●機械的な「人勧尊重」は使用者責任の放棄−−政府、マイナス勧告「完全実施」に固執
賃下げのサイクルを断ち切ろう!
〇完全実施・不利益遡及に反対し、総務省交渉積み上げる
国公労連は、マイナス勧告の「完全実施」、不利益遡及反対などの要求にもとづく政府交渉を強めてきました。8月9日の要求書提出以降、政府との交渉を積み上げてきています。
9月17日の交渉で総務省人事恩給局長は、「1972年以来、4月からの年間給与で官民の均衡をはかることが情勢適応の原則として定着している」として、マイナス勧告はもとより、12月の期末手当で「較差の調整」を行うことも「十分合理性がある」とする不当な姿勢を示しました。
月例給だけではなく、一時金も含めた「年間給与」を4月時点から官民均衡させることが情勢適応原則だとする政府の主張は、1年遅れで支給月数の「均衡」を図っている一時金比較の現実さえふまえない「迷回答」です。
▼定削など労働実態に目を背ける政府
このような「迷回答」まで持ち出す一方で、定員削減強行による労働密度の変化や、「改革」の名による制度改変が続くもとでの職務の困難性の高まりなどの労働実態への考慮、賃下げのサイクルを断ち切るための政府の責任などを追及する国公労連の主張には、まったく応えようとしていません。
財政事情などの「国政」とのかかわりで、勧告の凍結や値切りの検討は行うけれども、公務員労働者の要求は「人勧尊重」で切り捨てる、これが今の政府の姿勢であることを改めて示しています。
〇総務省−退職手当「見直し」を検討
9月20日、総務省は、民間退職手当の実態調査の結果を公表しました。企業規模100人以上の企業との比較で、官民の退職金に「5・6%の逆格差」があることが明らかになったとして、国家公務員の退職手当の水準「見直し」(引き下げ)の検討に入ることを表明しました。
政府は、調査結果がでる以前の概算要求段階から、マイナス勧告の完全実施での2350億円の人件費抑制にくわえ、退職手当の引き下げを検討していることを表明し、9月6日の衆議院総務委員会では片山総務大臣が、「退職手当改正法案を来年通常国会に提出」との答弁を行うなど、政治主導での「見直し」が急速に進んでいます。
▼生活防衛のためのたたかい強化を
政府は、マイナス勧告の「完全実施」と、退職手当「見直し」を9月中にも閣議決定する姿勢を強めています。国会段階のたたかいもふくめ、生活防衛のためのたたかい強化が求められています。
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●「賃下げ勧告」は撤回せよ!
【青森県国公発】
9月7日、「国民のための公務員制度『改革』をめざす闘争連絡会」は、「マイナス勧告撤回!民主的公務員制度を求める学習決起集会」を開催し、国公と民間労組あわせて54名が参加しました。集会では国公労連小田川書記長が、マイナス勧告の問題点や社会的影響の大きさ、公務員制度改革の現状について報告。マイナス勧告反対と公務員制度改革課題をリンクさせ、連鎖キャラバン行動など秋のとりくみに向け、幅広い共同で奮闘することを誓いあいました。集会後、仲間の怒りをこめ市内の繁華街をデモ行進し(写真上)、市民に訴えました。
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●人事院交渉−−昇格改善要求書を提出、枠外枠外解消・行(二)緩和措置等重点に
秋期年末闘争の柱の一つである昇格闘争は、「マイナス勧告」のもとで、組合員の一層切実な要求となっています。
人事院は、毎年9〜11月にかけて来年度の級別定数改定作業を行いますが、この時期に各単組、職場から昇格改善を求めていくたたかいが重要となっています。
国公労連は、9月19日に人事院に対して、要求書を提出しました。
連年にわたる定員削減や制度改変の中で職務の複雑・困難性が増しています。この職務に対する正当な評価を人事院に迫る必要があります。
〇7級の25%が枠外
行(一)7級は、在級者の25.5%が枠外となっており、一刻も放置できない状況となっています。このような事態を改善するため、上位定数の改善と俸給表の改善を一体で追求します。
昇格をめぐっては、各種の昇格差別問題が内在しています。(1)省庁間・機関間格差、(2)男女間の格差、(3)行(二)をはじめとする少数職種の昇格、(4)年齢構成による昇格の遅れなど、各種の差別解消を要求します。
特に、行(二)職は、在職者実態調査にもとづき、昇格の運用基準緩和と上位級のアキ定数解消を行うとしており、今年の重点の一つとなっています。
〇級別定数の拡大を
昇格問題の抜本解決をするためには、「標準職務表」など昇格の制度的改善と級別定数の拡大が不可欠です。中央での人事院交渉とともに、職場からの所属長に対するとりくみや、ブロック国公規模での人事院地方事務局交渉などを積み上げて昇格改善をめざします。
●10月は超過勤務縮減月間です。
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●2002年秋闘−−地域から国民の中へ、県国公が学習会・行政相談を実施
「マイナス勧告」の完全実施を許さず、民主的な公務員制度「改革」を求め、各県国公ではさまざまなとりくみが進められています。
〇公務産別が結集学習会に130名
【北海道国公発】
9月5日、北海道国公は北海道公務共闘との共催により、札幌市内で「公務員制度第2次原案及び02人事院勧告学習会」を開催、会場は130名の仲間でうめつくされました。
学習会では、国公労連小田川書記長が、02人事院勧告の「意味」や公務員制度「改革」のねらいを中心とした講演を行い、その後、各単組から決意表明を受けました。
参加者は、公務大産別への結集と、職場・地域からの主体的な運動の必要性をあらためて認識しました。
