国公労新聞 第1067号

●2・21地域総行動を出発点に「50万労働者との対話」をすすめよう

 国公労連は、すべての人たちと共同をひろげる運動として、2001年春闘で「50万労働者との対話」のとりくみをすすめます。
 また、全労連は、「働くルール確立署名」を機軸に、労働者の新たな連帯と共同をめざすたたかいのスタートラインにつきます。

 

〇たたかう陣地の拡大に全力を
 2年連続の年収切り下げは、国公労働者にとどまらず、人事院勧告の影響をうける750万人の生活を直撃しています。今春闘の賃上げへの波及も予想されます。また、公務員制度改革や、特殊法人・公益法人の「合理化」など新たな行革は、そこにはたらく労働者はもとより、国民サービスの低下にもつながる重大な攻撃です。
 こうした情勢としっかりかみあわせ、公務員賃金のもつ影響力や、政府の行革のねらいをひろく明らかにし、ともにたたかう陣地をひろげていく。それが「50万労働者との対話」のめざす方向です。
 そして、全労連が提起する「働くルール確立署名」は、最低賃金の引き上げ、解雇規制、不払い・サービス残業の根絶の3つの要求の実現をめざしています。
 これらは、すべての労働者に共通する切実な要求であることから、全労連・連合といったナショナルセンターの違いもこえて、運動が大きく発展する条件をもっています。そのことからも、労働者の過半数から集約するような、かつてない壮大なとりくみにしていくことがもとめられています。
 したがって、今春闘では、「働くルール確立署名」とも一体で、賃金や行革課題などみずからの要求実現にむけて、「50万労働者との対話」を追求します。

〇あらゆる機会とらえ「対話と共同」めざす
 それではどうやって共同をひろげるのでしょうか?
 具体的な行動の一つに、労働組合・団体への訪問・要請活動を提起しています。地域の労働組合などをじかに訪ね、民主的行財政の確立や、公務員制度改悪反対にむけた「手のとどくところからの共同」を申し入れていくとりくみです。
 そのほかにも、行政懇談会や行政相談活動、国民生活重視の行政と公務員賃金改善をうったえる100万枚ビラ配布行動、さらには、県労連・地域労連規模の宣伝や要請行動、集会・デモなど、あらゆる行動が「対話と共同」をひろげる機会となります。
 とくに、「2・21地域総行動」は、地域から共同をひろげるたたかいのスタートとなります。職場から多くの仲間の参加がもとめられます。
 政府や大企業が一体で、国民いじめの攻撃を強めているとき、さまざまな要求で、一人ひとりの国民と手をむすぶことこそが、その攻撃をはねかえす力となります。
 新世紀春闘を、新しい対話と共同をひろげる出発点とするため、ともに奮闘しましょう。



●東京税関賃金差別裁判 東京高裁で勝利判決

 当局の差別意思・団結権侵害を認める
 「勝った!」とわき上がる歓声と、拍手で喜ぶ全税関の仲間。全税関東京支部と組合員104名が、組合所属による昇任・昇格の差別を受けたとして、国を相手どり74年に提訴した全税関賃金差別裁判で、東京高裁は1月26日、一審に続いて原告組合の請求を認める勝訴の判決をだしました。
 判決は、税関当局が「組合を嫌悪し、差別する意思を有していた」とし、「組合分裂の動きを助長し、支援するなど団結権侵害の違法行為を行った」として、明確に組合差別があったことを認め、全税関東京支部に慰謝料など250万円の支払いを命じました。しかし、原告個人に対する損害請求はしりぞけました。また、裁判長は、判決を契機に、労使の話し合いによる解決を求める発言をしています。
 同日夜おこなわれた判決報告集会では、全国各地からかけつけた全税関組合員や弁護団、組織をこえた支援の仲間がつどい、ともに勝利を喜びあいました。いっぽう、財務省関税局と東京税関当局が、いまだに組合つぶしと差別の基本路線をあらためていないなかで、たたかいはこれからと決意を固めあいました。
 判決に対し、全税関などがただちに声明を発表。「国は上告することなく、判決を重くうけとめ、賃金差別を是正し、労使関係の正常化をはかることを強くもとめる」「国民のための税関行政の民主化と、職場の全職員の生活と権利をまもっていく」としています。全税関に対するひきつづく支援がもとめられています。


