みんなのパワーで25%定削ストップ
●1400本もの行革関連法案をスピード成立狙う
1府12省庁体制への移行や独立行政法人の設立にむけた個別法案など行革関連法案は、11月17日から衆議院の特別委員会での審議が始まりました。
審議されるのは、1300本におよぶ「中央省庁等改革関連法施行法案」と、59本の独立行政法人化個別法案です。17日の審議では、これら1400本にせまる膨大な法案を20分程度で趣旨説明し、与党三党を代表して質問した公明の若松議員も、行革推進の立場にたつ自自公三党の立場を主張するばかりで、わずか30分で終わったやりとりは、行政サービスを低下させる国民犠牲の行革の本質部分にふれるものとはなっていません。
●徹底審議が必要な独法化個別法案
政府は、24日にも特別委員会の採決をねらう動きをみせています。先の国会では、通則法によって独立行政法人の枠組みを決めただけで、対象の事務をなぜ独立行政法人化するのかという基本的な問題は審議されていません。
この臨時国会では、独立行政法人それぞれの問題点を明らかにするため、徹底的な審議こそ求められています。それにもかかわらず、わずかばかりの審議で個別法を成立させることは許されません。
こうした情勢のもと、国会に対するたたかいの強化が重要となっています。国公労連は、連日の傍聴行動・議面集会を配置して、採決の強行を許さないとりくみをすすめています。
「25%定員削減」を達成するための第一弾として、86機関の59法人への独立行政法人化の確定がねらわれています。「公務員削減=行革」という流れを変えるため、組合員一人ひとりが「25%定員削減反対署名」を急速に広げて、職場・地域からたたかいを強める必要があります。
11・17中央行動を展開
−−全国会議員に要請行動
国公労連は、11月17日、全国各地でいっせいに職場集会を開催するとともに、99秋季年末闘争の第三次中央行動を展開しました。午前中は行革課題で国会議員要請行動にとりくみ、筑波の試験・研究機関に働く仲間を中心に150名が、衆・参すべての国会議員を訪問し職場の声をつたえました。そして、総務庁前要求行動、日比谷野外音楽堂での「リストラ『合理化』反対、雇用確保、悪政阻止11・17中央総決起集会」(全労連・公務労組連絡会・金属反合闘争委員会主催)にとりくみました。集会には、国公の仲間800人をふくめ、2000名が結集しました。
69人で行革ビラ4千枚配布〈兵庫県国公〉
【兵庫県国公発】
11月6日、兵庫県国公は、神戸市内主要ターミナル4カ所で、いっせい宣伝行動にとりみました。行動は69名の参加で、国公労連100万枚行革ビラを4千枚配布し、「25%定員削減反対署名」にとりくみました。
独法化でどうなる国民生活
−−岐阜県国公が討論集会
【岐阜県国公発】
10月31日、岐阜県国公は「独立行政法人でどうなる国民生活」をテーマに討論集会をひらき、130人が参加しました。県内で独法化の議論の対象となっているのは、国立岐阜病院、同長良病院、岐阜大学です。全医労の仲間からは「不採算医療が切り捨てられ、医療や福祉が金もうけの現場にならないよう、地域住民のみなさんとともにがんばっていきたい」との発言がありました。参加者からは「いちばん被害をうけるのは利用者・国民と実感した」などの意見が出されました。この集会の模様は、『岐阜新聞』や『中日新聞』などにも掲載され県民にも大きくアピールすることができました。
史上初の年収マイナス給与法「改正」法が成立
11月18日、衆議院本会議で、一時金0・3月の切り下げ、史上最低の「平均0・28%、1054円」のベア勧告、高齢者層の賃上げ抑制などを内容とし、史上初めて賃金を年収ベースで切り下げる給与法「改正」が、共産党を除く政党の賛成で成立しました。
国公労連は、賃金水準の引き下げとなる一時金切り下げに反対し、政府・人事院による一方的な労働条件切り下げの不当性を追及し、徹底した審議を要請してきました。
しかし、政府・与党は、民間企業でのリストラ「合理化」の状況や人事院勧告制度尊重を口実に正面からの論戦をさけ、衆・参、半日ずつの審議で採決を強行しました。公務員労働者の労働条件を「最終的に決定」する国会審議の不十分さは、到底納得できるものではありません。
いま、国、自治体での賃下げ攻撃の強まりが、民間のリストラ攻撃を加速し、年末一時金闘争を困難にする状況を生み出しています。「民間企業の血の出るような努力」を口実に公務員賃金が抑制され、「公務員でさえ賃下げ」の口実で民間企業での賃下げ攻撃が強まるという「悪魔のサイクル」におちいっています。
賃下げの「悪魔のサイクル」を突き崩すため、不当な賃下げへの怒りをエネルギーに、あらたな決意で生活改善めざした賃金闘争に立ち上がりましょう。
年金はどうなるの? 今国会で改悪強行の危険性
−ゆらぐ老後の生活保障
「公的年金の将来は大丈夫か」「老後の生活資金として、年金はあてになるか」年輩の方も、若者も、年金は一人ひとりの生活設計にかかわる重要な問題です。
