国公労新聞 第1169号

●寒冷地手当の改悪反対
  北海道・東北2000人総行動

 人事院による寒冷地手当の改悪がねらわれるなかで、2月25日に札幌、26日には仙台で改悪反対の総行動がとりくまれ、2日間で2000人の仲間が参加しました。
 25日に開かれた「04国民春闘勝利、寒冷地手当改悪反対!2.25札幌集会」には、500人が参加。佐藤北海道公務共闘議長(道国公議長)は、「仙台・新潟につづく連鎖集会のスタートとなる本集会を成功させ、北海道から全国へ、たたかいを大きく広げよう」と呼びかけました。
 翌26日には、東北全県の仲間が仙台に結集し、人事院東北地方事務局交渉と個人請願行動、自治体・人事委員会、商工団体などへの申し入れ、寒風をついてのデモ行進など多彩にとりくみ、夜には「寒冷地手当改悪阻止、04春闘勝利2・26東北総決起集会」を1500人の参加で開催しました。
 集会では、各県から寸劇、太鼓、音頭熱唱など創意あふれるアピールが行われ会場は大いに盛り上がり、今集会の成功をステップに、寒冷地手当改悪阻止に向けたたたかいの流れを一気に加速させていくことを誓いあいました

●04春闘 全国1000カ所で2.25地域行動
 ○75駅頭で大宣伝、9カ所でデモ 神奈川


 【神奈川県国公発】神奈川の2.25総行動は、75駅頭での大宣伝行動をはじめ、9カ所でのデモ行進、62の自治体要請など大規模なとりくみを展開しました。県国公の仲間は、早朝の宣伝行動から終日奮闘しました。

 【富山県国公発】富山の2.25総行動は、22駅頭での早朝宣伝からスタート。その後、県国公は春闘統一要求実現に向け対角線交渉を10の官署で実施。退庁時には署名・宣伝行動、夜は県内3カ所での決起集会で、年金改悪反対をはじめ大きく市民にアピールしました。

 【広島県国公発】2.25ヒロシマ地域総行動は、7カ所での早朝宣伝を皮切りに、自治体・経営者団体要請や中小企業へのアンケート活動とあわせ年金改悪反対署名をとりくむなど対話と共同を広げました。この日の行動に参加した県国公の仲間100名は、悪政に対する国民意識が怒りへと変化していることを肌で感じました。

 【熊本県国公発】熊本では、「くらしと雇用・いのちと平和を守れ!2.25県民集会」が約250人で開催され、県国公から91人が参加しました。集会後は、市内アーケード街を「年金改悪・大増税反対」「自衛隊のイラク派兵反対」「公務員制度改悪反対」とシュプレヒコールで訴えながら元気にデモ行進しました。

●厚生年金改悪と連動して共済年金関連法案を提出

 国家公務員共済年金「改正」法案が2月20日、国会に提出されました。法案は、国家公務員と地方公務員共済組合の長期給付(共済年金)について、両制度の財政調整の仕組みを導入し、保険料を一本化するとしています。
 給付水準は、厚生年金と連動して自動的に調整する仕組み(マクロ経済スライド)を導入しながら、保険料率は、厚生年金の上限固定方式をとらず、5年ごとに独自に算定することとしています。
 具体的な保険料率の上げ幅や給付引き下げ率は、法案の中に盛り込まず、各共済組合連合会の定款で定めることになります。
 坂口厚生労働大臣は、「厚生年金と共済年金については、財政の統合化を進めていこうという話をしているところだ。その前の段階として、国家公務員の入る共済組合と地方公務員の共済組合の財政の一元化をまずやって、その後、全体としてやっていく」と述べ、まず、国家公務員の入る共済組合と地方公務員の共済組合の財政の一元化を行った上で、サラリーマンの加入する厚生年金などとの統合を図る考えを示しています。
 また、この法案の中には、育児休業に関わって、保険料免除期間を3歳まで延長することが盛り込まれています。
 国公労連・公務労組連絡会は、保険料の引き上げと給付の削減につながる年金改革法案及び国家公務員共済年金「改正」法案の成立に反対しつつも、育児休業に関わる改善を早急に実現するよう要求していきます。

