国公労新聞 第1203号 |
●高位号俸は7%もの賃金カット 給与制度改悪に怒り広がる 国公労連は3月4日の中央行動と並行して、「給与制度見直し問題」で、ブロック国公の代表を含む人事院交渉を実施しました。 国公労連側は、「これまでの人事院の説明では、(1)北海道・東北ブロックの官民較差を基準に俸給表水準を一律5%下げるやり方には納得できず、(2)賃金センサスを活用して地域手当の支給割合を決定することは、データの信頼性からも納得性がえられない、(3)4級以上の高位号俸者を5%を超えて引き下げることは、中高年層の大幅賃下げ(最大で7%カット)をもたらす」と主張。不当な給与制度改悪を進める人事院を追及しました。 それに対し、人事院側は「地方の公務員給与が高いという主張に対し、公務員給与を地場の民賃傾向に合わせる判断をした」、「高齢層については、さらに官民逆格差があり、それを見直して若い方に回すことにしたい」など従来の回答を繰り返しました。この回答には、ブロック国公の代表から、怒りの声が相次いで出されました。 この交渉に先立つ2月28日、政府の経済財政諮問会議は、公務員の定員削減と給与抑制を議題としました。 ◇賃下げと定削攻撃を乱暴に進める政府 同会議の民間議員は、「公務員の総人件費の削減に向けて」という説明資料を提出し、「5年間で10%以上の定員削減をさらに一歩進める純減目標の設定、人事院の給与制度見直しを前提とする地方に勤務する国家公務員の給与水準を引き下げるための制度見直し」などを主張。小泉首相が、「人事院のあり方や民間準拠のあり方」の検討、「総務省や人事院ともよく話し合いながら問題点整理を」求めるなど、総人件費抑制の動きを強めています。 賃下げも、定員削減も、という乱暴な攻撃をはねかえすたたかいの強化が求められています。 |
●地域切り捨ての給与改悪NO! 東北総決起集会に1000人 【東北ブロック国公発】2月28日夜、東北各県の公務組合の仲間1000人が結集し、「地域給導入阻止東北総決起集会」を仙台市で開催しました。また、集会に先立って、昼休みの人事院前集会・デモ、要請行動、学習会などもとりくみ、地域切り捨ての給与制度改悪を許さない「一日総行動」を展開しました。 |
●〈2.23地域総行動〉昼の集会・デモに100人◇長野県国公 【長野県国公発】2月23日の05春闘地域総行動で長野県国公は、県労連の早朝宣伝、昼の集会・デモ(全体参加者の半分の100人が県国公)、夜の集会に結集するとともに、県国公独自に公共サービス商品化反対の街頭宣伝・各戸ビラ配布を実施し、2500枚のビラをまきました。 |
●「郵政民営化反対」全国キャラバンスタート 44都道府県、9割の市町村議会が反対等決議 郵政民営化に反対する全労連の全国キャラバン行動が、2月28日、福岡県からスタートしました。 最初のとりくみとなった博多駅前の宣伝で、全労連の熊谷議長が、「どの世論調査でも国民の多くが政治に望むのは、社会保障の充実などであり、郵政民営化など望んでいない。国民サービス切り捨て、大企業のための郵政民営化は国民の声で阻止しよう」と訴えました。 また、郵産労の倉田副委員長は、「47都道府県議会のうち44議会が、2950市町村議会のうち約9割の2605議会が郵政民営化反対などの自治体決議を採択している。小泉構造改革の本丸とする郵政民営化を阻止して、悪政を一掃しよう」と力強く呼びかけました。 つづく博多郵便局前の宣伝では、福岡県国公の野田事務局長が、「公共サービス商品化の突破口となる郵政民営化は許さない」と訴えました。 |
●もう一つの世界と日本は可能だ 第5回世界社会フォーラムに参加して〈岡部書記次長〉 ◇平和・公正な世界めざし15万人 1月26日〜31日、ブラジル・ポルトアレグレで開催された第5回世界社会フォーラムに、全労連代表団の一員として参加しました。 ◇平和憲法擁護の連帯をアピール 15万5千人が参加した今回のフォーラムでは、米ブッシュ政権の単独行動主義に対する世界的な反戦・平和運動の具体化や、貧困と失業など拡大する格差を是正する運動の戦略などについて、二千以上の分科会等が行われました。開催国のルラ大統領やベネズエラ・チャベス大統領をはじめ、国連、ILO、IMF等の代表も参加したことは、このフォーラムを各国政府や国際機関も注目していることの証左です。 期間中、全労連・原水協など共催のワークショップ「日本の非核三原則と平和憲法擁護の運動との連帯」開催、世界労連やNTUIのセミナー、世界反戦総会などの企画に参加したほか、ブラジルCGTBや州政府の公務員労働組合との懇談、ポルトアレグレ市の「住民参加型事業」視察など、昼間は40度にもなる猛暑の中で、連日精力的に活動しました。 