全労連結成10年 21世紀へ大きな飛躍を
--全労連第18回定期大会ひらく
●3つの緊急課題(○雇用確保○介護保険の改善、年金改悪反対○戦争法の発動阻止・憲法擁護)軸に全労働者の大同団結を
今年の11月に結成10周年を迎える全労連(全国労働組合総連合)の第18回定期大会が、7月27日から3日間、東京・中央区内でおこなわれました。
大会の討論では、大企業の首切り・リストラ攻撃に対し、労働組合のちがいを超えた広範な共同が前進していることをはじめ、戦争法(ガイドライン法)、労働者派遣法や盗聴法、「日の丸・君が代」法制化など悪政に反対する共同が、かつてなく大きなものに発展してきていることが全国各地から報告されました。
●秋に全国網の目キャラバンを展開
大会で決定された運動方針では、結成10年の豊かな運動の蓄積をふまえ「すべての労働者・労働組合」を視野に入れた運動を強調。もっとも重視する3つの緊急課題として、@雇用・反失業闘争、A介護保険の改善、年金改悪反対・改善などの社会保障闘争、B憲法違反の戦争法の発動阻止、「憲法擁護」一点での広大な戦線づくり―をあげています。 そして、9月から10月にかけて、雇用確保や介護・年金問題を中心に各地で宣伝や申し入れをおこなう「全国網の目キャラバン」を展開します。 賃金闘争では、未組織労働者や不安定雇用労働者を幅広く結集できる春闘をめざす立場から「賃金の底上げ・最低保障」をより強化していく方針を提起。賃上げ要求の具体化は、今後討論を重ねた上で、春闘方針のなかでおこなうことを確認しました。 大会では、初めて来賓として出席した航空安全会議の山本英郎副議長ら各界代表があいさつ。連合加盟の全日本海員組合、中立労組の全日本港湾労働組合から初めてメッセージが寄せられました。
「壊すな憲法『日の丸・君が代』法制化反対8・5大集会」に4千人
「日の丸・君が代」法案の採決強行を8月9日におこなうことを自自公民が合意するという情勢のなか、8月5日、東京・日比谷野音で、学者・宗教者ら22氏がよびかけた法制化反対集会がひらかれました。
霞ヶ関に多発する過労自殺--過酷な長時間労働と人員不足
--命守り立ち上る本省庁の仲間たち
「98年1年間の自殺者が3万人超す」という報道はいまだ記憶に新しいと思います。 これは、公務の職場でも無関係ではありません。「国税庁の職員が大蔵省のビルから投身自殺」というショッキングな記事が8月3日の夕刊紙に出ていました。 しかし、こうした痛ましい悲劇は氷山の一角で、97年の秋以降、霞が関の各省では過労死やそれに起因すると思われる自殺が相次ぎ、10件に及ぶ重大な事態となっています。 今号は、こうした悲劇を生み出す霞が関の異常な労働実態について取材しました。
◇ ◇ ◇ 霞国公(霞が関国公共闘会議)事務局長の菊池光男さんは「本省庁の職場の状況は年々悪くなっています。特に、若い職員の過労自殺が多いのが深刻な問題です」と、目を曇らせます。 また、昨年の11月以来連続して現職職員の在職死亡が発生している、ある本省の支部長は「過労などによる職員の自殺問題は個人の問題ではなく、労働組合を基礎に職員全体の問題として、しっかり位置づけることが大切です。現状の長時間過密労働を放置しておけば、第2・第3の犠牲者がでてしまいます。過労死の危険性の高い職場はたくさんあるのです」と取り組みの重要性を訴えています。
●高い関心示した残業実態調査
霞国公では、今年3月に第7回残業実態調査をおこないました。
この調査は85年から行われていますが、今回は前回の96年調査に比べて単組数、回答者数をともに上回る13単組、3986名分を集約しました。
こうした背景には霞が関で多発している過労死など深刻な状況もあり、「明日にも自分たちに降りかかる」問題として、組合員の関心は高く、宮内庁職組もはじめて調査に参加しています。
●92年調査よりさらに状況悪化 調査の結果は、約6割の職員が、通常業務を「残業等で処理」せざるを得ない実態を浮き彫りにしました。これは92年調査(31・5%)と比べ率でほぼ倍加しています。政府による相次ぐ定員削減で人員不足が加速していることをあらわしています。 さらに、92年に政府が策定した年間総労働時間「1800時間」目標はいまだに達成されていません。
●見せかけの時短すすめる政府
今年3月に政府がだした「公務員制度調査会基本答申」も、人員確保などの抜本的な対策を講じるのではなく、フレックスや裁量労働制の導入など、見せかけの労働時間短縮を進めようとしていますが、霞が関の各本省の職場は、まさに「待ったなし」の実態で早急に抜本的な対策が必要になっていることを明らかにしています。
●人員不足で残業増える
また、定時退庁できない原因として「業務に見合う人員が確保されていない」と答えた人がトップで30%を超えています。 人員不足を訴える多くの職員の切実な要求と裏腹に、政府は中央省庁の再編成と併せて、今後10年間で公務員を25%減らそうとしており、現在でも慢性化している残業をいっそう悪化させ、過労死の危険性が増すことは間違いありません。
●もとめられる男女共通規制
退庁時間の調査によると、午後6時頃の退庁者はわずかに3割。ほとんどの職員は「家族そろっての夕食」など事実上不可能な実態となっており、これに加えて先の「女子保護規定の撤廃」で女性職員にも、この異常な超勤がのしかかっています。 それだけに憲法25条で規定する「健康的で文化的な生活」が保障される男女共通の抜本的な残業規制は、今や焦眉の課題といえます。
●10人に1人が過労死の危険
菊池霞国公事務局長は「実態調査でも、過労死の危険性の高い職員は10人に1人いることが判明しました。この間の連続的な過労死の発生が裏付けられた結果です。本省庁の職場の仲間は、肉体的・精神的に追いつめられています。まさに労働者の犠牲のうえで公務の業務が成り立っているといえます。霞国公としても、仲間たちの命と健康を守るためにがんばります」と決意を語っていました。
わたしは定時にサル! 労働時間短縮を実現させよう --残業の抜本的改善求め定時退庁カードを作成 東京国公と霞国公は「不夜城・霞が関の灯を消そう」を合い言葉に、この間さまざまな取り組みをおこなっています。
国公労連は、今年5月に行革闘争の一環として、公務のリストラ「合理化」に反対する3日間の定時退庁行動を提起。それを受けて、東京国公・霞国公・東京国公女性協は、5月19日にオリジナルカードを配布し、職場の仲間に定時退庁を訴えました。 政府・財界は「雇用過剰」といって雇用流動化、労働者の無権利化を公然と主張しています。一方、フランスは週35時間労働制で雇用を10万人創出しています。労働時間短縮は世界の流れなのです。
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