国公労新聞 第1048号

NO! 定員削減・調整手当改悪・独法化制度改悪

  ●夏にむけてたたかいを強めよう

 5月12日、国家公務員の総定員の上限を2万人以上も引き下げる総定員法(行政機関の職員の定員に関する法律)の「改正」法が成立しました。いっぽう、調整手当問題も正念場にきています。
 国公労連は、こうした中、5・24中央行動や、独立行政法人の学習決起集会などに旺盛に取り組み、多くの組合員が参加してきています。これらの行動の成功に確信をもち、夏季闘争にむけ、いっそう運動を強化していきましょう。

  ●5.24中央行動に1200名参加

 5月24日、国公労連は中央行動を取り組み、「25%定員削減」など行政「減量化」反対、調整手当「見直し」改悪阻止など、切実な要求の実現・前進をめざして行動を展開しました。
 中央行動には、この間取り組んだ「25%定削反対団体署名」を携えて全国から上京した仲間をはじめ、全体で1200名が参加し、人事院前での座り込みを含む要求行動、総務庁前要求行動、総決起集会、国会議員要請行動など終日奮闘しました。
 また、国公労連は5月26日、定員管理を担当している総務庁行政管理局に対し、定員削減計画策定・2001年度概算要求にむけた要求書を提出し、これ以上の定員削減は反対であることを強く主張しました。
 いよいよ夏季闘争がはじまります。定員削減計画策定反対のたたかいと、調整手当改悪阻止のたたかいは6月から7月が重要段階です。
 職場・地域からのいっそうの奮闘が求められています。


〈独立行政法人化問題〉労働条件の水準・制度改悪を許すな
--研究機関の学習決起集会を開催

 国公労連と学研労協でつくる国立試験研究機関全国交流集会実行委員会は、5月12日と17日、茨城県・つくば地区と東京・三多摩地区で、「独立行政法人移行に対応し、権利確立と要求実現をめざす学習決起集会」を開催、つくば152人、三多摩61人の参加で成功させました。
 この集会は、(1)労働条件決定が労使自治に移行し、要求の前進を勝ち取るためには、組合の力の強化が必要であることを確認し、(2)国公労連の「特定独立行政法人の労働条件にかかわる労使協議事項の検討(案)」をふまえて交渉を強める、(3)業務面でも中期目標に対する交渉を強める、という目的で開催しました。
 科学技術庁関係の試験研究機関で、個人業績を労働条件に反映させる動きが強められていることが明らかになったこともあり、時宜にかなったものとなりました。
 集会への国公労連の報告では、労働条件が労使共同決定に変わるにもかかわらず、業績給強化などを一方的に進めるのは問題であり、さらに短期の業績を賃金などに反映させることで、長期の視野に立った公共的研究を行う国立試験研究機関の役割が変質させられると指摘。そのうえで、制度の移行期にあたり、労働条件の水準・制度を改悪させないこと、試験研究機関の公共性を労働条件面からも担保させることを基本に、9月以降本格化する労働条件交渉では、統一闘争を強化することを提起しています。 集会では、各単組から、国公労連と学研労協に結集して、労働条件の維持改善をめざす決意が表明されました。
 また、独立行政法人と労働組合の役割について、深谷信夫茨城大教授(つくば集会)、牛久保秀樹弁護士(三多摩集会)がそれぞれ講演しました。



ちひろ&健太のチャットで考える総選挙(2)
 私たちの願いかなう政治つくろう

●私たちの仕事、生活おびやかす25%定員削減にストップを

 健太 今度の総選挙で、僕たち国家公務員労働者がまず考えなければいけないことってなんだろう?
 ちひろ やっぱり、私たちの仕事に直接かかわってくる行政改革の問題じゃないかしら。前回の96年の総選挙以降のこと覚えてる?
 健太 う〜んと、96年から98年の参議院選挙まで「橋本行革」の嵐が吹いたよね。
 ちひろ そうそう。当時、薬害エイズ問題や特権官僚の汚職・腐敗事件が次々おこった。それへの国民の怒りを逆手にとって、「中央省庁等改革基本法」を98年に強行したのよ。

