●「大枠」の問題点がより鮮明に
シンポジウム「国民のための公務員制度を考える」をひらく
国公労連は、6月5日に都内で、「国民のための公務員制度を考えるシンポジウム」を開催し、公務労組連絡会や民間労働組合の仲間を含め、174名の参加がありました。
シンポジウムでは、公務労組連絡会事務局長の山瀬徳行氏をコーディネーターに、3人のパネリストによるパネルディスカッションを行いました。
|
○それぞれの視点から多くの指摘が
専修大学教授の晴山一穂氏は、「今回の公務員制度改革は、内閣機能が強化されたもとでの、総合調整システムにより進められていることが問題である」とし、3月に出された「大枠」については、「労働条件の大幅な変更をともなう内容にもかかわらず、労組組合の意見を聞いておらず、また、閣議承認も経ていない」と批判しました。
毎日新聞論説委員の山路憲夫氏は、大枠の内容について「公務員に労働基本権を与えないままで、労働条件を改悪することはできない。天下りについては、各大臣が承認することとなるが、チェックは不可能である」とし、現在のキャリア制度については、「廃止すべきであり、労組としてもしっかりと要求していくべき」と主張しました。
全労連副議長の熊谷金道氏は、公務員制度改悪のたたかいについて、「この問題をいかにわかりやすく国民に訴えていくかが重要となっている。たとえば『民主的な公務員制度』と言葉だけでいくら言っても、国民にはわかりづらい」と指摘し、公務の仕事を理解してもらう方法として「国民的な課題で公務員労働者が、行政の専門家としてたたかいに参加していくことが必要」と運動の方向性を示しました。
●夏期闘争方針を決定
−−人事院勧告期のたたかいに全力を−−
国公労連第111回拡大中央委員会ひらく
公務員制度改悪阻止のたたかいの「正念場」をむかえた6月6日、国公労連は単組、ブロック・県国公代表の出席のもと、第111回拡大中央委員会を開きました。
2001年夏期闘争方針は採決の結果、賛成多数で決定しました。
討論では、のべ32名から発言があり、活発な論議がかわされました。とりわけ、公務員制度改悪阻止や、人勧期のたたかいや要求について多くの意見がだされるとともに、生活や労働条件の改善のために、参議院選挙にむけてのとりくみの重要性も強調されました。
○公務員制度改悪を許すな
公務員制度改悪については、街頭でのビラの配布や行政相談など、地域でのとりくみの状況が報告されるとともに、「50万署名」の成功にむけた決意がのべられました。さらに、対話と共同をひろげ、公務員制度改悪に反対する国民世論を大きくすることにより、「基本設計」の策定を許さないたたかいをさらに強化していくことを確認しました。
○人事院勧告にむけ職場・地域からのたたかいの強化を
人事院勧告期の賃金闘争では、「たたかいに確信を持つためにも、平均5000円の賃金の引き上げ要求の根拠をはっきりさせるべき」との意見や、「実力行使体制の確立にむけては、各単組が統一した戦術を」などの意見がありました。3年連続の賃金引き下げを許さない闘争体制の強化にむけて、戦術問題をふくめて、今後、中央闘争委員会でひきつづき議論していくこととなりました。
討論を通して、「平均5000円」の賃金引き上げを柱とする、2001年人事院勧告期の要求を確認し、その実現をめざし、政府・人事院に対するたたかいに全力をあげる決意を固めあいました。
○採択されたアピール・決議
▽民主的公務員制度の確立、夏季要求 実現、国政の民主的転換へ全力をあげよう「2001夏季闘争アピール」
▽国民に背をむける逆立ちの公務員 制度改革に反対する決議
●つくろう豊かな21世紀 働く私たちの手で
−−長野で第31回国公女性交流集会ひらく−−
