2年連続の年収マイナスを許すな!
--怒りこめ職場から「連判状」の集中を
〈勧告の影響うける750万労働者と連帯しよう〉
8月15日、人事院は、(1)較差が、昨年の半分にも満たない史上最低の447円、0・12%のベア、(2)そのベアを俸給表改善には配分せずに扶養手当改善に全額使用、(3)一時金について、昨年に次ぐ0・2月を切り下げること、の賃金勧告をおこないました。また、2年越しのたたかいとなった調整手当「見直し」でも、14地域の指定解除・引き下げが報告にもりこまれました。
●平均約7万円の年収切り上げ
国公労連は、「平均5千円」の賃金改善要求を前面に、2年連続の一時金切り下げやベースダウン勧告、調整手当改悪の「トリプル改悪」反対を昨年以上に重視し、5日間連続の人事院前「座り込み行動」などで、勧告直前までねばりづよくたたかってきました。組合員と家族の切実な要求や、たたかいの経過に照らして、勧告は認めることのできない内容です。
国公労連は、勧告直後に、「年収切り下げとなる給与法改定反対」の要求を政府に提出しました。
勧告が完全実施されれば、平均で約7万円もの年収切り下げになります。一時金は、この2年間で0・5月切り下げの4・75月となり、30年前の支給月数にまで一気に後退してしまいます。「家計への影響」に配慮したとする扶養手当の改善も、4割の職員に「焼け石に水の効果」しか及ぼしません。定期昇給を加味しても、なお、40歳代半ば以上の層では、年収が前年を下回ることも確実です。
●連続の賃下げ勧告で問われる「代償措置」
民間賃金をいかに厳密に調査した結果とはいえ、2年連続の賃下げ勧告が、「民間準拠」を根拠におこなわれることも問題です。
1970年代に相次いだ反動判決で、公務員のストライキ権全面禁止を「合憲」とする判例が定着しています。しかし、いっぽうで、「代償措置さえあれば全面禁止は合憲」とする判断には強い批判があります。その点では、官民の賃金調査結果のみを根拠にした「代償措置」に「賃下げまでゆだねていない」とする主張は道理のあるもので、この点の確認を政府に迫ることが重要です。
一昨年来、当局による賃金カットが自治体で相次いでいることもあって、政府・与党には、すきがあれば国家公務員の賃金カットを強行しようとする動きもあります。その点でも、労働条件の切り下げにはあくまでも反対する姿勢を明確にしめすことも大切です。
●賃金決定時期みすえ立ち上げり早いとりくみを
国公労連は、職場から内閣総理大臣に対して、「中させることを提起しています。補正予算の関係もあって、臨時国会の招集時期の早まりも予想され、それにともなって公務員賃金の取り扱い決定も昨年(9月20日)程度になることも考えられます。立ち上がり早い取り組みが必要です。
また、国会段階のたたかいも重要です。中央・地方での国会議員要請を10月段階で実施することで準備をはじめます。
長引く消費不況を労働者のたたかいで克服する道筋を開くためにも、勧告の影響をうける750万労働者との共同を追求し、ねばり強くたたかいましょう。
21世紀にむけて共同のたたかいを
--全労連第19回定期大会ひらく
全労連第19回定期大会が7月25日から3日間、東京都内で開かれました。今回、定期大会の隔年開催を打ち出したことにともない、運動方針も2000〜2001年度の2年間にわたるものになりました。
討論では約70人が発言。リストラ「合理化」反対闘争での各地からの生き生きとした経験報告をはじめ、生活改善にむけた賃金底上げ要求実現のたたかい、国鉄闘争の前進、さらに、この秋にとりくむ「網の目キャラバン行動」などについて熱心な議論がかわされました。
国公労連からは小田川書記次長が、行革闘争の現状と運動の到達点について発言し、今後とも「対話と共同」を発展させていく決意がのべられました。 運動方針とあわせて、「『21世紀初頭』の目標と展望(案)」が提案されました。その内容は、(1)大企業の民主的規制、人間らしく働くルールの確立(2)国民生活の最低保障(ナショナル・ミニマム)の確立(3)憲法と基本的人権の擁護、国民本位の政治への転換などを柱としており、全労連がめざすべき中期的な目標を明らかにしています。
また、今回の大会では、定期大会の隔年開催、非常任幹事の配置による執行体制強化などの「機構改革」が承認されました。 なお、新役員体制では、国公労連からは、引き続き熊谷副議長、木下幹事が、また、新たに非常任幹事として黒田幹事が選出されました。
核兵器廃絶へ国際協議の開始を
--被爆国として役割果たすよう日本政府への署名を提起
〈原水爆禁止世界大会ひらく〉
20世紀最後の原水爆禁止世界大会が、被爆55周年をむかえた広島と長崎で8月4日から9日にかけ、おこなわれました。
