国公労新聞 第1168号

●政府、年金改悪法案を閣議決定
  負担増と給付削減のダブルパンチ
  「改悪反対」の世論強めよう

 小泉内閣は2月10日、04年度年金制度「改革」の関連法案を閣議決定、国会へ提出しました。「まるで電話帳」といわれる分厚い改悪法案は、厚生年金保険料と国民年金保険料を毎年引き上げ、給付水準は引き下げる内容となっています。
 政府は改悪法案について、5月中旬までの衆院通過を狙っており、「年金改悪は許さない!」の世論をつくる取り組みが急務となっています。

 改悪法案の目玉「保険料水準固定方式」は、厚生年金の保険料率(現行、年収の13.58%、労使折半)を今年10月から引き上げ、13年後の2017年度から18.30%に固定するというものです。また、国民年金保険料(現行、1万3300円)は、来年4月から毎年月額280円ずつ引き上げ、2017年度から1万6900円に固定されます。
 改悪の一方で、基礎年金の国庫負担割合を2分の1にするという政府公約は先送りされたうえ、その財源確保を口実に05年分から年金生活者への課税強化。さらに、個人所得税の定率減税の縮小・廃止や消費税増税なども狙っています。これでは、年金制度建て直しの前に、労働者・国民の生活が崩壊してしまいます。

 ○宮城県国公が大量宣伝行動

 宮城県国公は1月18日と2月4日、仙台市の繁華街で年金の大量宣伝行動を実施しました。宮城県国公は、県春闘共闘会議に結集して毎週水曜日の宣伝行動に取り組んでいるほか、毎月第3日曜日には独自の街頭宣伝・署名行動に取り組んでいます。
 1月18日は独自宣伝の第1回目。44名の仲間が行動に参加し、国立病院の賃金職員の雇い止め反対とあわせた宣伝行動を展開しました。年金改悪と国立病院雇い止め反対を記載した短冊を国公労連の年金風船に取り付け、道行く人にチラシとともに配布し、年金署名を126筆集約しました。
 2月4日の宣伝行動では、民間の仲間とともに年金改悪反対を訴え、160筆を超える署名を集約。この日は年金改悪反対の宣伝物を入れ込んだティッシュ配りも実施。8、9割の通行人が受け取るなど、用意したポケットティッシュは20分ですべてなくなりました。

●宿舎料引き上げ課題で最終交渉
  基本的に提案内容の変更なし
  激変緩和措置 3年間は2分の1に


 国公労連は2月12日、宿舎使用料引き上げ課題で財務省と最終交渉を行いました(反対署名の追加分を提出、合計6万1658筆)。交渉には小田川書記長、調査部メンバーが参加。財務省側は斉藤国有財産企画調整課長らが対応しました。
 冒頭、財務省側は「宿舎使用料を最大43.3%、平均25%(ただし、激変緩和措置として3年間は2分の1引き上げ)、駐車場使用料は平均2倍引き上げる。13日に閣議決定、18日公布予定だ。また、今回の改正にあわせ、一部規格の入居基準の緩和、C規格を従来の『65平方メートル未満』から『70平方メートル未満』と広くすることを予定している。建て替え促進についても努力していきたい」などと回答しました。
 この回答に対し、国公労連は「昨年12月の引き上げ提案以降、議論を積み上げてきたが、基本的には今回の引き上げには反対だ。特に、問題が集中している青年層や老朽化している宿舎への対応、入居基準の改善を求めてきたが、結果的に提案内容を変更しないことにはきわめて不満だ」と強調。「宿舎は労働条件。改善のための実態を踏まえた各級レベルでの議論を」と主張し、最終交渉を終えました。
 今回の交渉で、老朽・狭あい宿舎の建て替え促進や、退去時負担軽減化の姿勢を示されており、今後のたたかいに向けた一定の足場も築いています。

●04春闘統一要求書を提出
  本格的な交渉スタート


 国公労連は2月12日、政府(総務省人事・恩給局)と人事院に対し、04年度統一要求を提出、交渉を行いました。04年春闘における最初の本格的な交渉には、堀口委員長以下四役を中心に8名が参加しました。
 総務省交渉の冒頭、堀口委員長は「組合員の生活、仕事の状況をリアルにとらえて要求をまとめた。連続する賃下げで組合員の生活は相当悪化している」「定員削減のなか、職務の困難性や職場環境、労働の状況は限界に達している。使用者としてしかるべき努力を求める」「労働基本権制約の下、十分な労使協議もせず一方的に悪化させられているのがここ数年の特徴だ。勤務条件決定に関わる労働基本権のあり方を真剣に議論すべきだ」と要求の主旨を説明。平均1万2000円(3.2%)の賃金改善をはじめとした要求書を手渡しました。人事・恩給局長は「要求は今後、各レベルで議論を重ね、しかるべき時期に回答したい」と述べました。
 人事院への要求書提出では、大村事務総長が対応。総務省とほぼ同主旨の発言を行ったほか、小田川書記長が「一昨年来着手している給与制度の全般的な見直しの方向は、地域に勤務する職員の賃下げにつながる。現行でも地域間格差が小さくないことなどの議論を抜きにした寒冷地手当見直し改悪は、到底受け入れられない。公務員賃金のあり方も含め、徹底した議論を行いたい」と強調しました。大村事務総長は「人事院としても真剣に検討する」と回答しました。

