生活悪化を許さない運動の強化を
--国公労連第108回拡大中央委員会ひらく
国公労連は6月7日、単組、ブロック・県国公代表の出席のもと、第108回拡大中央委員会を開きました。
今後の政治のゆくえを決める総選挙を目前に開かれた今回の中央委員会では、賃下げ勧告阻止など人事院勧告にむけたたたかいや、新たな定員削減計画反対の行動強化、政治の民主的転換にむけた闘争方針を確認しました。また、中央委員会の付託を受けて開催された9日の中央闘争委員会では、「平均5千円」とする人事院勧告期要求を決定しました。
●「マイナス勧告」許さず、職場から闘争強化を
討論では、26名が発言し、活発な議論がかわされました。とりわけ、2年連続の一時金引き下げ、調整手当の改悪に加え、「ベースダウン」の勧告もねらわれるというかつてない攻撃の強まりのもとで、どのようなたたかいを展開するのかについて、多くの意見が出されました。
討論を通して、「少なくとも、これ以上の賃下げは絶対に許さない」との決意を一人ひとりの組合員が持ち、徹底した当局追及や、中央・地方の人事院に対する要求行動を強めていくこと、7月28日に配置している中央行動を夏季闘争の最大規模の行動として成功させるなど、情勢のきびしさをはねかえすたたかいの強化が確認されました。
こうしたたたかいを積み上げつつ、賃下げ勧告が強行された場合の行動配置については、理不尽な攻撃には毅然と立ち上がることを基本に、職場と地域から、確信の持てるたたかいにむけて、積極的な議論をすすめていくこととなりました。
●定員削減をストップさせ、必要な要員確保を
ブロック・県国公からは、国民本位の行政体制の実現を求めた団体署名や、全国キャラバン行動などについての発言がつづきました。
「署名目標の過半数を突破。行政相談活動では、国民の声を感じた」(東海ブロック)、「連合組合をふくむ実行委員会で、シンポジウムを開催」(三重)、「県労連のキャラバンに参加して共同をひろげた」(福岡)などいきいきとした経験が報告されました。
これらの2000年春闘の行動を土台に、この時期の重点課題として、政府が7月にも閣議決定をねらう「10年10%」の定員削減計画をストップさせるために、総務庁前座り込みや、定時退庁行動などに総力をあげることが確認されました。
●仲間のいのちと健康をまもる定時退庁行動の成功を
夏季闘争の第2波行動週間のなかで、7月3日からの3日間を統一行動期間として、「定時退庁行動」が提起されています。
この行動は、これ以上の定員削減をやめさせ、必要な要員確保を実現することと、賃下げを許さず、生活改善をはからせることを、一人ひとりの意志で要求していくとりくみです。
職場の人減らしがすすむなかで、行政サービスの低下とあわせて、労働強化による健康破壊も深刻です。 そのなかで、定時退庁行動を、人間らしい仕事と生活を求め、仲間のいのちと健康、職場を守るたたかいとして位置づけ、すべての組合員の参加で成功させていくことが求められています。
●政治の転換をはかる課題と要求実現を結合させて
総選挙をひかえ、討論では、政治の民主的転換を求める発言があいついだことが特徴です。
今年の夏季闘争では、政治革新をめざすたたかいを、みずからの要求実現のたたかいとしっかりと結びつけながら、一つひとつの行動を成功させるため、職場から奮闘していくことが重要となっています。
6月25日の総選挙では、国民犠牲、行政サービス切りすての悪政に、きっぱり審判をくだしましょう。
ちひろ&健太のチャットで考える総選挙(3)
国民が主人公の平和で明るい日本へ
●「天皇中心の神の国」でなく「国民中心の平和な国」へ
〈森内閣支持率は10%台まで急降下〉
健太 総選挙を目前にして、いろんなマスコミの調査で、森内閣の支持率が10%台まで急降下してるね。
ちひろ 「日本は天皇を中心にした神の国、そのことを国民に承知してもらう」なんてことを言う森首相に、国民がノーをつきつけるのは当然だと思うわ。
〈侵略戦争の推進力となった考え方〉
健太 日本の侵略戦争でたいへんな被害を受けたアジア各国はもちろん、サミット参加国のマスコミからも批判をあびてるね。
ちひろ 「日本は神の国だから何をやってもいいんだ」というのが、戦前の「神国」思想で、侵略戦争の推進力になった考え方だものね。
健太 その上、天皇が「神の国」の中心だって言うんだから、総理大臣なのに、憲法を読んだことがあるのか、うたがっちゃうよ。
〈「神国思想」「天皇主権」を30年来、国民に周知し続ける森首相の信念〉
ちひろ ホントね。憲法の前文には、「ここに主権が国民に存することを宣言し」と、ちゃんと書いてあるわ。それをまっさきに守らなければいけない首相が、「天皇主権」だなんて、あきれちゃう。
健太 しかも、この発言は、たまたま飛び出した失言じゃないということを、僕たち国民は、よ〜く見ておく必要があると思うよ。
ちひろ そうね。森首相が、神道政治連盟の集まりで、30年来、その考え方を国民に周知徹底するために政治家としてやってきたし、これからもやっていくという話の中で語られたものだものね。
