国公労新聞 第1022号
 行革法案廃案へ全力
--大きな共同で悪法ストップ
 政府・与党は、今通常国会の会期を57日間も延長して8月13日までとし、中央省庁再編・地方分権一括法案(行革法案)はもとより、盗聴法案、労働者派遣法・職安法改悪法案、国民総背番号制にかかわる住民基本台帳法「改正」法案、「日の丸・君が代法制化」法案などの悪法を一気に強行しようとしています。
 行革法案は、参議院で7月初旬にも採決を強行されようとしています。この行革法案をはじめ延長国会で強行されようとしている法案の多くは、先に強行された戦争法(ガイドライン法)と一体で、戦後の民主主義や国民の基本的人権をないがしろにして、政府・財界がねらう「戦争をする国」「大企業のための国」づくりのためのものです。
自民・自由・公明3党の枠組みで「悪法製造マシーン」と化した国会を、職場・地域から怒りで包囲し、参院での行革法案等の廃案をめざし、奮闘しましょう。

●「許すな盗聴法!6・24大集会」ひらく
「許すな盗聴法!6・24大集会」が6月24日、東京・日比谷野音でおこなわれ、8千人が参加。民主党、共産党、社民党の3党と、さきがけ、二院クラブ、国民会議の3会派の代表があいさつし、労働戦線からも、組織の違いを超えた幅広い労働者が結集。テレビ局各社も取材に訪れ、盗聴法廃案めざす大きなアピールとなりました。

調整手当の改悪は許さない
〈九州ブロック国公〉〈近畿ブロック国公〉
 国公労連は、6月22日・24日、調整手当改悪阻止をはじめとする公務員賃金のトリプル(月例給・一時金・調手)改悪の阻止をめざし、人事院前要求連鎖行動と、ブロック代表参加による人事院交渉をおこないました。

●九州ブロック国公
【九州ブロック国公発】
九州ブロックは、調整手当改悪阻止を人勧期の最重要課題とし、人事院九州事務局との交渉をすでに6回実施しています。当初局長の態度は「昨年の勧告に書いてある」「10年ごとに見直すことになっている」というものでしたが、6月18日の交渉では、「皆さんの言うことにも一理ある」と言わざるを得なくなっています。また、交渉以外にも公務労組に結集しての支給地域の市当局及び議会への要請行動、各省管区機関当局への上申闘争、独自の要求署名など地域と職場からの運動を展開しています。6月18日に福岡県国公を中心に展開した第1次九州総行動(早朝宣伝・交渉・決起集会)に続いて29日に第2次総行動を予定し、上京団も波状的に配置。九州では人事院による理不尽な生活破壊攻撃に、組合員の怒りは頂点に達しています。九州ブロックは、改悪を断念させるまで、全力で奮闘します。

●近畿ブロック国公
【近畿ブロック国公発】
調整手当の「見直し」は、二重の意味で不当なものと言えます。一つに「賃金の切下げになる」こと、二つに「人事院の作業が科学的な根拠にもとづかないデタラメなもの」であることです。大きな誤差を含んだ指標で1%単位の手当の高い・低いを論じることはナンセンスです。
 近ブロはデタラメな人事院の改悪作業に着目して、管区機関当局への要請や職場での学習を重ねてきました。当局への要請ではデタラメな作業の内容について近ブロから積極的に情報を提供し、人事院への働きかけを求めてきました。各当局は「人事院からは何も情報が来ていない、見直しの手法にも問題がある」と私たちに回答し、当局の間でも近ブロの主張への支持が広がっています。このような中で「慎重な作業」や「情報の開示」を求めて人事院へ直接足を運ぶ当局が続出。15日に実施した合同庁舎前ビラには、未組織や連合組合員にも大きな反響があり、近ブロの昼デモに連合組織の組合員が参加する事態も生まれています。近ブロは、理論と行動を2本柱に調手改悪の息の根を止めるまで奮闘します。


 人勧期要求書を提出
 国公労連は、6月18日、1万3300円の賃金改善を中心とする1999年人勧期要求書を人事院に提出し、職員局、管理局、給与局の各局長と交渉をおこないました。