前国会から継続審議になっていた年金改悪法案の審議が11月16日からはじまりました。与党の自自公3党は、今臨時国会(会期末は12月15日)中の成立を合意し、改悪を強行しようとしています。
●支給が65歳に
法案の一番の問題は、厚生年金の全額支給開始年齢を5歳遅らせて65歳に繰り延べることです。
厚生年金は、国民共通の基礎年金(定額部分)と、現役時代に支払った保険料に応じて支給される報酬比例部分から成り立っています。このうち基礎年金はすでに、2001年度から段階的に65歳への繰り延べが
決まっていますが、その実施さえまたずに、年金全体の支給開始を遅らせようというのです。
今回の改悪では、残る報酬比例部分についても2013年度から段階的に65歳からの支給にしていくことが狙われています。
1961年4月2日以降に生まれた人は、65歳になるまで年金が支給されなくなります。高齢者の雇用保障が十分ではなく、人減らしや定員削減が吹き荒れている状況を考えれば、退職と年金受給のすきまは大変な問題です。
●年金額を5%削減
もうひとつの問題は、報酬比例部分の年金額を5%カットすることです。来年4月以降に新しく年金をもらい始める人が対象になります。
さらに、支給額を抑制するため、現役世代の賃金上昇にあわせて5年ごとに支給額を引き上げてきた賃金スライド方式の廃止も盛り込まれています。
その結果、年金額が現在の水準より2割も減額されることになります。
●共済年金も連動
厚生年金の改悪に共済年金の「見直し」が連動しています。
国家公務員の年金制度は、定額部分(受給額モデルの構成比=38・5%)のほか厚生年金部分(同=52・1%)と職域年金部分(同=9・4%)の3階建てとなっています。
今回の改悪案が成立すれば、国家公務員も、厚生年金に連動して支給開始年齢が段階的に繰り延べられることになります。職域年金部分については、国家公務員法で定める「退職年金」の位置づけから、退職と同時に支給する制度が創設されますが、現在の受給額の1割にしかすぎません。定年以降の生活保障がなくなってしまいます。
●国民は「三重苦」
今回の年金改悪は、介護保険での重すぎる保険料と利用者負担、高齢者医療の大幅な負担増とあわせて、国民に「三重苦」を強いるものです。
そのような改悪の背景には、社会保障に対する国の責任放棄があります。退職後の生活は自己責任で、不安が増すばかりです。
介護保険の保険料の「徴収猶予」の自自公合意にも見られるように、社会保障の解体に反対する世論の高まりで、政府の攻撃も一定の修正を迫られています。
全労連と中央社保協は、今月24・26日および、
30日から12月2日の3日間の国会前座り込み行動など、国会闘争を強化することを提起しました。
職場からは署名行動の取り組みを急ぐとともに、職場決議や抗議電、寄せ書き行動に取り組むこととしています。
2000年国民春闘にも引き継ぐたたかいとして、この時期の取り組みを成功させましょう。
昇格課題で最終交渉
−−〈人事院〉俸給構造見直しを主張、要求応えず不当な回答
国公労連は11月16日、昇格課題での人事院給与局長交渉を行いました。
9月24日に、昇格改善要求書を提出して以降、管区・府県・地方出先機関・青年、女性、船舶職員、行(二)職員関係など、機関、階層、職種別の交渉を積み上げ、最終的な回答を求めました。
国公労連が重点とした、(1)従来の昇格ペース維持と枠外問題の解消、(2)行(二)職の部下数の撤廃、(3)機関別・組織別、男女の格差是正、(4)省庁再編による処遇の後退反対、などについて人事院は次のように回答しました。
「給与の右肩上がりは期待できない以上、処遇のための定数改定はできない」「省庁再編での、新組織はまだ見えないため、回答できない」「枠外の増大は予想外だが、俸給表構造見直しで解消したい」「行(二)4級以上の定数と実態が乖離(かいり)していることから来年に向け調査し、検討したい」など、不十分な回答に終始しました。
切実な枠外号俸者の解消要求を「逆手」にとって、年功賃金体系「破壊」が進む民間企業に「準拠」させる俸給表構造「見直し」を主張しています。要求に正面から応えない不当な回答です。
また、省庁再編で、組織削減のみを先行させ、処遇悪化を懸念する職場の不安にも応えていません。
最終的には、予算編成と同時に定数が確定することから、公正な昇格を求める職場からの運動の強化が必要です。
全労連結成10周年記念集会ひらく
●活発にパネル討論
全労連は11月20日、東京都内で結成10周年記念集会とレセプションを開き、740人が集まりました。
結成10周年記念集会では、「憲法がいきる21世紀をめざして」をテーマにパネルディスカッションが催され、3人のパネラーがそれぞれの立場から発言。憲法をすべての労働者にいかせるよう、幅広い共同に全力をあげる必要性が共通して語られるなど、来たるべき2000年春闘での実践にも大いに役立つ集会となりました。
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