国公労新聞 第1185号 |
●秋年闘争スタート 憲法改悪反対を軸に学びたたかおう 憲法9条をターゲットとする改憲策動が強まるもと、「公務リストラ」や「公共サービス商品化」、「給与制度の全面改悪」などの攻撃も激しさを増しています。この秋のたたかいでは、憲法改悪反対のとりくみを軸に、国民本位の行財政・司法の確立、民主的公務員制度と国際労働基準に沿った「働くルール」確立のとりくみなどを、職場・地域から大きく展開します。 ○憲法改悪反対のたたかいに全力【10月「学習強化期間」】 憲法改悪に反対し、職場と地域に憲法を活かすたたかいに全力をあげます。スタートのとりくみとして、10月を集中期間とし、すべての職場で憲法学習を実施します。各単組・県国公は、職場・地域で憲法学習と運動をリードする「憲法の語り部」の登録を開始します。 11月からは憲法遵守ステッカーをすべての職場の掲示板等に貼り出すとりくみを行います。 社会保障改悪反対や「公共サービス商品化」反対、民主的公務員制度確立の要求とも結合した「定時・定点宣伝」、「ターミナル宣伝」(毎月第1・第3水曜日)を全県国公で具体化します。 中央段階では、各単組・ブロック国公の参加で「憲法改悪阻止闘争本部」を発足させ、憲法改悪に反対する「国民過半数署名」の推進態勢を確立します。また、宣伝・学習素材の作成や「憲法講座」の開催、「憲法が輝く社会を!(仮称)」のホームページ開設などを進めます。 ○「公共サービス商品化」反対の産別闘争を強化【11月「行動月間」】 「『市場化テスト』をはじめとする業務や公共サービスの民営化」、「独立行政法人の整理・縮小」、「05年予算での公務リストラ、定員削減」などに反対するとりくみを職場と地域で旺盛に展開します。 「公共サービス商品化」に反対する国民世論への訴えを重視した“キャンペーン”をスタートし、宣伝行動の具体化を各単組・県国公で進めます。 「公共サービス商品化」も告発する「定員白書」を作成し、単組のとりくみとも結合して関係団体・自治体・マスコミなどへの配布行動を展開します。 11月を集中期間として、上旬には関係機関へのハガキ行動を各単組が統一して実施。対外宣伝、政府要請行動などを強化し、各県国公は「行政相談」を集中的に開催します。 また、05年度予算編成のヤマ場となる12月上旬に、合同庁舎などを拠点とする「定時退庁集会」を開催し、政府の使用者責任を追及します。 ○民主的公務員制度の確立、給与制度改悪のとりくみ【9・10月「地域給学習会」】 「国家公務員制度改革関連法案」の閣議決定が狙われるなか、この間のたたかいをふまえ、「ILO勧告に沿った労働基本権回復の実現」「勤務条件性を否定した能力等級制・評価制度導入反対」の2点を基本に、政府・行革推進事務局を追及します。 9月1日から9日を集中交渉期間とし、上申闘争を展開。9月下旬にも法案決定が想定されることから、27日の週を全国統一行動とし、時間外職場集会を開き、決議文の集中、当局申し入れを行います。 9月、10月を「地域給与問題学習強化期間」に設定して、ブロック内で各県連鎖の学習会を開催し、組合員はもとより県労連傘下の民間労働者や「750万労働者」に広く参加を呼びかけ、「地域共闘」結成の端緒とします。 ◆2004年秋期年末闘争の主な行動展開図(PDF261KB) |
●規制改革・民間開放推進会議が中間報告 「市場化テスト」で国の事業を入札 8月3日、規制改革・民間開放推進会議(内閣府)は、「官製市場」(「政府がサービス提供を行っているなど公的関与の強い市場」と同会議は規定)の民間開放の重点検討課題を明らかにしました。 具体的には、民間開放のあらたな手法である「市場化テスト」(官民競争入札)と、医療、教育、介護の3分野での営利企業参入等の規制「改革」推進に言及しています。 ○民でできない官業はない? この内、「市場化テスト」については、原則として民間開放できない「官業」はないとする主張のもと、国の事業を先行して実施するとして、国の実施事務を6類型(下表参照)に分類して検討を進めることを表明しています。 ○「市場化テスト」とは 「市場化テスト」とは、現在は国が直接実施している事務事業を「入札」にかけ、民が「落札」すれば民間移譲、民間委託などを行い、官が「入札」すれば、(人件費抑制などの)効率化の上で官がサービス提供を継続する仕組みを作ろうというものです。04年度中にもモデル事業を選定・実施、05年の通常国会への法案提出、06年度からの全面実施、とするスケジュールも明らかにしています。 ○公共性破壊を加速 「市場化テスト」の対象となる事業は「民間からの提案」で決定するとしており、儲けになる事業だけが「入札対象」にされるなど、公共性破壊が加速される危険は小さくありません。落札した民間事業者への公務員出向などの雇用問題も危惧されます。税金を企業に回す手法にほかならない「市場化テスト」などに反対するたたかいの強化が求められています。 |
