●2002年秋闘 全力でたたかおう
1〜2面 当面のたたかいのポイントを掲載
〇戦争する国への「改革」阻止 −−臨時国会でのたたかいが重要−−
10月中旬にも召集が予定されている臨時国会では、「有事3法案」や「個人情報保護」法案などの悪法の息の根を止めるたたかいが求められています。
有事法制をめぐっては、アメリカのブッシュ政権は、国際テロと報復戦争を契機として、一方的な先制攻撃の戦略を具体化しはじめています。イラク攻撃の準備、「核兵器の一方的使用も辞さない」発言など、きわめて危険な戦略です。
こうしたアメリカの戦略に追従し、日本の自衛隊を補完部隊として「活用」するために、「有事3法案」の成立に固執しているのが小泉内閣です。アメリカが引き起こす戦争に国民を総動員しようというのです。
また、「個人情報保護」法案は、有事法制と一体で、国民の基本的人権の制約をめざすものです。
戦争する国への「改革」を許すのかどうか、たたかいは正念場といえます。
〇今秋にも国公法改正の「法案要綱」が −−民主的公務員制度の確立に向け正念場−−
行革推進事務局は、「2003年中の国家公務員法改正」の姿勢を崩しておらず、今秋にも「法案要綱」の骨格固めの動きを強めてくることは必至です。
一方、人事院が8月8日の勧告と同時に報告した「公務員制度改革が向かうべき方向について」は、政府が昨年12月に決定した「大綱」に対する人事院の「意見」ともいえる内容です。官僚制度など非民主的な体質の改革が必要だとするなど、「大綱」との違いを強調しています。
公務員制度改革「大綱」の枠内で、人事院による公務員制度「改革」と政府・行革推進事務局による「改革」が対峙する状況が生まれています。
▼様々な方面から「大綱」への批判が
「大綱」については、その進め方の密室性や、キャリアのための改革という一面性、ムネオ疑惑に示された政官ゆ着構造温存の姿勢、さらには労働基本権制約を維持とする非民主性などに、様々な方面から批判が強まっています。
そのこと自体が私たちの運動の成果です。さらにたたかいを強め「大綱」の撤回・修正を政府に迫り、民主的公務員制度確立の展望を切り開くことが、この秋の課題です。
▼労働基本権回復も重要な課題
また、「公務員制度改革」にかかわって、全労連として3月にILOに提訴した事案について、11月にも結論が出されようとしています。その結論もふまえ、国際労働基準に見合った労働基本権回復の課題も重要な局面を迎えようとしています。
〇人勧は国民生活に影響 −−「賃下げ勧告」を完全実施させるな−−
賃下げ勧告の影響が次第に明らかになってきています。
政府は来年度に向け、勧告がマイナスとなったこともふまえ、年金の「物価スライドの凍結解除(=給付額の引き下げ)」を行おうとしています。
また、来春闘での「賃下げの悪循環」への懸念も広がっており、国民生活への影響は図りしれません。
政府は9月中にも勧告の取り扱いを閣議決定し、10月中の給与法改悪法案の閣議決定、11月中の成立、12月の一時金での不利益部分を含めた「調整」を行う、このようなスケジュールが想定されます。
賃下げ勧告の不当性とともに、社会的影響の大きさをどれだけ国民に訴え、共感を得るのかが重要な課題になります。
独立行政法人の賃金改定のたたかいでは、「勧告」への機械的な準拠を許さない交渉強化が求められます。 国民経済と生活をさらに悪化させる「賃下げ勧告」の完全実施を阻止するため、大きな世論の形成と国会闘争が重要になっています。
▼「不利益遡及」は許せません
今回の「賃下げ勧告」に基づく給与法改悪では、実施時期の問題も重大な争点です。
勧告では、「実施は施行日から」とせざるを得なかったものの、4月分の官民給与比較による情勢適応の原則を口実に、4月以降の賃下げ相当分を「12月期の期末手当で調整(差し引く)」するとしています。
これは、実質的な「不利益の遡及」です。
4月からの勧告実施で「平均約8万7千円を調整」する不利益は断じて許せません。
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●国民いじめの小泉「構造改革」許すな
10月15日から1カ月、ブロック連鎖キャラバンを展開
国民に痛みを押し付ける小泉「構造改革」との対決は、2002年秋期年末闘争段階でも引き続き最大の課題です。
医療制度をはじめとする社会保障の全面的な改悪は、「くらし」「いのち」の基盤を破壊するものです。また、労働法制の改悪と大企業の無謀なリストラ「合理化」は、失業や不安定雇用の増大にとどまらず、地域経済に大きな打撃を与えるものとなっています。
全労連は、第20回定期大会で、地域経済を守り活性化させ、雇用とくらし・いのち、営業を守るため「地域活性化・全国網の目キャラバン」行動を、10〜11月にかけて展開することを決定し、各県労連でその具体化が進められています。
