国公労新聞 第1059号

●国民生活を踏みにじる悪報が目白押し!    

自公保三党の悪報を許さず運動の強化を

 開会中の第150臨時国会では、給与法「改正」案とともに、国民生活や日本の民主主義にかかわる法案の審議がひかえています。自公保三党は、この国会でどんなことをねらっているのでしょうか。
 参議院比例選挙を「非拘束名簿式」に変える選挙制度の改悪を、与党三党は国民の議論もないまま一気にすすめようとしています。
 もともと久世前金融再生委員長の「党費立て替え」問題がことの発端ですが、自民党の金権体質にはフタをして、選挙制度に欠陥があるかのようにすり替え、そのあげく、タレントや組織ぐるみ候補が大量に獲得した票の「横流し」をねらうとはとんでもありません。
 与党三党は、野党欠席のまま、特別委員会を開き、成立を強行する構えです。二重三重に民主主義をふみにじる暴挙です。
 また、総選挙を前に、与党が先の国会で棚上げにした健康保険法改悪案がふたたび国会に提出されました。70歳以上の医療費の定率1割負担を内容としており、これを許せば、お年寄りにとっては、年金給付の削減、介護保険料の徴収開始につづくトリプルパンチです。国民の生存権にかかわる問題として重大です。

〇補正予算は国民生活にまわせ
 前国会で廃案になった少年法「改正」案も臨時国会にかけられます。少年犯罪をうみだす管理教育など社会のゆがみには目をむけず、もっぱら厳罰化で犯罪防止をめざす少年法「改正」に反対し、引き続き共同したとりくみが重要です。
 また、今国会では、「景気対策」にむけた補正予算案が審議されます。従来どおりの大型公共事業中心のゼネコンへのバラまきでは景気回復につながりません。
 補正予算を組むならば、有珠山や三宅島の噴火、鳥取地震などあいつぐ自然災害の被災者支援をはじめ、開始から半年がすぎ、問題が噴出している介護保険の保険料や利用料の減免など、さしせまった課題にお金を使うべきです。

〇賃下げとなる給与法「改正」に反対
 2年連続の年収切り下げとなる給与法「改正」案は、10月6日に国会に提出されました。民主・社民が「早期の完全実施」をもとめていることから、短時間の審議で成立強行も予想されますが、「要請署名」などのとりくみを通して、年収ベースの切り下げを許さない決意と怒りを示し、勧告の影響をうける750万労働者との共同をめざすためにこの秋のたたかいは大切です。
 21世紀を目前にしたこんどの国会では、長期不況を民主的にどう打開していくのか、社会保障や教育の拡充をいかにはかっていくのかなど、国民生活の改善にむけた真剣な討論こそもとめられています。
 自公保三党による数々の悪政の強行を許さないために、職場や地域から声をあげていくことが重要です。

●2年連続の賃下げ許すな 第1次中央行動を展開
 政府が、2年連続年収マイナスとなる給与法「改正」案の提出をねらっているなか、国公労連は、公務労組連絡会に結集して、9月29日、秋年闘争第1次中央行動をくり広げました。
 臨時国会が開会されて初の国会請願デモ行進には、昼休みに1500人が参加しました。 その後、衆議院内閣委員・参議院総務委員に対し、給与法「改正」問題と定員削減問題を中心に国会議員要請行動をおこない、並行して、総務庁に対し、給与法「改正」反対の職場連判状の提出要請行動も実施しました。最後は、総務庁前要求行動と、総決起集会で行動をしめくくりました。

