国公労新聞 第1230号

◆職場の力で06春闘前進へ

 06春闘交渉が本格スタートしました。政府が「行政改革推進法案(仮称)」を国会に提出しようと圧力を強めるなど情勢は緊迫しています。
 すべての職場での統一要求書提出、「5%純減反対」「民間開放反対」「賃下げ目的の官民比較方法見直し反対」での当局追及を強め、3月16日の全国統一行動、全労連キャラバン行動の成功で要求前進をめざしましょう。

◆「法案決定反対」を強く主張
 行革推進事務局に申し入れ

 「行政改革推進法案(仮称)」が3月10日にも閣議決定されようとしているなか、国公労連は3月6日、行革推進事務局との交渉を行いました。
 2月23日に提出した「(法案への)意見書」をもとに、国家公務員の「5%純減」ありきで、「職業紹介事業や社会保険庁での「抜本的な民間委託」や国立高度専門医療センターの独立行政法人化などを「強制」する条文を含む法案決定反対を強く主張しました。
 また、雇用問題を引き起こす可能性のある「総人件費削減計画」と労働基本権課題の同時検討を求めました。
これに対し、行革推進事務局の上田室長は、「(法案は)構造改革の継続を法レベルで確認するもの」、「プログラム法であり、何かを決めるものではない」などとし、「3月10日には、閣議決定に持ち込む」と強行姿勢を示しました。
 また、国公労連が、「5%純減で雇用不安が生ずる」と指摘したことに対し、「制度の制約はあるが、配置転換の仕組みなど雇用対策を議論することは大切。実質的な意見交換を」とし、この課題で交渉・協議に応ずる姿勢を明らかにしました。

「総人件費削減」許すな
総務省・人事院交渉で追及

 国公労連は、2月14日に2006年統一要求書を総務省と人事院に提出。以下のポイントでの交渉を積み上げています。
 総務省に対しては、「総人件費削減」ともかかわって、賃金・労働条件の切り下げ、身分保障問題などでの使用者責任の発揮や、非常勤職員の均等待遇の具体化を求めています。

 ◇比較企業規模の引き下げ反対

 人事院に対しても、「総人件費削減」とかかわる官民賃金比較方法の「見直し」(比較企業規模の引き下げなど)を一方的に行わないことを中心に、育児・介護を行なう職員への短時間勤務制導入や、不払い残業の根絶につながる共通のルールの確立などの制度的検討を求めています。

 ◇上申行動の完遂を

「1万1000円、2.9%」のベア要求を正面に掲げながら、公務員攻撃が激化するもとでの雇用・労働条件の後退を許さないため、3月下旬の最終回答に向け、各級機関からの上申行動の完遂など、産別一体のとりくみが求められています。


◆人事院が改定規則を公布

 休憩・休息時間の「見直し」で最終回答

 人事院は2月17日、国公労連に、休憩・休息時間の「見直し」について、最終回答をおこないました。
 この回答内容での改定人事院規則を3月3日に公布しました(下表)。

 ◇職場連判状など背景に人事院追及

 休憩・休息時間の「見直し」について、人事院は10月31日に国公労連に提案。これを受けて、職場連判状なども背景に人事院追及を強めてきました。
 交渉では、「休息時間廃止にともなう拘束時間の延長反対」を基本に、所定内労働時間の短縮、育児・介護など家庭責任を負う職員にかかわる特例措置等の制度対応、超過勤務縮減ともかかわる勤務時間管理の徹底などを求めました。
 交渉では、休憩時間の確保もできていない職場実態や、長時間拘束の状況にある交替制職場の実態、拘束時間の延長の直接の影響を受ける職員の切実な声をもとに、具体的に問題点を指摘し、提案の見直し、修正を強く求めました。
 また、勤務時間割り振りにおける「休息」の必要性についての人事院の見解を求めるなど、最終版までの追及をおこないました。

 ◇制度・運用でのとりくみ強化を

 その結果、育児・介護などにかかわる昼休みの特例措置や交替制職場における適用の先送りなど、一定の到達点を得ています。また、「所定内労働時間短縮に向けた検討」の姿勢をはじめて人事院に示させています。
 これらの結果もふまえ、所定内労働時間の短縮や不払い残業根絶にむけた勤務時間管理の徹底、育児・介護に関わる職員への短時間勤務制の導入など、制度・運用両面からのとりくみを強化します。

※▼以下の文字を適当に枠の中に入れて「表」にしてください

 表 休憩・休息時間の「見直し」内容
1  (現行、おおむね4時間ごと15分の)休息時間は廃止。
2  (現行、おおむね4時間ごと30分の)休憩時間は60分に延長。ただし、業務の実情、昼休み時間等を総合的に勘案して、45分とすることができる。
3  業務の特殊性により必要な場合には、休憩時間を分割して置くことができる(分割された休憩時間のうち少なくとも1回の休憩時間は30分以上)。
4  小学校就学前の子の育児又は小学生である子の学童保育施設での託児のために必要があると認められる職員、要介護者を介護する職員などから申出があった場合で公務の運営に支障がないときは、休憩時間を30分にできる。
5  交替制勤務職員その他人事院の定める職員(休憩時間を15分とされていた職員のうち、育児等のために必要があり、公務の運営に支障がないと認められる職員)の休憩時間及び休息時間については、当分の間(人事院の定める職員にあっては、9月30日までの間)従前とおり。
6  改正規則は、7月1日から施行。