〇すべての機関・組合員がキャラバンに結集しよう
国公労連は、小泉「構造改革」の問題点を、国公労働者の立場から国民的にアピールするとともに、民主的公務員制度確立や「賃下げ勧告完全実施反対」など、自らの要求課題を結合して、全労連のキャラバンとも連携を図りながら、国公産別の柱のとりくみとして10月15日から11月15日の1カ月間「ブロック連鎖キャラバン行動」を展開します。
このキャラバン行動では、
(1)社会保障の連続改悪や労働法制改悪の問題点を国公労働者の立場から国民的に訴える宣伝行動
(2)公務員制度「改革」をはじめとする公務の「合理化」攻撃での「国公関連50万労働者」との対話と共同の追求、前進
(3)公務員制度「改革」や「賃下げ勧告完全実施」の給与法案の問題点を自治体、地方議会、地元選出国会議員に訴える要請行動
の3つの行動を軸としています。
国民犠牲の小泉「構造改革」を許さず、国民本位の行財政・司法と民主的公務員制度の確立をめざし、全国すべての機関・組合員がキャラバン行動に結集しましょう。
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●民主的な公務員制度改革を求める署名
−−100万目標の早期達成を−−
キャラバン行動では、「民主的公務員制度を求める国会請願署名」を推進する立場から、全組合員の宣伝・署名行動への参加が重要となります。
具体的な行動内容は、下記のとおりです。これらの行動に加え、行政相談については、11月10日〜24日を集中期間として、全県での開催をめざして準備を進めていくことにしています。
また、労働組合や民主団体などとの懇談会の開催や協力要請、地元マスコミ要請や記者発表などの事前のとりくみも必要となります。
▼具体的な行動内容
・街頭やターミナル等での宣伝、「民主的公務員制度確立を求める国会請願署名」行動
・「国公関連50万労働者」への訪問・要請行動、対話と共同の意識的追求
・地方自治体、地方議会、地元選出国会議員への要請行動
・決起集会、デモ行進など
〇キャラバンを成功させ来春闘につなげよう
キャラバン行動のとりくみを通じて国民との対話と共同を前進させることは、全労連が提起している「国民総決起春闘」の成功にもつながります。
早急に日程、具体的な行動を確定し、「ブロック連鎖キャラバン」を成功させるとともに、「民主的公務員制度確立を求める国会請願署名」の100万筆の目標を早期に達成しましょう。
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●退職手当の10%カット!?
−−総人件費抑制で危険性高まる−−
財政事情を理由とした総人件費抑制や年金制度「見直し」、さらに公務員制度改革ともかかわって、退職手当制度の「見直し」の動きが強まっています。
6月25日に閣議決定された「骨太の方針第2弾」では、「総人件費の抑制については、徹底した増員の抑制と一層の定員の削減に努める」ことが明記され、7月19日の閣僚懇談会で、小泉首相は具体的な検討を行うよう指示しました。
この閣僚懇談会では、首相が「国家公務員の退職金を一律10%カットする方向で見直しを指示した」との報道もされています。
政府は、8月下旬の経済財政諮問会議で、「骨太の方針第2弾」で示された方向性を踏まえ集中的に議論を行うとしていることから、秋闘段階で退職手当の改悪が急浮上する危険性があります。
政府・総務省の検討状況を注視しつつ、一方的な制度見直しと支給水準の切り下げ改悪を許さないため、キャラバン行動などを通じたとりくみ強化が必要になっています。
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●「公務員制度改悪」「賃下げ勧告完全実施」反対
−−所属長追及・上申の貫徹を−−
9月早々からの職場でのとりくみも重要です。
国公労連は、9月2日の週を第1波全国統一行動週間に設定し、すべての支部、分会から所属長に対し、「公務員制度改革反対」と、「賃下げ勧告の完全実施反対」の要求書を提出し、10月3日までの回答と上申を迫っていきます。
公務員制度課題では、(1)公務員制度改革「大綱」の撤回・修正、(2)労働条件に関わる交渉権確立、(3)内部告発権確立、長時間過密労働の規制等「働くルール」確立など公務員制度の民主化、(4)評価制度の一方的試行反対、などを求めていきます。
〇全職員と家族の署名積み上げよう
「賃下げ勧告」に対しては、職場の全職員と家族を対象に「賃下げ勧告の完全実施反対署名」をとりくんでいます。
