国公労新聞 第1089号

●第153臨時国会開会

 
いかなるテロも戦争もノー、くらしと雇用を守るルールの確立を

 9月27日に開会した第153臨時国会は、9月11日に米国でおきた「同時多発テロ事件」への日本の対応、より深刻になってきた景気対策など、選択が問われる重要法案が目白押しです。
 政府は10月5日に、自衛隊による米軍の後方支援を世界規模で可能にする「テロ対策特別措置法案」と、自衛隊に在日米軍基地などの警備を行わせる「自衛隊法改正案」を提出しました。
 法案の名称に「テロ対策」を掲げているものの、その中身は、米国の軍事報復戦争を支援するために、自衛隊を「医療、輸送・補給等の支援活動」目的で派遣するというものです。活動範囲は相手国が了解すれば「他国の領域」でも可能とするほか、武器使用要件も緩和するとし、「新ガイドライン法(戦争法)」をさらにこえる内容です。
 日本国憲法第9条は、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明記しています。自衛隊を海外に派遣し、武力行使に協力することは、憲法の原則に明らかに違反するものです。
 10月8日、米軍はアフガニスタンへの軍事攻撃を開始しました。本来、テロ根絶のためには、軍事力による報復でなく、国際法のルールに基づいてテロ行為者を厳しく断罪し、国際世論の力でテロ根絶を目指すことに、力を尽くすべきです。
 「いかなるテロも戦争もノー」の声を一人ひとりが強め、「テロ対策特別措置法案」を廃案に追い込むとりくみに立ちあがりましょう。

○人減らし・リストラ社会保障の大改悪をゆるすな
 8月の完全失業率は史上最悪の5%、336万人にのぼっています。働き口を求めながら求職活動をあきらめている人を含めれば、10%をこえるという深刻な状況です。このような状況にもかかわらず、大企業による空前の人減らし・リストラを後押しし、「構造改革」の名で雇用破壊を加速する政策を、小泉内閣がとろうとしています。
 また小泉内閣は、サラリーマンなどが加入する健康保険の本人負担を2割から3割に引き上げるとともに、老人保健制度の適用年齢を段階的に、現行の70歳から75歳に引き上げるなどの医療制度改悪をねらっています。国民・労働者にへ耐えがたい「痛み」を強いる悪政反対の声を一層強める必要があります。

○「国民大集会」「霞が関総行動」を成功させよう
 このような情勢のなか、10月23日には「国民大集会」が明治公園で、また、10月24日には「怒りの霞が関総行動」がとりくまれます。
 憲法違反の「自衛隊海外派兵」や「聖域なき構造改革」を阻止するため、全労連「全国キャラバン行動」を軸に職場・地域から国民的共同のとりくみを発展させましょう。


●政府との交渉・協議が本格化
 
 
 −−「新人事制度の基本構造」(議論のたたき台)示される−−

 政府・行革推進事務局は、9月20日に、公務員制度「改革」に関わって「新人事制度の基本構造(議論のたたき台)」と「官民交流及び再就職についての基本的考え方(案)」の二つの文書を国公労連に提示しました。いずれも6月の『基本設計』に固執したものとなっています。
 このうち、「新人事制度の基本構造」は「トータルな人事制度の提示」としながら、給与の決定システムなど労働基本権にかかわる点にはまったくふれられておらず、能力・業績反映の人事制度の具体化だけをすすめるという、かたよった内容となっています。
 今回の文書提示は、政府が国公労連と「本格的な交渉・協議」の開始を「宣言」したものといえます。
 国公労連と推進事務局との「交渉」を焦点に、職場・地域から、一方的な公務員制度改悪をゆるさない世論を高め、民主的改革を政府に迫ることが重要になっています。

●2001年人事院勧告、「完全実施」を閣議決定
 

 2001年人事院勧告の取り扱いについては、10月5日に勧告どおり「完全実施」することが閣議決定されました。
 国公労連は、勧告以降、政府・総務省交渉を積み重ね、公務員労働者の生活改善にむけた政府としての使用者責任を追及するとともに、3年連続の年収マイナスとなる給与法改定は断じて行わないことを強く求めてきました。
 国公労働者の生活実態を無視した閣議決定に対し、国公労連では「3年連続賃下げ反対」
の緊急の「要求打電」行動にとりくんでおり、職場から怒りの声を政府に集中しています。

●「北から、南から」全国キャラバンがスタート
 

 全労連の「全国キャラバン」は、10月1日に北海道・沖縄をスタートしました。
 北海道でのキャラバン行動は、10月1日に稚内、網走、根室、えりも、島牧・黒松内の5つのコースをスタートし、10月3日には札幌に集結、160名が参加して集会がひらかれました。
 沖縄では、那覇市において早朝宣伝行動がとりくまれ、完全失業率が全国平均の2倍という異常な雇用情勢やニューヨーク多発テロに対する報復攻撃の動きと相乗して、市民からの反応が敏感に感じられるとりくみとなっています。
 全国キャラバン行動にあわせて、各県国公でも民主的な公務員制度確立のためのとりくみが行われており、宮城県国公ではすべての自治体に要請するとしており、10月2日には3町長からアピール署名に賛同を得ています。また、長崎県国公の街頭宣伝の模様が、NHKのニュースで放映されるなど、大きな成果も報告されています。
   

