国公労新聞 第1187号 |
●寒冷地手当改悪は断じて許せない 04勧告完全実施を閣議決定 9月10日、政府は、寒冷地手当改悪などを内容とする04人事院勧告の「完全実施」を閣議決定しました。同時に、総人件費抑制を強調し、定員純減や、独立行政法人(国立大学法人を含む)給与の国家公務員水準「準拠」なども決定しています。 国公労連は、8月6日に、人事院勧告にもとづく寒冷地手当法改悪反対をはじめとする要求書を提出し、給与制度見直し問題も含め、実質的な労使交渉を強く求めてきました。また、給与関連の閣議決定とあわせた行政減量化策の決定には、使用者の立場で反対するよう迫ってきました。 しかし、政府は、これらの要求を受けいれることなく、「勧告完全実施」を決定しました。 この間の交渉で、国公労連は、「原資の配分問題である寒冷地手当にまで、民間準拠を貫徹する勧告の再検討」、「積雪にともなう寒冷増嵩費の考慮」、「04年10月実施の再考」などを主張してきました。 ○総人件費抑制を強調する政府 しかし、政府・総務省は、「労働基本権制約の代償措置としての人事院勧告制度尊重」の回答をくり返すのみで、労働条件変更に際しての説明責任すら果たさず、使用者責任を放棄しました。 閣議決定では、政府の責任を棚上げにしたまま、「財政事情がますます深刻化」しているとして、総人件費抑制を強調。行政事務・事業の整理等や、「国家公務員数の純減」にも言及しています。「合理化」・人件費抑制強化は、独立行政法人などでも実施するとしました。 ○給与構造見直しの先取りも この閣議決定に先立つ9月3日、札幌市人事委員会は、寒冷地手当の「国並み改悪」と同時に、同市での公民格差にもとづき「マイナス0.98%、4073円」の給与引き下げ勧告を行いました。人事院が明らかにした、北海道・東北地域の官民較差(マイナス4.77%)を先取りする内容です。 ○地域のたたかい広げよう このような状況から、寒冷地手当改悪法案に対する国会闘争と同時に、地方自治体での地域間格差拡大の給与構造見直しの「先取り」を許さない地域のたたかいが重要になっています。 |
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●10月から共済年金引き上げ 運営審議会で定款改定を強行 9月13日の国家公務員共済組合運営審議会(以下運営審議会)が開催され、改悪年金法にもとづく定款改定を強行し、10月1日より長期共済掛け金の引き上げが行われることになりました。 政府・与党は、6月5日に国民の圧倒的多数の反対の声を無視して改悪年金法を強行成立させました。国共済「改正」法も6月16日に可決成立し、共済年金は給付水準を厚生年金に準拠して定め、それを賄うために必要な保険料率を決定することになりました。 ○国民8割が年金改悪反対なのに 8月3日に、財務省が「国家公務員共済組合の長期給付に要する費用の再計算について」を通知し、財政再計算は10月1日を基準時点に国共済「改正」法を前提に行うことや基礎率(経済的要素)及びマクロ経済スライドによるスライド調整率は厚生年金と同様とすること、同時に、保険料率は04年より地共済の保険料率との段階的な一本化を図り、09年に同一の保険料になるようにし、厚生年金の引き上げ幅も考慮し、04年から09年までは千分の1.29を、10年以降千分の3.54をそれぞれ下回らないことなどを国家公務員共済連合会(以下連合会)に指示しました。 国公労連は、9月10日に改悪年金法に基づく財政再計算に対する申し入れを行い、実施を直前に控えた今も約8割の国民が反対している状況下で、定款改定を強行すべきでないことを主張しました。 運営審議会でも、労働者側委員が「約8割の国民が反対している状況下で、10月1日からの改正を行うべきでない」と迫りましたが、連合会側は「法令、閣議、財務大臣の通知に基づき作業する立場。言える立場にない」との回答をするにとどまりました。 |
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●普天間基地返還訴え3万人 沖縄・宜野湾市民大会ひらく 沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落に抗議し、米軍普天間基地の早期返還を求める宜野湾市民大会が9月12日、同大学内で開かれ、炎天下3万人(沖縄県国公は150人)が参加。 伊波洋一市長は「普天間基地は欠陥基地であることが明らかになった。辺野古への移設では危険性は取り除けない。直ちに基地機能を停止し閉鎖と返還に向けて米国と協議を」と政府に要求。小学生や老人クラブなどさまざまな世代が、事故への恐怖や怒りを表明しました。 |
