ求められている点です。
◇ 三つは、公的分野の否定が、医療、年金、福祉、雇用、教育など国民生活関連部門に集中していることが今の「行革」の特徴であり、そこを突破口にした「減量化」が「25%削減」でさらに加速する可能性がでてきていることです。そしてこのような「行革」は、賃金はもとより公務員制度のあらゆる面に影響しています。 春闘の諸課題と一体で行革闘争をたたかう意義をこの点からも確認する必要があります。
◇ 四つは、行政の役割や責任が個別に議論されないままに、大綱決定がおこなわれていることです。
 行革基本法もふくめて、国会での審議は不十分であり、とりわけ独立行政法人制度などの減量化が個別の行政サービスをいかに低下させるかは、論議されていません。
 同時に、全税関・宮応代議員の発言にもあったように、行政「減量化」の思想的背景となっている「市場万能論」のいきすぎが強調される状況も生まれています。
 これらの点は、「行革法案」審議にむけ、大いに活かす方向で取り組む必要があります。
◇ 五つは、大綱決定にあたってのマスコミ報道にも見られるように、「行革」の危険性や問題点が必ずしも多くの人に理解されていないことも事実です。
 法案が国会に出されるまでの時間は、決して多くありません。たたかいへのためらいや躊躇は、「行革」攻撃をさらに厳しくする側面を持っていることを再確認し、本大会で示している方針案、補強議案での諸行動を最低の取り組みに、「両輪の署名」を軸とする行革闘争の成功をめざして、2歩、3歩の努力を互いに確認しましょう。
列島騒然たる国民春闘で行革闘争の展望を切り開こう
  --本部総括答弁(要旨)国公労連・福田昭生書記長

 発言は、行革闘争で25件、全体として65件におよび、いずれも本部原案を豊かに補強していただいたと受けとめます。
 99年春闘をたたかう3つの柱について申し上げて討論のまとめといたします。
●たたかいのうねりを
 第1は、「不況打開・国民生活擁護の列島騒然たる春闘を」ということです。あらゆる経済指標が不況・経済危機の深刻さを裏付けています。消費税の減税、大幅賃上げ、雇用確保、ガイドライン関連法阻止など、切実な国民の要求を前面に、職場・地域からたたかいのうねりをつくりだすために全力をあげることです。

●流れかえるチャンス
 第2には、「政治の民主的転換を展望する春闘」ということです。
 小渕内閣は、参議院選挙に示された国民の審判に背をむけ、虚構の多数のもとで悪政を推進しており、自・自連立によって政権基盤を補強してガイドライン法をはじめ、戦後の平和と民主主義を根底からくつがえす構造改革を押し進めています。
 統一地方選挙と同時にたたかわれる99年春闘は、こうした政治の流れを変える絶好のチャンスです。
 東京や大阪の知事選挙をはじめ、統一地方選挙で革新・民主勢力の大きな前進をかちとることがきわめて重要です。

●国会審議にも反映を
 そして第3に「行革春闘」であります。
 行革の現局面をどうみるのかということをめぐって一定の議論がありました。強調しておきたいことは、1月26日の行革大綱の決定によって「大勢は決した」とする見方がありますが、これは正しくないということです。
 独立行政法人対象リストということでは、今回は第1次分というべきです。25%定員削減という目標からすれば、今後も執拗に民営化・独立行政法人化攻撃が続けられるであろうことは明白です。さらに、民営化・独立行政法人化の対象であるか否かにかかわらず、すべての職場がすさまじい人減らし「合理化」攻撃が本格化するということです。「大勢は決した」という見方は明らかに間違いであります。
 民営化・独立行政法人化をめぐるたたかいはむしろこれからです。今国会には独立行政法人の通則法が提出されますが、独立行政法人化の最終決着は、この次の国会に提出される個別法です。通則法は、いわば、行政を切り捨てるための受け皿、独立行政法人のしくみを作ろうとするものです。 それだけに、「一つの民営化、独立行政法人化も許さない」立場を堅持して、具体的な事実に即して、その問題点を広く告発し、国会審議にも反映させなければなりません。

●99年春闘に総力を
 藤田委員長があいさつで申し上げましたが、行革闘争の柱は3つです。
 第1は、両輪の署名を武器に総対話と共同を広げて国民世論にはたらきかけること、第2は、各省当局の使用者責任、行政責任を徹底して追及すること、そして第3には、国会闘争の強化であります。
 行革闘争を柱に壮大な展望をもって、99年春闘に組織の総力をあげようではありませんか。


国公労連第44回臨時大会諸決議(要旨)
●新ガイドライン関連法案の成立阻止にむけ総決起しよう
 アメリカが勝手にはじめた戦争に、「周辺有事」を口実に日本を自動参戦させるための「新ガイドライン」関連法案は、自自連立政権によって、強行成立の危険性がいっそう強まっています。
 しかも、新ガイドライン法案は「政府の独断で『戦争のできる体制』を整えるもの」であり、「国会による事後承認など一部の『修正』で、その危険性が薄まるものではない」こと。「行革」での首相権限の強化は「軍事大国化の重要な一環」であり、 「国家公務員を『戦争の遂行者』に引き込む可能性をさらに強める」ものであり、今こそ「憲法擁護の旗を高く掲げ、平和と民主主義を追及」してきた国公労連として、法案成立阻止のたたかいに奮闘する決意を確認し採択しました。

●労働者派遣法および職業安定法の改悪を許さない決議
 政府は、労働者派遣法「改正」法案と、職業安定法「改正」法案の通常国会への提出・成立をねらっています。
 「(労働者派遣)対象業務の原則自由化」などを内容とする労働者派遣法「改正」法案や、「職業紹介事業への民間企業の参入自由化」などを内容とする職業安定法「改正」は、「不安定雇用労働者を拡大」し、「労働力の『買いたたき』が行われる懸念」があることを指摘しました。
 また、行革「大綱」での「公務員25%削減」にみられるように、「行政改革」と労働法制改悪は密接不可分のものであり、 両法の改悪を許さないため、「労働法制中央連絡会に固く結集」して、広範な労働組合・団体との共同した取り組みを強めることを決議しました。

●少年法の理念を守り改悪に反対する決議
 法制審議会は、1月21日に、少年法改正案(要綱)を一部委員の反対をおしきって、少年法「改正」の答申を法務大臣におこないました。
 これを受けて、政府・法務省は3月にも「少年事件への検察官関与」などを内容とする「改正」法案を提出しようとしています。また、自民党は刑事罰適用年齢を14歳に引き下げることをねらっています。
 決議では、このような動きが「少年の健全育成を目的」とした少年法の理念を反故にし、「非行という結果のみ」に目をむけた厳罰化であることを明らかにしています。
 そして、「少年を一人の人格として尊重し、はぐくむ社会が今こそ求められる」との認識から、法制審答申などの少年法「改正」に反対する国民的な運動に結集して、たたかい強めることを決議しました。


トップページへ   国公労新聞へ