国公労新聞 第1108号

●いのち奪う小泉「改革」にストップを
 −−医療改悪、有事法制、国民犠牲の法案が審議入り−−

 小泉政権が発足して1年が経過しました。毎日新聞の全国世論調査(4月22日)では「小泉首相を評価しない」が57%にのぼり、景気回復の道筋が見えないことや相次ぐ政界不祥事に対する不満が表れています。
 国会は後半の論戦に突入しました。医療改悪と有事法制など、労働者、国民の「いのち・くらし」にかかわる重要法案が焦点です。
 保険料と窓口負担を大幅に引き上げる医療改悪関連法案は4月24日、衆院で審議入りしました。有事法制関連3法案を審議する衆院特別委員会は4月23日に設置。小泉内閣は「有事」を口実に憲法を踏みにじり、アメリカの戦争に国民を総動員しようとしています。郵政関連2法案(郵政公社法案と郵便事業の民間参入を認める信書便法案)は、小泉内閣の「試金石」となっています。
 また、「独立行政法人国立病院機構」法案が審議される予定もあり、公的病院のあり方検討など医療制度改革にかかわる課題や、国立大学法人化など「減量化」の動きも見逃せません。

〇職場・地域から運動の追い上げを
 「4・12国民総行動」など「いのちを削る構造改革ノー」の声が広がっています。日本医師会は4月23日、医療改悪関連法案の「成立に断固反対する」との声明を発表しました。今後、国会に向けて医療改悪反対署名などいっそうの運動の追い上げが重要になっています。
 「有事法制は最大の人権侵害法」「二度と戦争に加担しない」との声と共同も大きく広がっています。「ストップ!有事法制4・19集会」は、その決起の場になりました。
 たたかいは正念場です。民主的公務員制度確立など自らの課題と結合し、「構造改革ノー」、悪法成立阻止の運動と世論を広げるため、メーデーを出発点に奮闘しましょう。

●ブロック連鎖キャラバンスタート!

 国民のいのちを削る医療改悪法案、国立病院独法化、国立大学法人化、有事法制反対を地域住民に広く訴えるため、4月15日からブロック連鎖キャラバンがスタートしました。

〇九州ブロック  共同広がったセブンピースキャラバン
【九州ブロック発】
 4月18日、「セブンピースキャラバン」が出陣。福岡市職労(連合)から有事法制反対の横断幕を託されるなど共同も広がりました。佐賀、長崎、熊本大学職組との懇談や、長崎市繁華街の署名宣伝行動など大いに盛り上がりました。

〇東北ブロック  許すな!悪政、守れ!いのち
【東北ブロック発】
 4月8〜18日、「許すな!悪政、守れ!いのち、めざせ!みんなの行政」とスローガンをかかげキャラバンを展開。秋田病院存続のため奮闘している全医労の決意表明に大きな拍手(秋田)、「医療改悪反対に全面的に賛同する」と総務部長他5名が署名(青森)など大きな手応えがありました。

〇近畿ブロック  熱烈歓迎アタックキャラバン
【近畿ブロック発】
 4月15日にスタートした「アタックキャラバン」。金融・通信労働者との官民一体の行動(滋賀)や、神戸大学付属養護学校訪問で、アコーディオン伴奏と合唱で熱烈歓迎される(兵庫)など、自治体や国公職場をくまなく訪問し懇談・要請を実施。近畿各地で宣伝行動(写真は和歌山県田辺駅前)も精力的に展開しました。

〇石川県国公  にぎやかに行政相談
【石川県国公発】
 4月21日、石川県国公はキャラバンの一環として金沢市郊外の大型店「松任ジャスコ」で1日行政相談を実施。相談件数は20件、血圧測定は36件で、医療改悪反対署名や働くルール署名も集めました。 

●国営企業の賃下げ許すな! −−郵政当局、きびしい民間賃金を反映し回答せず−−

 4月19日の国営企業給与関係閣僚会議で、国営4企業の職員の賃金水準を「実質引き下げる」ことが言及されました。
 これに対して公務労組連絡会は、4月23日に、夏の人事院勧告にも影響する国営企業の賃下げを許さず、郵政産業労働組合(郵産労)のたたかいを支援するため、緊急に総務省前行動を実施。約100名の仲間が参加しました。

〇回答引きのばす当局に郵産労が抗議声明
 4月23日の賃金交渉で郵政当局は、「本年度の賃金水準を実質引き下げる必要があると考えられるところであるが、民間企業の賃金交渉妥結状況等を考慮すると、現段階においては、具体的に回答できる状況にはない」と回答し、郵産労は「要求に応えない不誠実な回答」とする抗議声明を出しました。

〇前年比マイナスの民間の賃上げ状況
 日経連は4月17日、大手(307社)の約7割にあたる214社の回答状況を公表しました。このうち149社の回答・妥結額の加重平均は5279円(1・59%)で、昨年と比較して980円(0.3ポイント)のマイナスです。しかも、昇給の実施を5カ月凍結で決着した富士通など、電機総合大手6社はすべて、昇給延伸や賃金カットなどを4月から実施しています。
 春闘共闘の集計でも、加重平均で、7146円(2.02%)で前年比で605円(0.26ポイント)のマイナス(4月19日)となっています。「ベアゼロ」と「回答延期」が多く、「賃下げ提案」を会社が行うなど、きびしい状況になっています。
 国営企業での「回答」は、公務でも賃下げの「流れ」をつくろうとするものです。人事院勧告期にむけた運動が重要となっています。 

