国公労新聞 第1083号

●3年連続の賃下げは絶対に許さない!

−−人事院勧告にむけ、職場・地域から怒りの結集を

 国公労連は6月21日、勧告期にむけた要求書を人事院に提出し、交渉を積み上げてきました。
 2年続きの賃金ダウンのもと、生活悪化をおぎなう賃上げの願いは切実です。ところが人事院は、「民間がきびしいときは公務もそれを分かちあう」(大村給与局長)などとし、ほぼベアゼロとなった民間の春闘結果を、そのまま公務員にも押しつける態度です。
 また、「春闘結果は一段ときびしい。一時金も大変きびしい状況も考えられる」(7月11日、深串参事官)として、民間賃金をタテに、切実な賃上げ要求に対する予防線を張っています。
 しかし、これはきわめて不当なことです。人事院が、労働基本権制約の「代償措置」として設置され、公務員労働者の生活と権利を守る「第三者機関」ならば、単に民間賃金に右ならえするのではなく、私たちの生活と労働の実態をふまえ、現状の改善にむけた勧告を出すべきです。それこそが人事院の役目です。「きびしさを分かち合う」などとの態度は認められません。
 いっぽう、看護・介護・育児など休暇制度の整備にむけて、人事院は、「民間に遅れることのないよう対処する」としており、改善の方向をしめしています。切実な要求だけに、今夏勧告での実現が急がれます。

○炎天下の行動で人事院に決意しめす

 職場に目をむければ、少ない予算と不十分な人員体制をやりくりして、わが身を削りながら、行政サービス向上をめざして、職員は懸命に努力しています。そのことを考えれば、賃金など労働条件の改善で、少しでも働きがいのある職場にしたいというのは、きわめて当然でささやかな要求ではないでしょうか。
 そうした要求の切実さと、3年連続の賃下げは絶対に許さないという私たちの決意を人事院に示すため、国公労連は、7月31日から2日間、炎天下の「座り込み行動」に突入します。
 また、職場からは、人事院への職場決議をとりくみます。賃金ダウンへの怒りを結集して、要求実現に総力をあげるときです。

○自らの課題と結びつけ政治の流れを変えよう

 そして7月29日には参議院選挙の投票日をむかえます。選挙の論戦では、失業と倒産、福祉の後退と増税で国民に痛みを押しつける小泉改革の本当の中身がいよいよ明らかになってきました。 
 小泉内閣がめざす公務員制度改悪に反対し、自分たちの課題ともしっかり結びつけ、政治の流れを私たちの手で変えていくため、私たちの正しい選択がもとめられます。

○私たちの切実な要求にこたえて!
 7月10日、国公労連青年協・女性協は東京国公女性協と共催で、青年・女性の諸要求の実現にむけ、人事院前要求行動を実施。昼休みは200名が結集しました

○人事院四国事務局前に250人
 【四国ブロック国公発】7月10日、四国ブロック国公は、人事院勧告期統一行動として、人事院四国事務局前で昼休み行動を実施。民間労組も含め約250人の仲間が参加しました。集会では、国公労連黒田書記次長の情勢報告、全労働、高知県国公からの決意表明をおこないました。
 また、午後から実施した人事院四国事務局長交渉の中で、事務局長が賃金切り下げの可能性をほのめかすなど、勧告までの運動のいっそうの強化が必要となっています。そのため、香川県国公では、7月31日第2弾の集会を計画しています。

○政治主導の「公務員制度改悪」許すな!
 【東海ブロック発】6月28日、東海ブロック国公、愛知国公、愛知公務共闘で構成する「公務員制度改悪阻止共闘会議」が総決起集会とデモ行進をおこない、500名が参加しました。

○「公務員制度・人勧・政治革新」を学習
 【大阪国公発】7月10日、大阪国公は「公務員制度・人勧・政治革新」学習総決起集会を行い、57名が参加しました。小田川書記長の公務員制度改革基本設計の問題、服部大阪春闘共闘事務局長の「がんばれ公務員」の講演を聞き、7月までのたたかいにむけ、決意を固めあいました。


●中労委労働者委員の偏向選任

次期委員の公正任命実現のため、情報公開・ILO・国会の追及強める

 特定独立行政法人制度発足による中央労働委員会労働者委員の選出にあたって、連合独占の偏向選任が強行されたことに対して、国公労連は、全労連とともに、政府に対する情報公開請求や異議申し立て、ILOへの申し立て、国会追及などを通して、その不当性を明らかにするとりくみを強めています。
 6月28日、参院厚生労働委員会で、日本共産党の小池晃議員が、偏向選任を追及。厚生労働省は、特定独法の労組組織人員が、連合系と拮抗している事実を認めながら、「今回増員された委員は、国営企業も担当する。国営企業を入れれば、連合系26万人、全労連系6千人だ」(坂口大臣)と、偏向選任を合理化しました。この答弁は、今回の増員が特定独法発足にともなうものであることに目をふさいだものです。しかし同時に、坂口大臣は、「今後組合加入の人数等がどう変化するかによって、当然のことながら委員選定の要素に加味される」と、今後の選考見直しに含みをもたせた答弁もしています。
 この答弁を受け、国公労連として、これに対する反論をILOあてに送付し、あらためて、2002年10月におこなわれる次期委員選任で、組織実態をふまえた公正任命が行われるよう勧告することを求めています。
 また、情報公開請求に対し、資料の開示決定が通知されており、異議申し立てに対する回答も、近々示される見込みとなっています。
 こうしたとりくみを強めながら、次期の第27期委員の公正任命を実現するために、全力をあげていく必要があります。


●いのちを削る長時間労働が横行!
 