●壮大な共同へ決意かためる 全労連が第28回評議員会ひらく

 全労連は1月24・25日、東京都内で第28回評議員会をひらき、2001年国民春闘方針を決定しました。
 方針は、「どこでも・だれでも1万5000円」の賃金底上げ要求、「月額15万円、時給1000円」の最低賃金要求をかかげ、「すべての労働者に賃上げを」の立場でたたかうことや、その実現にむけて「働くルール確立署名」を柱に共同をひろげていく運動が強調されています。
 32人が発言した討論では、「最低賃金以下の時給400円を強制」「年末ギリギリになって一方的にクビ切り」など労働者のきびしい実態が明らかにされるいっぽう、大企業を相手に、リストラ反対で地域の共感をひろげる県労連の姿や、長期におよぶ裁判闘争も通して、たたかいに勝利した日立や三和銀行の仲間など、今後の展望を示す各地の報告がつづきました。 また、労働者の過半数集約をめざす「働くルール確立署名」にかかわってもたくさんの発言があり、共同拡大の武器として積極的にとりくむ方針を補強しました。
 評議員会は、これらの方針を全体で決定し、新たなたたかいにむけた決意を固めました。
 「労働組合の原点」がこれまで以上に問われる今春闘です。ナショナルセンター・全労連をつくった原点にたちかえって、運動への結集強化がもとめられています。


●独法化による労働条件の改悪をゆるすな
 関係労組が総決起集会をひらく


 国公労連・学研労協は、1月17日に、「独法関係労組総決起集会」をエデュカス東京で開催、バス3台で参加した全通産筑波支部の仲間をはじめ、115名が参加しました。
 この集会は、独立行政法人移行時に、労働条件改悪を許さないため、団結を固めあうことを目的に開いたもので、国公労連遠山副委員長は、「どさくさまぎれの労働条件改悪を団結の力で阻止しよう」とあいさつ。
 その後、4人の代表が、「労働条件改悪は絶対に許さない」(全通産筑波支部)、「攻撃は人ごとではない。支援していく」(学研労協)、「不当な賃金格差を許さず、みんなの力が発揮できる職場にしていこう」(航技研職組)、「弁護士や全労働の支援体制を確立。団結してたたかおう」(茨城県国公)と決意表明しました。
 ついで、中労委の労働者委員候補者として奮闘している全労連熊谷副議長が、「労働者委員の連合独占をうち破るため、力の結集を」と訴えました。
 行動提起では、国公労連小田川書記長が、「産業技術総合研究所(産総研)は、労働条件改悪の実験台となっている。国公産別全体で全力あげてたたかおう」と訴え、学研労協近藤副議長の「団結がんばろう」でしめくくりました。
 この集会に先立ち、全通産は、昼休みに「独法要求実現1・17全通産決起集会」を開催し、支援にかけつけた国公労連各単組や学研労協の仲間など、250名が参加してたたかう決意を示しました。集会後は、産総研人事室長交渉を行っています。


●いま、神戸や全国の災害地では
 阪神・淡路大震災「6周年メモリアル」行動を展開


 1月17日、午前5時46分、まだ、暗い神戸の空に、トランペットの音色が響きわたりました。あの日から6年、眼下には神戸の街の灯りがひろがっています。早朝追悼集会では、参加者全員が献花を行いました。
 この日神戸では、様々な団体や個人が、それぞれの「追悼」行動をくりひろげました。
 午後からは、被災地「サミット」in神戸がとりくまれ、自然災害の被災地から、防災対策や被災者への公的支援のたちおくれが指摘されました。
 神戸の街は、仮設住宅はなくなり、高層の復興住宅やビルがたち、外見は復興したかに見えます。しかし、地縁から切り離されたお年寄りは、生きる喜びを忘れています。商店や自営業者の生活再建のめどはたっていません。
 三宅島の被災者は、就職もままならず、住宅のあっせん、冷蔵庫などが支給されても電気代、ガス代などは免除にならず、生活に支障をきたしています。
 有珠山の噴火災害、東海豪雨災害の被災者からも、個人補償を行わない行政のあり方や税金の使い道など問題点が指摘されました。
 一方で、鳥取県西部地震の被災者に対して、県が住宅再建に公的支援を決断したことは、被災者を励ましただけでなく、命と人権を大切にする政治が実現できることの確信となるものでした。
 集会では、「21世紀を命と人権を守る世紀に、全ての被災者に公的支援を」要求する運動の展開を全国に呼びかけました。(阿部中執)


●司法制度改革シンポジウム

・日 時 2001年2月8日(木)
      午後6時〜8時30分
・場 所 日本教育会館8階会議室
      03−3230−2831
・内 容
 国民の権利救済はどうあるべきかを、労働事件(労使紛争処理)を通じて考えます。
・シンポジスト
  JMIU書記次長  三木陵一氏
  全労働書記長   森崎 巌氏
  元都労委委員   戸塚章介氏
  弁護士       鵜飼良昭氏
  全司法副委員長  井上博道氏

〇多数の参加により、シンポジウムを成功させましょう。


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