国公労新聞 第1183号

●怒りの2500人
  マイナス勧告阻止!7・27中央行動

 7月27日、国公労連は、「マイナス勧告阻止」「寒冷地手当・給与制度改悪反対」などの夏期要求を掲げ、全労連・公務労組連絡会に結集して第2次中央行動を展開しました。
 行動には、全国から2500人(国公から1400人)が参加し、人事院前の要求行動や座り込み、各府省への要請行動などにとりくみ、25万4388筆の「賃金改善署名」を人事院に提出しました。

 ○寒冷地手当改悪やめよ
  ブロック代表、人事院に迫る


 また、中央行動の一環として国公労連は、寒冷地手当見直し問題で北海道とその他の寒冷地該当ブロック代表による大詰め段階の人事院交渉を実施しました。
 北海道ブロック代表との交渉では、北海道の支給区分や手当額に関わる問題などを中心に追及。
 北海道の支給地域の新区分について、人事院は「現状の区分もある程度考慮しながら、気象データをもとに区分することにした」と回答。しかし、その線引きの根拠については一切説明できませんでした。そのため交渉参加者は、「気象データを恣意的に活用するものだ」と厳しく批判しました。
 「民間準拠」に固執する結果、手当が大幅に削減されようとしていることに対しては、参加者が口々に「燃料代だけで手当が吹っ飛ぶ」「ストーブの点検だけで毎年4〜10万円かかる」と生活実態を訴え、民間の支給状況調査のデータを明らかにするよう迫りました。しかし、人事院は「支給額の根拠となる民間事業所データの提示は、勧告ギリギリになるだろう」と回答するにとどまりました。
 さらに支給方法に関わって、交渉参加者は「冬を迎える諸準備に一括支給が不可欠であり、分割支給は困る」と人事院に迫りました。それに対して、人事院は、「夏のボーナスを利用することを含め工夫してもらうことになろう」と無責任な回答に終始しました。
 その後の北海道以外の寒冷地該当ブロック代表との交渉では、「相当の積雪があり、風が強いにもかかわらず、対象外となる」「山間の職場で2メートル近い雪があるのに対象からはずれる」など、人事院による気象データの使い方の矛盾と問題点を追及しました。
 納得できる回答もなく、寒冷地手当を改悪しようとする人事院に対し、交渉団は、「拙速に今年の実施とせず、納得できるまで議論を続けるべき」と主張し、交渉を終了しました。

 ○人事院北海道事務局を包囲

 寒冷地手当改悪阻止北海道連絡会が、7月20日、260人の参加で総決起集会を開催。集会後、人事院北海道事務局を包囲するデモ行進を実施しました。

 ○人事院東北事務局を包囲

 国公東北ブロックは、マイナス勧告・寒冷地手当改悪反対を中心課題に人事院東北事務局前総決起集会・デモを250人の参加で実施しました。

●人事院給与局長交渉
  「俸給表に手をつけない可能性もある」

 国公労連は、7月28日に人事院給与局長交渉を実施し、以下の点をめぐってやりとりが行われました。
 賃金水準について人事院は、「予断はできないが、俸給表に手をつけない途の可能性もあるかもしれない」と、プラスなのかマイナスなのかについては明言しませんでした。
 寒冷地手当については、あくまで改悪の姿勢に固執するとともに、実施時期についても今年度からの構えを崩していません。国公労連は、寒冷地手当の改悪に反対するとともに、実施時期の見直しを強く迫りました。
 人事院が今年の「報告」で基本的な考え方を示し、来年度制度改正の勧告を行おうとしている「給与構造・地域給与見直し」の検討状況については、次のように回答。
 地域の給与との調整に関しては、「ブロック別官民較差を考慮して、全国共通俸給表の水準を引き下げることを検討し、民間賃金の高い地域には、俸給表の引き下げと現行の調整手当の支給率を考慮して、上限20%程度の地域手当あるいは地域調整額を検討するとしています。俸給表関連の課題としては、俸給表構造の見直し、査定昇給の導入、枠外昇給の廃止等に言及。手当関連の課題としては、勤勉手当への実績反映の拡大、本府省手当の新設等をあげました。
 これに対して、国公労連は、「給与制度見直しに関しての国公労連の申し入れ(7月21日)への正式回答もないまま報告を強行するのは、組合を軽視するものだ」「人事院は地域の官民較差があるというが、現実の機関間較差なども考えると、その認識自体が同意できない。まして、関連する資料の説明もなしに、地域手当20%という具体的数字まで報告するのはさらに問題」と、人事院側の一方的検討姿勢に強い不満を表明し、再交渉を申し入れました。