5月25・26日、第31回国公女性交流集会が、長野県・上山田温泉において、16単組・38県国公から495人の参加でひらかれました。新緑の美しい信州に全国の仲間が集い、長野実行委員会と長野県国公の協力で、手作りのあたたかい集会となりました。 |
会場の入り口には、一つひとつの実にたくさんの要求が書きこまれた「りんごのタペストリー」が、全国の参加者を迎えました。
国公労連堀口委員長の激励あいさつ、東城長野県国公議長と坂井実行委員長の歓迎あいさつで全体会がスタート。
伍女性協議長の基調報告のあと、独立行政法人の職場での要求実現のとりくみが全経済の仲間から、アンケート活動による女性の働き方と実態については全労働から、それぞれの職場のとりくみがいきいきと報告されました。また、丸子警報機の臨時社員に対する差別賃金裁判をたたかった原告団事務局長の滝沢貴美子さんからは、臨時社員も正社員とともに組合に加入し、ねばり強くたたかうなかで、一歩づつ要求を前進させてきた報告がありました。
2日目の全体会では、アピールと2つの決議を採択し、「民主的な行政の確立を、働くルールの確立を、男女平等の実現を」働く私たちの手で実現しようと高らかに呼びかけました。
最後に、手染めの布を振りながら単組・県国公の参加者紹介でエールを交換。「青い空は」を全員で合唱し、来年の再会を誓いあって集会の幕を閉じました。
○記念講演
世界からみた日本 −−女性の生き方はたらき方−−
木村愛子さんは、ILOの歴史と役割を具体的に解説したうえで、世界の先進国と比べて日本の労働環境の遅れを指摘。世界的な視野からの学習の必要性と、「平等な労働条件」など、多くの問題提起をしてくれました。
○アトラクション −−南米の美しい音色にみんなうっとり・・・−−
南米の美しい音色を奏でてくれた倉沢信子さん。アルパ(インディアンハープ)は、もともと楽譜がないため、曲の雰囲気は弾き手によってそれぞれ違うところが魅力。素敵な演奏に耳を傾け、参加者みんなはうっとり・・・。
○分散会 −−大いに語り交流した分科会−−
集会2日目は8つの分科会にわかれ交流しました。人気が高かった「身近な食を考える」分科会。今年はじめて「職場・家庭のジェンダーを考える」分科会が誕生しました。
○フィールドワーク
松代大本営象山(ぞうざん)地下壕を見学し、戦争の悲惨さと平和の大切さを痛感しました。
○全体会
全国から495人が集まり、気持ちをひとつにしました。
○参加者の感想
▽全労働(20代) 自分の働く権利を守るため一人ひとりが声をあげ、行動しなければと思った。
▽全通信(20代) 他の職場の実態から自分の職場を改めて考えさせられた。丸子の報告では、たたかうことの大切さを感じた。
▽全経済(20代) 同じ悩みや不安を持っている人がいることがわかり、安心というかほっとした。
▽全医労(50代) みなさんの話を聞いてパワーをもらい明日から元気に過ごせる!
○保育所の小さな仲間
今年は、全医労の職場保育所の協力で、保育所を開設。延べ6人の小さい仲間が、お絵かきや、お散歩など2日間を楽しく過ごしました。
○長野の裏方さん 全運輸新潟支部長野分会 芦澤千恵子さん
−−「湯・ユーゆっこちゃんのお店」でがんばりました!−−
とにかく、「手作り」にこだわりました!実行委員会がスタートしたのは2月27日。「お金も人も時間もない」状況でしたが、昼休みを活用し、物品販売の押し花はがき・しおりやアクリルたわしなどをみんなで必死になって作りました。とりわけ、参加者全員に配布した「木綿の布」は、玉ねぎの皮やりんご、いちご、しその葉など自然の物で染めた力作です。一家総がかりで作業をした人もいましたよ。
長野の地形はタテに長く、打ち合わせや問屋まわりは大変でしたが、仲間と楽しく汗をかきながらとりくんだ3ケ月でした。
|