●職場の熱い声を聞け!
 全国税が1万2千人を越える署名を提出
「職場の仲間は本当に怒っている!」一人ひとりの怒りがこめられた賃下げ反対押印署名を、全国税の仲間の手で、9月29日に森首相あてに提出しました。この署名は、全国税の組合員数の10倍以上の1万2681人分にのぼり、北海道から職場カンパで上京した組合員など総勢30人が中央行動の国会請願デモに参加した後、独自に総理府へ要請し、2年連続賃下げ反対の職場の声を訴えました。
 全国税は、人事院勧告が出てすぐ「賃金切り下げ反対」の署名を提起し、北海道の札幌南分会では組織分裂後初の署名過半数を突破するなど、全国で大きな成果を上げています。職場の管理職をまきこんだ署名の取り組みで、たたかいが大きく前進していることの反映です。
 なお全国税は、政府は使用者責任を果たすためにも、また国民生活擁護に責を負う政府として、閣議決定を取り消し、国会に給与法「改正」案を上程しないよう、税務職員を代表して強く求めるという「賃下げ人勧実施に反対する声明」を9月29日付けで発表し、各省庁にはたらくすべての国家公務員労働者に、たたかいを呼びかけました。


●10〜12月は秋の組織拡大月間です
  
 賃金ダウンや、定員削減による労働強化など職場は大変な状況です。
 そんな時だからこそ、労働組合を強くするため、組織強化・拡大にむけた取り組みが重要になっています。
 「10人に1人の世話役づくり」を追求しながら、未加入者の組合への加入よびかけなどを、この月間中に集中してとりくみましょう! 


●昇格基準・級別定数 抜本的な改善を勝ち取ろう

〇昇格闘争の意義
 秋季年末闘争は、級別定数の改定時期にあたり、昇格闘争にとっても重要な時期です。
 国公労連は、すでに9月26日に「2001年度昇格改善要求書」を人事院に提出。10月上旬から11月にかけて交渉と行動をつみあげてたたかいます。
 昇格闘争が重要なのは、次のような点からです。
(1)「第2の賃金闘争」としての意義
 私たちの賃金は人勧やベアだけで決まるのではありません。個人ごとの賃金は、それぞれが具体的に何級の何号俸に格付けられるかで決まります。したがって、その格付けのあり方は重要な賃金闘争の課題となります。
(2)仕事の正当な評価による公平な賃金を求める意義
 自分が現在携わっている仕事の困難性や重要性を正当に評価させるたたかいでもあります。
(3)最終到達水準の改善で将来を見通せる賃金を確立する意義
 私たちが将来最終的に何級まで到達できるかは、生涯生活設計や労働のあり方にもかかわり、将来見通しをはっきりさせて、意欲をもって仕事に従事できるようにすべきです。
(4)客観的で公平な昇格基準を確立する意義
 「能力・業績主義」の影響で、政府・人事院とも年功的な昇格ルールを改め「逆転人事」すら認めようとしています。公務職場では、年齢・勤続と職務の重要度・困難度がほぼ対応関係にあり、職種や年齢・経験年数という客観的なモノサシによる公平な昇格を実現し、無用な格差を排除するという意義をもっています。

〇昇格をめぐる現状
 ところが、現在の級別定数改定状況や職務評価のやり方には、次のような問題が残されています。
(1)省庁間、機関間格差の存在
 本省や企画立案部門の評価を優先させ、いっぽうで実施部門や地方出先機関が冷遇されています。
(2)性別格差の野放し
 「男女共同参画」が叫ばれていますが、昇格の男女格差は歴然です。女性の上位級の在級割合は低く、本省課長相当職以上ではゼロに近い状況です。
(3)行(二)部下数制限による昇格の抑制
 定員削減のシワ寄せで職場の存立自体があやうい行(二)職場で、昇格の要件としていまだに「部下数」が存在している不合理は許せません。
(4)専門職等の格付けの低さ
 高度の専門性や経験を要する専門職等のポストが、課長・係長といったライン官職中心の評価が貫かれるなかで、相対的に低くとどめられています。「複線型人事」などが叫ばれるなかで、専門職ポストの評価基準が確立していないのは重大です。
(5)枠外号俸者の増大
 行(一)7級「枠外」は本年4月時点で4032名(19・5%)に達し、実に5人に一人が枠外です。定数不足が長年の知識・経験の蓄積や、仕事の困難度の高まりを正当に評価できないことにつながっています。

