●大綱」は認められない! 撤回し再協議を
−賃金要求と一体で当局交渉強めよう−
〇天下り問題などマスコミも批判
政府が12月25日に決定した「公務員制度改革大綱」に対し、マスコミも批判の目を向けています。日経新聞は「中途半端な公務員改革案」として、「キャリア制度は時代遅れ」「当局の人事管理の権限だけを強化するのは果たして公正・妥当な仕組みといえるのか」「民間への天下りが野放図になる恐れ」などを指摘しています(12月27日付「社説」)。毎日新聞も「公務員改革『お手盛り』にしてはならぬ」として、「国民の願う霞が関改革とはかけ離れた」ものの典型が「天下り」問題とし、「『能力主義』はいかがわしい」「労働基本権を先送りしたのも筋が通らない」「本気になって改革を練り直せ」などと主張しています(1月5日付「社説」)。読売新聞も「天下りが緩和されただけでは?」とする社説を掲載しました(12月26日)。このようなマスコミの批判は、国公労連の主張とも一致する点が少なくありません。
12月27日に開催された「全労連・公務員制度改革対策本部」では、労働基本権制約維持を一方的に決めたことは「信義とILOでの国際公約に反する」ことから、早急にILOに提訴することを確認しました。
〇春闘課題と結合し、国民世論に訴えよう
ところで、12月30日に「公務員改革、基本法案提出へ」とする記事を日経新聞が掲載しました。その真偽のほどは確かではありませんが、「大綱」に対する批判の高まりや、推進事務局が国家公務員法などの「改正」作業を行う権限が不明確なことへの懸念などが、「基本法」検討の背景にあると考えられます。
国公労連は、こうした動きもふまえ、1月10日に第11回闘争本部を開催しました。そして、「『大綱』の撤回、交渉・協議の仕切り直し」と「基本法検討反対」を推進事務局に早急に申し入れること、春闘期の当局交渉を賃金要求と一体で強めること、国民世論への働きかけ、地域からの共同の追求を国民春闘に結集して旺盛に展開することなどを確認しました。
|
●2002年春闘スタート −−怒りの日経連総会抗議行動を展開−−
2002年春闘が本格的にスタートしました。1月11日、国民春闘共闘は、新春宣伝全国統一行動を展開。中央段階では早朝宣伝と日経連臨時総会に対する抗議行動に、1100人(国公は250人)の仲間が参加しました。
日経連の臨時総会会場の東京会館(東京都千代田区)前では、横断幕を手にした参加者が「賃上げで消費不況を打開しよう」「リストラ競争やめろ」と抗議の声をあげました。
国民春闘共闘の小林洋二代表幹事(全労連議長)は、「小泉内閣の悪政と大企業の横暴を打ち破るために全力をあげてたたかおう」と力強くあいさつ。行動の最後には、参加者全体で「闘争宣言」を確認し、経団連会館前までデモ行進。日経連の賃下げ攻撃を糾弾する怒りのシュプレヒコールが昼休みのオフィス街にこだましました。
|
●労問研報告 −−雇用不安を逆手に賃下げ迫る−−
小泉構造改革に反対するたたかいを 日経連は1月11日の臨時総会で、財界の春闘対策方針である「労働問題研究委員会報告」を発表しました。その内容は、「賃金引き上げは論外」とし「ベア見送りにとどまらず、定昇の凍結・見直し」や「総額人件費を縮減」など、賃下げにまで踏み込んでいます。
また、雇用不安を逆手にとった「総人件費抑制のためのワークシェアリング」や「高コスト」是正の観点からの社会保障制度の「改革」、消費税中心の税制「改革」、産業構造「改革」など、多国籍大企業の身勝手さを羅列する内容です。
〇職場の人権破壊とルールなきリストラ
いま、NTTや電機・自動車などの大企業が大規模なリストラ計画を相次いで発表し、世帯主の失業が高水準に達しています。
財界・大企業は、この不況下でも大儲けを続け、日立、トヨタ、NTTなど主要企業20社の連結決算だけ見ても、この一年間に内部留保を2兆6000億円も増加させてきました(2002年版ビクトリーマップ)。
「NTT11万人リストラ」では、50歳以上の労働者5万5000人に対して外注子会社への転籍を迫り30%もの賃下げを押しつけるなど、年齢による差別という「職場の人権破壊」を強行しようとしています。「ルールなきリストラ」がNTTだけではなく、大企業に広がりはじめているのも見逃せません。
「職場に働くルールの確立」をスローガンに職場・地域でのたたかいを強化することが今こそ求められています。また、大企業のリストラを後押しする小泉構造改革に反対する国民世論を高めることも重要です。
構造改革の一環である公務員制度「改革」に対するたたかいと、国民に痛みを強いる雇用・くらし・いのち破壊の「構造改革ノー」、「大企業の横暴許すな」の国民的な要求を結合し、職場・地域から「国民生活擁護のたたかい」を大きく展開していきましょう。
|
●ぬいぐるみを利用して積極的に宣伝
−−東海ブロック「行政・健康なんでも相談」ひらく−−
【東海ブロック国公発】
12月22日、東海ブロック国公は愛知県社会保障推進協議会などとの共催で、名古屋市の金山総合駅において「行政・健康なんでも相談」を開催しました。
当日は、パンダとウサギのぬいぐるみや風船を利用して宣伝を行い、年末のあわただしい時期の実施でしたが、相談件数は21件で、法律や税金に関しての相談が多くありました。
また、専門の医師による医療相談も実施し、15名の方が訪れたほか、数多くの方が血圧測定を受けていました。
全医労のなかまは、国立病院・療養所つぶしに反対する署名に精力的にとりくみ、3時間で158名分を集約するなど、大きな成果をあげました。
|
●読者の広場
〇9名の職場から今年も1名削減 全運輸九州航空支部奄美分会の方から
予算の内示がありましたが、2年連続の定員削減です。9名の職場、それも極めて変則的な勤務体制の職場で、1人減らされます。2年前と比べ20%削減されて、仕事量は変わりません。これでどう仕事をこなせと言うのでしょうか。病気をしても休めません。国民いじめ、公務員いじめの小泉政権をなんとしてもやめさせなければ体が持ちません。
〇減らない仕事、減る職員と給料 全法務高知支部室戸分会の方から
私たちの職場も、毎年のように定員が削られ、休暇を取るのも難しい状態です。仕事は一向に減らないのに、人は減らす、給料は減らすではやってられません。みんなで団結して、こんな状態を一刻も早く抜け出しましょう。
〇宇宙3機関の統合、職場はどうなるの 航空宇宙技術研究所労組の方から
独立行政法人化もまだ落ち着かないのに、宇宙関係3機関(宇宙科学研究所、宇宙開発事業団、航空宇宙技術研究所)の統合がすすめられようとしています。現場職員は、まったく落ち着かず、明日がわからないまま混乱期の多忙業務に耐えています。
〇車検部門がいよいよ独法化 全運輸近畿支部京都分会の方から
いよいよ、自動車検査部門の独立行政法人化の年。スタートまで6ヶ月を割りました。くいの残らないように権利獲得に向けてガンバロウ!