●人勧取扱いで総務省交渉 寒冷地手当改悪決定するな ○「人勧尊重ふまえ検討」 国公労連は8月24日、寒冷地手当を含む給与勧告の取扱いに関し、2度目の総務省交渉を実施(すでに国公労連は勧告日の8月6日に要求書を提出し交渉を実施)。総務省側は人事・恩給局の片山参事官が対応しました。 総務省は、「今年度も人勧制度を尊重する基本姿勢に立ち、国政全般との関連も考慮しながら国民の理解を得られる結論を早期に得るようにしたい」と述べるとともに、寒冷地手当に関わって「人勧尊重の立場から内容について検討中。実施時期は、公務員給与は税金でまかなわれ、国民の理解なしの改定は考えられず、それも踏まえて検討中」と回答しました。 ○公務の特性無視した「民間準拠」 これに対して国公労連は、「人事院から納得できる合理的な説明はなかった。説明責任を果たさない中での寒冷地手当の改悪を決定することは認められない。今年からの実施は国会軽視であり、拙速すぎる」と主張。公務の特性を無視する「民間準拠」での見直しの不当性や気象データの取扱い方などの問題点・矛盾点を追及し、寒冷地手当改悪法案の一方的決定に反対しました。 ○給与制度は労使協議つくせ 「報告」で言及した給与制度見直しについては、「労働条件に関わる重大問題であり、労使で率直な意見交換ができる場の設置を」と国公労連が主張したのに対して、総務省は「職員団体の意見は今後とも聞いていきたい」と回答しました。 |
●審判員確保と教育訓練を 労働審判制度学習会ひらく 全労連主催の「労働審判制度学習会」が、8月19日、東京・神田駿河台の労金会館で開催され、約80人(国公労連・単組から12人)が参加しました。 学習会の講師には、政府・司法制度改革推進本部の労働検討会委員である高木剛氏(UIゼンセン同盟会長)が招かれ、検討会での議論経過や、06年4月スタートの制度内容とその重要性などが熱っぽく語られました。 労働審判制度は、労働問題に精通した労使双方の「審判員」と職業裁判官の3人1組で構成され、個別労働関係事件の司法的解決をめざす制度です。 長引く不況とリストラの横行で労働紛争が年々増加する中で、国公労連もシンポジウムや提言などを通じて、迅速な紛争解決を図るための制度改革を求めてきました。 その意味で、労働審判法が先の通常国会で成立し、従来の労働委員会制度に加え、労働者救済の新たな制度ができたことは大きな到達点といえます。 高木氏も、労働審判制度を「今回の改革の中で最も重要なものの一つ」と評価した上で、専門知識・経験をもつ「審判員」の確保と候補者の教育訓練が重要だと強調しました。 この「審判員」については、全国で労使それぞれ500人の候補者を来春までに人選する必要があるとし、「連合と全労連の連携が望ましい」とも語りました。 全労連は、労働審判制度パンフレットの作成や対策委員会の設置など、制度のスタートに向けて、中央・地方で対応を強化することを提起しています。 |
●JR採用差別事件団結の力で解決を 国労と建交労が初の共同集会 ILO勧告を生かしJR採用差別事件の早期解決をめざそうと、「今こそ解決を!団結・連帯・統一の力で!8・23集会」が8月23日夜、東京・品川で開かれました。 17年前の事件発生以来、国労と建交労の共同の中央集会は初めて。1300人の参加者は、気持ちを一つに早期勝利解決にむけて闘う決意を新たにしました。 主催者を代表し、国労の酒田充委員長と建交労の坂田晋作委員長があいさつ。「組織の違いを超えて共同の総決起集会が開催され、国鉄闘争の歴史に残る有意義なものです。1047人のたたかいは、政府の国策の推進課程で起こっただけに、政府の責任で解決されるべき性格である」(酒田氏)、「当該組合の共同の力がなければ、事態を切り開くことはできない。団結・連帯・統一の力を思う存分発揮して、早期解決をめざそう」(坂田氏)と訴えました。 ITF(国際運輸労連)アジア太平洋地域の和田茂部長がILO勧告の内容と意義について講演。全労連の熊谷金道議長、国鉄闘争支援中央共闘の中里忠仁議長らが連帯あいさつをしました。 「集会を機に、ますますの団結回復と国鉄闘争勝利のために奮闘したい」(国労闘争団)、「1047人とその家族が団結を強め、要求で団結し、全力をあげたたかいぬきたい」(全動労争議団)と決意表明しました。 |
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