国公労新聞 第1167号

●年金改悪反対で総決起を
  第119回中央委員会 国公労連春闘統一要求を決定

 国公労連は1月30日、第119回中央委員会を東京都内で開催しました。04年春闘統一要求を決定するとともに、昨年12月に決定した04年春闘方針について情勢変化をふまえた補強を行い、国民総決起の春闘成功に向けて決意を固め合いました。

 冒頭、堀口委員長は、「年金改悪反対の国民世論を大きく広げ、政治と財政を国民本位に転換するたたかいが重要。4.15休暇行動に結集しよう」と力強くあいさつしました。

 ○4.15休暇行動を成功させよう

 つづいて、小田川書記長が、統一要求、04春闘をめぐる情勢と行動の具体化について、(1)年金大改悪反対・大増税阻止のたたかい強化、(2)自衛隊のイラク派兵反対、憲法改悪を許さないたたかい、(3)国立病院賃金職員の雇用確保など公務リストラ反対、(4)民主的公務員制度確立を求めた「ILO条約遵守請願署名」のとりくみ、(5)寒冷地手当改悪など給与制度「見直し」に反対する運動の強化、などを重点課題として提案しました。
 具体的には、「2.25全国統一行動」をはじめとする「目に見え、音の聞こえる」多様な宣伝行動、署名運動などを全国各地で展開するとともに、3.5中央行動、3月18日の第4波全国統一行動の成功。とりわけ、「4.15年金スト」に呼応した、全国の拠点100カ所での「休暇行動」を多くの組合員の参加で成功させ、地域で具体化される行動への積極的な結集を呼びかけました。

 ○賃金と年金闘争を一体でたたかおう

 討論では、「賃金と年金課題を結合した独自ビラで宣伝行動」(全経済)、「雇用と賃金破壊で年金問題は深刻。春闘ポスターを作成」(全労働)、「年金講師団活動は200カ所・6000人を突破」(全厚生)、「寒冷地手当改悪阻止で、地方議会請願、署名・寄せ書き行動などを展開する」(東北)など、活発な意見が出されました。
 賃下げを主張する財界・大企業の横暴を告発し、国民負担増一本槍の小泉「構造改革」に反撃するため、国民・労働者の切実な要求実現を阻んでいる大企業の社会的責任を追及するとりくみと一体で、年金闘争を強化することを確認しあいました。

 ○寒冷地手当の改悪許さない運動を

 また、1月26日に人事院が提案した寒冷地手当「見直し」の背景には、地方自治体での賃金カットの広がり、産業別最低賃金制への財界の攻撃が指摘されました(詳細は、給与制度「見直し」問題・号外に掲載→2月下旬発送)。
 寒冷地手当改悪反対のたたかいでは、北海道(2月25日・札幌)、東北(2月26日・仙台)、関東・上信越(3月3日・新潟)などの集会成功をめざすとともに、自治体要請、地方議会要請、署名行動などを展開し、各省当局や人事院追及を強化することを意思統一しました。
 中央委員会では、04春闘方針の行動補強と、平均1万2000円(3.2%)引き上げなどの春闘統一要求を満場一致で採択。
 自衛隊のイラク派兵に反対する決議、国立病院賃金職員の「雇い止め」、労働条件の不利益変更を許さず、国立医療の充実を求める決議を確認しました。

●地区国公含め年金宣伝を展開 愛知県国公

 【愛知県国公発】「年金闘争の牽引車になろう」と愛知国公は、1月20日に三の丸官庁街・国税局前での早朝宣伝、1月24日は名古屋市内での署名・宣伝行動を実施。各単組は地域割りでの年金ビラ配布、各地区国公もターミナル宣伝を展開しています。
 2月1日には、県労連、社保協など各団体が結集して「年金改悪・大増税反対ネットワーク愛知」が結成されています。愛知国公は、「4.15年金スト」での大ブレイクにむけて、県内の運動を引っ張っていきます。

●100筆の年金署名を獲得 青森県国公

 【青森県国公発】青森県国公は1月21日、年金改悪反対街頭宣伝・署名行動を展開。昼休みを活用し、青森市内の百貨店前で21人の県国公の仲間が、年金改悪反対を道行く人々に訴えました。市民の反応はすこぶる良く、短時間で署名100筆を獲得。両手に荷物を抱えた方がわざわざ足を止め、署名に協力をしてくれたり、「がんばってください」と激励の声も寄せられました。

●イラク派兵反対!
  ピースキャンドルナイトに1万人

 「イラクへの自衛隊派兵を中止し、撤回せよ」と、「2.5ピースキャンドルナイト」が2月5日、東京の明治公園で開催され、1万人が参加しました。国公労連は、手作り提灯で「派兵反対!」、憲法違反の政府・防衛庁の暴挙に対し「御用!」と訴え、キャンドルを手に持ち道行く人々に大きくアピール。市ヶ谷の防衛庁前まで力強くパレードしました。

●平和を願う決意あらたに
  平和大会in沖縄に1700人

 自衛隊のイラク派兵が強行される情勢のなか、日本の米軍基地の75%を抱える沖縄県で、1月29日から2月1日にかけて平和大会が1700人の参加で開催されました。国公労連本部3人をはじめ、各単組から約80人が参加し、地元・沖縄県国公も大会の運営などに奮闘しました。
 初日の国際シンポジウムでは、イラク人医師が現在のイラク状況と湾岸戦争で米軍が使用した劣化ウラン弾の放射能による住民の健康破壊などについて生々しく報告。参加者はその悲惨さに言葉も出ませんでした。
 平和大会開会集会では、平和が脅かされている状況で開かれる今大会の意義について確認しました。

 ○小学生野球試合の横で実弾訓練が!