この署名を背景にしながら各省当局、総務省との交渉を強化し、9月27日の中央行動において政府宛に署名を提出します。短期間のとりくみですが、「賃下げ」を阻止するためには、全職員と家族の署名をとりきることが必要です。
勧告の取り扱いをめぐっては、9月6日にも、衆議院総務委員会で閉会中審査が予定されており、国公労連は、3日に衆参の総務委員、内閣委員に対する要請行動を実施します。
「賃下げ勧告」の完全実施を阻止するため、いま、職場からの怒りを結集することが求められています。
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●2002年秋期年末闘争の主な行動展開(案)
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●地域レポート7 鳥取県国公 −−相次ぐ工場閉鎖が地域を直撃−−
県民と自治体職員に「痛み」押しつけ
【岐阜県国公発】
岐阜県では、今年の企業倒産・負債総額が過去最多となりました(141件・6440億円)。
7月5日、中堅ゼネコン「大日本土木」が2712億円の負債をかかえ、民事再生法の適用を申請。従業員の半数800人を解雇し再生を図るなど、労働者が犠牲になっています。そればかりか、関連企業や取引先をあわせ数百社に倒産などの影響が及ぶことは必至です。
〇中小企業・老舗から深刻な労働相談
県下最大の工業地帯の西濃地域では、この2年間で中堅企業・10数社が工場閉鎖。加えて繊維、アパレル、刃物、陶磁器、家具など地場産業が廃業するケースが続出しています。かつて「東海一の繁華街」として賑わった柳ケ瀬も閑散としており、近鉄百貨店をはじめとした大規模店が次々撤退するなど、深刻な地域経済の実態を反映しています。
95年から開設している県労連・労働者相談センターには、中小企業から老舗に至るまで、解雇など切実な労働相談が続々と寄せられています(今年1〜7月で140件)。小泉「構造改革」以降、相談は5割増加しています。
その一方で、梶原県政は、徳山ダム建設計画の強行や、地方分権の名のもとに市町村合併を押しつけるなど、県民の暮らしと願いに背を向けています。
同時に、県市町村で働く職員に対しては、成績主義強化による差別・分断攻撃や未払い残業の強要、各種手当の改悪・廃止など労働条件の改悪が強行されている実態が、自治体職員と県国公の合同学習会で明らかになっています。
〇マイナス勧告の影響、街頭で市民に訴え
県国公は、昨年4月から毎月1回、「定時・定点街頭宣伝」(毎回同じ時間と場所で行う宣伝行動)を岐阜市の繁華街で実施し、民主的公務員制度確立、有事法制反対、小泉「構造改革」の矛盾などを訴えてきました。
8月21日の街頭宣伝では、マイナス勧告が民間労働者や国民生活に与える影響を市民に呼びかけました。
岐阜県国公は、今後も国民との対話と共同を広げるため、秋に向けて粘り強く運動をすすめていきます。
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●単組大会、主な特徴
〇国共病組 −− 病院と雇用を守るたたかい強化
国共病組(国家公務員共済組合連合会病院労働組合)の第40回定期全国大会は、7月14〜16日、愛知県豊橋市内で開かれました。
政府の公的医療機関への攻撃や国庫補助の廃止が出されているなか、1年間のたたかう方針を確認しました。重点課題として病院と雇用を守るたたかいを機軸に、民主的運営で連合会の健全経営を迫る運動、医療事故防止のための人員体制と労働環境整備の要求、臨時・パート職員の労働条件改善を求めていきます。
これらのたたかいを前進させるため組織拡大3カ年計画を推進し、1500名の組織をめざすことを全体で確認しました。
▼大会で選出された四役
委員長・鈴木一之(再)、副委員長・中島朝和(新)、村上映子(再)、吉川はま子(再)、書記長・中島良子(新)、書記次長・鈴木好治(新)
〇全医労 −− 国立医療を充実し労働条件守ろう
全医労(全日本国立医療労働組合)の第56回定期全国大会は7月18〜20日、静岡県伊東市で開かれました。
大会では、国民の医療と国立医療の充実・強化をめざす運動と、職場要求実現のとりくみを結合してたたかっていくことを確認。「独立行政法人・国立病院機構法」の成立、独立行政法人への移行という事態に備えた活動を、全組織的に展開していくことを決定しました。とりわけ、独法移行時に賃金職員の雇用を守る運動に全力をあげるとともに、全支部が「毎月1名以上」の拡大をめざし、組織拡大3カ年計画最終年度のとりくみを成功させ、新たな前進をめざそうと確認しあいました。
▼大会で選出された四役
委員長・保木井秀雄(再)、副委員長・渡辺伸仁(再)、淀 房子(新)、書記長・北川寿博(再)、書記次長・香月直之(新)
