国公労新聞 第1016号
 戦争法案阻止・国民犠牲の行財政改革反対
 全国キャラバンスタート

 国民春闘共闘・全労連主催の「ガイドライン(戦争協力)法案阻止、国民犠牲の行財政改革反対、不況打開・くらしを守ろう全国キャラバン」が、4月13日、東は札幌市、西は鹿児島をスタートしました。戦争法案、行革関連法案とも緊迫した国会情勢を迎えているなかでのキャラバンを全国の仲間の奮闘で成功させ両法案を阻止しましょう。

●「戦争する国づくり」を全力で阻止しよう
  --キャラバン(札幌・昼宣伝)での国公労連・藤田委員長の訴え--
 「行政改革」について、公務員の25%削減、独立行政法人化など国民受けをねらっていますが、その本質がはっきりしてきました。 一つは、国民生活に負うべき国の責任の放棄です。利潤優先を口実にする国立病院の独立行政法人化や労働福祉省の構想は、その典型です。
 もう一つは、アメリカと財界・大企業の利益優先の国づくりです。「行政改革」で首相の権限強化をねらっていますが、「戦争法案」では、政府の一存でアメリカの戦争に参加できるようにすることをたくらんでいます。「行政改革」は、アメリカの戦争参加のための国づくりといわなければなりません。これら二つを一体として阻止するために全力をつくしましょう。

●決起集会に400人―テレビ・ラジオで報道され宣伝効果も
 【北海道国公発】
 4月13日午前8時、札幌第一合同庁舎前での早朝宣伝行動が、全国キャラバン東日本コースのスタートとなりました。大きな横断幕、のぼり、風船でアピールし、行動参加者は、白のキャラバンジャンパーを着ての宣伝。宣伝カーからは、全労連・熊谷副議長、道国公・今議長らが訴え、キャラバンビラと道国公作成のテッシュペーパーつきのビラの受け取りも上々。テレビ局2社が取材に訪れ、事前にマスコミ要請をした効果も生まれました。
 早朝宣伝後の午前中は、札幌市・北海道庁・各政党などに要請。昼休みには、50人の仲間が参加して大通り公園、札幌第二合同庁舎、裁判所周辺で宣伝行動を展開し、国公労連・藤田委員長らが、宣伝カーから訴えました。
 午後からは、2班にわかれて団体要請。北海道経済団体連合会、北海道経営者協会、自由法曹団などに要請しました。要請項目にある緊急雇用対策については、各団体とも理解を示しました。この後、午後5時45分から退庁時デモ行進、6時半からは道労連・道国公・ガイドライン阻止道民連絡会主催の「全国キャラバン北海道行動・戦争法案許すな!怒りの道民決起集会」を約400人の参加で熱気あふれる集会となりました。 キャラバン隊代表として決意表明に立った国公労連・藤田委員長は、戦争法案と行革関連法案を廃案にするために全力でたたかう決意を述べました。この集会にもテレビ局の取材があり、この日の取り組みは、テレビ北海道や札幌テレビ、ラジオなどの昼や夜のニュースで報道され、大きな宣伝効果をあげることができました。この日の一連の行動には、道国公の仲間がのべ約150人参加し奮闘しました。

●19団体200人参加
 【鹿児島県国公発】
 西日本コースのスタートとなる鹿児島でのキャラバンは、13日午前7時45分からの県庁前宣伝から始まりました。32人が参加し、1千枚のビラを配布し、宣伝カーからは、国公労連・安部副委員長らが戦争法案と行革関連法案の危険性を訴えました。 続いて県内を北回りと南回りの2コースにわかれ、県や鹿児島市などをはじめ7つの自治体に要請をおこないました。町長が対応した喜入町では、「地方分権で仕事が地方に移管されても財源措置がなく苦しい」「介護保険問題や、ダイオキシン問題で頭を痛めている」と喜入町長が述べ、行革問題などで率直な対話となりました。
 午後6時からは鹿児島市内のみなと大通り公園で、「全国キャラバン出発集会・新ガイドライン法制化反対県民集会」を19団体200名の参加で開催しました。集会後、市内の繁華街をデモ行進し、戦争法案と国民犠牲の行革反対などを訴え、沿道の市民も高い関心をよせていました。
 この日の行動はマスコミからも注目され、テレビ局3社から取材があり、昼や夜のニュースなどで報道され地元の「南日本新聞」は、翌日14日の朝刊で3段見出しの写真付きで大きく報道しました。