 翌日は数コースに分かれた「動く分科会」が開催され、島の中央部を米軍基地に占領されている状況に、これが本当に日本といえるのかと参加者一同驚愕しました。
 さらに金武町のキャンプハンセンの近くのグランドでは、小学生が野球の試合をしている横で、その歓声を裂くように響き渡る米軍による実弾訓練の銃声に、改めて沖縄の現実と日米安保の理不尽さを感じざるを得ませんでした。
 米軍基地の移転が計画されている辺野古海岸で、地元・名護市民との交流集会が行われました。ジュゴンが生息する「美ら海」を守るために奮闘している地元の人の元気さに、参加者全員が感銘を受けました。

 ○空港や港の職場から戦地に送らない

 閉会集会では、1700人の平和を願う人々で熱気に包まれました。
 青年を中心に30人が参加した全運輸の仲間が、若者を代表して「私たちの職場である空港や港から、同じ若者が戦地に派遣されることのないように、みなさんとともにがんばりたい」と力強く決意表明しました。
 参加者は、あらためてアメリカの野蛮な戦争とそれに追従する日本政府、そしてその背景には日米安保条約があることを再確認し、怒りと平和を願う決意を込めた沖縄の踊り・カチャーシーで、大会を締めくくりました。

●法人化に向けて運動の強化を
  県国公加盟国立大学教職組 交流決起集会を開催


 1月31日、国公労連は東京都内で県国公加盟国立大学教職組交流決起集会を、9ブロック、32県国公、33大学37名、6単組など94名の参加で開催しました。

 ○就業規則策定と過半数代表確保を

 この集会は、今年4月の国立大学法人化に向けて、就業規則の策定をはじめとする労働条件、非常勤職員の雇用確保や労働者過半数代表選出などの課題に対する国立大学教職組などのとりくみと、県国公の支援のとりくみについて交流するために開催しました。
 集会では、飯塚徹・独法対策部長が基調報告、田代伸一・都立大短期大学教職組副委員長から「都立大学4大学廃止統合法人化の現状」と題して、特別報告を受けました。

 ○社会的責任を持つ国立大学の役割

 その後、交流・討論を行い、各大学での就業規則策定状況や、過半数代表確保に向けてのとりくみ報告、ブロック・県国公からは、協力・支援体制をより強固なものにしていく決意など、多くの発言が出されました。
 交流・討論での発言に対して、茨城大学の深谷信夫教授は、「社会的責任を持つ国立大学としての組織をどのようにつくっていくのかを、労働組合自らが考えていかなければいけない。大学に働く労働者の権利を守ることだけを考えていてはいけない」としたうえで、「国公法や人事院規則には労働者保護の立場での条文がないことから、それをそのまま就業規則にさせてはいけない。過半数代表を労働組合が確保することに、どういう意味を持つかを全体で認識して、とりくまなければならない」などと助言しました。
 集会のまとめにあたって小田川書記長は、「国立大学にかかわるたたかいはこの3月、4月で終わるわけでなく、まさにそこから始まることが多い。国公労連としても全面的な支援をしていく」としました。

 ●青年拡大代表委員会を開催
  初任給改善など学習深める


 国公労連青年協は2004年1月31日から2月1日の2日間、東京都内でTANKO4(単組・地方青年組織役員学習交流集会)と2004年度拡大代表委員会を開催し、11単組・1ブロック・15県国公、のべ89人が参加しました。
 TANKO4では、青年協の04春闘課題である初任給引き上げの意思統一のため、賃金学習会を開催。国公労連・横山中執が「青年にとっての賃金課題」について講演し、学習を深めました。
 拡大代表委員会では、満場一致で04春闘方針が採択されました。特に、県・ブロック国公の青年組織代表や青年担当者の発言が相次ぎ、組織運営の悩みや教訓が出されました。
 来年2月開催予定の「第2回国公青年交流集会」は、山形県ZAO-LIZAスキー場で開催することが確認され、参加者からは、最大限の結集と組織強化の決意が述べられました。【詳細は青年協のホームページに掲載】

●さようなら春山明さん(元国公労連副委員長)

 12月28日、元国公労連副委員長の春山明さん(全労働出身)が、逝去されました。享年74歳でした。
 春山さんは、1969年に国公共闘(国公労連の前身)事務局長、75年に、国公労連書記長を歴任。翌76年は総評幹事、80年から89年まで統一労組懇事務局長(76年から国公労連副委員長と兼務)として、激動の労働運動の先頭に立ち、全労連結成に大きな役割を果たしました。
 その後も、消費税をなくす全国の会、労働者教育協会、労働運動総合研究所など幅広く活躍し、日本の労働運動発展と平和・民主主義擁護の運動に多大な功績を残しました。心からご冥福をお祈り申し上げます。


トップページへ 国公労新聞へ