みんなの力で25%定削ストップ
小渕内閣は3月14日、「行政機関の職員の定員に関する法律」(総定員法)の「改正」法案を閣議決定しました。政府は、法案をただちに国会提出し、今通常国会での成立をめざしています。
この「改正」法案の内容は、(1)別枠となっていた国立学校設置法、沖縄特措法による定員の管理を総定員法に一元化する、(2)これらをふくめた現行の総定員の最高限度を、55万6千人から53万4千人へと引き下げる、の2点を柱としています。
4月10日から全国キャラバン後半戦
2月21日にスタートした国公労連の全国縦断キャラバンは、3月16日の神奈川県での行動で、前半のコースが終了。後半戦は、4月10日から、北コースは福井県、南コースは滋賀県からスタートします。引き続き全国の仲間の奮闘で、キャラバン行動を成功させましょう。
●定員上限を2万人以上も下げる総定員法「改正」
総定員法は、国家公務員の定員の上限を法律で定めることを目的に、1969年に制定されたものですが、政府は、この総定員法と、68年からはじまった計画削減とを定員管理の柱にしながら、これまで9次にわたって定員削減を強行してきました。
そのことから、国公労連は、基本的には、総定員法の廃止を要求しつつ、当面、増員による行政サービスの拡充にむけて、総定員法の上限の拡大を要求してきました。
こうした私たちの要求に照らしても、総定員の上限を2万人以上も引き下げる法律の「改正」は、認めることができないものです。
●新たな定削計画の策定に反対して
いっぽうで、各省庁においては、2001年からはじまる新たな定員削減計画をひかえて、具体的な策定作業がすすめられます。
この計画は、98年6月に成立した「行革基本法」で定められた「10年間10%」の削減率が最低限の目標にされ、郵政事業の現業職員をのぞいた約54万人がベースとなります。
さらには、独立行政法人化などで25%削減を達成するとの政府の目標をふまえれば、新たな定員削減計画は、量的にも質的にも、これまで以上にきびしい計画となることが予想されます。そのことからも、いまから政府や各省庁当局へのたたかいを強めていく必要があります。
●国民犠牲を許さないたたかいと結合
政府がねらっている「25%定員削減」は、独立行政法人化や、行政の実施部門の民営化・民間委託などをすすめ、国による行政サービスの範囲を縮小するものであり、そのことは、国の責任を放棄するものにほかなりません。
また、いま職場では、定員削減によって、人減らしが毎年強行されるもとで、労働強化がすすみ、長時間過密労働によって、健康破壊、過労死や過労自殺など深刻な問題もひきおこされています。国公労連の春闘アンケートでも、「月30時間以上の残業」との回答が13%となっており、人事院が示す年間360時間とする超勤規制の目安も守れず、恒常的な残業で仕事をこなしている職場実態が明らかにされています。
そのなかで、人が足りず、十分な行政サービスができず、国民の要望に満足に応えられない状況もすすんでいます。国立病院の統廃合や民営化などが強行されるなかで、地域住民のいのちと健康への不安がひろがっています。
●職場・地域から団体署名ダッシュ
こうしたなかで、国会請願団体署名を柱とした「25%定員削減」に反対するたたかいを強化し、職場・地域から思いきって共同をひろげていく必要があります。
とりわけ、定員削減など行政「減量化」は、国民生活破壊につながることを強調しながら、多くの団体からの賛同を勝ち取るとりくみが求められています。
国民犠牲の「行革」反対の声を、団体署名に託して国会に届けるとともに、各省庁当局への追及を強め、行政の切り捨てにつながる定員削減を許さないたたかいを職場からすすめましょう。
列島各地で怒りの春闘
■多彩に共同広げる 愛知県国公■
●全国縦断キャラバン
【愛知県国公発】愛知県国公は、3月9、10日と全国縦断キャラバン行動にとりくみました。
宣伝行動では、駅頭での早朝宣伝などで、宣伝カーから「行政サービス切りすての25%定員削減反対」などを訴えながら、2日間の合計で約3300枚の行革宣伝ビラを配布。地元新聞社などが、取材に訪れ、「東海日日新聞」にキャラバンの行動が報道されました。また、150名の仲間が参加して、総決起集会とデモ行進をおこない、市民にアピールしました。
