国公労新聞 第1103号

●雇用・くらし・いのち 守るたたかいに全力
 
「4・12国民総行動」に向け怒りの集中を 

〇国民に「激痛」迫る悪法が次々と
 政府は、3月1日の閣議で、医療制度「改革」のための健康保険法等改悪法案を決定し、国会に提出しました。すべての労働者と家族の医療費負担を3割に引き上げ、ボーナスからも保険料を取ろうという内容です。しかも、「構造改革」の姿勢を示すとする小泉首相の「リーダーシップ」で、来年4月からの3割負担実施を盛りこんでいます。
 2月末には、「デフレ対策」と称して、不良債権直接処理を加速することなどを決定しています。その後の佐藤工業の「倒産」などにも見られるように、雇用不安をさらに広げていますが、有効な景気・雇用対策は、検討さえ行っていません。その一方で政府は、今国会での「有事法制」の立法化にむけ、3月中旬にも法案を国会に提出しようとしています。
 国民には「激痛」を迫ると同時に、「戦争をする国」への「改革」を一気に進める「構造改革」の正体が露呈しています。

〇「賃下げ春闘」を打破しよう
 3月中旬の「集中回答」時期をまえに、民間企業での賃金交渉も本格化しています。大企業では、賃金の3〜10%カット(鉄鋼・電機など)や定昇の廃止、半減(キャノンなど)という動きが相次ぎ、ワークシェアリングを理由にして最大20%の賃金カット(三洋電機)という新たな賃下げ「提案」も出ています。
 「消費拡大こそデフレ対策」、「大企業は、労働者、下請けいじめやめろ」の声を地域から広げ、民間労組のたたかいを励ますことが求められています。

〇全労連がILOに報告書を提出
 国公労連と政府・人事院との交渉も重要段階を迎えています。民間での「人減らしも賃下げも」のルール無視、生活破壊の攻撃を公務に持ち込ませず、人間らしく働ける職場づくりを求める使用者責任追及が重要です。また、労働基本権を制約したまま使用者・政府の人事管理権限を拡大する「公務員制度改革大綱」の具体化を許さないとりくみを強めていきます。
 全労連が2月15日、ILOに対して、政府の「公務員制度改革」の違法性を訴えた報告書を提出したことも武器に、「労使対等」の立場での労働条件決定を制度面でも運用面でも、徹底して追及する必要があります。

〇「3・19」「4・12」など全国統一行動の成功を
 小泉内閣の「本性」が露呈する中で、内閣支持率が急落しています。また、医療改悪や有事法制阻止の立場で野党の合意が形成されつつあり、「構造改革」路線の転換を迫る政治的な条件が拡大しています。
 また、有事法制に反対する国民的な運動も、「陸・海・空・港湾20団体」がナショナルセンターの所属をこえて共同した声明を発表するなど、広がりはじめています(国公労連も2月27日、有事法制の国会提出に反対する要請書を送付しました)。
 このような運動の広がりなどもふまえ、3月14日のNTTリストラを告発する宣伝行動、3月19日に想定される政府・人事院回答日の全国統一行動(早朝または昼休みの屋外・時間外職場集会)の成功をめざし、職場・地域で総力をあげてたたかいます。
 そして、小泉「構造改革」への怒りを結集する「医療改悪反対、雇用・くらし・いのちを守る4・12国民総行動(国公労連は『休暇宣伝行動』で結集)」の成功に向け、職場・地域から、たたかいの「うねり」をつくり出しましょう。

●「賃上げ」「労働協約改定」 春闘で要求勝ちとろう
 独法労組総決起集会ひらく

 賃上げ、労働協約改定を中心とする春闘課題の前進を図るため、国公労連と学研労協は、3月5日、つくば市の気象研究所で「独法労組春闘総決起集会」を開催し、6単組40人が参加しました。
 集会では、学研労協山口議長、国公労連遠山副委員長のあいさつに続き、国公労連飯塚中執が「不況打開をめざす積極的な賃上げ要求と、36協定改定に合わせた残業改善などの協約改定のたたかいを結合してとりくもう」「組織と共闘を強化するとともに、産別、全労連の運動に結集しよう」と基調報告。
 その後、各単組から、春闘におけるとりくみの現状と課題について決意表明が出され、職場の経験を交流しあいました。

〇たたかいのカギは「組織の数」
 最後に、学研労協川鈴木事務局長から「個別の問題も多いが共通課題もある。横のつながりで協力しあおう。たたかいのカギは組織の数。組織拡大に奮闘を」と最後まで力強く春闘をたたかい抜くことが確認されました。
 各独法労組では、賃金要求、労働協約改定を求め、法人当局に対し要求書を提出、交渉を重ね、2002年春闘勝利に向け全力でたたかっています。春闘ヤマ場を迎えたいま、この集会を契機に、要求実現をめざして、いっそうの奮起が求められています。

●3・1ビキニデー集会 −−核兵器のない平和な世界を−−

 太平洋ビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で第5福竜丸が被爆して48年目。2月28〜3月2日、静岡県焼津市で3・1ビキニデー集会が開かれ、全国から1500人(国公労連は60人)が参加しました。
 集会には若者の参加が多く、核兵器廃絶と平和を守るために奮闘する発言が相次ぎました。

●秋田病院を存続させよう −−住民投票成功に向け集会や宣伝行動−−
 

 国立療養所秋田病院(秋田県本荘市)の存続を求め、住民投票の準備をすすめている「住民投票を成功させる市民の会」は、3月2日に市民集会を開催。本荘市民や全国からの支援者など460名で会場はいっぱいになりました。
 集会では、「住民投票を成功させよう」とするアピール採択するとともに、翌3日には、戸別ビラの配布や街頭宣伝を実施し、署名への協力を広く市民に訴えました。

