●雇用・くらし・いのちを守ろう −−公務と民間労組が春闘で総決起−−
3・13中央行動に2000人 2002年国民春闘がヤマ場を迎えています。3月13日のJCへの「ベアゼロ」回答への怒りも結集し、公務・民間労働者が総行動に立ち上がりました。
3月13日、公務労組連絡会の中央行動には、2000人(国公労連1400人)が結集しました。
昼休みの総務省前要求行動で、堀口副議長(国公労連委員長)は「政・官・財の癒着構造を断ち切り、民主的公務員制度を確立するためにも、民間労働者、国民との共同を」と力強く訴えました。
〇中労委の公正任命を
並行して厚生労働省前では、中労委労働者委員の公正任命を求める行動が行われ、「藤田さん・今井さんの任命を実現しよう」と意思統一。
午後からは人事院前、行革推進事務局前要求行動、国会議員要請、決起集会、国会請願デモなどを展開。上京団を組織した単組やブロック国公が横断幕をたずさえて、霞が関周辺での行動をくりひろげました。
〇大企業の横暴を許すな!民間労組と共同−−
通信労組・JMIUのストライキを支援
自動車、電機、鉄鋼などでつくる金属労協(IMF│JC)の集中回答が行われた13日、史上最高益をあげるトヨタ自動車をはじめ、軒なみベースアップ(ベア)ゼロ。定昇凍結・カットなどの回答が続出しました。
これに反撃して、翌日の3・14全国統一行動で23単産・25万人を超える仲間が結集。医労連、JMIU、通信労組、建交労など308組合・約7万人がストライキに決起しました。
国公労連は、「11万人リストラ」を進めるNTTなど大企業の横暴を告発し、たたかう労働者に連帯するため、14日早朝、宣伝・支援行動を全国各地で展開しました。
東京では、NTT持ち株会社前など5カ所で4500枚の宣伝ビラを配布し、通信労組のストライキを支援しました。
また、JMIUの仲間へのスト激励行動にもとりくみ、決起集会とデモ行進などを実施。民間と公務の労働者が、熱いエールを交わしました。
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●たたかいのうねりを4・12へ
3月15日、鈴木宗男代議士が、自民党からの離党を表明しました。「疑惑のデパート」とまでいわれる利権あさりの実態が次々に明らかになり、国民の批判が集中したからです。
税金を食い物にする「政官財」の癒着構造を改革しなければ、悪政の根は絶てません。「公務員制度改革大綱」の撤回、民主的公務員制度確立」をもとめる国公労働者のたたかいに、国民の視線が向けられています。
〇広がるたたかいの輪
「いのちまで削る構造改革ノー」の世論が高まっています。全労連の提起にこたえて、開業医、農民、商工業者などの団体が、4月12日に「国民総行動」を全国で展開することを決定しています。また、連合も、「医療改悪反対」を中心課題に、4月10日、11日に、全国規模の行動(ゼネラルアクション)をとりくむことを決定しました。たたかいが広がっています。
日立、NEC、松下電器産業などの電機大手各社は、13日に「賃金体系(定昇)維持」の回答をおこなっておきながら、翌日には「5%賃下げ」(日立)、「定昇凍結」(松下、NEC)などの提案をおこないました。企業の儲けのためなら、労働者の生活はおかまいなし、そんな身勝手を黙って許すわけにはいきません。
〇休暇宣伝行動の具体化を早急に
「雇用、いのち、くらし」をまもるため、4月12日の「国民的ストライキ」の成功が、客観的にも重要になっています。
たたかいのうねりを確かなものにし、さらに大きくするため、4月12日を焦点に、8日からとりくむことを確認している「休暇宣伝」行動の具体化、行動の確定が急がれます。3・13中央行動などの成功を糧に、すべての職場・地域でとりくみの意思統一をすすめましょう。
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●国公労連をより大きく、より力強く
−−組織拡大4カ年計画「チャレンジ30」−−
ホップ・ステップ・ジャンプで30万国公労連へ
〇組織の強化・拡大がなぜ重要
いま、公務・民間ともに、労働組合の役割と存在意義が問われており、その組織的力量と社会的影響力の拡大・強化が極めて重要な課題となっています。そして、組合員とその家族だけでなく、国民的な要求課題を実現していくためにも、いまこそ組織の拡大・強化が求められているのです。
▼民間の職場では
財界・大企業の相次ぐリストラ「合理化」攻撃によって、失業率が戦後最悪の水準で推移する一方、臨時・パートなどの未組織労働者が年々増大するなかで、労働組合の組織率は減少し続けています。