健太 国民からの強い批判で釈明会見をやって、「意を尽くさぬ表現で、誤解を与えたこと」はあやまったけど、発言を撤回するとは最後まで言わなかった。発言を撤回しなかったのは、森首相が30年来の自分の政治信条を変えるつもりはないということの表明じゃないのかな。
ちひろ 私もそう思うわ。
〈「神の国」を容認する自公保に、21世紀の日本はまかせられない〉
健太 それに、このことは、森首相ひとりの問題ではすまないよ。
ちひろ こんな人物をおしたてて首相の座につけた上に、「神の国」発言を容認したまま総選挙に入った自民党や公明党など与党の責任も重大ね。 健太 「主権在民」の憲法を順守する義務がある僕たち国家公務員労働者は、憲法の基本的な原則を踏みにじって平気でいる自公保に総選挙でノーをつきつけなればいけないよ。
〈憲法9条は21世紀の世界の国々がめざすもの〉
ちひろ 森首相は、所信表明で、首相として、はじめて「有事立法制定」をめざすことを明言したわ。憲法調査会を足場にした憲法改悪の策動とともに、注意が必要ね。
健太 最近、「憲法が古くなったから変える必要がある」という意見があるけど…。
ちひろ 古くなったどころか、世界的にも日本国憲法が先駆的だと注目をあびているのよ。
たとえば、憲法9条のことが問題になるけど、これは平和主義の宣言として、世界からもこの値打ちを評価して、取り入れようじゃないかという動きが強まっているのよ。去年、オランダのハーグで開かれた国際市民平和会議が、「行動指針」のトップで、「各国の議会は日本国憲法の9条を見習って、戦争放棄の決議をすべきだ」と明記したの。
健太 なるほど。
ちひろ 世界的にも先駆的な憲法を改悪しようとする自民党政治の流れを、今回の総選挙で変えていくことが平和な21世紀の日本をつくる上でとても大切なことね。
●国民より米軍を大切にするゆがんだ政治を変えよう
ちひろ 沖縄サミットで沖縄県民が世界に向かっていちばん訴えたいと思っていることは、なんだと思う?
健太 なんだろう。
ちひろ 沖縄県当局がおこなった県民調査なんだけど、第1位が「米軍基地問題」、第2位が「県民の平和を愛する心」という結果が出てるわ。
健太 やっぱり、沖縄本島の20%を占拠する米軍基地の問題は、大きいね。でも、米軍が日本を守ってくれているんだから仕方ないって言うんだけど…。
ちひろ ところが、日本にいる米軍は、日本を守ることとはまったく関係のない部隊ばかりなのよ。
健太 日本にいる米軍は、日本を守ってくれないの? ちひろ 沖縄にいる海兵隊は、西太平洋、インド洋、地中海、アフリカ沿岸までを作戦範囲にしてて、なにかおこったら他国へ出動する「なぐり込み部隊」なのよ。
健太 アメリカはなんて言ってるの?
ちひろ 「沖縄の海兵隊は、日本の防衛にはあてられていない」(1982年、ワインバーガー国防長官)って言ってて、他国への「なぐり込み部隊」だと明言しているのよ。
健太 そんな状況で、去年、自自公が強行成立させた新ガイドライン法=戦争法で、アメリカが戦争をおこせば、自衛隊が米軍の補完部隊として、自動的に参戦することが決められたりしているんだから、たいへんなことだよ。
ちひろ それに、沖縄の普天間基地にかわる新基地には、朝鮮半島や台湾海峡まで攻撃できる最新鋭機「オスプレイ」を配備して、200年の耐用年数を持つものをつくろうとしているのよ。
健太 それから、まるで日本が植民地のようなあつかいをうけてる米軍の勝手放題の低空飛行や離発着訓練なんかの基地公害が全国で問題になっているね。
ちひろ 全国で100万人をこえる住民がたえがたい騒音公害をうけているような実態は、ヨーロッパにあるアメリカの同盟国はもちろん、アメリカ本国にもないことで、ホントに植民地のようなあつかいだわ。
健太 その上に、安保条約上の根拠もない、米軍への「思いやり予算」が、日本経済をささえる中小企業の対策費よりも多いというんだから、国民をバカにしているよ。(下図参照)
ちひろ この総選挙で「国民が主人公」の政治へ、変えていかなくちゃね。
●25日は、選挙に行こう--あなたの棄権を喜ぶのは、悪政進める政党です
〈明るい21世紀へあなたの一票を〉
本紙3号にわたる選挙特集記事で見てきたように、行政サービス切りすての行革や国家公務員の25%定員削減などの悪政は、私たちの仕事と生活に直撃します。6月25日の投票日には、この悪政の流れを変えるあなたの一票が大切になっています。20世紀最後の選挙で私たちの願いがかなう社会へ向かうよう必ず投票に行きましょう。
〈人事異動で転居された方も棄権せず、投票所へ〉
4月の人事異動などで転居された方は、移転先での居住期間が公示前3カ月以上であれば現在の市区町村で名簿登録されます。今回の場合、4月異動で転居された方は、移転前の居住地で投票することになります。ただし、遠方である場合には、投票用紙の送付を依頼することが可能で、現在の投票所で投票することができます。詳しくは市区町村の選挙管理委員会へ問い合わせてください。
一人ひとりが自分らしく輝こう
--第30回国公女性交流集会で女性パワー全開!