〇不景気のため保険料徴収も大変 全厚生神奈川支部小田原分会の方から
本紙の新年号に取り上げられたように、社会保険の職場は毎年、法律改正があり、人員も増えず混乱しています。また、不景気のため保険料徴収も大変です。
〇元国税局長の脱税、やりにくくなる仕事 全国税埼玉支部越谷分会の方から
元国税局長の脱税・逮捕のニュースに、職場では確定申告を前にして、これでまた仕事がやりにくくなると頭を抱えています。
〇今年成人式、自覚と責任を 全司法和歌山支部本庁分会の方から
明けましておめでとうございます。ようやく今年、成人式を迎えることとなりました。大人としての自覚、責任を感じ、すべてのことに取り組んでいかないと!と思う、今日この頃です。
|
●国公労連 役職員の横顔 No.7
〇熊谷 金道中執(全経済出身)
たたかう労働者を常に先導
北海道のほぼ真ん中の上砂川町に生まれ、高校卒業後、札幌通産局に採用となり、全商工(現在の全経済)に加入。
3年目に本部中執として東京へ。3年間中央で、勤務評定反対などのたたかいに力を注いだ。その後、札幌の職場に戻るが、74年に当時の国公共闘の幹事として再び東京へ。
75年の国公労連発足を中執として経験、書記次長を経て、82年からの5年間は書記長として「人勧凍結・値切り」攻撃「軍拡・臨調路線」に対して、国民とともにたたかう「国公大運動」の先頭に。
89年8月には、ナショナルセンター結成「準備会」の事務局長となり、全労連結成後、初代事務局長として、9年間全国のたたかう労働者を導いた。現在は全労連副議長。
趣味は登山。最近は年に数回となってしまったが、高山植物の写真を撮るのが楽しみ。家族サービスも兼ねた温泉旅行で日頃の疲れをとる。
〇川井田 守中執(全司法出身)
豊富な知識を教宣活動に生かす
高校卒業以来、ずっと東京での生活が続いているが、生まれは鹿児島県大隅半島の鹿屋市。
大学在学中、労働法のゼミの友人から全司法本部が書記を募集していることを知り、採用される。
書記時代は、教育宣伝部の経験が長く、職場取材にも多く出向いた。機関紙の新年号の取材に長崎県の対馬に渡る前日、佐賀でのオルグに夜遅くまで力を入れすぎ、翌朝、船に乗り遅れそうになったという苦い経験もある。
全司法東京地連の執行委員、書記次長を経て92年から全司法中執、そして2000年から国公労連中執に。
現在は、教育宣伝部で「国公労調査時報」の企画・編集と、購読拡大などに日夜奮闘中。
家族は、裁判所に勤める愛妻と1男2女。
趣味は幅広く、バイク、乗馬、カメラ、アマチュア無線など。現在は時代と年齢にあった新たな趣味を探している。
|
●全経済ホームページ オープン
2002年1月1日から運用を開始しています。
ぜひアクセスしてみてください。
http://www.zenkeizai.jp
|
●国公労調査時報 2月号の広告
(定価 450円、年間購読料 5,850円)
国民総ぐるみの春闘 −その時が来た−
全労連事務局長 坂内 三夫
検 証 「聖域なき構造改革」と国民生活
〇基調論文−「構造改革路線」は、国民生活に何をもたらしているか
専修大学名誉教授 西岡 幸泰
〇各 論
・「公務員制度改革大綱」批判のポイント
・労働諸法制にかかる規制「改革」について
・特殊法人先行7法人「改革」がもたらすもの、
・生活できる年金は保障されるのか
・金融制度改革と国民生活
・規制緩和、競争至上主義が脅かす空の安全
・国立大学はどうなるのか
・公共事業と建設労働者
・中小業者の現状と日本経済建て直しへの要望
・いよいよ問われる農業の存亡
・「聖域なき構造改革」と介護・福祉の行方
◎ 購読に関する問い合わせは、国公労連教育宣伝部まで
電話:03−3502−6363
e−mail:jihou@kokko.or.jp
|
トップページへ 国公労新聞へ |