◆人事院「給与構造見直し」の規則を公布

国公労連が新制度「解説資料」作成中

 人事院は2月1日、「給与構造の見直し」の人事院規則の公布を行いました。
 その主な内容は、「06年4月1日での俸給の切り替え」、「廃止される調整手当と地域手当の調整」、「昇給、勤勉手当への勤務成績反映にかかわる判定基準」などです。
 「俸給の切り替え」にかかわっては、過去の昇格との関係で新法有利の場合の適用規定や復職時調整、中途採用者との在職者調整など多岐にわたっています。勤務成績の判定基準にかかわっては、下位基準について「客観的な事実に基づく判定」などが示されています。
 今後、新制度の下での注意点や当局追及ポイントを、別途「解説資料」として提供する準備を進めています。


◆格差是正、安心・安全な社会へ地域から共同広げよう

〈全労連「もうひとつの日本」闘争本部 全国キャラバン〉

 いま国会は、ライブドア事件、BSE問題、耐震偽装事件、防衛施設庁談合事件などのいわゆる“4点セット”で揺れています。小泉構造改革による「官から民へ」「小さな政府」づくりは、こうした「安全・安心の破壊」「経済的格差の拡大」「地方切り捨て」をさらに推進するものです。
 全労連の「もうひとつの日本」闘争本部は、「小さな政府」を許さないたたかいのスタートとなる06春闘で、国民との共同を大きく広げることをめざして、「全国縦断キャラバン行動」にとりくみます。このキャラバン行動で、全国の国公労働者が先頭に立って奮闘することが求められています。

 ◆地域に打って出れば共感広がる

 ◇3月17日にスタート

 3月17日に東京をスタートする「全国縦断キャラバン行動」は、約1カ月かけて全国各地をかけめぐります(地図参照)。



 また、キャラバンコースとあわせて、地方独自の「網の目キャラバン行動」も追求します。
 キャラバン行動では、(1)街頭宣伝・署名行動、(2)地方自治体への要請行動、(3)各種団体・労働組合への訪問・要請行動、(4)決起集会・デモ、(5)マスコミ各社へのアピールなど、さまざまなとりくみを通して、「小さな政府」に反対する共同を広げ、「小泉構造改革」を許さない包囲網を地域からつくりあげます。
 「構造改革」のもとでの経済的格差の拡大や地域切り捨ての中で、地域住民・自治体からは悲鳴があがっています。地域に打って出れば、「小さな政府」反対の共感が広がる情勢です。全国各地で国公労働者がキャラバン行動の先頭に立ち奮闘しましょう。

 ◆〈広島〉県内網の目キャラバン行動で全自治体要請

 【広島県国公発】広島県では、全国キャラバンスタートの3月17日にあわせて、県内網の目キャラバン行動もスタートさせます。3月28日の全国キャラバン当日までに、(1)7コースに分かれた網の目キャラバン行動で県内すべての自治体首長と自治体議長へ要請、(2)全国キャラバン前日の3月27日の「公務・公共性を考える『もうひとつの日本』学習決起集会」などの準備を進めています。
 全国キャラバン当日の3月28日は、県内各地での旺盛な宣伝行動や、広島県・広島市に対する要請行動にとりくみます。

 ◆格差拡大に市民の怒り広がる
  〈青森県国公〉けっぱるぞ!宣伝・議会陳情・キャラバン

 【青森県国公発】秋季年末段階から、青森県国公は市内百貨店前で、「公共サービス商品化」反対と憲法改悪反対の街頭宣伝をそれぞれ月に1回ずつとりくんでいます。財政難から大きなキャンペーンはできませんが、愚直に各単組一致団結してとりくみを進めています。
 いま、小泉構造改革による経済格差の拡大が身にしみてきている市民から、私たちのとりくみへの支持が着実に広がっていると感じられます。
 2月15日の終日宣伝行動でも、「くらし安心署名」や大増税反対シール行動への協力が多くありました。
 また、議会陳情行動は、昨年の給与構造「見直し」・「市場化テスト」反対のとりくみを教訓に、各単組とも旺盛に奮闘しています。県議会にはすべての議員に陳情書と資料の写しを配布し意見書の採択をめざしています。
 雪解けは進んだものの、まだ雪深い本州最北の地から、小泉構造改革への反転攻勢を目指し、青森県国公は「全国縦断キャラバン」でも先頭に立って、けっぱるぞ!

