●国民の共同で悪法阻止! −−192日間の「疑惑国会」終わる−−
7月31日、192日間にわたる第154通常国会が閉会しました。
会期中に、井上裕前参院議長など3人の議員が辞職し、鈴木宗男氏が逮捕されるなど、「カネまみれの政治」に汚染された自民党型政治の実態、「政官業」ゆ着問題が次々に噴出し、「史上最悪の疑惑国会」(朝日新聞8月1日付)でした。
見過ごせないことは、こうした政治腐敗や不祥事に対し、小泉首相が他人事のような発言を繰り返したことです。反省や自浄能力のない「改革論者」であることを露呈しました。
〇医療改悪法、郵政関連法を強行採決
国会最終盤の7月26日、医療改悪法が与党単独で強行採決されました。委員会も本会議も強行採決、自民党からも造反者がでるという異例の状況でした。
郵政公社化関連四法は成立させたものの、有事三法案と個人情報保護法案は、衆議院での委員会採決もできないまま、継続審議となりました。
小泉首相が「重要4法案」としたこれらの法案が、延長した会期でも、すべてを成立できなかった背景には、かつてなく広がった国民のたたかいがあります。
〇要求の一致点での共同広がる
全労連と連合の「共闘」は国会最終盤まで続き、医療団体、平和団体などとの広範な共同も拡大しました。日本医師会も最後まで医療改悪反対の姿勢を崩しませんでした。
医療改悪反対署名2700万筆、有事法制反対署名310万筆が国会に積み上げられたことが、運動の広がりを示しています。要求の一致点での国民的な共同闘争が、政治状況を変えることを示しました。
〇有事法制許さず、秋に向け運動強化を
悪法阻止のたたかいは、秋が正念場です。
政府は、有事三法案を秋の臨時国会で成立させようとしています。一方、2003年度予算では、総額3兆円を越える社会保障の負担増・給付減が狙われており、これを許さない運動の一つとして医療改悪法の実施を許さないたたかいが、すでに始まっています。
公務員制度改悪や国立大学法人化を許さず、民主的な行財政・司法の確立を求める国公労働者のたたかいにも直接かかわる政治的変化の条件が、秋に向けて一層高まっています。
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