 〈国民の願いに逆行する「行革」の流れ〉
 健太 でも、肝心の「政・財・官のゆ着」の構造には、まったく手をつけずに、省庁再編や行政サービス切りすて、定員削減が強行される国民犠牲の流れになってる。
 ちひろ 98年の参議院選挙で自民党が負けて、橋本内閣から小渕内閣になった。自民党単独政権はくずれたけど、自自公政権ができて、行革をはじめとして国民犠牲の流れは加速したんじゃないかしら。とりわけ自自公を中心とする政権がやってきたことをよく見なくちゃね。
 健太 ホントひどいことばかりやってるね。僕らの仕事にかかわっては、独立行政法人や公社化で国家公務員を25%(13万7千人)も削減するというのも納得できないね。
 ちひろ 5月12日に、私たち国家公務員の定員の上限を2万人以上も引き下げる総定員法が国会で改悪されたけど、反対したのは、共産党だけだったのよ。
 健太 民主党や社民党も公務員削減に賛成なの?
 ちひろ 民主党は、もともと公務員削減に賛成で、もっとスリム化が必要と言って「中央省庁再編関連法」に反対したの。社民党は、行革法案には全部賛成してきたのよ。

 〈定員削減すすめる政党には投票しない〉
 健太 いまでも僕の職場は、長時間残業や休日出勤があたりまえになってて、健康破壊が深刻な問題になってる。それに、パートや派遣労働者など非常勤職員も増えているというのに…。
 ちひろ その上、もともと、日本の公務員数は、他の先進国の半分以下だものね。
 健太 今度の総選挙で、「公務員数を減らすのが行革だ」なんていう世論は変えなきゃね。
 ちひろ そうね。私たちの仕事や生活、国民本位の行政のためにね。

●雇用と労働者の権利を守るあたり前のルールの確立を

 健太 3月の完全失業者は、数・率ともに過去最悪になったね。
 ちひろ リストラ・人べらしの嵐の上に、長期不況で中小企業の倒産が多発しているものね。
 健太 政府・与党は、どういう対策をしてるんだろう?
 ちひろ 政府・与党は、去年の8月に成立させた「産業再生法」で、リストラをすればするほど、企業が税制上の優遇などの支援が受けられるようにしたのよ。
 健太 対策どころか、人べらしを後押ししてるようなもんだ。
 ちひろ フランスでは、今年2月に週35時間労働制ができて18万人分の雇用を増やしたの。時短と解雇規制は世界の流れになってるのよ。
 健太 日本は企業が勝手放題に大量解雇するし、時短どころか「サービス残業」という違法なことが横行してる。
 ちひろ こんな無法状態をやめさせて、解雇規制・サービス残業禁止・労働時間短縮など労働者の権利を守るあたり前のルールづくりのためにも今度の総選挙は大切よ。

●くらし、社会保障を大切にする政治に変えるチャンス

 〈社会保障の相次ぐ改悪で生活不安広がる〉
 健太 4月から介護保険が実施されたけど、負担が重くなって無理心中する悲しい事件も起きてるね。
 ちひろ 介護保険で軽くなったのは国の負担だけだものね。本当に社会保障のあいつぐ改悪は、異常よ。
 健太 だから、いろんな世論調査で生活に不安を感じる人が調査開始いらい最悪の数字になっているんだね。

 〈消費税率15%ねらう自公保政権〉
 ちひろ その上に自公保政権は、「消費税の15%以上への引き上げ」が必要だって言うんだから、ひどすぎるよ。
 健太 でも、財政赤字がたいへんだっていうんだからしょうがないんじゃないの?

 〈サミット6カ国合計よりも多い、日本のゼネコン型公共事業費〉
 ちひろ 政府・与党がやってきたことをよく考えて欲しいの。大銀行に70兆円、大型開発ゼネコン中心の公共事業に50兆円、社会保障には20兆円という世界の常識からはずれてる税金の使い方をしてきたから、財政危機になっているのよ。
 健太 日本の公共事業費は、サミット参加6カ国の公共事業費の合計よりも多いんだ。それに、他の国は、社会保障に公共事業の3倍から6倍の予算をあててる。日本の財政は、まったく逆立ちしてるわけだね。
 ちひろ そうね。この財政の逆立ちを直して、ゼネコンや大銀行に手厚い予算の使い方を、社会保障と国民のくらしに手厚い方向に切りかえる必要があるのよ。
 健太 生活不安が広がってるなか、こんどの総選挙では、国民のいのちとくらしを優先する政治に変えなければいけないね。(次号につづく)


