国公労新聞 第1051号

 新たな定員削減計画ストップを
 --7月12日〜18日、総務庁前座り込み行動へ怒り集めよう

  ●総選挙終わり、強まる「大増税のための公務員減らし」

 6月25日におこなわれた総選挙で、大幅に議席を減らした自公保3党は、翌26日に森首相の続投を確認するとともに、3党連立政権合意をかわしました。
 その中で、「安易な増税に向かうのではなく行財政改革が重要」とし、3党幹事長などによる「改革推進機関」を組織するとしています。かつての「土光臨調」は、「増税なき財政再建」をスローガンに、公務員削減や国鉄の分割・民営化などの「行政改革」を強行し、それを突破口として1989年に消費税を導入しました。
 また、1997年に消費税率が5%に引き上げられた際も、中央省庁再編などの「橋本行革」推進が打ち出されました。
 総選挙でも争点になったように、自公保政権は、消費税率を10%以上に引き上げることをねらっています。そのための「露払い」役を、三度、行政改革=公務員減らしに求めようというのです。

  ●サミット前の閣議決定ねらう

 このような状況の中で、いま「新たな定員削減計画」の閣議決定に向けた作業が進められています。
 6月20日頃には、行政管理局が各省に対して「削減率の内示」をおこなった模様です。事務レベルの作業は、「沖縄サミット」前の閣議決定を念頭に進められており、早ければ7月14日の閣議で決定される可能性さえ生まれています。
 内容は、中央省庁等改革基本法が定める「(2001年1月以降)10年間、10%」以上の達成を目標に、当面する5年間の削減率を非現業国家公務員の平均で5%以上にすることがもくろまれています。
 増大する行政ニーズや、高度・複雑化する業務内容、乾いた雑巾を絞るような人減らしの強制などで、行政サービスが低下し、過労死が発生するほどの過密労働が、まんえんしています。「これ以上の定員削減の余地はない」、これがすべての国公職場の実態です。
 「計画削減は、行政需要の変化に対応した政府全体の定員適正配置をおこなうもの」とするという説明とは裏腹に、80年代以降の現実は国家公務員純減のための計画に変わっています。とくに、この数年間の定員管理では「小さな政府」実現の数字目標化しているのが現実です。「職場からこれ以上定員を取りあげるな」、「当局は職員のいのちと健康をまもる責任を果たせ」、「行政サービスを切りすてるな」などの要求を前面に、政府、使用者・当局を職場から追求する取り組み強化が求められています。
 国公労連は、7月3日から5日に全国統一の「定時退庁行動」を提起し、5日には中央行動とも呼応した全国いっせい定時退庁行動の実施を呼びかけています。また、閣議決定時期と考えられる7月12日から18日には、総務庁前の座り込み行動を展開することとしています。
 このような行動を背景に、職場からの当局交渉、中央段階での政府・各省交渉を強化します。定員削減計画の押しつけに反対し、職場と行政の実態をふまえた検討を求めましょう。


人勧期要求書を提出
 --2年連続の一時金切り下げ、ベースダウン勧告は許さない

 国公労連は、6月20日、人事院に対し2000年人勧期要求書を提出しました。

 定員削減許さず職場をまもるたたかいを
 --第34回行(二)労働者全国集会ひらく

 6月22・23日、国公労連第34回行(二)労働者全国集会が東京・水月ホテルでひらかれ、前回を大きく上回る11単組・136名が参加しました。
 集会は、藤田委員長あいさつ・実川調査部長の基調報告をうけて、全建労、全通産、全港建、全医労の4単組から、とりくみ報告がおこなわれました。

●昇格・運用改善の切実な要求だされる

 この後、全体討論で、各職場の実態や要求、運動を交流しあいました。
 この中で、「16年ぶりに本省守衛3名の後補充が実現した。責任をもった守衛業務のため後補充を、と未加入者を含む全員で要求し、働きかけた成果。組合加入も前進した」(全通産)、「自分たちの仕事は自分たちで確保する、と運動をおこない、一律不補充を許していない」(全司法)、「いのちをあずかる医療職場の安全確保をはかれ、とねばり強くたたかい、看護助手、調理師などの後補充をさせている」(全医労)など、力強い発言が相次ぎました。

  □  □

 続いて、上方落語界で社会派新作落語を得意とするグループ・「笑工房」(しょうこうぼう)の桂福車(かつらふくしゃ)師匠による創作落語『21世紀は組合だ』に聞き入りました。爆笑につぐ爆笑のなか、労働組合の大切さをあらためて実感できました。

職種ごとに交流深めた分散会


 翌日は、9時から5つにわかれて分散会をおこない、職種ごとに昇格などの交流を深めました。
 全体集会の最後に、「@一律の行(二)労働者の削減は、国民サービスや安全などを切りすてるものであることが共通の認識になった、Aねばり強くたたかえば要求は前進することに確信をもって、職場・単組のとりくみを強めよう、B概算要求期から年度末にむけ、昇格基準・運用改善のとりくみを強めよう」との集会まとめを全体で確認し、閉会しました。

 参加者の声

 〈つらい思いをしている仲間が全国にいる〉
 全建労京浜支部の方
 私は横浜市内の河川出張所で昼食賄と清掃業務をしています。職場のみなさんに気持ちよく仕事をしていただくために、誇りをもって働いています。
 でも、定員削減で私たち行(二)職員は、1万人以上減らされて今では500人ほどになってしまい、先行き不安がいっぱいです。関東地建当局は、12年度末までに首都圏の事務所・出張所の昼食賄業務を廃止すると決めたのに、私たちには具体的な説明をしてくれないのです。
 なかなか昇格できず、つらい思いをしている仲間が全国にたくさん残されています。みんなと力をあわせて明るくがんばります。

 〈船も人も減って将来が不安です〉
 全港建神戸港支部の方
 油回収兼海面清掃船「紀淡丸」の航海士をしています。入省時の9年前とくらべると職場の直営運航船は6隻から2隻に減り、定員削減の影響で行(二)の仲間も大幅に減っています。
 これ以上、環境整備船(海面清掃船・油回収船)を減らすことは一般船舶の安全面や行政サービス低下につながります。民間委託化の攻撃もあり、自らの処遇も含めて将来はとても不安です。 この集会終了後におこなう港湾局との交渉で、職場からの「生の声」を当局にぶつけたいと思います。


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