〇公平・公正な昇格を
 こうした問題点の抜本解決のためには、「標準職務表」など昇格の制度的改善と級別定数の改善が不可欠です。当面は、「第2双子」に到達する前に昇格できるような定数改善が必要です。
 その上で、男女とも研修や能力発揮の機会を平等に保障することなどを通じ、一定レベル(例えば行(一)6級)までは各省同一のペースで昇格できるような改善を行わせることです。そのためにも劣悪な4級、5級退職者を一掃し、「だれでも8級」退職実現にむけ、産別と単組が一体となったたたかいを進めることが重要です。


●昇格ワンポイント解説

【昇格ってなに】
 職務の級を同一の俸給表の上位の級に変更することです。例えば、行(一)3級を4級にすることです。
【昇格のための要件は】
 職務がその級に応じていること(主任・係長でなければ4級には格付けされない)、級別定数に空きがあること、級別資格基準表に定める必要経験年数または必要在級年数を有していることなどの要件があります。
【昇格後の給与は】
 通常は対応号俸(昇格前の号俸と同じ額の号俸。なければそのすぐ上の金額の号俸)になります。例えば2級6号俸の対応号俸は3級3号俸となります。また、4級・行(二)の場合は2級・以上の級へ昇格する場合は、対応号俸の1号上位の号俸となり、特昇1回分の効果があります。
【昇格は省庁でまちまち】
 各省庁で係長や補佐になるスピードや級別定数の数はまちまちで、全省庁に共通する「昇格基準」はありません。各省庁における昇格基準を明らかにさせ、級別定数を抜本的に改善させることが昇格闘争の課題となります。


●青年協定期総会を開催

第2回「平和のつどい」開催を決定

 国公労連青年協は、9月9〜10日に、第26回定期総会を65名の参加で開催し、2000年度運動方針を満場一致で決定しました。
 運動方針に関わっては、春闘期の「職場連判状」などの署名行動について、早期に行動提起を求める意見や、まずは何のためにやるのかを役員がしっかり理解し、学習を深め、仲間に説明するのが大事であるなどの意見がだされました。
 平和問題では、「国公青年平和のつどい      ヒロシマ」については、主体となった広島の報告と、「情勢にかなったとりくみだった」との意見がだされるなか、第2回国公青年平和のつどい開催を決定しました。
 県国公青年協からは、役員体制の確立や日常活動への結集が不十分で苦労しているとの意見も出され、この問題に対しては、単組青年組織のてこ入れが求められています。当面、10月からの「全国通信制ボウリング大会」などを県でのレク活動に活用したいとの意見も出されました。
 別号議案の「国公青年交流集会の今後のあり方について」では、「組織強化を主目的にした交流は必要である」との前提で、現在の青年層にあった交流の内容やあり方とはどういったものなのか、各単組・県青年組織で1年間検討をすることを確認しました。

青年協新役員
議 長 山川秀史(全港建) 常任委員 重田哲良(全厚生)
副議長 後藤勇二(全建労) 千吉良直子(全通産)
保田真治(全労働) 酒井勝生(全通信)
事務局長 高橋昌嗣(全司法) 宮川隆司(全法務)
事務局次長 丹藤英司(全気象) 眞角孝史(全港建)

 ●女性協定期総会を開催

元気でしなやかな活動を展開
 
 第26回国公労連女性協総会は、9月23〜24日に、代議員と特別代議員・オブザーバー78人の参加で活発な討議が行われました。
 昨年の「女子保護」撤廃、人事院規則の「改悪」により、公務職場が大きく変えられ、サービス残業が増えている、「指シャブリ」など長時間労働の影響が子どもに出ている、当局の対策は形だけで改善はされない、など職場の状況は厳しさが増しています。
 これに対して、職場から要求を積み上げて交渉し、管理職の意識を変えてきていること、長時間労働を改善し、男性も女性も人間らしい働き方ができるよう、ともに運動をすすめることが確認されました。
 母性保護の問題では、人事院の指導で休暇が取り難くくなっている、若い女性の健康破壊がすすんでいる、自分の体のしくみを知ることの大切さ、健康で働き続けるために生理休暇は必要であることが強調されました。
 組織拡大では、独立行政法人化の学習会や、パンフレットつくりなどを取り組むなかで拡大が進み、運動が拡がっている、独身寮のワンフロアを女性用に獲得でき、要求実現を確信に組合員を増やしていることなどが報告され、仲間を増やし、中央・地方で女性組織を確立し、憲法が生きる行政、働きがいのある仕事ができるように「国民の中へ国民とともに」元気でしなやかな活動を展開していくことを確認しました。