●「質問書」にもとづき行革推進事務局交渉
  能力等級制の不透明さ露呈

 政府・行革推進事務局は、6月9日に「今後の公務員制度改革の取組について」と題する与党「取組方針」にもとづく「申し入れ」を受けたことをふまえ、(1)能力等級制の導入と評価制度の構築、(2)「天下り」の内閣承認制の導入、の二つを柱として、秋の臨時国会への法案提出にむけ検討作業を進めています。
 これに対し国公労連は、6月24日、能力等級制と評価制度を中心に、任用制度や給与制度、「天下り」問題などに関して23項目からなる「与党『申し入れ』もふまえた公務員制度改革にかかわる質問書」を提出し、行革推進事務局と交渉を重ねてきました。
 第1回交渉は7月16日に行い、「公務員制度改革」の目的やその進め方について追及しました。対応した笹島参事官は「これまでの経緯、ILO勧告も十分ふまえて、議論を進めていきたい」と回答し、積極姿勢を示したものの、能力等級制導入の根拠である現行制度の問題点や能力等級制の必要性などについて追及されると、「個別の能力を分類することで効率的な公務運営が図れるようになるし、評価結果をつうじて人材育成にもつなげることができる」など抽象的な議論に終始し、能力等級制の導入で具体的に何がどのように改善されるのかを明確に答えることができませんでした。
 第2回交渉は7月23日、前回に引き続き「能力等級制」に関して行いました。「定昇廃止」などのマスコミ報道がある中で、能力等級制と給与制度の関係についての追及に対し、笹島参事官は「まだ検討中」「今は何とも言えない」「鋭意やっている」などの回答をくり返すのみで、能力等級制の不透明さが早くも露呈するかたちとなっています。
 国公労連では、引き続き、「質問書」にもとづき週1回程度のペースで交渉を続け、政府・行革推進事務局に考えを明らかにさせるとともに、その矛盾点を徹底的に追及していきます。

●〈2004年度運動方針案のポイント〉
  国民の中へ、国民とともに
  憲法を守りくらしに活かそう

 ★8月25日から27日の3日間、東京都内で、50回目となる国公労連定期大会が開催されます。大会に向けた方針案のポイントを小田川書記長に聞きました。

 ●STOP!憲法改悪

 −−方針案では、基調の第1に「『9条』をはじめとする憲法改悪に反対し、職場と地域に憲法を活かすたたかい」が強調されています。これまで以上に、憲法改悪を許さないとする姿勢を強く打ちだしているように思えるのですが。

 小田川書記長 昨年の国会で、有事法制とイラク特措法が成立し、今年の国会では有事法制を実施する関連7法案も成立しました。今年1月には、イラク特措法にもとづき、戦後初めて日本の「軍隊」=自衛隊が、外国の領土に足をふみいれました。小泉政権発足からの3年間だけでも、自衛隊の「活動範囲」は中東にまで広がり、集団的自衛権の行使にふみこむ「解釈改憲」も進んでいます。危機感を持たざるをえません。
 7月に、アーミテージ米国務副長官は、「憲法9条は日米同盟関係の妨げの一つ」と述べたと報道されています。日米安保条約の再定義で、アメリカの戦争に日本が「いつでも、どこでも」協力する軍事同盟の強化が進められ、そのことが、世界、とりわけ日本とアジアの平和の脅威になっていることを如実に示した発言だと思います。
 憲法「改正」を求めているのはアメリカだけではありません。7月に入って、日本経団連は武器の輸出を禁止した「武器禁輸」の再考を政府に求める提言を行い、「改憲案」を論議する委員会も設置し活動を始めるなど、「改憲論議」を着々と進めています。輸出型多国籍企業の「儲けの自由」の障害が憲法だと考えているのでしょう。
 政治の場でも、憲法「改正」が具体的な政治日程にのぼってきています。小泉首相は、05年11月までに自民党に改憲案を作成することを指示しています。衆参両院に設置されている憲法調査会も、05年1月には「最終報告」を出すことになっています。これからの2、3年は、改憲問題が最大の国民的課題になる状況です。
 このようななか、大江健三郎氏など9名の著名人の呼びかけで発足した「九条の会」に、国民的な関心が寄せられています。「『改憲』のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始める」との同会の呼びかけにも応えて、憲法遵守義務を負う国家公務員労働者の労働組合としての役割と責任を果たしたいと考えます。