〇賃下げ阻止には民間との共同も
【京都国公発】
9月3日、京都市内において、京都公務共闘主催の人勧学習会が行われ、京都国公の19名を含め60名が参加しました。
国公労連岸田書記次長は講演で、今年のマイナス勧告は社会的な影響が大きく、民間との共同が必要なことを強調しました。
また、 単産からの発言では「成績主義の導入で職場がめちゃくちゃになっている」(郵産労)、「公務と民間をつないだたたかいが必要である」(福祉保育労)など職場の実態やたたかいへの決意が述べられました。
〇行政相談で国民と対話、署名も162筆集約
【滋賀県国公発】
9月22日に大津市サンシャインビーチ(琵琶湖沿いの公園)において行政相談を実施しました。
当日は18件の相談を受けるとともに、「民主的公務員制度改革を求める署名」にもとりくみ、162筆を集約しました。
相談者からは、親切な対応に感謝の声が寄せられ、問題が解決したことに対するお礼の電話もありました。
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●2003年に「青年交流集会」を開催−−国公青年協、定期総会ひらく
国公労連青年協は、9月14〜15日に東京都内において第28回定期総会を開催し、46名による活発な討論で2002年度運動方針を確立しました。
討論では、組織強化を進めるうえで「各単組の青年組織の実態を調査すべき」、平和運動では「広く国民にアピールするとりくみが必要」、労働条件改善では「賃金や昇格の課題に対してとりくみ強化を」「育児休業の取得率を高める運動が必要」などの意見が出されました。
また、「国公青年交流集会」(150名規模)については、「現時点で企画が固まっていないことも考慮し、来年度に開催しては」との意見も出されましたが、議論の結果、2003年6月に開催することが確認されました。
〇2002年度青年協常任委員会
議 長 |
後藤 勇二 (全建労) |
副議長 |
後藤 健二 (全港建) |
〃 |
和田 孝一 (全気象) |
〃 |
長岡 文生 (全司法) |
事務局長 |
村上 明夫 (全運輸) |
事務局次長 |
原田 卓也 (全建労) |
常任委員 |
青木 武則 (全労働) |
〃 |
重田 哲良 (全厚生) |
〃 |
渡辺 孝一郎 (全経済) |
〃 |
木榑 太一郎 (全通信) |
〃 |
田山 文武 (全国税) |
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●単組大会の主な特徴
〇全国税−−ゆとりと誇りの持てる職場を
全国税(全国税労働組合)は、第60回定期大会を、8月23〜25日、東京都目黒区で開催しました。
大会では、「築こう!仲間と共に、ゆとりと誇りを持てる職場を」をスローガンに、職場の仲間の要求に依拠したたたかいを展開していくことを確認するとともに、賃下げ・不利益遡及の人勧や公務員制度「改革」に加え、「危機管理」と称して「箸の上げ下ろし」までも管理しようとする国税当局への怒りが集中しました。
また、大会には2001年度に加入した青年組合員も駆けつけ、「全国税加入で人間らしく働くことができるようになった」「分裂前の3万ともいわれる組織に返り咲こう」の発言に、参加した組合員が勇気づけられました。
▼選出された四役
委員長・小田川豊作(新)
副委員長・武城順子(再)、本田秀行(新)、山口潤一郎(新)、岡田俊明(再)、芦田 力(新)
書記長・細川 潔(新)
書記次長・松岡弘文(新)
〇宿泊労連−−団体交渉の確立と組織拡大が急務
宿泊労連(国家公務員共済組合連合会宿泊施設労働組合連合会)は、第6回定期大会を、8月27日、国公労連会議室で開きました。
大会では、長期借入金問題が大きく経営にのしかかり、赤字・黒字施設の別なく合理化が進められていることが報告されました。
国家公務員共済組合連合会は今後、収支改善が見られない施設を、閉鎖や民間委託する方針を出しています。赤字の責任を労働者に転嫁する「合理化」とたたかうには、職場ごとの団体交渉の確立と、組織拡大が急務であることを確認しました。
▼選出された三役
委員長・香取和親(再)
副委員長・渡邊文丸(再)、大山道夫(再)、佐藤洋児(新)
書記長・高野実(再)
〇全建労−−ニセ「行革」阻止、国民本位の公共事業を
全建労(国土交通省全建設労働組合)は、第58回定期全国大会を、9月1日〜3日、愛知県蒲郡市において開催しました。
大会では、4年連続のマイナス勧告に対する怒りの声とともに、賃上げ要求に確信を持つためにも家計簿調査の重要性が確認されました。また、国民犠牲のニセ「行革」を阻止し、国民本位の公共事業を推進するためのたたかいの必要性が強調されました。
非常勤職員の組織化については、「資料を作成し訴えるなかで非常勤職員が自らの処遇に気がつき加入してきた」と教訓が出され組織化の重要性が確認されました。
▼選出された四役
委員長・大塚紀章(再)
副委員長・大房 温(新)、鈴木康平(新)、古澤一雄(新)、青山 浩(再)、明比 貢(再)
書記長・葛西浩徳(新)
書記次長・葛城 孝(新)
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●国公労連 2002年度専門部の配置(〇は部長)
【総務財政部】 〇本多 猛、藤沢やよ枝
【調 査 部】 〇岸田重信、横山英和、後藤勇二、伊藤良文
【組 織 部】 〇岡部勘市、阿部春枝、先水 徹、清水美穂、青木慎哉、井上 伸
【教育宣伝部】 〇川井田守、高森孝義、中田智子
【独立行政法人対策部】 〇飯塚 徹、近藤 敏
【公務員制度プロジェクト】 〇山瀬徳行、山谷 修
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