国公労新聞 第1182号 |
●許すな!マイナス勧告・寒冷地手当改悪 |
●〈人事院〉地域差・実績反映ねらう給与構造の見直し 人事院は、7月1日に国公労連に対して「地域の実態を反映した給与」と「職務・職責の重視、実績反映」をめざす給与制度の見直しの柱(見直しの視点と検討項目)を提示しました。 懸念される「地域給」の扱いでは、民間賃金の地域差の反映が明らかにされ、転勤手当の新設と寒冷地手当の抜本見直しを掲げています。一方、能力・実績主義の強化に関しては、職務給を基本という限定はあるものの、俸給表の見直しと手当の見直しに加え、(1)査定昇給への転換、(2)勤勉手当への実績反映の拡大などをあげました。 また、実績反映のための新たな評価制度の整備にもふれています。 この給与構造の基本的見直しについては、今年の勧告の際の「報告」において具体的な検討課題を示す予定としています。 政府は、「骨太方針2004」(6月4日閣議決定)で、人事院に対し、地域における国家公務員給与のあり方についての検討と早急な具体的措置のとりまとめを求めています。小泉首相は具体的にブロック別俸給表を指示したとの報道もあります。 さらに、細田官房長官が7月9日の記者会見で、「公務員も実績を評価し、昇給に差を設けていくことは方向として望ましい。自動的な定期昇給という考え方から、一歩進んで民間をよく参照しながら、新しい制度に移行していくことは望ましい」と述べています。 これらは、労働基本権制約下の現行給与決定ルールを無視する露骨な介入・干渉であり、極めて危険な動きです。 この動きに対して国公労連は、素早く経済財政諮問会議、総務省、財務省に抗議しました。人事院の今回の提言は基本的にこの政府の「指示」を受け入れようとする危険な内容を含んでいます。 一方的な給与構造の見直しを許さない立場での人事院、使用者、当局追及を強める必要があります。 |
●公務員制度改革の質問書を提出 政府・推進事務局との交渉を再開 国公労連は6月24日、政府・行革推進事務局に「(6月9日の政府への)与党『申し入れ』もふまえた公務員制度改革にかかわる質問書」(下記参照)を提出し、早期の回答を求めました。 ▼公務員制度改革にかかわる質問書(概要) □二度のILO結社の自由委員会からの「勧告」を確認した検討を進めるのか。 □能力等級制を導入することで、現状の人事管理の、なにがどのように改善されるのか。 □あらたな評価制度検討では、(現行の勤務評定制度の)問題点解消を考えるのか。 □(「天下り」とかかわって)現状の定員管理が早期退職を余儀なくしている、とする問題意識はあるのか。 □女性の採用・登用拡大や、超過勤務の縮減など、「大綱」段階で強調された改革課題は、どのようにあつかうのか。 ○国公法「改正」を進める政府 既報(国公労新聞6月21日付第1179号)のとおり、政府は、与党の「申し入れ」をうけて、能力等級制度や新たな評価制度の導入、公益法人等を含む「天下り規制」などを中心にした国家公務員法「改正」作業を秋の臨時国会にむけて進めています。 提出した質問書は、「申し入れ」に対する政府の見解をただす23項目の内容としています。 ○「人事院に詰めている」 対応した推進事務局・笹島参事官は、「『申し入れ』はあくまで与党のもの。政府として逐一説明できないかもしれない。政府案はこれからで、事務局案をつくりつつあり、人事院とも、内容を詰めている最中」とし、「(質問書をもとに)国公労連とも精力的に話し合いを行い、その議論を制度設計に活かしていきたい」などと回答しました。 その後、すすめ方を巡る意見の食い違いもあって遅れていた交渉・協議は、7月15日から、開始されています。 |
●学んで組織を大きくしよう 第18回労働学校を開催 国公労連は、第18回労働学校を5月中旬〜7月初旬にかけて開催。8ブロックあわせて574名が参加しました。また、中央労働学校(6月5日)は東京都内で開催。92名が参加しました。 ○憲法と組織問題など活発な討論 各ブロック労働学校では、(1)「転換期の公務員賃金とたたかいを考える」を共通テーマにした政策課題、(2)「憲法問題」(関東・東北・北海道・東海)「雇用・最賃改善・働くルール確立」(四国)、「世界と日本はいま」(九州・中国)など情勢課題、(3)「労働基本権」「国公権利裁判」(近畿・東海)「自治体リストラと組織拡大」(中国)「労働組合の組織建設と青年問題」(北海道・東北・関東)「機関紙をつくろう」(近畿)「組織活動の手引き」(四国)などについて講義を深めました。 分散会では、「チャレンジ30」の全面実践で頼りになる労働組合づくりをめざした活発な議論が行われました。 参加者の感想として、「学び、多くの仲間と討論できたので、労働組合活動に大いに役立った」「憲法改悪の危険な動きがよくわかった。職場と地域に憲法をいかすために、がんばりたい」などの感想が寄せられています。 |
●山口県知事選挙 革新候補を推せん 国公労連中央執行委員会は、山口県国公の要請をうけ、山口県知事選挙(8月8日投票)に「みんなの県政をつくる会」が擁立している福江俊喜さんの推薦を決定しました。 現在の県知事は、米軍基地の拡大・強化や戦争国家づくりなど平和を脅かす危険な動きにも「地方が口出しできる問題ではない」と国の政策に追随。医療・年金問題など社会保障の切り捨てにも「国会で議論されるもの」と無責任に言い放っています。市町村合併の押し付けや無駄な大型公共事業の推進、原発建設などの「国策」には忠実に従ってきました。 その結果、山口県民世論調査では、「暮らしの不満度」が激増しています。 福江俊喜さんは、こうした国いいなり・県民不在の現在の県政と決別し、暮らしと福祉、教育を充実させ、平和と環境を大切にする県政をめざして奮闘しています。 また、福江さんは94〜03年まで山口県労連議長、96〜01年まで全労連幹事として活躍されました。現在も山口県勤労者学習協会会長、子どもと教育を守る山口県民会議代表など民主運動で幅広く活動しています。 職場・地域からの支援をお願いします。 |
●さようなら境邦子さん 7月2日、元国公労連書記の境邦子さんが多臓器不全のため逝去されました。享年73歳でした。 境さんは、歴史的な60年安保闘争の翌年、1961年に国公共闘(国公労連の前身)に入局され、国公労連総務財政部員として地道に実務を担い、全労連が結成された89年までの29年間、裏方として国公労働運動を支えました。心からご冥福をお祈り申し上げます。 |
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