昨年12月の厚生労働省発表では、組織率が20・7%(つまり組合員は5人に1人)にまで落ち込み、なかでも民間は18・0%であり、労使の力関係が激変する下で、財界・大企業の「一人勝ち」が続いています。
今春闘でも、財界・大企業は、「これ以上の賃上げは論外、ベア見送りだけでなく、定昇の凍結・見直しや、緊急避難的なワークシェアリングも」と攻撃をたたみかけています。
しかも、3月13日、自動車、電機、鉄鋼などの大企業が連合労組に軒並みベア・ゼロ回答を行った直後に、松下、NECなどの電機大手が賃下げ・定昇凍結の逆提案を行うという異常な事態となっています。
▼公務の職場でも
公務でも、80年代から続く「行革・規制緩和」による省庁再編・独立行政法人化、自治体リストラ・市町村合併や「教育改革」などの攻撃が激化するもとで、「総人件費抑制」に伴う要求闘争の困難化、職場での不安定雇用労働者の増大などが進んでいます。
その結果、公務の組織率は61・5%で、民間と比べてかなり高いものの、相次ぐ定員削減などの影響もあって漸減傾向に歯止めがかかっていません。
国公産別の場合、組織している労働者数や省庁数の点で、私たち国公労連が引き続き“多数派”を堅持しているものの、その組織的な減少傾向は否めません。
いま進められている公務員制度改悪の攻撃は、仲間たちの団結にくさびを打ち込む狙いもあります。昨年10月に国公関連部門での多数派形成と影響力拡大を狙って「国公連合」が結成されたという状況も見過ごせません。
〇チャレンジ30ってなに?
▼その背景は
21世紀の労働運動を切り開くキーワードが、地域運動の前進と不安定雇用労働者(その多数が未組織労働者)の組織化にあることは「常識」となっています。
公務でも、行革攻撃のもとで、独立行政法人化や民間委託など、民間との垣根も低くなっています。いわゆる省庁内(企業内)の正規職員のみを対象にした労働運動では、早晩、行き詰まることが目に見えています。
そのことから、「国公関連一般労働組合」の結成、非常勤職員の組織化、中立組合への加盟働きかけなど、大胆な目標、意欲的な課題を設定し、国公労連、各単組、ブロック・県国公が力を合わせて組織拡大・強化のとりくみを進めることが求められています。
▼その基本は
「チャレンジ30」は、職場の未組織者をなくすなどの、従来の組織強化・拡大方針に加え、国公労働運動の「量とともに質の転換」もめざした新たな挑戦です。
「国民の中へ、国民とともに」を合言葉に、要求闘争をさらに強めつつ、50万国公労働者(一般職・非現業)はもとより、国公関連のすべての仲間を視野に入れ、頼りになる産別センターとして「30万国公労連」の組織建設に果敢に挑戦していきます。
そのため、国公労連本部、各単組・ブロック国公(東京国公を含む)代表による「推進委員会」を設置し、結成30周年を迎える2005年9月までの4年間に目標を達成するために、「ホップ・ステップ・ジャンプ」作戦を展開していきます。^n
〇職場の仲間に目を向け、身近な要求を実現させよう
職場の長時間過密労働は深刻で、「親切で丁寧な窓口対応ができない」という声が多くなっています。
国公労連は、このような行政サービス切り捨ての定員削減に反対し、国民生活を重視した行財政・司法の確立をめざし、「国民の中へ、国民とともに」をスローガンにたたかいをすすめてきました。
▼組合活動の原点は職場・地域でのたたかい
とりわけ霞が関の中央省庁で働く国家公務員の長時間・過密労働は深刻な問題です。
このような実態を改善するため、東京国公と霞国公(霞が関国公共闘会議)は、2001年8月下旬、国連社会権規約委員会への要請団に代表2名を派遣し、実態を訴え、日本政府に対する「改善勧告」を勝ち取りました。また、水曜日の定時退庁行動に共感が広がっており、職場の雰囲気も変わりつつあります。
職場の中にある身近な要求実現に、単組と産別組織が力をあわせ、職場・地域でたたかっていくという「原点」の活動が、職場を変え、労働組合への仲間の信頼を高めることになります。
▼非常勤職員の組織化大きな課題として
同時に、同じ職場で働く、非常勤職員・アルバイト・派遣労働者などと、同じ仲間として連帯したとりくみも重要です。
賃金(非常勤)職員の組織化がすすんでいる全医労では、賃金職員の定員化や労働条件改善を求め、署名活動や厚生労働省交渉が行われています。全建労では、2002年春闘に向け、「非常勤職員労働条件アンケート」を実施し、組織に迎えいれる方針でとりくんでいます。
独立行政法人の労働組合では、36協定締結に必要な「労働者の過半数を代表する者」の母数に非常勤職員も含まれることから、組織化はより重要な課題です