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●〈行革推進事務局長交渉〉「誠実な交渉・協議」を再確認 勤務条件性否定の能力等級・評価制度導入は許さない 国公労連は、9月9日、行革推進事務局長に新しく就任した松田局長と初めての交渉を行いました。 「国家公務員制度改革関連法案」の検討作業をめぐっては、推進事務局が8月27日の自民党・片山委員会などの議論も経て、内閣法制局などとの協議に入る姿勢を強めており、10月中旬召集予定の臨時国会への法案提出をねらっています。 国公労連との交渉でも、能力等級制や評価制度の内容だけでなく、勤務条件性に関わって真正面からの議論を避け続けており、労働基本権についてもいまだ協議の対象にしていません。 こうした中で、今回の交渉では、6月以降の交渉経過の確認を迫るとともに、「ILO勧告にそった労働基本権回復の実現、着実な前進」「勤務条件性を否定した能力等級制、評価制度の導入反対」の立場から追及を行いました。 法案要綱作成前に、制度の全体像を示した上で、「誠実な交渉・協議」を行うことを再確認し、能力等級制と評価制度に関わって以下の点を追及しました。(※○は国公労連側、●は推進事務局側) ◇能力等級制への組合関与を
◇職場からたたかいの強化を 国公労連は、9月28日に実施する中央行動で、民主的公務員制度の確立を求め、推進事務局前要求行動などにとりくみます。中央行動の成功とともに、職場からのたたかいの強化が求められています。 |
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●公務員宿舎の負担に関するアンケート結果 宿舎に不満44%、退去時負担「高い」27% 公務員宿舎に居住する国家公務員にとって、退去時の過大な負担が強い不満となっているなか、財務省は昨年7月、国家公務員宿舎の原状復帰についての基準的考え方を29年ぶりに改正しました。その内容は、入居者の負担となる補修については、全国的統一性を考慮して必要最小限のものとする観点から、障子や畳の張り替えは原則1枚・1組単位とするなど、これまでよりやや具体的に規定しています。 これは、私たちの要求を一定反映しています。しかし、問題は、管理人への趣旨の徹底を含めて、それが基準どおり実効されているのか、また、現実に職員の不満を解消することにつながっているのかです。 国公労連は、合同宿舎を中心に、今年4月の退去者を対象にアンケート調査を実施しました。 アンケート回答者は、合同宿舎の入居者691人。家族を含む入居者数(図1参照)は、1人が58%と単身世帯が半数を超え、2人世帯は12%、3人以上世帯は29%です。入居年数(図2参照)は3年未満が55%と半数を超えています。 退去直前まで入居していた宿舎についての満足度(図3参照)については、満足派(「満足」と「ほぼ満足」)が52%、不満派(「やや不満」と「大変不満」)が44%と、満足派が不満派をやや上回っています。しかし、不満派が44%というのは決して少ない数字とは言えません。 「不満」の具体的内容(図4参照※複数回答)については、建物が古い66%、設備が悪い52%、狭い26%がワースト3となっています。昭和40年代に建設された合同宿舎が建て替え時期を迎えています。その宿舎に入居している職員の「不満」が出ていると予想されます。今年の宿舎料値上げの際にも、古くて狭くて設備が悪いままで、値上げするのかという大きな怒りの声が上がりました。 退去時の原状復帰に要した費用の妥当性(図5参照)については、「妥当」が46%(「妥当だ」と「ほぼ妥当」)、「高い」が27%(「やや高い」と「高すぎる」)となっています。 |
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●ガンバレ!プロ野球選手会 −−全労連が支援行動−− 近鉄とオリックスの球団合併実施の1年間凍結などを求め、ストライキもかまえてたたかっているプロ野球選手会労組を支援しようと、全労連は、9月11日、各地で宣伝・署名行動をとりくみました。東京では、ヤクルト・巨人戦が行われる直前の午後4時半から東京ドーム近くのJR水道橋駅前で支援行動。国公の仲間もかけつけ、「ファン、選手無視の球団合併反対」の横断幕をかかげ、署名への協力を市民に呼びかけました。 |
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