−−霞国公が残業実態アンケートを実施−−

 7人に1人が「過労死ライン」月100時間残業

 霞国公(霞が関国公共闘会議)では、本年3月に第9回残業実態アンケートを実施しました。回収数は、霞が関に働く国家公務員の1割強にあたる4062名(12組合)でした。このアンケートで明らかになった霞が関の長時間労働の実態を紹介します。

 【霞国公発】この1年間における月平均の「持ち帰り残業」などを含めた残業時間(図1)は、加重平均で51・1時間でした。また過労死ラインといわれる「年間総労働時間3000時間」を超える月100時間以上の残業者の割合は、7人にひとり(14・4%)となっています。

 図1 この1年間の月平均残業日数


 残業の原因(図2・定時に退庁できない理由)については、「業務量が多い(定員不足)」(62・9%)がもっとも多い回答になっています。
 このような月平均51時間の残業を、増員によりなくすと仮定した場合、試算では1万人を超える人員が必要と予想されます。

 図2 定時退庁できない理由


 超過勤務手当の支給状況では、「全額」支給は17・1%にとどまり、7割を超える人が残業代の不払いがあると回答しています(図3)。

 図3 実際の残業に対する残業手当の支給の割合


 2000年度の行政職の平均俸給月額をもとに、不払い分(月平均の残業時間51時間から、予算化されている残業手当の時間数・月21時間を差し引く)を試算すると、一人あたり月額7万8千円、年間94万7百円にもなります。100万円近い「サービス残業」の驚くべき実態です。

○拘束時間は13時間以上、家族と夕食「全くない」4割

 今回の調査では、はじめて「労働による拘束時間」や「家族と一緒の夕食」などに関した調査をおこないました。
 アンケートでは平均退庁時間は20時43分であり、また通勤時間の平均は1時間6分でした。午前9時30分を始業時間とすれば、1日の労働時間は11時間13分。分。これに往復の平均通勤時間2時間12分を加えて、霞が関の労働者の平均的な1日の拘束労働時間は13時間25分に達します。
 これでは自由な時間や家族責任を果たす時間を犠牲にするばかりか、睡眠など生理的な生活時間さえ削らざるをえません。
 いっぽう、平日の夕食を家族と一緒に、週に何日程度取ることができるかという設問(図4)では、「全くない」の回答は4割(39・7%)にものぼりました。男性の場合は「全くない」の回答が44・1%と多く、女性の場合は、家事責任を負うことが多いことから「毎日」は3割(30・1%)と男性と比べ若干高い結果ですが、女性の約半数が週に「1〜2日」以下となっています。

 図4 週の平日に家族と一緒に夕食がとれるか


 霞が関の職場は、依然「いのちを削る長時間労働」が横行しています。霞国公では、猛暑にもめげず、これらのアンケート結果を活用し、長時間労働の改善にむけて、人事院との交渉など全力をあげていきます。


●核兵器をなくすため共同を広げよう!
  −−21世紀最初の原水爆禁止世界大会の成功を−−
 核兵器廃絶を要求する世界的な声の高まりの中で、原水爆禁止2001年世界大会が近づいています。
(※日程は、8月3〜5日=世界大会国際会議、5〜6日=世界大会・広島、7〜9日=世界大会・長崎)
 4月に登場した小泉内閣が、反核平和の問題でも世界の流れと日本国民の願いに逆行する危険があるなか、世界と日本中の人々と集い、対話・協力・連帯を深めましょう。
 核兵器のない21世紀をめざし、職場・地域から草の根の行動と共同を広げ、世界大会を成功させましょう。

○国公労働者・平和のつどい
◇と き 8月8日(水)
     16時から17時
◇ところ 「一六番館」
     長崎市南山手町4−15
     TEL 095−827−6111
◇主 催 長崎県国公・国公労連


●読者の広場
   −−小泉内閣に対する 声・声・声!−−

〇幻想を捨てきれない日本人?  全国税長野・上田分会の方から
 「小泉改革」にエールを送る人の何割かが、リストラで失業したり、倒産の憂き目を見ることになるが、それでも「なんとかしてくれる」と幻想を捨てられない日本人の気持ちが理解できないと、先日窓口に来た留学生が言っておりました。

○小泉ポスターで思ったことは…  全気象九州・鹿児島分会の方から
 いよいよ参議院選挙です。自民党の「小泉ポスター」があちこちに貼られていますが、「さあ、変えよう。自民党」のキャッチコピーはずるいと思います。だって、「ダメな自民党と認めた上で、その党を変えるから議席を与えてください」と、訴えているのだから。

○真の国民の代表を選びたい  全法務新潟・本局分会の方から
 「小泉人気」にだまされずに真の国民の代表を選びたいと思います。参院選はしっかり投票したいと思います。

○さっぱり見えないライオン小泉  全労働大阪職安・茨木分会の方から
 ライオン小泉は確かにおもしろい。パフォーマンスが面白い。しゃべりも面白い。
 でも、今何言うてたかいな、ということがしばしば。国をどうしてくれるんや、どうしたいんや、というとこがさっぱり見えない。
 国民も早くそれに気がつかないといけないような気がする。


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