 ○すべての職場で憲法を学び語ろう

 具体的には、憲法第9条の普遍性、憲法25条の生存権が世界的にも先見的な内容であることや、改憲論のねらいなどの学習を職場から強めることを04年の運動の中心におくこととしています。「すべての職場で憲法学習」を呼びかけ、学習をリードする「憲法の語り部」登録運動、県国公段階での「憲法講座」などを通じて、改憲反対の職場世論をたかめます。
 全労連が提起を予定している「国民過半数署名」推進の態勢づくりを各級機関でめざします。また、学習を背景に、「憲法遵守職場宣言運動」や署名、宣伝行動などを春の段階からとりくむ準備を進めます。
 憲法は、国が国民に約束した「この国のかたち」を示すものです。国民主権と議会制民主主義、基本的人権の保障、平和主義などは、「この国のかたち」の基本部分です。誰が、なぜ、その基本を変えたがっているのか、その点を見極め、訴える運動を、小泉「構造改革」の流れをかえるたたかいの中心にすえざるをえない、そんな時代を迎えたと考えています。

 ●公共サービスの商品化NO!

 −−「公共サービスの商品化に反対するキャンペーン」という耳慣れない方針が提起されています。職場からは、これ以上の人減らしは行政破壊につながる、という切羽詰まった声も寄せられていますが…。

 小田川書記長 6月4日に政府が決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」(「骨太方針2004」)では、05年度、06年度を「重点強化期間」と位置づけ、「官から民へ」、「国から地方への」(改革の)徹底を強調しました。

 ○公務リストラ、国民いじめメニューのオンパレード

 具体的には、郵政公社の民営化、規制改革の名による「官製市場の民営化」や業務の「市場化テスト」の検討、道州制導入も視野に入れた「地方分権」の推進、定員削減計画の改定、独立行政法人の組織・業務全般の整理縮小、民営化、年金、医療、介護、生活保護を一体としてとらえた社会保障給付や負担の「見直し」検討と05年度での介護保険制度「改革」、消費税導入も視野に入れた税制改革など、公的部門の縮小解体、民営化をはじめとする公務リストラや国民いじめのメニューを書き連ねています。国公労連は、これらの課題を一体としてとらえた大がかりな運動が必要だと考えています。

 ○公務の「市場化テスト」

 政府が持ち出している「市場化テスト」というのは聞き慣れない言葉です。現在は公務が行っている業務を民間と入札で競わせ、より廉価な方に業務運営を行わせることが考えられています。職業紹介事業、刑務所運営、自動車検査などの業務名をあげた議論も行われています。

 ○「効率化」の名でサービス切りすて、受益者負担

 公共サービスを民間に丸投げすれば、「効率化」の名による地域でのサービス低下や切り捨て、受益者負担を口実にした有料化などの問題が発生することは避けられません。
 失業者をなくして社会の安定を維持するという目的が投げすてられ、儲けのための職業紹介事業にされるのが「市場化テスト」です。政府が、公務リストラのあらたな攻撃を始めていることから、「公共サービスの商品化」という言葉をつかいました。