女性協新役員
議 長 伍 淑子(全労働) 常任委員 鈴木滋子(全法務)
副議長 森林敦子(全厚生) 渡辺聖子(全労働)
小池千代美(全司法) 淀 房子(全医労)
半戸幸栄(全通産) 林 絹子(全運輸)
事務局長 阿部春枝(全運輸) 浦野洋子(全国税)
事務局次長 武城順子(全国税) 石田芳美(全建労)


●750万労働者と共同した賃金闘争の前進を確認

 公務労組連が第19回定期総会ひらく

 公務労組連絡会は9月28日、東京都内で第19回定期総会を開きました。
 提案された運動方針は、各地域から運動を前進させた調整手当のたたかいを積極的に総括しつつ、人事院勧告制度をふみにじる「マイナス勧告」のもとで、750万労働者と共同した賃金闘争の発展にむけて、公務産別の組織と運動を強化していくこと、ILO151号条約批准など労働基本権の確立を追求することなどをかかげています。
 また、悪化する国・地方自治体の財政状況を口実とした人減らし「合理化」や、公務員賃金の抑制を許さないために、国や地方の財政のあり方をうったえ、国民の支持をひろげていくたたかいが強調されています。
 討論では、行政・教育・福祉など各分野からの発言がつづき、地域での「連合」加盟組合との共同や、住民や父母との対話活動の経験などが報告されるとともに、国民犠牲の「行革」反対を公務労働者共通の課題としてたたかっていく重要性、地方組織の強化などがのべられました。
 総会は、当面する秋年闘争のとりくみ強化をふくめ、むこう1年間の方針を全体で確認して閉会しました。

〇新副議長に堀口委員長
 なお、新役員体制では、国公労連前委員長の藤田氏にかわって、新たに堀口委員長を副議長として選出しました。
 また、引き続き山瀬氏を専従事務局長として派遣します。


●革新候補を推せん 10月5日告示  10月22日投票

〇岡山県知事選挙 石井 淳平さん(元・公務労組連絡会副議長)
  −−−25年の教員生活をいかし県民に優しい県政を−−−

〇新潟県知事選挙 とがし 昭次さん
  −−−県民のいのちと健康をまもる「世直しドクター」

 国公労連中央執行委員会は9月25日、岡山・新潟両県国公の要請をうけ、岡山県知事選挙に「あかるい民主県政をつくるみんなの会」が擁立している石井淳平さんを、また新潟県知事選挙に「民主県政を実現する新潟県みんなの会」が擁立している富樫(とがし)昭次さんの推せんを決定しました。
 両候補はともに、福祉切り捨て・大規模開発優先の自民党県政から、くらしと社会保障を重点にする県民本位の県政の実現を政策の柱に掲げ、奮闘しています。
 石井淳平さんは、25年間の教員生活で「全人格教育」の実践をめざし、すべての子どもたちに行き届いた教育をと奮闘。また93年から6年間、公務労組連絡会の副議長として公務大産別の要求と運動前進に多大な貢献をされています。
 とがし昭次さんは、医師として40年、県民のいのちと健康を守るとともに、住民奉仕の民主医療機関の発展に半生を捧げてきました。また、トンネルじん肺闘争など公害・自然環境運動にも尽力してきた「世直しドクター」です。
 県民・労働者が主人公の民主県政実現のため、全国から支援をお願いします。


●全司法がホームページ開設

 インターネットで、21世紀の司法制度について考えよう!
 アドレス  http://www.zenshiho.net/


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