●公務員制度改革 12月の「大綱」に向けたたかいは山場に
労働基本権制約の固定化は許さない −−能力等級ごとの「人員枠」設定は勤務条件−− 政府・行革推進事務局による12月の「公務員制度改革大綱」の決定を前に、労働基本権に関わって人事院の「代償機能」性が重要な争点となっています。マスコミも、政府・与党が労働基本権を制約したままで、各府省の人事権限を強化し、人事院の権限を縮小しようとしている旨を盛んに報道しています。公務員制度「改革」をめぐる現局面は次のとおりです。
〇労使による労働条件決定システムの確立を
国公労連は、11月16日に続き、11月21日に行革推進事務局と交渉を行い、堀口委員長ほかが、与党との「密室」協議による労働基本権問題の既成事実化を許さず、労使による労働条件決定システムを確立せよと追及しました。
これに対し、推進事務局の春田室長は、「新聞報道の出所は承知しない」「労働基本権は重要な問題だが、与党マターで結論はまだ」と逃げつつも、「能力等級基準や『人員枠』設定は勤務条件性が強い」「給与水準も重要と認識」と回答せざるを得ませんでした。
これを受けて、国公労連は、公務員労働者の権利性をどう担保するかがポイントで、労働基本権問題の再検討を抜きにした「大綱」決定は絶対に許されず、すすめ方や労働条件決定システムの考え方を早期に提案して「交渉・協議」を尽くせと要求しました。
〇参院総務委員会で政府・人事院を追及
11月20日の参院総務委員会でもこの問題が審議され、日本共産党の宮本議員は、新人事制度における「級別定数」廃止と「人員枠」設定、これと人事院の「代償機能」(=勤務条件)との関係を追及しました。
これに対し、中島人事院総裁は、「給与勧告だけが代償機能ではなく、級別定数もその一つで勤務条件」と答弁し、片山総務大臣も「級別定数」の代償機能性を追認しました。
国公労連は、こうした現局面をふまえ、過去最大規模の「11・30第3次中央行動」の成功をバネに、12月中旬の「大綱」決定に向けた山場のたたかいに中央・地方一体で全力をあげるものです。
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●横浜事案で国の団結権侵害を断罪
−−全税関賃金差別裁判、最高裁判決−−
【全税関発】10月25日、最高裁判所第1小法廷(藤井正雄裁判長)は、全税関賃金差別損害賠償請求裁判の横浜、大阪、神戸事案について判決を下しました。その結果、横浜事案の勝訴が確定しました。
最高裁は、国による団結権侵害を認め、国側の主張を全面的に退け、250万円の支払いを命じました。 同時に出された大阪、神戸事案は不当にも敗訴となりましたが、横浜事案の最高裁勝利判決は、全税関として歴史的、画期的な勝利となりました。
判決は、「関税局以下、各税関当局の全税関ないし全税関組合員に対する昇任、昇格に関する全体的、一般的差別意思を推認できる」と断定しました。
提訴以来27年、国公労連をはじめ、公務、民間の多くの仲間に支えられて、ついに、大蔵省(現在の財務省)の憲法違反の大罪が裁かれたのです。
政府は、公務員制度「改革」を労働組合の関与を否定する方向ですすめています。判決は、こうした政府の労働基本権をふみにじる態度への批判でもあります。
全税関は、財務省当局に対し、謝罪と差別是正などを求めると同時に、東京事案の最高裁勝利をめざして全力でたたかいます。
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●対話と共同”こそ! −−全労連対策本部、各団体・組織と懇談
全労連「公務員制度改革」対策本部は、11月上旬から、農民運動全国連合会(農民連)、 全日本民主医療機関連合会(民医連)、全国商工団体連合会(全商連)など、各団体・組織との懇談会を実施しています。
11月22日の自由法曹団との懇談会には、国公労連から堀口委員長と小田川書記長も参加し、公務員制度「改革」の本質や現時点での政府の検討内容をふまえ、民主的「改革」をめざすとりくみについて、理解と協力を求めました。
自由法曹団からは、「公務員の労働条件が悪くなることを前面に出しても国民の理解は得られない。制度が変わると、具体的に国民の生活がどのようになるのか、分かりやすく説明する資料も必要」との意見や、「公務員の労働基本権については、ILOに持ち込んで国際的な世論で日本政府を追い込むことが必要」との指摘もありました。