 ○「聖域」なき公務リストラ

 職業紹介事業を例にとりましたが、政府の検討は「公共サービスの担い手は官の独占物ではない」とするもので、「聖域」は設けられていません。医療、教育、雇用など公共性の高いとされてきた事務・事業を民間の儲けの対象に解放し、国民に「商品」としてのサービス購入をせまろうとしています。仮に、それができない事務でも地方自治体にできるだけ移していく、そのために道州制も検討する、それが「骨太方針2004」の内容です。
 個別の「リストラ」対象となる事業、例えば社会保険庁「改革」などに対峙したたたかいは大切です。予算査定などと一体で進む、それら個別のリストラ課題でのたたかいを全体で支援し、場合によっては産別課題としてたたかうことは当然だと考えています。
 同時に、「公共サービスの商品化」反対の国民世論づくりをめざしたキャンペーン型のとりくみが必要になっている、と国公労連は考えています。統一ロゴやシンボルマーク、キャッチフレーズを策定し、単組の反「合理化」や定員闘争などで活用すること、公務の公共性破壊の現状を告発する「酷書」運動、それとも一体のシンポジウム開催などを方針で提起しています。

 ●格差拡大・労働条件切り下げNO!

 −−「公務員制度改革」や給与制度「見直し」など、公務員バッシングのもとでの労働条件改悪の攻撃も強まっていますが、国公労連はどのようにたたかおうとしているのですか。

 ○激しさ増す公務員バッシング

 小田川書記長 公務リストラの強まりも含め、公務員労働者への攻撃がかつてなく厳しくなっています。
 民間企業は、賃下げや成果主義導入、正規労働者の非正規労働者への置き換えなど「血を流す努力」(労働者いじめのリストラ)で業績を回復させた、次は公務の順番とでもいうような激しさです。 しかも、国だけで700兆円にも達する「借金」も口実に、政府が直接公務員労働者の労働条件に口出しし始めているのも最近の特徴です。たとえば、小泉首相の「ブロック別俸給表発言」(4月21日・経済財政諮問会議)はその一例です。

 ○給与制度改悪は「構造改革」の一環

 「骨太方針2004」で、その「ブロック別俸給表」が検討課題として盛り込まれたように、「公務員制度改革」や給与制度「見直し」が、「構造改革」の一環に位置づけられています。
「構造改革」が進む中で、国民生活の最低基準を定め、維持し実現するための仕事は、専門家である公務員に任せるという基盤が揺らいでいます。それも公務員バッシングの背景にあると思います。
 ですから、改憲策動に反対し、「公共サービスの商品化」に反対するとりくみと一体で、公務員労働者の労働条件のたたかいを展開することが必要です。

 ○攻撃の根は同じ地域から共同を

 地域切りすての「構造改革」と給与制度「見直し」との関係に目を向け、地域での共闘づくりに全力をあげることなどが、具体的なとりくみ課題です。
 成果主義賃金に反対する民間労働者のたたかいと共同し、最低賃金制度確立や賃金底上げを求めるたたかいに結集して、賃下げの悪魔のサイクル≠断ち切るとりくみを強めることも大切です。
 「公務員バッシングは、いずれ過ぎ去る」、「使用者・当局や人事院の姿勢を追及すれば改悪はくい止められる」というのは、正しくないと思います。
 国際的な労働基準にも目を向けた働くルールの確立要求も対峙しながら、官民共同のたたかいを地域から追求することに全力をあげたいと思います。
 また、自らの労働条件は自らが決定に参加すべき、という当然の主張を、「公務員制度改革」でも給与制度「見直し」でも重視したいと考えています。
 「公務員制度改革」は、今秋にも「国家公務員法改正法案」の国会提出がめざされています。給与制度「見直し」は、地域間格差拡大と査定昇給など能力・実績主義強化の方向で、来夏の勧告での具体化がめざされています。
 国公労連の主張が、どれだけ国民の支持を獲得できるか、それが結果を左右する、その決意で、たたかいを展開したいと思います。

 ●要求闘争と一体で組織強化・拡大を

 −−職場では、仕事が忙しくなっていて、「労働組合の活動が目に見えない」「メリットを感じない」という声も聞こえてきます。「数は力」が労働運動の原点だと思いますが、組織拡大・強化はどう進めていくのでしょうか?