 すべての組合員の力で両輪署名を前進させ行革関連法案ストップへ
 4月15日に開催された顧問会議で、中央省庁等改革関連法律案要綱、中央省庁等改革の推進に関する方針などが確認され、1府12省の新省庁名を政府が決定しています。
 また、政治的課題となっていたいわゆる財政と金融の分離問題も、内閣府におかれる金融庁と大蔵省を引き継ぐ財務省の共同管轄とすることで自公が合意しています。

●27日に「行革関連法案」閣議決定ねらう
 これらの決定、合意をうけて、政府・自民党は、4月27日に「行革関連法案」(以下「法案」と略)の閣議決定をねらっています。「法案」は、戦争法案(ガイドライン法案)の取り扱いとも関連しますが、戦争法案の4月27日の衆議院通過を政府・自民党が画策していることから、5月連休明けにも「法案」の審議が開始される可能性が強まっています。

●今通常国会の成立に固執する政府・自民党
 衆議院の審議では、3月29日に国会に上程されている地方分権一括法案と並行して審議されようとしており、分権法の施行時期が2000年4月とされていることからその法案が先議となること、省庁再編を2001年1月1日にスタートさせることを政府が改めて確認していることから、「法案」を今通常国会でなんとしても成立させる姿勢を強めています。
 そのことから、6月17日までの会期を1カ月程度延長することや、水面下の政治折衝が強まることが予想されます。
 これらのことから、「行革関連法案」が極めて政治的に、実質審議もなしに短期間に成立させられる危険性もあることも見ておかなければなりません。
 各省段階では、関連法案の成立を前提に、5月段階から2000年度概算要求作業が開始される状況となっており、中央省庁の課の削減や地方支分部局の統廃合、あらたな定員削減計画の策定などの動きが強まることも見ておかなければなりません。

●世論の拡大・国会包囲・各省当局の追及を
 これらのことから、たたかいは「行革関連法案」の成立阻止を基本におきつつ、法案成立を前提とした各省当局の動きにも対応が求められる状況となっており、「行革」による行政サービスと労働条件の後退を許さないためにも、国民的な世論で国会を包囲するとともに、各省当局追及を強める、という三つの取り組みの実践が極めて重要になっています。

●法案の内容
 決定される法案は、大綱でも明らかにされているように、内閣法改正法案、国家行政組織改正法案、総務省など各省設置法案、総理府設置法の廃止や国家公務員共済組合法など省名変更が必要な184本の法律を一括して変更する整備法案、独立行政法人通則法案、独立行政法人設置にともなう国家公務員法など24本の法律を一括整理する整備法案です。
 また、食糧検査の民営化、公共事業の民間委託の徹底、公共事業での権限の地方支分部局への委任、公安調査庁の200名削減、88機関事務の独立行政法人化、局・課の削減、地方支分部局の整理、2000年度からの採用抑制による「10年間25%削減」などの行政組織の減量効率化基本計画、審議会の整理合理化基本計画、公務員制度調査会答申もふまえた公務員制度改革などの「中央省庁等改革の推進に関する方針」をあわせて決定することも明らかになっています。
 これらの内容は、この間国公労連が指摘してきた大綱の問題点を何ら改めることなく、いっそう悪い方向での取りまとめとなっています。

●さらなる中央集権化と実施部門切りすてねらう
 たとえば「内閣総理大臣と主権者たる国民及びその代表者からなる国会との関係を明らかにする」として総理大臣が国民主権を代表するかのような規定を首相権限強化として盛り込んでいます。
 また、独立行政法人化については、国立病院や研究機関など84機関に加え、貿易保険、通産産業研究所など4機関を大綱に付加し、貿易保険など4機関を非国家公務員型の独立行政法人とすることなども盛り込んでおり、「行革基本法」からさらに踏み込んだ中央集権化と実施部門切りすての方向で取りまとめようとしています。
 独立行政法人については、大部分を2001年4月移行とし、自動車検査は2002年度前半、統計センターは2003年4月、国立病院・療養所は2004年度の移行方針を示しています。また、国立大学について、2004年までに独立行政法人化の結論を得るとし、他の事務、事業の引き続く検討も示しています。
 国立病院・療養所については、3月に改定した再編計画を先行させ、その上で独立行政法人に移行すること、試験研究機関については「国として本来担うべき機能」に重点化するとして研究内容の整理をうちだし、国立医療・病院管理研究所と国立公衆衛生院の統合を示すなど、独立行政法人化の前提としての減量化も打ち出しています。