ただ、発言予定だった分科会「新自由主義に対抗する公務員のたたかい」が流会となり、韓国の公務員労組と交流できなかったことは残念ですし、現地語で簡潔な主張を準備していれば、一層アピールできたことなどは教訓です。 ◇国際的な視野で社会運動追求を 世界の多様なたたかいの息吹や、民衆のエネルギーを直に感じられたことに感謝すると同時に、今後は市民や社会運動とも連帯・共同したとりくみを国際的な視野で追求する必要があること。そういう運動を推進するためにも、最大級のNGOである労働組合の拡大強化は待ったなしの課題だと、あらためて痛感しました。(国公労連書記次長・岡部勘市) ☆世界社会フォーラムとは? スイス・ダボスで同時期に開かれる「世界経済フォーラム」に対抗して、新自由主義的な経済支配に反対し、公正な世界秩序を求める非政府組織が2001年にブラジル・ポルトアレグレに集まったのが始まり。「もう一つの世界は可能だ」がスローガン。 来年はアジアなど各地域毎に開催され、第6回は南アフリカの予定。 |
●“核兵器廃絶”世界に訴えよう 被爆60年 3.1ビキニデーに1800人 今年の3.1ビキニデー行動は、2月27・28日の日本原水協の「全国集会」から3月1日の実行委員会の「3.1ビキニデー集会」まで3日間、静岡県で開かれました。 これにはメキシコとエジプトの政府代表、アメリカとフランスの海外代表を含む1800人が参加し、国公労連からも約90人が参加しました。 27日の全体集会では、5月にニューヨークで開かれるNPT(核不拡散条約)再検討会議で、核保有国に核兵器廃絶の約束履行を迫るため、代表派遣と「核兵器廃絶」署名のとりくみ強化が強調されました。 翌28日の国際フォーラムと分科会では、フランスの平和活動家が、今年の原水爆禁止世界大会に200人の青年を派遣し、核廃絶を世界に訴えたいと表明しました。 3月1日は、故久保山愛吉氏「献花・墓参平和行進」の後、焼津市民センターに会場を移して集会が開催され、マーシャル諸島(ロンゲラップ環礁)の国会議員や第五福竜丸の元乗組員からビキニ被災の実相がリアルに語られました。 集会では、焼津市長の挨拶や広島・長崎市長のメッセージ紹介、「核兵器廃絶〜ビキニデーからNPT会議へ」のパネル討論に続いて、各界代表から核兵器廃絶への熱い決意が表明されました。 こうして今年の行動は被爆60年にふさわしい内容で成功し、地元の静岡県国公も舞台裏を支えて大いに奮闘しました。 |
●連載 憲法のはなし(6) Q 教育基本法と憲法 ◇人権を守る教育の実現を 「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。」教育基本法の前文の一節です。 ◇民主的国家実現は「教育の力」 いま、政府・与党が教育基本法「改正」作業を加速させ、開会中の通常国会への法案提出の可能性も消えていません。 ◇「愛国心」を押しつける与党案 明らかになっている自民・公明党の与党教育基本法改正に関する検討会の「中間報告」では、(1)現行法の前文にある「日本国憲法の精神に則り」を削除する、(2)第1条の「教育の目的」を見直す、(3)一方で教育の目的に、「道徳心の涵養」や、「国を愛する(愛国心)態度の涵養」などを規定する、(4)私立学校の進行や家庭教育を法に規定し、国の教育責任を緩和する、(5)男女共学の規定を削除する、などが内容になっています。 このような教育基本法「改正」の動きと内容に対しては、例えば日本弁護士会が、(1)「個人の尊重」(憲法第13条)に基づく人権としての教育への権利の実現を危うくする、(2)法による「愛国心」の押しつけは、内心の自由保障(第19条)に抵触する、などと批判しています。 ◇「統制」する国家、不平等な時代へ 法律の性格からしても、また見直されようとしている内容からしても、教育基本法「改正」は第9条はもとより、基本的人権を規定する憲法の諸条項の「見直し」が前提となっています。国民の思想・信条を画一的に「統制」する国家は、極めて不自由な社会です。また、「非国民」とのレッテル貼りで差別が横行した不平等な時代を彷彿させます そのことから、「教育基本法『改正』は、改憲と一体」の位置づけで、国公労連も全労連に結集した「改正」反対のとりくみを進めています。 |
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