 小田川書記長 03年度の運動の経過を見ても、運動の課題を学習し、職場討議を徹底して行い、全員参加の運動をめざした組織では、とりくみの目標を達成し、要求も組織も前進しています。
 厳しい職場実態にあるから、話し合いの場を持ち、団結を深め、力を寄せ合って問題解決をめざす、という労働運動の原点を大切しなければならないと思います。
 そのため、国公労連は、仲間の悩みに耳を傾け、解決の先頭に立つ「10人にひとりの世話役づくり」のとりくみを提起しています。

 ○非常勤職員の組織化を

 また、公務リストラがすすむもとで、非常勤職員などの増加、任期付き職員の導入、委託、派遣労働者の存在など、正規職員以外の労働者が増えています。多くの場合、これら非正規労働者の労働条件は劣悪です。そのことに目をつぶり続けていて、正規労働者の労働条件が前進すると考えるのは身勝手すぎるのではないでしょうか。
 職場の周辺にいる民間労働者、例えば関連法人の労働者の解雇、賃下げなどの「合理化」攻撃を見て見ぬふりで、公務員労働者への信頼が高まるとは思えません。
 国公労連は、02年の大会で、「企業(省)内主義」を克服し、国公関連のすべての労働者を視野に入れた「頼りになる産別センター」への脱皮をめざした組織拡大・強化方針「チャレンジ30」を確認しました。
 そして、非常勤職員の組織化を呼びかけ、03年12月には「一人でも入れる労働組合」=国公一般を立ち上げ、04年9月からは、全労連組織拡大推進基金を活用した「全労連オルグ」を国公一般に迎え入れることになっています。
 ブロック国公、県国公、地区国公の整備・強化や、県労連などへの一括加盟の前進なども04年の重要な課題です。地域からの運動に、国公労働者の要求を持ち込み、前進をめざすためにも、全労連、県労連などとの関係をさらに強化する、要求前進と組織強化を一体で追求するとりくみを全国で強めていきたいと考えています。

●「多様な勤務形態研究会」が人事院に「中間とりまとめ」
    育児・介護になう職員の対応策を提言
    一方で無原則な労働時間弾力化の危険

 人事院が昨年10月に設置した「多様な勤務形態に関する研究会」は、7月13日に「中間とりまとめ」を人事院職員福祉局長に提出しました。
 人事院は、この研究会の提言を受けて、勧告時の「報告」を行うとしています。
 その内容は、(1)部分休業の対象となる子どもを、現在の3歳から小学校就学前まで拡大することを検討。成案が得られれば、別途、意見の申し出をする、(2)育児を行う職員が常勤職員のまま短時間勤務にすることを認める、短時間勤務制導入の検討、(3)育児を行う職員が所定内勤務を行いながら子育てができるよう検討。早出・遅出勤務の活用、管理者が職員の意向にもとづき、弾力的な勤務時間の割り振りをできないかなど、(4)男性職員の育児参加の促進。産前・産後の休暇における育児のための特別休暇の導入、恒常的な長時間勤務での早出・遅出勤務の活用、弾力的な割り振りなど、(5)以上の内容で、介護を行う職員についても必要なもの、可能なものがないか検討、と表明しています。
 その他の課題は、研究会の来年の「最終報告」にむけて引きつづき検討していくことにしています。

●組合に入ってよかった!
  第3回非常勤職員交流集会を開催

第3回非常勤職員交流集会(7月17日、都内)には、全国から過去最高の108人(10単組8ブロック)が集まり、非常勤職員が悩みや要求を大いに出し合いました。
 あいさつに立った堀口委員長は、「政府の人件費削減の攻撃で、法律のはざまにいるみなさんに矛盾が集中している」とのべ、「劣悪な労働条件をともに変えるため、国公労連の組織に加わっていただきたい」と訴えました。
 小田川書記長が基調報告し、「04年非常勤職員実態調査(国公労連調べ)」をもとに、非常勤職員内の待遇格差(賃金、手当、保険)を明らかにしました。また、各単組ですすむ組織化の一端を紹介しました。
 郵産労の岡田時弘さんが、郵便局で働く非常勤職員の組織化などについて特別報告しました。