今年の世界大会は、核兵器廃絶に向け国際的にも新しい変化がうまれている中で開かれました。それは、今年の4月に国連でひらかれた核不拡散条約(NPT)再検討会議が、一致して採択した最終文書で、「完全な核兵器廃絶に向けた核保有国の明確な約束」を明記したことです。これまで核保有国は、核兵器廃絶を事実上棚上げする「究極廃絶」論を展開してきましたが、国連の公式の会議でこれが退けられたのは史上初めてであり、世界的な核兵器廃絶の世論、草の根の運動の広がりの反映です。
しかし、核保有国の抵抗により、核兵器廃絶の期限や方法などは欠落したため、核保有国を核兵器廃絶に向けて縛るものとはなっていません。
この新たな状況を受け、世界大会では、9月から始まる国連ミレニアム・サミットや総会に向け、国連と各国政府に、核兵器廃絶の「明確な約束」の実行へ国際協議のすみやかな開始をせまる草の根の運動を急ぎ、大きく広げることを確認しました。
また、日本政府にたいし、被爆国として核兵器のすみやかな廃絶へ役割を果たすよう求める「対政府署名」を「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」署名と合わせて、草の根からただちに始めることを確認しました。
●参加者の声
全港建東京(39歳)
核兵器のない21世紀に向けた情勢が大きく変わってきているのが、はっきり感じられ、元気をもらいました。職場にもどって、この大会で知ったさまざまな草の根の活動を紹介し、平和への取り組みが前進できるようがんばりたいと思います。
全司法石川(25歳)
初めての参加でしたが、たいへん勉強になりました。この大会で学んだことを職場に帰ってから、一人でも多くの人に話して、みんなの関心を深め、核兵器のない21世紀を達成するために、署名などのあらゆることでがんばっていきたいと思っています。
岩手県国公(41歳)
開会総会では、被爆者の方の貴重な体験談を聞くことができ、分科会では、岩国基地を見て、米軍がいかに勝手に日本を利用しているか、またそれに対し日本政府が貴重な私たちの税金をムダづかいしているかを知りました。今回見て聞いてきたことを一人でも多くの人に訴えていきたい。原爆は、広島・長崎だけの問題のように言う人がいるが、日本全体、世界全体の問題であることを理解してもらえるよう努力していきたい。
福島県知事候補・山口文彦さんを推せん
国公労連中央執行委員会は、福島県国公の要請をうけ、福島県知事選挙(9月3日投票)に「みんなで新しい県政をつくる会」(福島県労連や共産党など15団体で構成)が擁立している山口文彦さん(現福島県労連議長)の推せんを決定しました。
3期12年つづいてきた自民党の佐藤県政は、福島空港滑走路つくりかえや小名浜港人工島の埋め立てなど、もっぱら大手ゼネコンの大型公共事業に莫大な税金を投入してきました。その結果、県の借金は、佐藤知事の就任当時の2倍以上にふくらみ、今年度の県の予算額を約1千億円も上回る規模(1兆1千億円)となっています。そして、このしわ寄せを県民に押しつけ、「県内80町村中38町村には特別養護老人ホームや老人保健施設が一つもない」「生徒一人あたりの教育予算は東北最低」など、全国でも最低クラスとなる福祉・教育の状態にまで、県民生活を悪化させています。
県労連議長として、働くものの暮らしを守る先頭に立ってきた山口さんは、ゼネコン奉仕の県政をきりかえ、県民の暮らし最優先の県政をめざして奮闘しています。
全労連と中国総工会(組合員数1億人強)が初の交流
--副団長として国公労連・藤田委員長、青年代表で山川中執が訪中
7月4日〜11日、全労連初の中国公式訪問がおこなわれ、同国のナショナルセンター中華全国総工会をはじめ、せん西省、上海市の総工会と交流をおこないました。訪中団には、国公労連から藤田委員長が副団長として、また山川中執が青年代表として参加しています。
中華全国総工会は、16の産別と各省・市などの総工会からなり、組合員数は1億人強、専従者だけでも45万人を抱える巨大な組織で、中国で唯一のナショナルセンターです。ですが、いわゆる「国家公務員」の労働組合はつい最近結成されたばかりで、中華全国総工会側は、われわれ国公労連の活動に興味をもっていたようです。
中国の公務員との交流として、労働社会保障部を公式訪問しました。労働社会保障部は、日本の労働省と厚生省の社会保険業務を合わせたような組織で、失業保険や年金など社会保障業務と権利の保護とともに、国有企業の再編で、大量に発生している「シャーカン」(リストラ)労働者の再就職事業などを仕事としています。組織には、同部の副部長の人選には必ず中華全国総工会の同意が必要で、ほかにも政策決定や実施にあたって労働組合の意見が重視されていました。
藤田委員長から、日本における行政改革の問題などでの労働組合のたたかいが紹介されましたが「国の政策に職員が反対している」ことが理解できない様子でした。政府の施策・方針の遂行にいきいきと働いているその姿に、日本とのちがいをあらためて痛感させられました。
全労連は、今回の訪中を皮切りに各単産・地方労連と中国の労働組合との交流を促進していくこととしています。国公労連でも、交流をすすめていく予定です。
トップページへ
国公労新聞へ
|