国公労新聞 第1161号

厚労省 年金大改悪案を発表
  保険料、年収の20%まで引上げ

 厚生労働省は11月17日に、2004年「年金改革」に関する同省案を発表しました。これをもとに、政府・与党は年内に政府案を確定して、来年の通常国会に関連法案を提出する方針です

 ○給付カット 賃金の59%→54%

 今回の厚労省案は、(1)厚生年金の保険料(現在は年収の13・58%、労使折半)を04年度から毎年0・354%ずつ引き上げ、2022年度に年収の20%までアップして「固定」する、(2)厚生年金給付の平均年収比(40年加入の夫婦のモデル年金)は現行の59・4%から、10年かけて54・7%程度に引き下げる(下図)としています(下表・厚労省案のポイント)。

 さらに、経済情勢の悪化にあわせて給付水準をスライドさせる「マクロ経済スライド」を導入。賃金全体の総額が減少していれば給付額を減らすというもので、国会での審議もなく、自動削減されてしまいます。
 また、週20時間以上のパート労働者も厚生年金適用になり、保険料が徴収されます。
 一方、基礎年金の国庫負担を現行の3分の1から2分の1への引き上げについては、具体的な実施時期を明示していません。
 財界などからは、保険料引き上げ反対の大合唱がおきており、給付額引き下げだけが先行する危険性も生まれています。
 04年通常国会での最重要課題となる年金大改悪に反対の運動強化が必要です。

11・19中央行動に5000人
  賃金職員の雇用を守れ!年金改悪反対!

 国公労連は11月19日、全労連・公務労組連絡会に結集して第3次中央行動にとりくみ、全国から5000人(国公1300人)が参加しました。
 11月18日から20日まで3日間連続でとりくまれた「国立病院賃金職員雇い止め阻止」厚労省前座り込み行動と連結させ、総決起集会、総務省・財務省要求行動、国会請願デモなどを展開。「国立病院賃金職員の雇用を守れ!年金大改悪・増税反対、民主的公務員制度確立」を訴え、霞が関を包囲しました。


年金なんでも電話相談

  12月6日(土)10時〜18時
  TEL03−3509−6008
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  〈主催〉国公労連年金闘争本部


公務員身分「見直し」が焦点
  −−独法、大学法人移行に向け運動強化を−−

 独立行政法人への移行に向けて、賃金職員問題が山場を迎えている国立病院、就業規則策定などへのとりくみが本格化しつつある国立大学など、04年4月に向けたたたかいが重要な局面を迎えています。

 ○非公務員型許さず産総研への支援を

 そのような中でも、独立行政法人の非公務員型化への動きが顕在化しています。
 今年8月に中期目標期間終了時における独法の組織などに関わって、公務員でなければならない理由などを明確に説明できなければ、非公務員型の非特定独法とする方針が閣議決定されています。
 その閣議決定を前提とした動きとして、来年度に今期の中期目標期間を終了する産業総合技術研究所(産総研)では、経済産業省の独法評価委員会が「非公務員型に移行すべき」とし、当局は「研究所のミッションは変わらないが、社会情勢が変わってきている」として、非公務員型への移行方針を強調してきました。
 ここでいう社会情勢とは、国立大学の独法化が、弾力的な人事制度を実現しうるということから非公務員型を採用することを前面に出すものです。まず非公務員型とする前提のもとで物事を進めていることが明らかである以上、到底納得できるものではありません。

 ○次期通常国会を視野に入れて

 こうした動きは、産総研の1年後に中期目標期間の終了を迎える独法組織も多く影響も大きいことから、次期通常国会におけるたたかいを視野に入れたとりくみの強化が求められます。

構造改革路線を検証し「公共性」を問う
  −−第2回行政研究集会に230人−−

 国公労連は11月15・16日の2日間、東京都内で第2回行政研究集会を開催し、各単組、ブロック・県国公などから実数で230名が参加しました。
 冒頭あいさつで堀口委員長は、「小泉構造改革のもと、国民生活が市場原理に侵されている実態を、社会的に明らかにしていこう」と強調しました。


 ○新たな福祉国家への道をめざそう

 神戸大学・二宮厚美教授の記念講演では、『小泉構造改革に対抗する国民的福祉国家への道』と題して、「現在進められている構造改革のルーツは、90年代の橋本内閣時代の6大改革にあり、その青写真を作ったのは、多国籍企業・世界企業型の新しい財界。企業の活動を行いやすくするために旧来の保護と規制の仕組みを破壊するのが、構造改革である。その対抗軸として私たちは『新たな福祉国家への道』をめざすことが大切ではないか」と強調しました。
 引き続き行われた単組報告では、構造改革により、雇用・労働分野への民間参入、公共輸送分野の規制緩和による悪影響の実態などが浮き彫りとなるとともに、国民本位の行政をめざす提言が発表されました。

 ○物流分野や医療・教育 規制改革でシンポ

 2日目は、建交労・赤羽書記次長、日本医労連・前川副委員長、全教・新堰副委員長を迎え「いま改めて規制改革を問う」と題しシンポジウムを開催しました。
 激しい規制緩和が行われてきた物流分野と現在の焦点である医療や教育における規制改革の過去・現在・未来を明らかにしました。会場発言も含め、規制改革の影響と問題点、たたかいの方向を掘り下げられました。
 集会のまとめで飯塚独法対策部長は「点検・告発」のとりくみと結合し、行政研究を深めること、単組の活動前進を前提に単組横断的な研究活動を積み上げ、2006年に第3回行研集会の開催をめざすことを提起しました。

行政相談に熱いエール 北海道国公

 【北海道国公発】北海道国公は11月7日、「行政のプロとしての観点から、みなさまの相談に応えます」を合言葉に、札幌駅地下街で行政相談活動を展開しました。
 大通りでの街頭宣伝放送、札幌駅でのティッシュ付きビラ3000枚配布など、寒風のなか、旺盛に宣伝行動。通りがかった女性から「このような活動は素晴らしい」と熱いエールをいただきました。


「よろず相談」大忙し! 静岡県国公

 【静岡県国公発】静岡県国公は11月15日、静岡市の繁華街、紺屋町にある小梳神社において「無料よろず相談所」を開設しました。
 開設案内が8日の静岡新聞に掲載され、開始時刻には4カ所の相談用テントが瞬く間に埋まり、机を持ち出しテントの陰を利用して相談を受けるなど、予想を超えた来場者の対応に大忙し!好評のリスのぬいぐるみも登場して「公務員制度・年金制度の改悪反対」宣伝行動も実施しました。


ええっ!こんなに下げられるの?
  一時金支給日に「怒りの一言署名」

 12月10日は一時金の支給日ですが、明細表を見た職員から悲鳴があがることと思います。
今年の冬の一時金は、マイナス給与法による月数と支給額の引き下げ、不利益遡及により総支給額が減額され、さらに総報酬制による共済掛金の徴収により、大幅な手取りの減収となります。
 特に今年は、昨年のように3月期の期末手当の前倒し支給のような「ゴマカシ」はなく、支給減がもろに組合員の生活に襲いかかることとなります。40歳の職員で約25万もの一時金引き下げです。組合員の中には住宅ローンの支払いに支障を来すなど深刻な事態にもなっています。
 国公労連は、一時金の支給日に向けて、賃下げに追いうちをかける不利益遡及への怒りを組織する「怒りの一言署名」を提起しています。



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