団体要請行動では、労働組合をはじめ、さまざまな団体に、行革団体署名への協力を訴えるとともに、地元国会議員や愛知県当局など2日間の合計で、27の機関・団体等に要請をおこないました。 また、キャラバンのとりくみとして「行革・規制緩和問題懇談会」を9日の夕方におこないました。愛知県国公は、この懇談会に向けて、県段階組織へ「行革団体署名」の要請とあわせて、懇談会への参加呼びかけをおこなってきました。当日の懇談会には、愛知県労連、建交労(全日本建設交運一般労働組合)、自治労連の仲間ら17名が参加。それぞれの分野から、政府・財界が進める「行革・規制緩和」が、国民・労働者に犠牲をしいるものとなっている実態などが交流され、今後の「共同」に向けた第一歩となりました。
2日間のキャラバン行動に、のべ270名の仲間が結集して、地域へ足をふみだし共同を広げ、元気の出るとりくみとすることができました。
●行政相談活動
3月5日、午後1時から4時まで、愛知県国公と東海ブロックは、「無料行政なんでも相談」を、名古屋市・金山総合駅コンコースでおこないました。相談件数は26件で、行政相談の開始2時間前から待っている人もいるほどでした。相談活動と並行して駅前に宣伝カーを配置し、市民に25%定員削減反対などを訴え、行革宣伝ビラ2千枚を配布しました。 ■調整手当改悪やめよ 東海ブロック■
【東海ブロック国公発】東海ブロック国公と愛知公務共闘でつくる「調整手当改悪阻止共闘会議」は3月1日、名古屋市役所駅周辺での早朝宣伝を皮切りに、昼休みには600人の仲間の参加で調整手当改悪反対総決起集会(写真上)を開催。集会後は人事院包囲のデモ行進をおこないました。
■雪ニモ負ケズ1万枚ビラ配布 石川県国公■
【石川県国公発】降りしきる雪の中、早朝街頭宣伝(写真上)から石川県の2・25列島怒りの総行動はスタート。石川県国公は、早朝・昼休み・退庁時に、「行政サービス切りすてる公務員削減反対」を訴え、街頭宣伝と全戸配布をおこない、行革宣伝ビラ1万枚を配布しました。午後には、県労連の仲間400人で怒りの県庁包囲行動をおこないました。
■行革ビラ・Vマップビラ配布 新潟県国公■
【新潟県国公発】新潟県国公は、2・25怒りの総行動の独自行動として、新潟駅前で早朝宣伝行動(写真上)をおこない、「国民犠牲につながる公務員減らし反対」「労働者の雇用を守り、大幅賃上げで不況打開を」と訴え、行革ビラと県内版ビクトリーマップのビラを配布しました。その後は、春闘共闘に結集し、地域の仲間とともに中立・連合240労組を訪問し共同を訴え、夕方には総決起集会やデモ行進と、終日、奮闘しました。
■ロングラン宣伝、行革団体署名スタート 大分県国公■
【大分県国公発】大分県国公は、2・25総行動の県国公独自行動として、25日の午後、半日をかけて、繁華街での行革宣伝行動(写真上)を47名の仲間の参加でおこないました。
宣伝行動では、全単組が持ち回りで弁士をおこない、各職場の実態などを訴え、「行政サービス切りすてとなる国家公務員の削減をやめさせよう」と呼びかけました。
4時間ぶっつづけのハードな宣伝行動でしたが、2千枚以上の行革宣伝ビラをまき、通行人から「みんなのためにがんばって欲しい」などの声をかけられ、行動参加者も元気が出るとりくみとなりました。
この25日から、各単組による「行革団体署名」の各団体への要請をスタートさせました。あわせて、各単組が、県下7地域に分けて行革宣伝ビラの全戸配布にとりくんでいます。
その他、25日は、県労連による早朝の大企業前宣伝行動や、夕方の大分・別府地区での宣伝行動を含め、多くの仲間が官民共同の春闘のたたかいに奮闘しました。
■寒風のなか県庁前座り込み 岩手県国公■
【岩手県国公発】岩手県国公は、2・25地域総行動に結集し、国民春闘勝利に向けて、前日の24日から県庁前の座り込み行動や宣伝・要請行動にとりくみました。
■基地建設許さない 沖縄県国公■
【沖縄県国公発】2月27日、名護市役所中庭広場で、「許すな悪政!2・27沖縄県民集会」が200名の参加でおこなわれ、県国公から33名の仲間が参加しました。