●平和・働き方などで熱心な討議
 
−−青年協・女性協が定期総会ひらく−−
 
○沖縄でのつどいが組織強化につながる
 国公労連青年協議会は、9月15〜16日に東京都内で第27回定期総会を開催、12単組、14ブロック・県国公の代議員と役員を含む61名が参加し、活動の教訓、今後の課題が報告・確認され、一年間の方針を決定しました。
 国公青年平和のつどいでは、沖縄県国公から、現地実行委員会としての活動が組織強化につながったとの報告がなされ、2001年度も第3回のつどいを実施することを決定しました。
 組織強化については、佐賀県国公から、単組代表者会議の定期開催で意見交換をおこなっていることが報告されました。国公青年協では、11月に2回目の「単組役員交流会議」を開催し、共通する組織課題の解決に向けた交流の場としていくこととしました。
 また、交流集会については、規模にとらわれず、2002年度を目標に、組織の現状、情勢や運動課題、青年のニーズに即した交流集会として開催することを確認しました。

青年協新年度役員
議 長  
後藤勇二(国公労連)
副議長  
保田真治(全労働)
副議長  
村上明夫(全運輸)
副議長  
和田孝一(全気象)
事務局長 
高橋昌嗣(全司法)
事務局次長 
原田卓也(全建労)
常任委員 
後藤健二(全港建)
常任委員 
重田哲良(全厚生)
常任委員 
酒井勝生(全通信)
常任委員 
木村慎哉(全国税)
常任委員 
飯島 伸(全経済)
常任委員  小西 健(全法務)




○真の男女平等の実現をめざす
 国公労連女性協議会の第27回総会は、9月22〜23日に東京都内で開催され、働き方の問題を中心に、職場の実態が報告されました。
 女子保護規定が撤廃されてから、女性も深夜に及ぶ長時間労働が増えている、妊婦でも持ち帰りを含めて残業せざるを得ない状況、さまざまな雇用形態の非常勤職員が増えている実態、こうした中で改めて、生休取得が問題になっていることなどが報告されました。 また、非常勤職員の組織化の問題や、独立行政法人になった職場での組織化の経験も報告されました。
 育児休業・介護休暇の期間延長など、「家庭と仕事の両立支援」に向けた制度が整う一方で、現在の働き方をいま一度見つめなおし、よりよい職場環境をつくっていくことや、職場と社会に真の男女平等を実現することをめざして、元気にしなやかに活動を展開することを確認し、方針を全会一致で採択しました。

女性協新年度役員
議 長  
伍  淑子(国公労連)
副議長   
小池千代美(全司法)
副議長  
今野幸枝(全経済)
事務局長 
阿部春枝(国公労連)
常任委員 
渡辺聖子(全労働)
常任委員 
淀 房子(全医労) 
常任委員 
浦野洋子(全国税)
常任委員 
石田芳美(全建労)
常任委員 
石川光子(全運輸)
常任委員 
市川知子(全法務)
常任委員  清水美穂(全厚生)


●結成10周年、公務労組連が定期総会ひらく
 −−民主的な公務員制度確立を−−
 

 公務労組連絡会は、9月21日に第21回定期総会を開催、代議員と各地方代表など74名が参加し、来賓として全労連・小林洋二議長と日本共産党・宮本岳志参議院議員からあいさつをうけました。
 総会は、結成10周年にあたる重要な節目に開催され、「信賞必罰」や「もの言わぬ公務員づくり」をねらう公務員制度「改革」に反対し、民主的な公務員制度の確立をめざすとともに、賃金抑制攻撃の打破と労働条件の改善、労働基本権の回復などを、国民的課題と結合してたたかう方針を確立しました。
 国公労連からは、伍副委員長が育児休業・介護休暇と看護休暇のたたかいについて報告を行い、小田川書記長が9月20日に行革推進事務局が提示した新人事制度の「基本構造」にも触れながら、国公労連として公務員制度「改革」とたたかう決意を表明しました。
○新たな役員を選出
 役員体制は、福島議長、山瀬事務局長らが退任し、駒場議長(自治労連)、浜島事務局長(日高教)らの新たな役員を選出しました。国公労連からは、副議長に堀口委員長、事務局次長に黒田中執(専従)、幹事に岸田書記次長、先水中執が選出されました。
   

●神戸市長選挙 革新候補を推せん「木村 しぎょうさん」
 

 −−10月14日告示 10月28日投票−−
 国公労連中央執行委員会は10月9日、兵庫県国公の要請をうけ、神戸市長選挙に兵庫県国公も結集する「たてなおそう神戸・市民の会」、「神戸創生のつどい」「神戸を愛する市民ネットワーク」の3つの会で組織する「虹のつどい」から立候補予定の「木村しぎょう」さんの推せんを決定しました。
 木村さんは、神戸空港建設や六甲アイランド南埋立工事などの開発優先の市政から、福祉・くらし・教育・環境を大切にする市政への転換をめざして奮闘しています。
 市民・労働者が主人公の新しい民主市政への転換をかちとるため、全国からの支援を呼びかけます。
   

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