 ○劣悪で無権利な実態を告発

 全体討論では、参加者が「半年ごとの更新を繰り返し働いてきたのに突然の解雇。無理やり納得した」(全運輸)、「正職員と同じ仕事をしているのに交通費が出ない」(ハローワーク相談員)など、劣悪で無権利な労働実態を告発しました。

 ○正(セ)・非職員(パ)が団結して

 他方で「試験採用でない非常勤の雇い止めに反対するのは、国民の理解が得られるか」、「試験を受けさせずに都合よく使う当局が理不尽だ」、「正・非職員が団結しなければ、制度の壁は乗り越えられない」(山瀬副委員長のまとめ)など率直な意見も交わされました。
 全運輸の航空職場で働く大里美鈴さん(21歳)は、「20年働いてきた仲間が、突然路上に放り出されるのは許せない。雇い止めをなくして!」と訴えました。「発言するつもりじゃなかったけど、全国のみんなが諦めずに活動している発言を聞き、勇気がわきました」(大里さん)
 また、今年9月の退職を前に、全港建四国地本に加入した久保知子さん(25歳)は、「私たちも夏季休暇がほしい。でも非常勤だから…と声に出せなかった。組合に入って学び行動するうちに、何とかしたいと考えるようになったんです。組合に入ってよかった」と言います。


●国公権利裁判の口頭弁論が終結

 国公権利裁判・第10回最終口頭弁論が、7月15日午後1時30分から、東京地裁第103号大法廷で開かれました。
 これに先立つ昼休みの宣伝行動には、気温35度の猛暑のなか、公務労組連絡会の若井事務局長や各単組・ブロック国公の代表110名が参加し、通行人に裁判支援の最後の訴えを行いました。
 午後1時からは「裁判支持署名」の提出行動にとりくみました。東京地裁民事第36部書記官室を訪ね、山瀬副委員長が担当の主任書記官に「是非とも公正な判決をお願いする」と述べたあと、全国から集約された5041団体分の署名を、原告筆頭の全税関・河野委員長など参加者代表が次々と手渡しました。
 裁判は午後1時30分に開廷し、双方が最終準備書面を陳述したあと、原告代表2名が満を持して最終陳述を行いました。全法務・橋本恵美子さんは家計を預かる立場から「これが模範たる国のやることか」と、全建労・上原秀樹さんは生活者の立場から「超勤手当を遡って削減するのであれば、家族との時間を返せ」と、それぞれ不利益遡及に対する怒りを裁判長に訴えました。最後に岡村弁護団長が、入り口の議論に終始してきた被告国側の姿勢を改めて厳しく批判したうえで、「裁判所は形式論ではなく実質に立ち入った判断を是非して欲しい」と主張し、1年5カ月に及ぶ裁判をしめくくりました。
 最後に参加者一同は国公労連会議室で意思統一集会(第3回原告団会議)を開催し、「裁判支持署名」や「賃金改善署名」など夏期闘争課題を全力で完遂すること、10月21日の判決日には再び大行動を配置して最大結集を図ることなどを確認しました。

●新潟、福井集中豪雨災害の救援カンパにとりくもう!

 7月中下旬の記録的な集中豪雨により、新潟県、福井県で甚大な被害が出ています。家屋の全半壊、床下・床上浸水など、組合員にも多くの被害が出ており、「家が流され住むところがなく、不安な日々を過ごしている」という声が寄せられています。
 カンパは8月末までのとりくみとします。
 全国の仲間の支援をお願いします。

【募金専用口座】
★郵便振替口座 00120−4−407597
※加入者名欄は「国公労連」と記入し、通信欄に「水害救援カンパ」と明記を。
★中央労働金庫 新橋支店(普)1037844 口座名「国公労連」


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