国公労新聞 第1178号

●国民に背を向け年金改悪を強行
   参院選挙で審判を

 6月5日、自民党と公明党が、年金改悪法案を参院本会議で強行採決しました。国民の7割が反対するなか、中央公聴会も開かず、衆参とも一方的に審議を打ち切る暴挙を繰り返し、「保険料には上限」「給付は現役世代の平均収入の50%確保」という政府・与党の宣伝がウソであることが参院の審議で初めて明らかになったところで採決を強行。法案成立後の世論調査でも86%が「審議が十分でなかった」(TBSテレビ、7日発表)と答えています。法案が成立しても、安心できる年金制度を求めるたたかいは続きます。目前の参議院選挙で、年金改悪を強行した勢力への審判を下し、社会保障の充実を求めるとりくみを進めましょう。

●有事関連法案は廃案にせよ

 6月2日、年金改悪・有事関連法案の廃案をめざして、全労連の緊急の全国統一行動が早朝宣伝を皮切りに終日とりくまれました。この間の国会審議で、有事関連法案では、日本が攻撃も受けていない段階から官民あげて米軍の戦争を支援する国民総動員体制がつくりあげられ、その内容も弾薬の提供から空港・港湾の優先使用など無限定な米軍支援を可能とすることなどの重大な問題点が出てきています。こうした問題があるにもかかわらず公聴会はおろか参考人質疑さえ行われていません。会期末まで十分な審議日程のない有事関連法案は廃案にすべきです。

●公務リストラ・賃下げ悪循環NO!
  夏期闘争方針を決定
  〈国公労連第120回拡大中央委員会〉


 国公労連は6月4日、第120回拡大中央委員会を開催し、04夏期闘争方針、04年人事院勧告期要求などを決定しました。
 拡大中央委員会は、自民・公明両党による年金改悪法案の参院本会議での強行採決がねらわれるなかでの開催となり、討論でも年金改悪への怒りが語られ、委員会終了後は最寄りのJR御茶ノ水駅頭で年金改悪法案の廃案を訴える緊急の宣伝行動を実施しました。

 ○賃下げ勧告は許さない

 04夏期闘争方針の提案と総括答弁で、小田川書記長は次の点を強調しました。

(1)本日、政府は、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」(骨太方針第4弾)を閣議決定した。内容は「官から民へ」の徹底として、官が行っている業務の「市場化テスト」を05年度に導入すること、「規制改革」の一層の推進、05年度からの行政改革大綱や定員削減計画の検討、地方支分部局の統廃合、独立行政法人の整理縮小・民営化の検討、地域における国家公務員の給与の早急な見直しなど、賃金を含む公務のリストラ策を広範に網羅している。「公的サービスの商品化反対」などのスローガンを掲げ、公共性破壊、地方切り捨ての「構造改革」に反対するとりくみを強める。

(2)「賃下げ勧告反対」「平均1000円引き上げ」を柱とする人勧期要求を掲げ、賃下げ悪循環阻止、最低賃金改善の課題との連携を重視して、全組合員参加のたたかいを構築する。給与制度改悪の突破口である寒冷地手当改悪に反対するたたかいを強化する。

(3)一方的な「国公法改正」作業を進める政府・行革推進事務局に対し、労働基本権回復のとりくみを強め、公務員制度改革大綱の撤回・修正を迫る。中央での交渉を強化するとともに、「差をつける人事管理」強化反対の職場世論形成と当局追及に重点をおいてとりくみを進める。

(4)参議院選挙(7月11日投票)を、年金改悪をはじめとする社会保障の連続改悪、有事法制など戦争国家体制への転換、さらには憲法改悪を主張する小泉政権に対する審判の場とするとりくみを組織内外で展開する。

 討論では、27名から発言があり、「年金講師団活動の学習会参加者は2万人を超えた」(全厚生)、「県国公独自の年金宣伝を7週連続で実施。通りがかりの青年が署名を集めてくれるなど、かつてない反響があった」(高知県国公)など、活発な議論がかわされました。


●選挙特集2
  一人ひとりが“主権者”として
  参議院選挙で奮闘しよう動


 ○公務員への規制はきわめて不当

 政治活動・選挙活動の自由は、すべての国民に保障された憲法上の権利として、「言論・表現の自由」(21条)や「思想・良心の自由」(19条)など基本的人権の中核です。公務員といえどもその例外ではありません。
 しかし、現行法は公務員の活動を大きく規制しており、特に国の場合は、非現業・現業だけでなく、特定独立行政法人の職員を含めて、国家公務員法(102条)と人事院規則(14の7)で詳細かつ包括的に規制し、世界に例のない刑事罰まで加えています。
 これらの規制は、1948年のマッカーサー書簡と政令201号にもとづく国公法の大改悪によって、争議権の一律全面禁止や非現業の団体交渉権剥奪とセットで行われたもので、極めて不当です。
 国公労連は、こうした公務員労働者・労働組合に対する攻撃を許さず、また、「政・官・財ゆ着」で官僚出身候補の当選をねらう「官庁ぐるみ選挙」を許さず、組合員一人ひとりが“主権者”として参議院選挙で大いに奮闘することを心から訴えます。