「チャレンジ30」では、非常勤(定員外)職員の組織化を大きな課題と位置づけています。国公労連では、6月に「非常勤職員実態交流会(仮称)」の開催も計画しています。
〇地域からの取り組みが重要 −−ブロック・県国公、単組、国公労連が三位一体で−−
3月15日付け朝日新聞夕刊の「窓」欄は、宮崎県延岡市を例にとり、市街地中心部の三つのスーパー、百貨店が相次いで閉鎖された「地方都市」の悲鳴を伝えています。同じ問題が、全国で起きています。
全労連は、そのような状況にも目を向け、職場に責任を持つ単産と、地域での運動を組織する県労連が、対等の立場で結集するナショナルセンターとして結成されました。
国公労連は、全労連結成もふまえ、ブロック・県国公と単組、国公労連が三位一体でたたかいを展開する運動スタイルへの転換をめざし、ブロック国公への専従配置などを、これまでも進めてきました。
▼国民的要求と一体のたたかいに参加を
いま、小泉「構造改革」では、国立病院や国立大学の「独立行政法人化」にも見られるように、「もはや公務員は不要」といった乱暴な議論を背景にした攻撃が強まっています。これと対峙した運動は、国公労働者が一丸で「国民の中へ」打って出て、「国民的要求と一体」のたたかいに参加しなければ、攻撃をはね返せません。運動の主戦場は地域です。
「チャレンジ30」では、ブロック、県、地区国公を地域の産別センターと位置づけ、それぞれの機能と組織の強化・整備の課題を提起しています。
【ブロック国公の課題】
「安定的な専従配置」、「中間的機関としての機能・体制の整備」、「産別課題での交渉機能の強化」など
【県国公の課題】
「地域の産別センターとしての組織整備・拡大」、「国公労連関連労働者との共闘の母体」、「安定的な運営」、「県労連との連携」など
【地区国公の課題】
「複数単組の組織があるすべての地域での地区国公の確立」、「安定的な運営」、「地域労連との連携」など
〇4〜6月は「組織拡大月間」です
労働組合は数が力です。また、労働組合がある職場とない職場では労働条件が大きな開きが生じます。労働条件の改善は、一人ひとりのたたかいにかかっています。
要求と運動を前進させるためには、組織の拡大・強化が不可欠です。国公労連の「チャレンジ30」を実践していく上でも、手の届くところから組織拡大・強化を重視することが大切です。
▼新規採用者の全員加入めざそう
国公労連は、毎年4〜6月を「春の組織拡大月間」として、集中的なとりくみを展開しています。この月間中は、4月から迎える新規採用職員の拡大、未加入者の一掃が重要な課題です。全員加入に向けた意思統一を行い、パンフレットなどの準備をするとともに、歓迎会を開催するなど、積極的なとりくみを具体化しましょう。
また、人事異動で職場が変わる組合員には、確実に継続加入するように働きかけることも必要です。
未加入者に対して、組合への加入をよびかけるとりくみを、この月間中に集中させましょう。
〇あなたも労働組合へ
私たち国公労連は元気に活動しています。
国公労働者の要求実現と、国民本位の行財政・司法の確立めざしてたたかう、その決意があるからです。
仲間たちのどんなに小さな要求でも大切にする労働組合「国公労連」が、あなたの身近にあります。
あなたの加入を心からよびかけます。
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●子どもの看休など要求ぶつける −−女性協が「春の行動」−−
3月6日、国公労連・東京国公女性協は、春の人事院前行動と交渉を行いました。職場の忙しさから母性の破壊が進んでいる実態や、子どもの看護休暇制度化など、人事院に要求をぶつけました。
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●初任給と公務員制度問題で、青年協が春季中央行動
国公労連青年協は、3月8日、初任給改善や民主的公務員制度確立を求め、春季中央行動を実施。全国から10単組240人が参加し、総務省交渉、人事院前行動と交渉、国会議員要請行動、財務省請願などにとりくみました。
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●国土交通連絡会を結成 −−上部組織の違い越え5単組が参加−−
省庁再編により国土交通省が発足したことに対応して、省内の5つの労働組合(全運輸、全気象、全港建、全開発、全建労)は2月28日、「国土交通省関連労働組合連絡会(略称・国土交通連絡会)」を東京都内で結成しました。
この国土交通連絡会は、組合員の労働条件の改善、権利の向上、民主的な国土交通行政の実現をめざし、一致する要求での共同行動を行うことを目的に、加盟しているナショナルセンター(全開発は連合)の違いを乗り越えて、約2年間をかけて実現したものです。