公務員制度「改革」とのたたかいでは、職場からの国民的な支持と理解が何よりも重要です。「国民の中に、国民とともに」運動をすすめるため、引きつづき懇談会や行政相談活動を全国で旺盛に展開していきましょう。
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●地域レポート 1
小泉内閣の「聖域なき構造改革」により、地域経済にも大きな影響が出ています。
こうした地域の状況や労働組合のとりくみについて全国各地からレポートしてもらいます。
〇北海道 −−釧路地域の経済に大打撃、太平洋炭鉱を閉山させるな
【北海道国公発】北海道地域でもご多分にもれず、耐えがたい「激痛」が道民にもたらされ、その影響はあまりにも重大です。銀行の不良債権処理が生む新たな離職は、試算では1万7千人にのぼり、1000億円と想定される地方交付税の削減や市町村合併の押しつけは「くらし・雇用・教育」を支える自治体の財政と役割に破壊的な打撃をもたらそうとしています。
6%近い完全失業率になっている現状のなかで、釧路市にある太平洋炭鉱の閉山問題が報道機関をにぎわせ、釧路市民のあいだにも大きな不安が広がりました。関連労働者を含めた1500人の失業は、市民の約4割にあたる7万人の生活に影響という声もあるくらいです。
小泉内閣の「構造改革」路線のもと、NTTをはじめとする大企業は社会的責任を投げすて、大リストラをすすめています。そのことが不況を一層長引かせ、労働者・国民に絶えがたい苦しみを押しつけています。
企業は労働者の雇用を守ることをはじめ、社会的責任を果たせという声が広がっていますが、太平洋炭鉱にも同じ言葉を大きく寄せる必要があります。
▼日本の石炭を守れ
いま、釧路地区労連を中心とした地域の仲間が炭鉱の長期存続を訴えています。地区国公もこの11月には組織の強化がはかられ、より一層の団結力をこのたたかいに結集し、地域経済のために奮闘しています。 わたしたちの運動は地域経済を守るばかりでなく、日本のエネルギーの将来にかかわる重要なたたかいとなります。
日本の貴重なエネルギー産業を守る立場から、また今日の経済危機のもとで大規模な失業を生み出さないためにも、国の政策を「日本の石炭を守る」政策に転換させる大きな運動を展開することが必要となっています。
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●国公労連 役員の横顔 No.4
○小田川 義和書記長(全法務出身)
理論と実践に通じた「大黒柱」
出雲市の東南、島根県木次(きすき)町の生まれ。高校卒業後、広島地方法務局に採用され、三次(みよし)支局に勤務。法務局では人権関係の担当が長い。
全法務では、21歳にして広島支部書記長となり、29歳からは2年間、中国地本書記長を務めた。
広島県国公事務局長の4年間では、県労連や広島地域労連の準備会の中心となって奮闘するとともに、JRのローカル線存続など幅広く地域での運動に関わってきた。
91年に国公労連中執となり、調査部長、書記次長を経て昨年から書記長。行革闘争では対策本部の事務局長としても奮闘。豊富な経験と労働運動に対する理論と政策で、国公労連の「大黒柱」といえる存在である。 休日はストレス解消のため台所に立つことも。趣味の家庭菜園の成果と、独身時代からの腕前で、おいしい料理(酒の肴)を家族3人で囲むのがつかの間の楽しみに。
○青木 信哉中執(全全国税出身)
何ごとにも「まじめ」に対応
生まれは北海道函館市。高校卒業後、都会にあこがれ東京へ。
最初の職場は豊島税務署。20年にわたる東京都内の税務署勤務では、主に、開業医、弁護士、商店など個人事業者の所得税や消費税の調査を担当してきた。
職場には「たたかう労働組合こそ必要」との思いから全国税に加入。分会で書記長を務めるなど、常に職場を基本に活動し、全国税本部の、青年部長2年、中執3年の経験もある。
国公労連中執は1年目。組織部で平和問題や食健連など幅広い分野の共闘関係にたずさわり視野を広げている。
アルコールは苦手だが、懇親会には好んで参加。
休日はジャズを中心に音楽を聴いて過ごすことが多い。以前バンドを組み、サックスを吹いていたこともある。本人は、「人に聞かせるほどではない」というが、舞台に立つ勇姿を見る日も近いか?
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