●人事院 退職時の特別昇給廃止を提案
  提案の撤回求め国公労連が交渉

 ○可及的速やかに特昇廃止を提案

 人事院は2月19日に、国公労連に対して「退職時の特別昇給については、可及的速やかに廃止する方向で見直しを検討することとしたい」との提案を行ってきました。
 この提案の背景には、「退職時の特別昇給」について「退職金上乗せ40億」「省庁お手盛り特別昇給」などと報道した読売新聞(1月9日付)をはじめとする報道や国会などの動向があるといえます。
 これに対して、国公労連は2月27日に、退職時の特別昇給を「可及的速やかに廃止する方向」で検討している人事院に、要求書を提出し撤回を求めました。
 退職時の特別昇給は、「初任給、昇格昇給等の基準」(人事院規則9―8)第39条3号において「(勤務成績の特に良好な職員が)20年以上勤続して退職する場合」との規定に基づき、行われており、もともと長期勤続という事実に対する報償的な運用を前提とした制度であり、そのことからすれば、該当者の相当数に適用されたとしても、制度を逸脱した運用とは言えません。

 ○昨年、官民均衡を理由に強行した
  退職手当カットの前提がくつがえる


 退職手当について言えば、昨年官民均衡の観点から、引き下げが強行され、実施に移されています。退職時の特別昇給が廃止されれば、退職時の俸給月額引き下げにつながり、官民均衡を建前に強行された退職手当「見直し」の前提がくつがえることになります。
 それにもかかわらず、人事院は「規則は特に勤務成績が良好であることが必要であり、現在の運用は制度の趣旨と異なる」、「永年勤続の労に報いることは別として、特昇で退職手当が上がることは国民的な理解が得られない」、「退職手当は所管官庁の方で考えるべき」との回答に終始し、退職時特別昇給を廃止する方向で見直す姿勢に固執しています。

 ○平均24万円の退職手当削減

 3月31日退職者に適用される事態となれば、平均約24万円の退職手当削減との報道もされており、退職を目前にしている職員の期待権を大きく損ねることになります。退職時の特別昇給の「見直し」を許さないため、人事院・各省当局への追及強化が求められています。

●国公近畿ブロック 労働基本権を問うシンポ

 【国公近畿ブロック発】国公近畿ブロックは、権利裁判での勝利をめざすたたかいとともに労働基本権問題を前進させるため、近畿公務共闘の後援を得て、2月21日土曜日にシンポジウムを開催し、84名が参加しました。
 シンポジストには、根本到神戸大学助教授をはじめ、岩佐大阪労連議長、松本自治労連書記次長、山瀬国公労連副委員長を迎え、歴史的経過を振り返りつつそれぞれの立場から労働基本権について論じていただきました。
 会場参加者からは、日曜出勤という公務員労働者の労働条件変更に際し、合意なく一方的に強行していること(全国税)や、独立行政法人化への移行を前に、一方的な不利益変更は当たり前という態度であること(全医労)などが報告されました。
 短い時間の中で様々な観点が論じられましたが、(1)現局面は労働基本権の回復のまたとないチャンスであり、(2)協約締結権を含め労働基本権は大事な権利であるとともに、(3)公務の働き方も民間の働き方に影響されていることをしっかりと認識し、(4)組合の大切さを広げることが重要である、ことが強調されました。
 労働基本権は、団結してこそ様々な効果を発揮するもので、とりわけ弱い立場にあるものこそ労働組合を必要としています。
 労働組合運動の原点に立ち返って労働基本権問題を論じながら、内外に積極的に訴えていくことが求められています。

●国立病院不払残業の行政措置要求判定
  人事院 当局の管理不備と適切な措置求める


 2月13日、人事院は、全医労近畿地方協議会の二人の組合員が「超過勤務手当の未払い分の支給」を求めた行政措置要求について、病院当局の勤務時間管理の不備を認めた上で、「精査と所要の措置」を求める判定を行いました。これは、公務職場でも、不払い残業(サービス残業)が存在することを認めた判定と言えます。
 判定では、(1)超勤は、担当業務の進ちょく状況に応じて職員自らの判断で行う、(2)超勤を行った職員は、自ら超勤時間、内容を記入して申告、(3)勤務時間管理者が申告内容を確認、(4)勤務時間管理者が、超過勤務と認めない時間があれば、その時間数を除いて命令簿を作成、の方法が採られている場合には、超過勤務については職員に「包括的に命ぜられていた」と認定しています。
 そして、このような「包括的な命令」がある場合には、臨時または緊急の必要があって超過勤務を行ったか否かの確認は当局が行うべきであること、超過勤務と認められない勤務がある場合には「適切な措置」を当局が講ずる必要があること、を強調しています。
 そのような「適切な確認等」が行われていない時は、職員の申告と超勤命令の「差」の立証責任が当局に生ずるとしています。
 公務での不払い残業の是正を求めるとりくみで、活用できる判定となっています。



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