集会では、稲嶺沖縄県知事と岸本名護市長が普天間代替基地の辺野古への移設条件としていた「使用期限15年」をアメリカ政府が「拒否」したことを受けて、日本政府がその事実を隠し、また、知事と市長がはじめから基地受け入れありきであったことが明らかになり、今後おこなわれるリコールの成功と、市民本位の市長の確立へ奮闘することが確認されました。そして、要求実現をはばむ悪政の打破、早期の国会解散・総選挙を訴えデモ行進をおこない、並行して、名護市に基地受け入れの撤回を求めるビラと国公労連の行革宣伝ビラを全戸配布しました。また、この集会に先立ち自動車パレードがおこなわれ、県国公から9台が参加し、国民本位の行革などを訴えながら那覇から名護までパレードをおこないました。
戦争法の発動を阻止しよう
--陸・海・空・港湾の20団体がシンポジウムひらく
3月4日、「シンポジウム・新ガイドラインの発動を阻止しよう」が東京・九段会館でひらかれ、1300人が参加しました。
このシンポジウムを呼びかけたのは、陸・海・空・港湾20団体。戦争法反対の一点で、上部組織の違いを超え20団体は昨年3月から運動をはじめ、昨年5月21日には5万人が集まる大集会を成功させ共同を広げる大きな力を発揮しました。国公からは、全運輸・全気象・全港建・全税関の4つの単組が加わっています。
日本乗員組合連絡会議副議長の村中哲也さんをコーディネーターに、パネリストは、作家の井上ひさしさん、全日本海員組合教宣部長の平山誠一さん、全日本赤十字労働組合連合会中央執行委員の太田千枝子さん、東京国際大学教授の前田哲男さんの4人。平山さんは、海の上に前方も後方もなく、これまでの戦争で中立国の船舶も多数攻撃された実例などをあげ、戦争法を発動すれば戦争に積極的に加担することになり、攻撃されないはずはないと発言。太田さんは、白衣を再び戦場の血で汚さない決意を述べ、前田さんは、職場や地域から戦争協力を拒否するとりくみで戦争法を骨抜きにできると語りました。そして、井上さんは、「日本国憲法の「戦争放棄」は、21世紀の世界の国々がめざすべきものとなっている大切な財産です」「そもそも軍隊というのは、私たち一般国民を守らないし、歴史的にも守ったことはありません」「今度の選挙で憲法を大切にする政党を勝たせましょう。私たち主権者が国の進路を決めるんです」と語りました。
〈連載〉憲法を考える 第2回
憲法の空洞化を許さない 一人ひとりを大事にする社会をつくるために
昨年通常国会で成立した戦争法や「日の丸・君が代」法制化など、憲法をふみにじる事態が次々とおこっています。今号は国公労働者にとっての憲法とは、を考えてみます。
●国公労働者は「憲法の守り手」
戦後50年、憲法は私たちのくらしに根づいてきました。
憲法の3大原理は平和主義・基本的人権の尊重・国民主権です。これらに共通し、憲法の根底にあるのが「個人の尊重」です。国民「一人ひとりを大事にする」社会や国家のしくみをつくることを国の内外に宣言したのが憲法です。
ですから、阪神・淡路大震災で家や商店を失った人々の生活を保障する問題、セクハラのように個人の人格権の侵害など、「なまの事実」を憲法の立場から考え、制度や行政の不十分さを検証していくことが必要です。
●公務員は憲法を尊重し、擁護する義務がある
国公労連はこれまで、「職場と行政に憲法をいかす」ことを運動の基本にすえて、さまざまなたたかいをすすめてきました。それは、国民のいのちや健康、はたらく権利をまもるために、私たち国公労働者が重要な役割を担っているからです。
憲法では、すべての公務員は「憲法を尊重し擁護する」(第99条)ことを義務づけています。私たちは、憲法を遵守すべき国公労働者として、さらには、国民の基本的人権を守る立場にある、「全体の奉仕者」(第15条)として、国民の基本的人権の実現をめざして、仕事をすすめる使命を持っています。
しかし、「戦争をする国」へと変えようとする行政改革の攻撃、民主主義をふみにじった国会での悪法成立など、現実は歴史の逆行ともいえる事態がすすんでいます。