 ◆〈国公近畿ブロック〉近畿1万人100カ所宣伝

 【国公近畿ブロック発】「潮目が変わった!」昨年来噴出する小泉「構造改革」「小さな政府」論や規制緩和の負の部分が連日マスコミでも取り上げられています。ひどい格差社会に疑念の声が日増しに高まっています。街で、ビラをまいていてもその受け取りが非常に良くなっています。一般の方から賛同の声をかけられることもたびたびです。そんなところからも「静かな怒り」を実感しています。
 情勢が変わってきているもとでたたかう06春闘に当たり国公近畿ブロックでは、たたかう方針を補強しました。題して「近畿1万人100カ所宣伝行動」。これは、ほとんどの単組が方針に掲げている「すべての組合員が地域の行動に参加しよう」を具体化するものです。
 「潮目は変わった」といっても「公務員はムダばかり」「役人天国」などのデマを撤回させるまでには至っていませんし、「人も賃金も削れ」の声は根強く残っています。職場の中だけのとりくみでは何も変えることができません。世論を積極的に変えていくとりくみが大切です。「1万人100カ所宣伝行動」はそうした認識からの提起です。

 ◇すでに40カ所で宣伝

 誰でもできる行動「1万人100カ所宣伝」は、2月から4月の90日間に、近畿2府4県のターミナルや地域での宣伝を実施するとりくみです。すでに約40カ所で実施しました。今後、近ブロ独自テッシュ(1万個)の作成や各県への宣伝隊の派遣も計画しています。そして、全国縦断キャラバンでも国公の仲間が先頭に立って奮闘する決意です。

 ◆気仙沼監督署の廃止反対
  〈宮城県国公〉地方切り捨て許さない共同を

 【宮城県国公発】宮城県国公は、2月10日、労働基準監督署の廃止問題で揺れる気仙沼市で、市長をはじめ、市職労、市議会議員などと地方の切り捨てに共同で反対しようと懇談を行いました。
 マグロで有名な気仙沼市では、減船と水産加工業の倒産が深刻になっています。そして、気仙沼監督署への相談件数は、昨年608件で前年より272件も増えています。監督署廃止は、まさに地方切り捨て、公共サービス切り捨ての具体化です。たび重なる定員削減により地方出先事務所を維持できず、結果として廃止統合せざるを得ない背景=小さな政府に反対していくとりくみと、存続を強く希望する地域の声とを結合させるような運動の具体化を県国公としてはかっていきます。
 さらに今回の議会意見書採択行動や全国縦断キャラバン行動とも一体化させ、地方切り捨て・格差拡大を許さない運動に弾みをつけていきたいと考えています。


◆「横森裁判」報告集会で訴え
  二度と悲劇を起こさないように

国が初めて過労自殺の損害賠償認める

 社会保険庁に勤務していた横森真二さんの過労自殺国賠請求控訴審は、本年2月10日、第1審勝訴判決を基調に和解が成立しました。
 国家公務員が公務災害認定を受けた事件で、我が国ではじめて国に損害賠償を求めた裁判も、提訴から2年6か月で解決することになりました。

 ◇公務災害認定から裁判までたたかう

 この裁判の報告集会が、国公労連主催により2月14日都内で開催されました。
 集会では、公務災害認定から裁判までたたかってこられた「働くもののいのちと健康を守る山梨県センター」の保坂忠史事務局長から闘争報告を受けた後、岡村親宜弁護士から「公務員労働者の過労死・過労自殺と補償・賠償請求〜過労死・過労自殺問題をどのようにして掘り起こすのか」と題して、労災問題での労働組合の役割などでの講演をいただきました。

 ◇横森さんの母親と職場の仲間が訴え

 集会に参加された裁判の原告である横森真二さんの母親の横森鈴恵さんや、横森さんと同じ職場で働く全厚生社会保険業務センター支部の峰さんから、「もう二度とこのような悲しいことを繰り返してはならない」と強い訴えがありました。

 ◇当局に適正な勤務時間管理徹底を

 集会のまとめで小田川書記長は、この裁判が持つ意義や安全配慮義務などの当局責任を明らかにするとともに、「当局に適正な勤務時間管理を徹底させよう!」「職場の団結とサポート体制で、働く仲間のいのちと健康を守ろう!」と職場の仲間へ呼びかけました。


◆単組の枠を超え、交流を

 国公労連結成30周年記念事業 スポーツ部門の全国大会日程決定

 国公労連は、厳しい職場実態だからこそ、地域や単組を超えた交流と連帯を深めようと「30周年記念事業」を実施しています。実行委員会を立ち上げ、具体化しているブロック国公もあります。スポーツ大会や囲碁・将棋の全国大会の日程が決定しました。



 ◇ボーリング大会は大盛況!
   全労働東京基準支部から136人

 全労働東京基準支部は1月27日、「国公労連結成30周年記念ボウリング大会」を開催しました。136人参加し、大盛況でした。
 大会は分会対抗の団体戦。お揃いのウインドブレーカーを着たチームもあり、健康増進だけではなく、連帯と交流、親睦の目的も達成できたと思います。
 今後も組合員のニーズに応え職場を超えた交流の場を設定するなど、職場活動を活性化させ、団結と組織の強化を図ります。


トップページへ 国公労新聞へ