〇全司法 −− 民主的な司法制度の実現を
全司法(全司法労働組合)の第59回定期大会は、7月21〜24日、石川県山中温泉で開かれました。
大会討論では公務員制度改革にかかわり、「もの言わぬ公務員づくり」の攻撃に対する運動強化の意見が多く出され、ILO提訴の準備、制度改革への臨戦体制の整備等が確認されました。
司法制度改革については、政府・財界と国民・労働者の「せめぎあい」が一層高まるなかで、裁判所の人的・物的拡充を求める全司法大運動の強化とともに、民主的な司法制度の実現に向けた幅広い共闘の重要性が強調されました。これらの重点課題の前進に向け、すべての支部が総力をあげて、組織拡大を進める決意を固めました。
▼大会で選出された四役
委員長・布川 実(新)、副委員長・東 敦司(新)、石橋良一(新)、書記長・鶴田英克(新)、書記次長・藤原昌和(新)
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●<連載> 憲法を考える No.8
憲法にもとづく郵政事業を訴えて
郵政産業労働組合(郵産労)教育宣伝部長 安達 幸人さん
郵政産業労働組合(郵産労)は郵便局などで働く労働者で組織され、北海道から九州まで9地本102支部、約2000名の組織です。
〇個人情報を守るため「非営利」原則が重要
住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)稼動開始をめぐり、自分の個人情報が漏れたり不正に使われるのではないかと不安を感じている人が86%にのぼりました(朝日新聞7月20・21日の世論調査)。
一方、先の国会で郵政関連4法が成立、一定の条件を満たせば信書への民間参入が可能となりました。郵便物からはその人の勤め先から趣味・嗜好、家計の状態まで様々な個人情報が読み取れてしまいます。
憲法の下で非営利・独占、職員の身分が保障されていたからこそ個人情報が守られてきたのであって、営利を目的とした企業が扱うことになれば、信書の情報が悪用される危険性が高くなるのは間違いありません。
信書の秘密を守る意味でも、2003年に移行する郵政公社には非営利・独占・職員の身分保障、こうした条件が必要です。
〇今年も平和の旗を広島へ
住基ネット稼動日前日、退職者の島田祐曠さんや組合員の息子・前川史郎さんら国民平和大行進の一団が広島に無事到着しました。
57年前の原爆投下によって、広島郵便局でも288名の職員が亡くなっています。今年も「郵政労働者平和集会」を開催し、広島までリレーされた「郵政労働者平和の旗」が広島郵便局職員殉職の碑に捧げられました。
〇公共の福祉を守るたたかいは今後も
職場では営利企業化が進むと同時に、強制配転など人減らし「合理化」が進められ、その結果、誤配の増加などサービスダウンを引き起こしています。
郵産労は各地で「郵政公社を考える会」を作り、100万署名や全国ビラを取り組み、国民本位の事業のあるべき姿を訴えてきました。
残念ながら法案では、事業目的から「公共の福祉の増進」「国民経済生活の安定・向上」が削除されましたが、事業の詳細な中身は今後、政令・省令で定められる部分が多く残されています。
臨時国会に向け、盲人郵便の無料制度など第三種・四種郵便や過疎地でのユニバーサルサービス(全国どこででも享受できるサービス)を守り発展させるためにも、引き続き地域住民・利用者をまき込んだ運動を大きく展開したいと考えています。
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●読者のひろば
〇社会保障や福祉を充実させよう 全気象仙台分会の方から
マイナス勧告が出されましたね。今年昇格したのに寂しい限りです。
世論は退職金などで優遇されていると言われてますが、医療費、生活保障、各企業の賃金査定への影響などを考えると十分なものではないと考えます。ただ、世界中でデフレがすすむなかで、日本人の賃金は(為替レートでみれば)相当割高だと思います。
そのなかで国際的に日本が生き残っていくには、社会保障や福祉を充実させていくことに力を注いでいくほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか?
いつも安心して生活を送れる社会になることを望んでいます。
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●全気象がホームページ開設
ぜひアクセスしてくださいね
http://homepage3.nifty.com/zenkisyou/index.html
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