●戦争する国づくりはゴメンです
−−「有事法制は許さない」と5000名が結集−−

 陸・海・空・港湾関係労組20団体や宗教者団体などのよびかけによる「STOP!有事法制4・19大集会」は、4月19日に東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、「有事法制は許さない」とする仲間が、プラカードや横断幕を手に会場を埋めつくし、会場外にも多くの人があふれました。
 呼びかけ団体を代表して航空安全会議の大野則行議長が、「私たちはアメリカの戦争に参戦するために戦車や物資を運びたくありません。私たちは被害者にも加害者にもならない」とあいさつしました。
 集会には、有事法制に反対する国会議員も多数参加し、社会民主党の福島瑞穂幹事長、無所属の川田悦子衆議院議員、日本共産党の筆坂秀世書記局長代行があいさつ。民主党の佐々木秀典衆院議員のメッセージが紹介されました。
 宗教者、看護師、市民団体代表、高校生などからの発言の後、集会参加者は、「有事法制ノー」との声を上げ次々と立ち上がる「有事法制反対ウエーブ」を繰り返しました。
 その後、国会請願と銀座コースに分かれデモ行進し、「戦争協力反対」「加害者にも被害者にもならないぞ」とのシュプレヒコールを響かせました。


●船舶職員の労働条件を改善せよ
−−財務省・人事院に怒りぶつける−−

 国公船舶連絡会は4月16日、船舶職員の処遇改善を求め、「船舶総行動」を実施しました。全国から集まった船舶ではたらく仲間は、霞が関と大手町での早朝宣伝の後、人事院、財務省と交渉を行いました。
 今回初めて実施された財務省交渉では、4月から船員食卓料を一方的に切り下げたことに関わって財務省は「デフレにより食費が下がっていることなどを理由に食卓料を下げた」と説明。これに対し交渉団は「海外で調達する食料までデフレだと認識しているのは理解できない。消費税が3%から5%に上がったときは食卓料は据え置かれたにもかかわらず、わずかなデフレを理由とした切り下げは理屈にもなっていない」と、財務省の不当な決定に怒りの声を突きつけました。
 昼休みの人事院前行動には約200名が結集し、昇格をはじめとする船舶職員のおかれているきびしい実態の改善を求めました。
 午後からの交流集会では、船舶職員の労働実態などについて意見交換を行い、来年も要求実現に向けて船舶総行動を行うことを確認し、1日の行動を終えました。

●被爆地で体験を聞こう −−「平和のつどいinナガサキ」に参加を−−

 国公労連青年協は、6月14日から16日にかけて、長崎市で、原爆をテーマに「平和のつどいinナガサキ」を開催します。
 1945年8月9日、米軍が投下した一発の原爆は、長崎市を一瞬で瓦礫と化し、その年の12月末時点で約15万人の死傷者を出したといわれています。
 後藤青年協議長は、「原爆投下から57年、被爆者の高齢化によって体験を語ってくれる方々も減り、町並みもずいぶんと変貌してきたようです。被爆者は、核が人間の身体だけでなく、人生をも傷つけることを教えてくれます。みなさん、ぜひこの機会に長崎を訪れ、体験談や遺跡めぐりを通じて原爆の恐ろしさを実感するとともに、中国文化の色濃い長崎独自の歴史と伝統にふれてください」と全国各地からの多くの参加を呼びかけています。

〇長崎での行動日程

6月14日(金)
  14:30 開 会
      原爆ビデオ学習
      被爆者の体験談聴講
  18:00 交流会
6月15日(土)
  9:30 原爆遺跡めぐり
  13:00 電車でゴー(長崎探索)
  18:00 交流会
6月16日(日)
  9:00 長崎体験学習(凧作り)
  11:30 総括集会
  12:00 解散


●みなさんの参加をお待ちしています

〇司法制度改革シンポジウム
▼日 時 5月24日(金) 18:00〜
▼会 場 弁護士会館 2Fクレオホール
      東京都千代田区霞が関1−1−3
       (地下鉄 霞が関駅下車)
▼主 催 国公労連
▽シンポジス
  井上幸夫弁護士、鵜飼良昭弁護士
  全司法、全労働
▽コーディネーター
  熊谷金道氏(全労連副議長)


〇公務員制度改革を考える(仮称)シンポジウム
▼日 時 5月31日(金) 13:00〜
▼会 場 科学技術館 サイエンスホール
      東京都千代田区北の丸公園2−1
       (地下鉄 竹橋駅または九段下駅下車)
▼主 催 国公労連
▽記念講演
  佐高 信氏(経済評論家・週刊金曜日編集委員)
▽シンポジスト
  藤森 研氏(朝日新聞論説委員)
  晴山一穂氏(専修大学教授)  他


●国公労連第16回労働学校<九州会場>の場所が変更となりました

 新会場 北九州八幡ロイヤルホテル
  北九州市八幡東区枝光1−1−1
    電話 093−662−1020 
    ※日時の変更はありません

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