 ○やれる活動は大いにやろう

 人事院規則14−7は、一定の政治的目的(5項1号〜8号)をもった一連の政治的行為(6項1号〜16号)を広範囲に規制しています。す。したがって、「政治的目的」がなければ規制の対象にもなりません。
 例えば、「特定の候補者を支持し又は反対すること」(5項1号)の「特定の候補者」とは、「正式に候補者としての地位を有するに至った者」とされており、公示日以降しか問題になりません。
 また、「投票するよう勧誘運動をすること」(6項8号)の「勧誘運動」とは、「相当多数の者を対象として、組織的・計画的に彼等に投票する決意をさせることを促す行為」とされており、4要件(組織的、計画的、継続的、相当規模)を満たさない限り問題にならず、電話による勧誘などは当然自由です。

 ●公示後もできる選挙のとりくみ

(1)国公労新聞は、3要件(第3種郵便物認可、月3回以上有償配布、発行歴1年以上)を満たしているので、選挙特集号を通常どおり配布できます。
 単組本部の機関紙も、この3要件を満たしていれば大丈夫です。これらを使って大いに職場討議をしましょう。ただし、無差別配布はできません。

(2)支部や分会の機関紙でも、選挙に直接ふれなければ、通常行っている要求と政党・候補者とのかかわりを宣伝することはできます。
 私たちの要求に各政党・候補者がどのような態度をとってきたのか、どのような政策を掲げているのかなど、労働組合の立場から職場に広げましょう。

(3)「年金改悪反対」や「有事法制反対」の宣伝・署名行動は、選挙期間中ですが、選挙と直接関係がないのでまったく自由です。
 自らの切実な要求にもとづく宣伝・署名行動は、それが「年金改悪反対」や「有事法制反対」という政治的課題であっても、選挙と直接関係がない以上、通常どおり実施できます。

(4)電話による投票の依頼はまったく自由です。
 「地位利用」にならない限り、電話での選挙活動はまったく自由です。1人でも多くの人に支持政党・候補者への投票と応援を依頼しましょう。

(5)自筆の封書による投票依頼も自由にできます。
 知人・友人や親戚など親しい人にあてた自筆の手紙の中で、投票と応援を依頼しても「親書の秘密」によって守られます。

(6)「個々面接」による投票の依頼も自由です。
 知人・友人などにたまたま出会った時や、他の用件で人を訪ねた際に、投票や応援を依頼する「個々面接」も適法な活動です。

(7)演説会に参加し、政策への理解を深めましょう。
 個人演説会や政談演説会などに参加することはもちろん、知人・友人を積極的に誘うことも自由にできます。

(8)後援会への加入やカンパへの協力も自由にできます。
 後援会には加入できますが、役員になることはできません。また、カンパに応じることも差し支えありません。


●みつめよういのち、築こう平和、いかそう憲法
  34th 国公女性交流集会 in 新潟

 5月21・22日、第34回国公女性交流集会が、14単組39県国公から336名の参加で、新潟県湯沢町でひらかれました。
 現地、新潟県国公・立石議長から、「一年で一番よい新緑の美しい季節の新潟へようこそ」との歓迎あいさつをうけ、1日目の全体会が始まりました。
 記念講演では、方言指導者の大原穣子さんが、方言で憲法を語る理由として、10歳で敗戦を迎え、二度と過ちは繰り返したくないとの強い想いがあることを語り、次の世代のために、今できる私たちの運動ですばらしい憲法を守っていきましょうと呼びかけました。
 阿部女性協議長の基調報告の後、日本航空の「深夜業免除」の名による仕事の取り上げ・権利侵害とのたたかいについて該当のママさんスチュワーデスから、独立行政法人に移行した国立病院の実態を全医労の仲間から、対話で平和運動をすすめる青年のとりくみを平和新聞編集長の布施さんから、それぞれ報告がありました。アトラクションのサクソフォンコンサートでは、「涙そうそう」の演奏など、参加者全員が心癒される時間を共有できました。
 2日目は9つの分科会を開催。今年も「メンタルヘルス」の分科会には参加者が多く、また、関心の高い「年金」の分科会も大盛況でした。
 全体会では、「アピール」と「軍事大国化への道を阻止し、平和憲法を守る決議」を採択し、人間らしく働ける職場づくりと、憲法がいきる平和な世界のための共同を旺盛に展開しようと呼びかけました。
 最後に単組・県国公の参加者を紹介し、来年は広島で再会することを誓い合って集会の幕を閉じました。

 ○参加者の声

 ◇集会で様々な職場の方と交流すると、職場の問題点がどんどん見えてきて、それをどう解決すべきか議論でき非常に有意義でした。今まで以上に労働組合の必要性を感じました。(全建労の組合員)
 ◇初めて参加しました。まだ働き始めて間もないですが、少し不安もなくなり、元気になりました。たくさんの意見が聞け、今後の参考になり、勇気をもらいました。(全港建の組合員)
 ◇初めての参加でしたが、各職場の状況を知ることができ、エネルギーをもらいました。(全医労の組合員)



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