国公労連第52回定期大会ひらく 「守ろう9条!なくそう格差、憲法をくらしと行政に」のスローガンをかかげ、国公労連第52回定期大会が8月31日から3日間、都内で開催され、全国から310名が参加しました。
大会では、「戦争する国づくり」と構造改革路線の転換に向け、「国民の中へ、国民とともに」を合い言葉に、全国の職場・地域でたたかう今後1年間の方針を確認。国公労働運動の新たな発展をめざす重要な節目の大会となりました。
あいさつで堀口士郎委員長は、秋の臨時国会で焦点となる教育基本法改悪法案や国民投票法案などの成立阻止に全力をあげることを強調。「歴史の逆流を許さず、未来に向かって進歩と発展の方向へ歯車をまわすための努力が、一人ひとりの国公労働者に求められている」と訴えました。
続いて、岡部勘市書記次長が2006年度の運動方針案を提案。(1)「9条」改憲に反対するとりくみ強化、(2)全労連提起の「もうひとつの日本」をめざす大運動を積極的に受けとめ、「公共サービス商品化」反対のとりくみ、(3)雇用と労働条件・権利を守り、働くルール確立を求める産別闘争強化、(4)組織の拡大強化、中央・地方の産別センターとしての組織整備、の4点を強調し、職場と地域からの運動強化を呼びかけました。
また、9条改憲反対のとりくみを重視し、9・10月に「新聞意見広告運動」を提起。職場のすべての労働者と家族にカンパを呼びかけ、憲法闘争強化をはかります。
◇「改憲反対」意見広告運動の成功を
討論では、「意見広告運動を単発にせず、車両広告やラッピングバスなどアイデアを出し継続したとりくみを」(全法務)、「カンパ運動をやりきろう。国民世論のうねりを作り出す大規模な宣伝行動を」(全通信)と、初の意見広告運動成功への決意が出されました。
「自治体首長と懇談し、測候所廃止反対で一致。住民との共同を広げていく」(全気象)、「公共サービス切り捨て反対で地域で共同」(大阪、北海道、新潟)、「地域の労働者全体の賃金を引き上げるため、適正な賃金水準を反映した入札を要請」(全建労)、「比較企業規模引き下げに怒り。賃下げ阻止のため民間の仲間とたたかう」(東北、九州)、全厚生、全労働、全国税からは「学習会に講師派遣する」積極意見など社会保障解体、労働法制改悪、庶民大増税、地域破壊を断じて許さず、国民のための民主的行財政・司法を確立する発言も相次ぎました。
また、「悩みを聞くなど職場要求を集めて仲間が増えた」(全司法)、「非常勤職員の組織化」など、「仲間たちに信頼される日常活動」が組織拡大に結びついた報告が次々と語られました。
◇福田新委員長、岡部新書記長を選出
大会論議をふまえた総括答弁の後、採決がおこなわれ、すべての議案が満場一致で可決・承認。4つの決議と大会宣言を採択しました。
大会最終日に行われた役員選挙では、中央執行委員長に福田昭生氏(全運輸)、書記長に岡部勘市氏(全港建)を新たに選出し、2006年度の執行部を確立しました。
なお、本大会をもって堀口士郎前委員長、熊谷金道前中執(前全労連議長)が現役を勇退しました。(※国公労連大会の詳細は次号に掲載)
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必ず新しい局面切り開ける
国公労連の仲間のみなさん。委員長に選任された福田です。
◇大きな歴史の転換点
小泉内閣の構造改革の強行によって、国民のいのちと暮らしは危機にひんし、9条改憲の動きは戦後の平和・民主主義も危機的な状況に追い込まれています。
こんな時だからこそ、労働組合が原点に立ち戻って、労働者・国民の利益の真の守り手として、その組織力を発揮する時だと思います。
今、この国は大きな歴史の転換点に立っています。
「再び戦争はしない」と世界に誓って出発した戦後の歴史を否定して、アメリカの戦争に参加するための9条改憲の動きが本格化しています。
自由・平等という戦後民主主義の価値観が公然と否定され、「勝ち組」「負け組」に象徴される競争・格差社会への変質がすすんでいます。
そして、この危険な社会転換のテコとして、公務労働と公務労働者を「悪者」に仕立て上げ、国民と公務労働者を分断する巧妙な公務員攻撃が展開されています。
こうした理不尽な攻撃をはね返すために、国公労連の組織と運動を情勢にふさわしく発展させることが求められています。
壁は分厚く見えても、打開しようとする意志と執念があれば、必ず新しい局面が切り開けると信じます。
ひるまず、あせらず、あきらめず、ともに奮闘しましょう。
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◆改憲手続き法案=国民投票法案、教育基本法改悪法案を廃案にしよう
◇9条改憲反対のとりくみ
9月26日から始まる臨時国会で、「改憲手続き法案」=国民投票法案や教育基本法改悪法案など「戦争する国づくり」の悪法強行が狙われるなか、次のとりくみを中心に展開します。
(1)新聞意見広告をすべての組合員のカンパで成功させます。(※下記掲載記事を参照)
(2)国民投票法案と教育基本法案に反対する署名を推進します。
(3)教育基本法改悪反対各界連絡会が9月から10月にかけて展開する「全国キャラバン行動」に結集します。
(4)引き続き「9の日」宣伝行動を継続。憲法公布60年目となる11月9日を全国一斉憲法宣伝日と位置づけ、全都道府県の県庁所在地で終日宣伝行動を実施します。
◇「公共サービス商品化」反対