それは企業中心、経済成長中心の社会が永く続いたなかで、個の尊厳の原理つまり人権の理念が十分活かされてこなかったことと無関係ではありません。
●憲法をふみにじる戦争法の危険性
日本を米軍の戦争に参加させる戦争法(新ガイドライン関連法)が、憲法論議もなしに成立しました。
戦争法が発動されれば、航空管制・施設や病院医療、気象情報の提供や基地建設、入国管理や輸送など、国家公務員労働者が、戦争に加担させられる危険があります。また、地方自治体や民間企業への「協力」を強制する事務をおしつけられ、戦争推進が国公労働者の「役割」とされかねません。
改憲策動がつよまり、行財政・司法の変質が加速するいま、国公労働者が、再び戦争加担者として国民の基本的人権を侵すことを拒否していくことが、平和を願う国民の取り組みを広げる第一歩です。
●「日の丸・君が代」のおしつけは許されない
「国旗・国歌法」についても考えてみましょう。
「日の丸」は、マークとしては好きという人もいるかもしれません。しかし、戦前日本は「日の丸」をシンボルとして侵略戦争をおこない、多くのアジアの人たちを虐殺し、人権をうばってきました。そのことから「日の丸」に嫌悪感をもつ人がいます。「日の丸」を国旗とすることについては、時間をかけて議論されなければならなかったことは明らかです。また、「君が代」を、「国民主権を原理とする憲法とあわない」という疑問をもつ人も多数います。 憲法第19条の「思想・信条の自由」とは、個人のものの見方や考え方は、外部から干渉されたり、強制されないという権利です。
したがって「国旗・国歌法」が成立したからといって、歌わない自由や「日の丸」に敬意を示さない自由は尊重すべきです。ですから、国の行事等を通じて国民に「日の丸・君が代」をおしつける行為も当然、許されるものではありません。
●社会保障改悪で脅かされる基本的人権
いま、リストラ「合理化」・過労死・長時間労働・男女差別など「職場に憲法がない」深刻な状況や、年金・社会保障改悪など国民の生存権を奪うようなさまざまな攻撃が強まっています。
たとえば4月からスタートする介護保険制度は、各自治体の方針や財政力によっては、認定や介護サービス内容に深刻な地域格差が生まれます。また、保険料や利用料を払えない低所得者は制度から排除されてしまいます。これは法の下の平等や生存権という基本的人権を脅かすことになります。
公務に働く労働者として、憲法を活かしつづけ、一人ひとりを大切にする社会、国民が主役の政治と行政をつくっていくことを不断に追求する。その原点を私たち自身で確認する時期です。(次号につづく)
核兵器のない21世紀をめざして
--3・1ビキニデー集会ひらかれる
太平洋ビキニ環礁でのアメリカの水爆実験で第5福竜丸が被爆して46年目の3月1日、静岡県焼津市で「被災46周年2000年3・1ビキニデー集会」が開かれました。
原水爆禁止世界大会実行委員会とビキニデー静岡実行委員会が主催し、全国から1500人が参加。2000年という歴史の節目を迎えて、核兵器のない21世紀をめざし、運動を大きく進めていく決意を固めあいました。
全体集会では、長崎原爆松谷裁判の原告、松谷英子さんが最高裁での勝利判決への決意を述べ、マーシャル諸島のアバッカ上院議員など3人の海外代表からは、反核運動の国際連帯の共同について語られました。
主催者あいさつした杉山秀夫静岡県実行委員会代表委員は、「東海村の臨界事故は、放射能被害の恐ろしさをあらためて国民に教えた」と述べるとともに、世界の核実験被害者と被爆者の連帯を訴えました。
「原水爆の被害者はわたしを最後に」の久保山愛吉さんの遺言と、世界のすべての被爆者・核兵器被害者とその遺族の願いを胸にきざみつつ、「核兵器のない21世紀の実現をめざして核兵器廃絶の大きな共同をつくりだしましょう」という焼津アピールを採択しました。 また、集会の合間をぬって国公労連参加者の集いをもちました。全労働・全法務・全建労・全司法から約30人の仲間が参加し、核廃絶と憲法遵守運動を職場・地域から取り組み強化することを確認しあいました。
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