6月2・3日、第30回国公女性交流集会が、山形県天童温泉において、15単組・44県国公から632人の参加でひらかれました。木々の若葉がとてもきれいな季節のなか全国の仲間がつどい、東北ブロック実行委員会の協力で大きく成功しました。
集会初日は、国会解散日。「21世紀にむけて、女性の願いが実現する政治をめざそう」「憲法改悪を許さず、平和をまもり、男女平等を実現しよう」と確認しあい、参加者全体で心をひとつにしました。
●オープニング〈お国言葉で憲法9条〉
オープニングは、きたがわてつさんの音楽〈憲法前文〉にのって、登場したのは姉様かぶりの加賀谷久子さん(秋田大学)。あたたかい語り口の秋田弁で、平和の大切さ、憲法の重要さを語ってくれました。
●記念講演〈男性社会の常識を変えよう〉
鋭い洞察力と辛口批評で多くのファンを持つ辛淑玉(しん・すご)さんは、東京生まれの在日コリアン3世。「おかしいと思ったら自分の意見をきちんと伝えよう」と、熱いメッセージを贈ってくれた辛さん。ユーモアあふれる講演に、会場は笑いの渦につつまれました。
また、在日外国人に対する石原東京都知事の「三国人」発言にも触れ、「あらゆる差別は戦争・殺人へつながる」と訴えました。
〈参加者の感想〉
全法務・熊本(20代)
パワフルな辛さんの語り口に魅きつけられっぱなしでした。性・民族・人種などのいかなる差別をも許さないという強い姿勢が感じられ、自分の意識はどうだろうと深く考えさせられました。
全運輸・宮城(20代)
「辛抱するばかりでは進歩はない」との言葉に共感しました。職場の中で、日々の生活の中で、常に他人の目を意識して生活していますが、少しづつ自分の意見、要求を周りに向けて発し、社会全体も、新しい方向(すべての人が生き生きと生きていく)へ向けて進んでいくことを望みます。
●全体会
会場入口には、一人ひとりの要求が書き込まれた「さくらんぼのタペストリー」が、全国の仲間を迎えました。
国公労連藤田委員長の激励あいさつ、東北ブロックの歓迎あいさつで、全体会がはじまりました。
伍女性協議長の基調報告に続き、職場・地域から、国立湯田川病院の統廃合反対のたたかいを訴えた全医労の仲間、昇格闘争にかかわり全建労から、これまでの差別の解消をめざす要求前進の報告がありました。
アトラクションは、参加者全員で花笠踊りを踊り、おおいに盛り上がりました。
2日目の全体会は、アピールと2つの決議を採択。単組・県国公紹介に続き、「青い空は」を全員合唱して、来年の再会を誓いあいました。
●分科会
集会2日目は9つの分科会にわかれ、それぞれ熱心な討論がおこなわれました。
〈参加者の感想〉
全厚生・秋田(20代)
先輩方がどのように考えて、仕事をしているのかを知れてよかったです。きっと、自分のこれからの人生にとって、とても参考になることだと思います。ここで学んだことをきちんと、これからの生活に生かしていきたいです。
全国税・大阪(40代)
食べるということは生きるための基本。だからこそ、よい自然環境を残しつつ、安全で安定した食糧自給をおこなうことが大切。かしこい消費者になり、社会参加の中で、政治を変えていく必要性を感じました。
〈裏方さん〉
多田康子さん(20代)
(東北ブロック実行委員・全気象宮城分会)
交流集会が無事終わりホッとしています。集会では物品販売の担当でした。置賜紬(おいたまつむぎ=絹織物で伝統的工芸品)の商品はとてもきれいだったこともあって、がんばって売りました。財政活動では、安く仕入れるために製造元に直接足を運んだり、財政担当者で話し合いを積み重ねたものでした。私は山形出身なので、みんなが「花笠踊り」を楽しそうに踊ってくれたことがうれしかったです。 これからも仲間とともにがんばります。
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