●イラク派兵ただちに中止せよ
  1万2千人が明治公園に結集
  国公労連 新宿コースをパレード


 「イラク派兵はただちに中止せよ」「自衛隊はイラクから戻ってこい」「国連中心の人道復興支援を」。2月13日、明治公園に労働者や民主団体など1万2000人が集まり、「守ろう!平和といのち 2.13大集会」が開催されました。
 国公労連は、2.5集会に続き「派兵反対」「憲法守れ」と書かれた手作りの提灯をかかげ、およそ3.8キロメートルの新宿コースを力強くパレードしました。
 集会では、3.20に行われる国際統一行動日に、それぞれの組織が工夫した行動に立ち上がることが呼びかけられ、参加者はさらに決意を固めあいました。

●「国公権利裁判」第7回口頭弁論 宣伝で裁判支持をアピール
  被告 これまでの主張の繰り返し「入り口論」に終始
  裁判支持署名に取り組もう


 「不利益遡及は許さない!国公権利裁判」の第7回口頭弁論が、2月12日に東京地裁で開かれました。早朝宣伝には約60名が参加、原告団の決意表明やビラ配布で、裁判への支持を訴えました。
 法廷には原告11名、弁護団4名、傍聴人37名など52名が出席。満席の中で被告側による主張総まとめの準備書面が提出されました。
 内容はこれまでの主張と論点のすり替えを繰り返すのみで、裁判終了後の弁護士会館での報告集会でも、弁護団は「ILO条約違反に関しては、原告の主張を『独自の見解』と決めつけておきながら、根拠はまったく説明していない」(大森弁護士)、「不利益遡及では論点が全くかみあっていない」(加藤弁護士)と分析。「入り口論」で逃げ切ろうとする被告側の姿勢に批判が集中しました。
 次回、原告団は主張を補強する準備書面を提出するほか、証人申請を行い、4月以降の期日から証人尋問を行います。この春闘で取り組む「裁判支持署名(団体)」や、「カンパ活動」への結集が、裁判の後押しとなります。
 (※今後の口頭弁論予定 第8回 3月15日午後1時30分 原告→主張の補強と承認申請)

●独立行政法人春闘集会を開催
  三位一体の追求を基本に

 国公労連は2月7日、国公労連会議室で独立行政法人春闘集会を開催。04春闘で各独法労組が、賃金確定に向けて理事長の最大限の努力を求めることなどを確認しました。
 集会では、04春闘の取り組みとして、独法労働者統一賃金要求と労働協約・労使協定改定の課題を三位一体で追求すること、上申・交渉をこれまで以上に強化することを基調報告し、全医労、全経済・産総研からの特別報告を受け、全体・分科会での討論で認識統一を図りました。

 ●女性協 春闘拡大代表委員会を開催
  働く女性の権利確立を


 国公労連女性協は2月7日、04春闘拡大代表委員会を開催しました。同委員会には14単組4ブロック19県国公の48名が参加し、のべ30名の討論が交されました。
 処遇の問題は改善されつつあるものの、転勤による長時間通勤を余儀なくされ、転勤が昇任の条件にされていること、職場環境の整備では、育児休業の代替要員確保の実態、介護休暇の代替要員がなく取得困難であることなどが報告されました。また、交渉で要求した結果、がん検診が実現した事例や、ブロックでの人事院交渉や職場での不払い残業をなくす取り組みなどの教訓が出されました。

●2月9日〜13日 第2波全国統一行動を展開
  大企業の責任を果たせ


 ○莫大な利益の還元を
  2月11日 トヨタ総行動


 2月11日、日本経団連の奥田会長が会長を務めるトヨタ自動車に対し「04春闘トヨタ総行動」が、愛知県豊田市で展開されました。今年は全国から労働者や中小業者が多数参加し、例年よりパワーアップしました。
 祝日であるにもかかわらず、トヨタ自動車はこの日も生産ラインが稼動。社員の出勤時間に合わせ、本社工場をはじめ、市内4工場の門前や駅頭など10カ所以上で宣伝行動が展開されました。
 また、グループ企業に対し、「莫大な利益を地域と下請けに還元せよ」「サービス残業・過労死をなくせ」「社会的責任を果たせ」などを求め、要請や決起集会、デモ行進が終日展開されました。

 ○最賃引き上げ、均等待遇を
  パート・臨時労働者中央行動


 パートや臨時、派遣などで働く労働者にまともな生活ができる賃金、均等待遇の実現、雇い止めの阻止などを求めて、全労連は2月13日、全国から1600名が駆けつけ「パート・臨時労働者中央行動」を展開しました。
 国公労連は当日午前、国公労連会議室で非常勤課題に取り組む意思統一を行い、行動に参加。日比谷公会堂での総決起集会やデモ行進に参加しました。
 総決起集会では、各単産の代表者が壇上に上り、全労連を代表して坂内事務局長が「みなさんの要求をすべての労働者の共通課題に位置づけ、全力をあげる決意だ」とあいさつしました。



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