〈連載〉どうみる公務員制度調査会基本答申 第4回(最終回)
民主的な公務員制度実現に向け職場での学習と取り組み強化を
 職場での学習と取り組み強化を
 給与制度や任用関係以外でも問題点は少なくありません。
 労働時間短縮の課題では、その必要性を説きながら92年の人事管理運営協議会決定の内容以上の超過勤務縮減策は示さず、勤務時間の厳正管理や管理職員に対するコスト意識の徹底、弾力的な勤務形態の導入などを打ち出しています。
 今年4月から、年360時間という超勤の「目安時間」が人事院規則で制定されましたが、本省庁や公共事業職場を中心に適用が具体化されないなど、過労による健康破壊等が後を絶たない実態にもかかわらず、一向に改善されていません。

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 また、自己啓発や社会貢献のための長期休業等の制度創設、配偶者の転勤に伴う休業制度やリフレッシュ休暇等も検討を求めるに止まっています。 私たちの要求であり関心の高い、男女共同参画の推進やセクシュアル・ハラスメント対策、育児・介護等の家族的責任を負う職員の部分休業等の支援措置なども、項目としては掲げられていますが、いずれも既定の政府方針や人事院規則をなぞっているにすぎません。
 とりわけ重要なことは、公務員制度改革を論ずる場合、避けて通れない労働基本権の問題にほとんどふれておらず、これまでの公務員制度関係の政府の審議会と比べても、大きく後退しています。人勧制度を前提とした「改革」姿勢から、そうならざるを得なかったのですが、それでは日本の官公労部門の労使関係の後進性は解決できず、ILO条約の批准もますます困難となります。
 その点から言えば、「労使関係のあり方検討グループ」を設置しただけで、この課題について先送り(事実上議論を断念)したことは、今調査会の最大の欠陥と言わなければなりません。
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以上、4回にわたって述べてきたように基本答申全体を貫く柱は、戦略性や機動性を重視し民間の優れた点を強調する一方、公務の継続・安定性の確保を軽視し、きびしい「合理化」と規制緩和・弾力化、差別の拡大をはかることで「もの言わぬ公務員」づくりを狙うものと言えます。
 ただし、答申の内容は多くが単なる「改革」の方向性を示したにすぎず、具体化はすべて政府の検討・判断にまかされることになります。
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 したがって、@能力・実績主義、人事評価制度、複線型人事管理制度、退職手当など政府の狙いについて職場で学習、意思統一をはかること、Aこれら政府の動きに機敏に対応しながら制度改悪に反撃する準備を急ぐこと、B民主的公務員制度の実現に向け、賃金・労働条件改善闘争と権利闘争=労働基本権回復をめざすたたかいを結合し、取り組みを強化することなどが求められています。(おわり)

核兵器と戦争のない21世紀をめざして
--世界市民平和会議(オランダハーグ会議)に参加して〈国公労連・柳川達夫教宣部長〉
「憲法9条を各国は見習え」と5月16日付けの新聞各紙は、一斉にオランダ・ハーグ会議で採択された「公正な国際秩序を求める10原則」を報道しました。私は国公労連の代表として、「つたえよう広島・長崎共同代表団」(世界大会実行委員会、被団協、日青協等8団体で構成。以下共同代表団と略)の一員となり、5月11日より、15日まで、この会議に参加する機会に恵まれました。以下はその報告記です。

●コソボ空爆への批判意見が集中

開会総会には、世界104カ国、790のNGO、約8千名が参加し、うち日本から我々共同代表団を含め、各界から400名が参加しました。 折からユーゴ・コソボへの空爆がヨーロッパ各国よりおこなわれていたこともあり、この賛否をめぐって意見が集中しました。
 南アフリカのツツ大司教は、NATOのユーゴ空爆に抗議を表明し、会場から拍手を受ける一方、開催国オランダ外相が「人道的に賛成」との発言には、満場は一斉にブーイングをあげました。
 また、会議の議長コーラ・ワイス国際平和ビューロー副議長やスウェーデンの副首相、ノーベル平和賞受賞者が核兵器廃絶の緊急性を訴えました。

●被爆者の訴えで青年がデモ行進

 各国のNGO500余りが巨大な講堂で、様々な装いを凝らしたブースを持ちましたが、我々共同代表団も「原爆と人間展」を開き、写真の展示と被爆者の証言、折り鶴教室、アピール署名などを取り組みました。連日海外代表が訪れ、ひときわ人目を引きました。
 また、12、13日の「被爆者の証言の会」の証言を聞いたアメリカなどの海外の青年たちが「ユーゴ紛争で核兵器使用の危険をストップさせるデモをしよう」と連絡があり、「NATO軍の核使用反対」などのシュプレヒコールで会場内を一巡し、国際司法裁判所までデモ行進を行いました。(なお、詳細な報告は「国公労調査時報」8月号に掲載します)


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