運営については、「加盟組合は対等平等」とし、5単組の各委員長が「共同して代表をつとめる」としています。また、当面、全建労が世話人組合を担当することとなっています。
今後、追求あるいは情報・意見交換していく課題としては、定員、再任用、独立行政法人の問題、公務員制度改革、地域給問題、社会保障制度などが確認されました。また、概算要求時には手当、定員削減、要員などについて協議していくことになりました。
さらに、級別定数改善問題や、共済組合運営審議会の対応についても、適宜意見交換することとなりました。
今後、省内の独立行政法人の労働組合、管理職ユニオン、また国交職組(旧・建職組)にも必要に応じ意見交換などを呼びかけていくことも確認されました。
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●地域レポート 4
〇高知県 高知県公務員制度問題を熱く語って、7自治体からアピール賛同署名
【高知県国公発】
「小泉改革に反対 75・5%」(高知新聞1面、1月1日)。共同通信社のアンケートで、53人の県内首長のうち40人が「反対」と答えた結果です。
2001年の高知県内の企業倒産は109件、負債総額は325億円を超えており不況が深刻です。また、小規模自治体が多い高知では、国のすすめる「市町村合併」と、交付金・補助金削減の動きも暗い影を落としています。 高知県国公は、2月18〜21日、県国公独自で「自治体キャラバン」を展開し、国家公務員の25%削減は行政サービスの地方切り捨てであること、現在の公務員制度改革は、地方の声や実情を行政に反映するのではなく、中央や都市を向いた公務員づくりであることを積極的に訴えました。
対応した大半の首長は、「地方も大変。市町村合併が交付税削減の鞭で押しつけられている」「昭和の大合併で地域に根ざした文化がなくなり、過疎化が進んだ。そうならないための仕組みの議論も受け皿もない」など、「小泉改革」に対する不満に話がはずみました。その結果、訪問した14自治体のうち7人の首長が「民主的公務員制度の確立を求めるアピール」への賛同署名に応じました。
▼「地域総行動」でハンドマイク宣伝
また、2月26日の「地域総行動」では、県国公独自に昼休みと退庁時にハンドマイクによる宣伝行動を実施。7カ所の早朝宣伝行動からスタートした総行動では、くらしと雇用、いのちを守る春闘課題とあわせて、公務員制度改革での問題点を訴えました。立ち止まり耳を傾ける聴衆もいて、手応えを感じました。
高知県国公は、このとりくみをステップに、3月14日の統一行動、4月12日の「国民総行動」と、困難を乗り越えて国民的共同を広げるたたかいに奮闘する決意です。
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●鶏口 −−「ムネオ疑惑」で考える−− 密室の「ゆがんだ関係」
3月11日、鈴木宗男衆議院議員(自民党)に対する証人喚問が行われた。
「疑惑のデパート」と言われる同議員の疑惑は、「ムネオ・ハウス」などの「支援」事業の入札介入にとどまらず、底知れない広がりを持っていることが明らかになった。
露見した疑惑は「政と官、財(業)のゆがんだ関係」の氷山の一角である。「ゆがんだ関係」が、中央集権的な行政システム、政権交代がないなかで、社会の隅々にまで張り巡らされた「利権のネットワーク」、戦前の「天皇の官吏」の遺物を脈々と受け継ぐ官僚制度など「この国のかたち」に根ざしていることを多くの人々が感じている。
「政と官の関係見直し」論議が再び強まっている。これまでも、情報公開、公務員倫理、あっせん利得、行政手続などなど、「ゆがんだ関係」を監視・規制する制度がつくられてきた。
国公労連も、3月6日に「『政官財』癒着構造をただす改革を求める」とする書記長談話を出した。その中で、@営利企業への「天下り」禁止、Aキャリア特権制度の是正、B内部告発などの権利保障、C政治家との「接触禁止」、D国家公務員倫理法に規定する「利害関係者」に政治家・秘書を加えること、などの改革課題をあらためて提起した。
しかし、このような制度改革だけで、「ゆがんだ関係」が是正される訳ではない。「ムネオ疑惑」の発端が、民主党と共産党の議員に届けられた「内部告発文書」であったことは、マスコミも報道するところである。
密室でおきている「ゆがんだ関係」を、制度(ルール)に則って白日のもとにさらすには、個々人の正義感や勇気を伴う行動が必要である。その点は、公務員にも、例外なく問われる。
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