 21世紀の日本の進路を決めるのは主権者である私たち一人ひとり。
 --公示後でもできる活動のとりくみを

 (1)支部や分会の機関紙でも、選挙に直接ふれなければ、通常おこなっている要求と政党や候補者とのかかわりを宣伝することはできます。
 候補者や各政党が、私たちの要求にどのような態度をとってきたのか、どのような政策をかかげているのかなど、労働組合の立場から、機関紙などで職場にひろげましょう。
 (2)国公労新聞、単組機関紙(第3種郵便物で月3回以上、定期的に配布)の選挙特集号の通常の配布はできます。
 それらを使って大いに職場討議をしましょう。ただし街頭での配布や戸別配布はできません。
 (3)個々面接による投票の依頼ができます。
 知人や友人など、たまたま会った人に投票を依頼することは自由です。
 (4)電話による投票の依頼は自由にできます。
 (5)演説会に参加し、政策への理解を深めましょう。
 個人演説会、政談演説会などに自ら聴衆として参加することはもちろん、友人・知人を積極的に誘うことも自由にできます。
 (6)はがき、手紙による投票の依頼も自由にできます。
 選挙事務所にある「選挙はがき」を出すことができます。また自筆の手紙で、私用のついでに投票依頼することもできます。
 (7)後援会への加入やカンパ活動も自由にできます。
 後援会に加入することがきます。しかし、国家公務員は役員になることはできません。カンパに応じるのはさしつかえありません。

●当日投票できない人は不在者投票を

 (1)レジャーや買い物など、私用で投票日に投票できない場合も不在者投票ができます。
 (2)不在者投票は、公示の日からできます。投票時間は、午前8時半から午後8時までで、土曜日、日曜日もできます。
 (3)印かんは、不要です。
 その他、不在者投票のしかたについては、住んでいる市区町村の役所・役場または選挙管理委員会に電話をすれば教えてもらえます。


人間らしく働ける社会をめざして
--三重県国公などがシンポジウム

●21世紀の働き方を考えよう
 【三重県国公発】  5月13日、津市内で「21世紀のはたらき方を考えるシンポジウム」を、三重県国公をはじめ自治労四日市市職労、県内地区高校の教職員組合、新婦人、自由法曹団、大学自治会(学生)などの実行委員会で開催し、新聞報道を見て駆けつけた一般市民を含め70名が参加しました。 このシンポジウムは、現在の不況・リストラ・就職難などに対し、いきいきと働ける職場と社会環境をどうつくるかを、今おかれている立場の違いを越えてともに考えるため開催したものです。高校教員・職業安定所職員・国立大学教授・女性団体から4名のパネリストが、それぞれの分野から問題点を報告し、会場発言で討論を深めました。
 討論のなかで、今の政府の政策では企業の景気回復はあっても雇用拡大にはつながらない、欧州の週35〜32時間労働制のように、日本でもサービス残業をなくして雇用を拡大させる必要があることが明確にされました。また、高校生が職業安定所を訪問している実態や、学校や教師同士を競争させる教育の「規制緩和」が強められるなど、生徒の成長・発展を願う教育とはほど遠いという発言もありました。労働行政に働く仲間からは、労働者・国民と一緒に労働条件などの充実にむけた共同のたたかいをすすめる決意が語られました。
 最後に、不況だからとあきらめることなく、働き方と生き方を結合し個々の生き方を認めあうこと、子どもたちのためにも自らの生き方を考え、人間らしく働くことのできる社会を実現しようと確認しあいました。


霞が関「不夜城」の長時間労働の改善を
--第2回交流決起集会をひらく

 5月24日、東京国公・霞国公・国公労連共催で「第2回長時間労働の改善をめざす交流決起集会」を開催し、15団体・組織から53名が参加しました。 霞が関の本省庁を中心とした慢性的長時間残業を改善させ、6月21日のいっせい定時退庁行動を大きく成功させようと気持ちをひとつにしました。


がんばってます!平和大行進
--神奈川の仲間たち

【神奈川県国公発】 5月6日に東京・夢の島を出発した平和行進は、翌日神奈川へバトンタッチ。県内を13日間、核のない地球をめざして「国公リレー旗」をかかげて毎日行進しました。
 参加者が書き綴ったリレーノートの一部(今回は川柳)を紹介します。

 鎌倉道 反核考え 歩みつつ
 すべての街道が鎌倉へ通じるように、反核の思いが世界に通じることを願って(5月15日・池子基地にて、佐藤公一さん)

 かの時の 熱さ忘れじ 原爆の火
 大船観音・原爆の火の前で、被爆者の話を聞きつつ詠む(5月15日・大船にて、豊田治彦さん)

 潮風に 色とりどりの 旗がゆき
 (5月17日・平塚〜二宮、全法務トマホークさん)


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