国公労新聞 第1118号

●マイナス勧告許すな! −−全国から3500人が結集−−
  霞が関騒然 怒りの7・31中央行動

 国公労連は7月31日、公務労組連絡会に結集して、第3次中央行動を実施、猛暑のなか、「マイナス勧告は許さない」と、バスを借り切って参加した宮城県や長野県国公をはじめ、各単組の上京団など、2500人(公務労組連絡会全体で3500人)が結集しました。
 中央行動では最初に、郵産労の斡旋・調停の申請に対し、調停委員会も開かないなど不誠実な態度に終始している中央労働委員会へ要請行動を実施しました。
 昼休みには霞が関5か所で併行して要請行動を実施し、国公労連の仲間は、人事院、財務省、行革推進事務局前に分かれて、「生計費原則と労働実態をふまえて、利益擁護の使命を果たすべき」、「国民本位の予算査定への転換を」、「民主的な公務員制度の確立を」などを強く求めました。また、総務省前では自治労連、文部科学省前では全教の仲間がそれぞれ要求行動を行いました。

〇参加者の怒りで人事院を包囲
 3500人が全員結集した人事院包囲行動では、激励にかけつけた建交労の江沢書記長が、「マイナス勧告となると、さらに民間での賃下げに口実を与える。まさに悪魔の賃下げサイクルだ」と、力強く連帯あいさつをし、各単産からの人事院に対して怒りを込めた決意表明が続きました。最後に、「許すな!公務員賃金カット」と書かれたオレンジ色の手ぬぐいを掲げ、人事院に向かってシュプレヒコールを行い、オレンジ色で包囲しました。
 全労連と公務労組連絡会の共催による中央総決起集会では、国公労連の決意表明「公務員賃金カットと公務員制度改悪は、あっカーン」と題したワールドカップ・パフォーマンスで、会場は大いに盛り上がり、参加者は「マイナス勧告を阻止しよう」との決意を固めあい、芝公園までデモ行進しました。
 日比谷野外音楽堂を出発した国公労連のデモ行進は、行革推進事務局前で「民主的公務員制度を確立しよう」の声を響かせました

〇参加者の声
▼子どもが2人いますが、これ以上賃金が下がると生活は大変。今日は、中国支部の仲間を代表して参加しました。これから仲間を増やしてがんばりたいです。
 (全建労中国地本江の川支部の方)
▼3年連続のマイナス勧告で、日々の生活を切り詰めています。私たちのガマンも限界です。情勢は厳しいけれど、みんなで力をあわせて笑顔でがんばりましょう。
 (全労働鹿児島支部の方)

●国民の共同で悪法阻止! −−192日間の「疑惑国会」終わる−−

 7月31日、192日間にわたる第154通常国会が閉会しました。
 会期中に、井上裕前参院議長など3人の議員が辞職し、鈴木宗男氏が逮捕されるなど、「カネまみれの政治」に汚染された自民党型政治の実態、「政官業」ゆ着問題が次々に噴出し、「史上最悪の疑惑国会」(朝日新聞8月1日付)でした。
 見過ごせないことは、こうした政治腐敗や不祥事に対し、小泉首相が他人事のような発言を繰り返したことです。反省や自浄能力のない「改革論者」であることを露呈しました。

〇医療改悪法、郵政関連法を強行採決
 国会最終盤の7月26日、医療改悪法が与党単独で強行採決されました。委員会も本会議も強行採決、自民党からも造反者がでるという異例の状況でした。
 郵政公社化関連四法は成立させたものの、有事三法案と個人情報保護法案は、衆議院での委員会採決もできないまま、継続審議となりました。
 小泉首相が「重要4法案」としたこれらの法案が、延長した会期でも、すべてを成立できなかった背景には、かつてなく広がった国民のたたかいがあります。

〇要求の一致点での共同広がる
 全労連と連合の「共闘」は国会最終盤まで続き、医療団体、平和団体などとの広範な共同も拡大しました。日本医師会も最後まで医療改悪反対の姿勢を崩しませんでした。
 医療改悪反対署名2700万筆、有事法制反対署名310万筆が国会に積み上げられたことが、運動の広がりを示しています。要求の一致点での国民的な共同闘争が、政治状況を変えることを示しました。

〇有事法制許さず、秋に向け運動強化を
 悪法阻止のたたかいは、秋が正念場です。
 政府は、有事三法案を秋の臨時国会で成立させようとしています。一方、2003年度予算では、総額3兆円を越える社会保障の負担増・給付減が狙われており、これを許さない運動の一つとして医療改悪法の実施を許さないたたかいが、すでに始まっています。
 公務員制度改悪や国立大学法人化を許さず、民主的な行財政・司法の確立を求める国公労働者のたたかいにも直接かかわる政治的変化の条件が、秋に向けて一層高まっています。

●雇用とくらしを守る共同追及を −−全労連第20回定期大会を開催−−

 全労連は、7月24〜26日、「雇用・くらし・いのちと平和を守り、政治の民主的転換に向け、壮大な共同の発展を」のスローガンのもと、2年ぶりに第20回定期大会を東京都内で開催しました。
 大会では、小林議長の主催あいさつの後、坂内事務局長以下が、運動方針と総括、「組織拡大推進基金」創設、予算・財政方針、規約・規則改正を提案しました。
 向こう2年間の運動の基調として、(1)「目標と展望」実現への着実な到達点の確保、(2)あらゆる社会勢力との国民的対話の追求、(3)結成15年にふさわしい組織と機能の強化、を掲げています。
 大会議論は、(1)賃金要求のあり方を含む「4・12国民総決起春闘」の発展方向、(2)「組織拡大推進基金」創設の是非、(3)リストラ「合理化」反対闘争の到達点と教訓、に集中しました。
 国公労連からは、(1)労働委員会民主化と司法制度改革(飯塚中執)、(2)チャレンジ30と「基金」創設(岡部中執)、(3)労働法制改悪反対闘争(全労働・斉藤中執)について発言し、(4)公務員賃金闘争と春闘構築(岸田書記次長)、(5)公務員制度改革の現状と課題(小田川書記長)については文書発言になりました。

〇全労連新議長に熊谷金道氏が就任
 討論を受けて、全労連幹事会が「基金」の修正提案((1)一般会計繰入金とカンパによる「基金」確立、特別会費などの検討、(2)「基金設立準備会」での具体化検討、来年1月の評議員会に予備提案)を行い、運動方針案とともに圧倒的多数の賛成で採択されました(国公労連は全議案に賛成)。
 役員改選では、国公労連の熊谷氏が第5代議長に就任し、木下(専従)・山瀬(非専従)両幹事も再任されました。
 以上のことから、全労連の運動・組織の発展に向け、国公労連の全国的な役割発揮が今後、一層求められます。

●許すな!賃下げ −−地方から人事院包囲行動−−

〇中国ブロック−−怒りのデモに400人 
7月30日、中国ブロック国公は怒りの人事院包囲デモを400人で展開。「私の一言」を書いた「賃金改善を求める要請書」2800人分を人事院中国事務局に提出し、要求をぶつけました。

〇九州ブロック−−台風吹き飛ばす怒りの総行動
 台風が通過した7月26日、国公九州ブロックがマイナス勧告阻止一日総行動を実施。昼休み総決起集会は200人が参加し、座り込みも行いました。

〇近畿ブロック−−1週間連日行動に680人
 国公近畿ブロックは、7月22日から一週間、連日の人事院包囲行動をくりひろげ、延べ680人が結集しました。最高気温38度を記録した7月26日は、昼休みデモで奮闘しました。

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