●悪政推進の省庁再編
 また、各省設置法にかかわって、「厚生労働省」の任務について「国民生活の保障及び向上並びに経済の興隆を図るため」、社会福祉や労働者の働く環境の整備の確保を図るとして、経済目的にそった厚生・労働行政への変質を明確にしています。
 これらのことを見ても明らかなように行政のスリム化が、実施部門、とりわけ国民の生活の基盤を支える医療や労働、教育などにかかわる行政サービスの切りすてに重点が置かれ、福祉国家からの撤退を前提とする企画立案機能の強化、社会保障改革などの6大改革・悪政推進の省庁再編であることを明白にしています。

●戦争法案と一体の首相権限の強化
 同時に、首相権限の強化が、いま国会で最大の争点となっている戦争法案に示される「戦争ができる国」への変質と一体でめざされていることも、「基本法」成立時よりさらにはっきりしてきています。

●物言わぬ公務員づくり=「公務員制度改革」
 なお、「行革」とあわせて、能力・実績主義強化の方向で「公務員制度改革」が重視されていることは、物言わぬ公務員労働者づくり、差別・選別強化で分断を持ち込む動きが強まっているものとして重視する必要があります。

●法案の徹底審議で問題点を明らかに
 基本法や行革会議最終報告の具体化だから簡単審議で、とする政府の思惑が示されていますが、これは「法案」の反国民性を覆い隠すためのものです。各省設置法や独立行政法人通則法の徹底審議で、その問題点を国民の前に具体的に明らかにしていくことが成立をくい止めるために重要です。

●春闘共闘規模に広がる行革闘争
  --キャラバンの成功を--
 4月13日に、春闘共闘・全労連の全国キャラバンがスタートしています。ナショナルセンターが「行革関連法案」成立阻止を重要課題としてかかげ、具体的な運動を全国的に提起した意義の重要性を確認し、「行革」により労働条件にも直接影響をうける国公労働者としての運動強化が求められています。

●両輪の署名は行革闘争の主軸
 キャラバン行動の成功を主体的に追求することは当然として、行革闘争の主軸である「両輪の署名」(行革大規模署名と年金改悪反対署名)を武器に、対話と共同を飛躍的に前進させることが求められています。

●署名の飛躍的前進の条件は広がっている
 統一地方選挙前半戦の結果をみるまでもなく、「戦争ができる国」への改革、公共事業のムダづかいを放置したままで社会保障を切りすてる大企業・ゼネコン本位の行財政に国民の批判が高まっています。
 このことは、「両輪の署名」を積極的に訴えれば大きな賛同が広がる条件が拡大していることを示しています。そのことに確信を深め、すべての組合員が一丸となって打って出るかどうかが、運動成功のカギを握っています。その取り組みなしには「行革関連法案」の成立、25%削減をはじめとする行政減量化、さらには公務員制度改悪による労働条件改悪などをくい止めることはできません。

●国会議員要請の強化
 法案審議が当初の予定よりも遅れ、国会日程からすれば極めて窮屈になっており、政府も追いつめられています。私たちのたたかいいかんでは、今国会での法案成立を許さない条件もあることを示しています。その条件を拡大するには、国会の状況、少なくとも野党が一致して法案に反対する状況を作り出す以外にありません。そのためには、署名を強化して国民世論のうねりを大きくすることが必要です。
 すでに提起している地元選出国会議員要請などをねばり強く、繰り返し展開し、局面を変えるたたかいに全力をあげましょう。


 高知県4議会で「国民生活重視の行財政改革を求める意見書」採択
【高知県国公発】
 高知県国公は、両輪署名と地方議会での意見書採択、宣伝行動を一体のものとして取り組みをすすめ、行革署名の趣旨にそった「国民生活を重視した行財政への改革を求める意見書」は、土佐清水市、土佐町、鏡村、十和村の4議会での採択を勝ちとりました。この地元の声を力に、県選出国会議員への要請など、今後の国会段階でのたたかいにも奮闘していきます。

●行革粉砕駅伝大会で行革闘争にダッシュ
 高知県国公は、2月27日、「行革粉砕駅伝大会」を実施。7チーム50人の参加で日頃の成果?を大いに発揮し、団結と交流を深めながら、参加者の行革ゼッケンやコースに配置された行革のぼり旗などで、市民にも「国民本位の行政実現」を訴えました。大会は全法務の伊野ガッツチームがダントツで優勝しました。


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