●福岡春闘共闘、昼休みに繁華街パレード −−2・20地域総行動−−

【九州ブロック国公発】
 2月20日、福岡春闘共闘は、主要駅前での早朝ビラ、経営者団体などへの要請を行い、昼休みには、福岡市の中心である天神で総決起集会を開き、市内をパレードしました。
 また、福岡公務共闘は、県庁及び市役所、福岡市内の郵便局、人事院九州事務局に対し、公務員制度改革の問題点を訴え、関係機関に働きかけるなど、使用者としての責任を果たすよう要請しました。
 総行動には、九州ブロック国公、福岡県国公からのべ150名が参加。2002年春闘での官民一体のたたかいの、ステップ(3月14日)、ジャンプ(4月12日)へつながるホップ(2月20日)な行動となりました。

●国公共済会の加入拡大を

 2月28日、東京都内において「第6回国公共済会拡大推進会議」が、全国から230名の参加で開かれました。
 会議では、松渕常務理事が基調報告を行い、参加者から職場でのとりくみ報告がされました。
 また、分散会では経験交流なども行われ、参加者は4月から6月の間で、5000名の加入拡大に向け奮闘することを確認しあいました。

●横浜市長選挙 −−革新候補を推せん 松川 康夫さん−−

 3月17日告示、3月31日投票
 国公労連中央執行委員会は3月4日、神奈川県国公の要請をうけ、横浜市長選挙に神奈川県国公も結集している「市民の市長をつくる会」などが擁立した松川康夫さんの推せんを決定しました。
 松川さんは、借金づけの大型開発優先の市政から、福祉・くらし優先の市政への転換を公約にかかげ奮闘しています。
 松川さんは、1月末まで中央水産研究所に勤務していた国公労働者であり、東京国公に結集する全農林東京地本の副委員長でした。つくる会では、「市民が主人公」の市政をかちとるため、全国からの支援を呼びかけています。

●退職されるみなさんへ −−長い間お疲れさまでした−−

   国公労連中央執行委員長 堀口 士郎

 今年度末で退職されるみなさん、長い間きびしい仕事と国公労連の運動にご尽力くださりほんとうにありがとうございました。
 長年のご労苦に心から敬意を表します。
 退職される多くのみなさんは、戦中・戦後のいわば動乱の時代に生まれ、波乱と激動に充ちた戦後の日本を生き抜いてこられた方々です。
 みなさんの公務員労働者としての努力と足跡は、そのまま日本と国公労働運動の歴史でもあります。
 毎年続けられる人事院勧告の値切りに対し、やむにやまれず立ち上がった69年の11・13統一ストライキや、82年の人事院勧告凍結や、臨調行革路線に対し国民世論を結集してたたかった国公大運動などは、大きな節目のできごとではなかったでしょうか。
 その意味ではみなさんの公務員労働者としての一つひとつの努力が、今日にいたる日本の発展を支え、国公労働運動の基盤を築く原動力だったと思います。
 いま、政権党に都合のいい公務員づくりや憲法改悪が狙われていますが、私どもは皆さんの足跡に学びながら、国民とともに歩む国公労働運動の原点をしっかり守っていきたいと思っています。
 この間の皆さんのご支援とご協力に、あらためて感謝とお礼を申し上げます。お身体を大切にされ、新たな人生を有意義に送られることを心から期待しています。

●国公労連 役員の横顔 No.10

 
 ○阿部 春枝中執(全運輸出身)
   真の男女平等めざし日夜奮闘

 長野県菅平の生まれ。高校卒業後、運輸本省の大臣官房会計課に勤務。
 高校の教師の影響もあり、社会に出たら労働組合に入るのはあたり前と思っていたところ、全運輸本省支部と出合い、良い先輩にも恵まれた。当時は、ベトナム戦争や沖縄の返還など平和運動が高揚していた時期で、いろんな行動に参加した。
 全運輸では、さまざまな課題を克服し、青年婦人部から、女性の組織を立ち上げ、独自の要求と運動を築いてきた。
 94年から国公労連女性協の事務局次長や副議長を務め、2000年からは中執・女性協事務局長として、公務職場の男女平等参画の実現と女性にとって働きやすい職場づくりをめざして奮闘している。
 趣味は「老後の楽しみに」と始めた写真。行動にカメラ持参ということも。国公労連書記局の某同好会では一番偉いSOUSAI(総裁)。

 ○松渕 秀美中執(全厚生出身)
  国公共済会の優位性に自信

 国公共済会常務理事として7年目。「民間と比較すれば有利な国公共済会の加入者は大きく増えるはず」と絶対の自信を持っている。組織拡大のためにも国公共済会の役割は大きいと熱く語る。
 出身は秋田市。高校卒業後、杉並区にある社会保険業務センターに採用される。全厚生では300人を超える業務センター支部の書記長を務め、88年から3年間は中執として、組織拡大や組合財政の確立に力を注いだ。
 地域では、杉並区労連の結成にも関わり、事務局長として、地域の労働者、民商、新婦人など広範な仲間とともに、消費税の導入反対や社会保障の充実を求め、駅前での宣伝などをねばり強く展開した経験を持つ。
 3人の息子とは、それぞれ小学6年の時に1週間ほど、親子2人の自転車旅行に出かけ絆を強めている。休日には、4年前から始めたテニスで汗を流す。

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