私の要求アンケート特集号
●生活と労働の実態を話しあい、くらしと労働条件をまもろう
「完全失業率が5%超える」、「3年連続の賃下げ勧告」、「聖域なき構造改革」など、賃金・雇用をめぐって衝撃ともいえる事態が相次いでいます。「どうたたかえば攻撃を押し返せるのか」と全労連でも論議がはじまっています。
みんなが要求をだしあい、その要求前進のためにどうしたらいいのか生活と労働の実態を率直に「話しあう」ことが運動の出発点であり、今こそ大切です。紹介している仲間の声なども参考にして、アンケートに記入する前に、あなたや家族の生活実態をふりかえってみませんか。
○痛みに耐える国民に追いうち、小泉流「聖域なき構造改革」
バブル経済崩壊後の状況を「失われた10年」として、利潤拡大を追求する財界・政府の攻撃が強まっています。倒産・失業の増加、不況を理由とした賃下げなど労働者と国民の生活を直撃し、過労自殺も後をたちません。
一国の経済力をはかる指標である国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費を拡大させるのが不況克服の最大の決め手であるにもかかわらず、国民の購買力を低下させる悪政が横行しています。
小泉内閣の「聖域なき構造改革」は、痛みに耐えている国民全体に追いうちをかける医療費の本人3割負担、健康保険料の引き上げ、消費税率引き上げの検討など、家計を直撃する改悪が目白押しです。
しかも、小泉首相は、9月25日の日米首脳会談で、米軍の軍事報復作戦への協力という形で、自衛隊をはじめて戦闘時に海外派遣すると公言しました。憲法の平和原則を踏みにじる「有事体制」に「この国のかたち」を転換しようとする危険な動きです。
▼労働組合の原点にたち一致する要求で共同を
いま、「リストラ」と称する賃金・雇用破壊が進行し、それに歩調をあわせて、悪政を遂行する公務員づくりを狙う公務員制度「改革」攻撃も強まっています。国の仕組みも社会の仕組みも大きく変えられようとしているこのような時期だからこそ、労働運動の原点に立ち返った取り組みが大切なのではないでしょうか。
くらしと労働条件を守るため要求で団結し、一致する要求での共同を追求する、その第一歩が要求アンケートです。
○職場の仲間に聞いてみました
▼子どもがほしい・・・でも家族的責任果たせるかな?
浅賀 秀一さん
国土交通省中部地方整備局港湾空港部、海域環境・海岸課の技官。家族は、派遣職員の妻と2人暮らし。現在、全港建青年部長。名古屋市在住の26歳。
◆生活費
食費が出費の2割を占めます。一時金の切り下げで年収は約10万円カット。妻の収入はわずかなので、僕の収入でやりくりしています。子どもが生まれることを想定し、今から生活を切り詰めてわずかながら貯金をしています。
◆仕事について
環境にかかわる分野なので、国民の利益を意識しながら働いています。いま、業務委託の動きがでており、営利優先の民間業者で国民本位の行政ができるのだろうかと不安を感じています。
◆働き方について
残業は恒常的です。月100時間を超えて残業している仲間もいて、長時間残業をなくすためにも人員を増やしてほしいです。僕自身、仕事と青年部活動で帰宅が遅く、夫婦の会話がほとんどない日も。疲れているから休日はゴロゴロ。こんな生活じゃ子どもができても家族的責任を果たせるでしょうか。
◆公務員制度改革について
競争をあおり上司の顔色ばかりうかがう公務員づくりには反対です。公平な処遇でみんなが納得できる仕事をするためにも、この時期に評価について世代を越えた職場での議論が必要だと思います。
▼民間も公務もそれぞれ苦労・・・みんながしあわせになってほしい
柴田 美智子さん
青森地方法務局供託課に勤務。現在、中学1年生の娘と両親と同居。青森市在住の36歳。
◆将来の不安
進学にかかわる教育費や、親の介護問題について不安を感じます。安定した賃金がほしいのはもちろんですが、子育てや母の病院通いの経験から、福祉・医療・介護など、もっと社会保障を充実してほしいですね。
◆働き方について
定時退庁日(水曜)以外は月20〜30時間くらい残業しています。人員不足と過密労働で、妊婦や家族的責任がある人は精神的に辛い思いをしながら働いています。今こそ、子どもの看護休暇などの制度の確立と、男女ともに働き方を見つめ直すべきではないでしょうか。
私がいる供託課では、最近給与差押えによる供託が増加しており、不況で苦しむ国民の姿に胸がつまります。公務も民間もそれぞれの苦労を抱えている人たちがいます。賃金や労働条件など全体の底上げをしなければ、みんなが幸せになれないと思います。
◆春闘にむけて思うこと
最近、県国公に関心をもっています。自分たちの職場の問題とともに、単組の枠を越えて交流し励ましあって、元気に働いていけたらいいなと思います。
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