「小さな政府」をスローガンに進められる制度改悪と一体の行政実施部門の民営化等の問題点を明らかにし、公共サービス拡充を求める世論形成めざして、以下のとりくみを中心に展開します。
(1)全労連「もうひとつの日本」をめざす公務・民間中央行動(10/27)に結集して第2次中央行動を実施。全労連「県内網の目行動」に結集します。
(2)予算編成期に向けて財務省宛の個人署名にとりくみ、一方的な予算削減に反対する政府追及を強化。11月29日に「公共サービス商品化」反対中央行動を配置し、署名を提出するとともに、政府・関係当局に対する要請、国会行動を展開します。
(3)国公労連第2回行政研究集会(11/17)の成功と、各県国公で11月を集中月間として「行政相談」「行政懇談会」を開催します。
(4)毎月第3水曜日の宣伝行動の定着を全組織で追求。11月15日には団体要請等も含めた「小さな政府反対統一宣伝行動日」を実施します。
(5)「社会保険庁改革対策委員会」を立ち上げ新組織への選別採用や分限など働くルールの一方的な改変を許さない産別統一闘争を展開します。
◇労働条件改善、組織の拡大を
(1)9月25日の週を第1波全国統一行動週間に設定して職場集会を開催し、勧告の取り扱いをはじめとする秋闘課題の意思統一をはかり、決議等を採択・送付。9月29日に第1次中央行動を実施します。
(2)退職手当と年金の一体的改悪に反対し、不当な意見申し出をおこなわないよう人事院に迫るとともに、要求署名(9〜10月)にとりくみます。
(3)10〜11月を「組織拡大強化月間」に設定し、要求闘争の前進を追求しながら未加入者の解消や非常勤職員・関連労働者の組織化を促進。非常勤職員の均等待遇実現、不当な雇い止め阻止などのとりくみを強化します。
※2006秋季年末闘争の主な行動展開図(PDF KB)
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◆11月下旬掲載
800万〜1000万世帯へ「9条改憲反対」の世論を広げる
新聞意見広告を成功させよう
◇2300万円のカンパ集めよう
国公労連は、9条改憲に反対するため、新聞意見広告運動にとりくみます。新聞意見広告にかかる費用については、職場のすべての労働者と家族のカンパでまかないます。すべての組合員の力で必ず成功させましょう。
◇なぜ新聞意見広告?
→平和憲法を守る国公労働者として「戦争する国」を許さないために
政府・与党は、9月26日から始まる臨時国会で「改憲手続き法案」=国民投票法案や教育基本法改悪法案を成立させようとしています。
安部晋三氏は、自民党総裁選の政権公約で、憲法を改悪し、「日米双方が『ともに汗をかく』体制を確立」すると明記。日本をアメリカの「対テロ戦争」に参戦させ、海外で「戦争する国」に変えることを明らかにしています。
私たち国家公務員労働者にとって、日本が「戦争する国」に変わることは、重大な仕事の変質をともないます。まさに国民を戦争に動員することが国公労働者の仕事になってしまいます。
いま「戦争か平和か」が問われる重大な局面で、広範な国民に、「戦争する国づくり=9条改憲」反対を訴える必要があります。
新聞意見広告は、全国800万〜1000万世帯に届けられる全国紙に掲載することで国民に大きくアピールできる大量宣伝のとりくみとなります。また、国公労連としての9条改憲反対の「闘争宣言」ともなり、全国のたたかう仲間を大きく勇気づけることができます。新聞意見広告の11月下旬掲載めざし、2300万円のカンパを9〜10月で集めましょう。
◇新聞意見広告の概要
掲載紙
★11月下旬の全国紙のうち一紙(全国版一面掲載予定)
意見広告の内容
★9条改憲反対を訴えるものとし、すでに協力を快諾していただいている「九条の会」の呼びかけ人5名(井上ひさし氏、澤地久枝氏、鶴見俊輔氏、小田実氏、奥平康弘氏)のメッセージを中心に構成します。また、いわさきちひろさんの絵(すでに使用許可を得ています)も使用し、デザイン的にも目を引く新聞意見広告とします。
費用、カンパのとりくみ
★かかる費用は制作費も含めて2300万円。組合員一人あたり250円を目標に、組合員とその家族を中心とするカンパでまかないます。9〜10月をカンパのとりくみ期間とし、9月中下旬には呼びかけリーフレットを作成し、すべての組合員に配布します。 |
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◆「戦争する国」の人づくり反対
国公労連、「教育基本法学習会」ひらく 国公労連は9月1日、定期大会2日目の討議終了後、全日本教職員組合(全教)の東森英男書記長を講師に「教育基本法学習会」を開催しました。
東森書記長は、教育基本法が制定された経過からして、日本国憲法と一体のものであり、戦後一貫して教育機会の平等、平和教育の推進、教育条件の改善などに大きな役割を果たしてきたことを強調しました。
その上で、先の通常国会で継続審議となった改悪案の問題点を指摘し、教育基本法を変えようとする本当の狙いは、憲法9条改悪と一体の「戦争をする国」の人づくりと教育格差の拡大させる「エリート教育」の徹底であると述べました。
◇臨時国会に向け全国キャラバン
また、東森書記長からこれまでの枠組みを超えた共同の行動が全国各地で展開され、保守勢力のなかでも矛盾が広がっている事実が紹介されました。とりわけ、秋の臨時国会に向けて、全国キャラバン行動や署名行動、そして数次にわたる中央行動の成功に向けて総力をあげてとりくみ、教育基本法改悪法案を廃案にまで追い込む決意が表明されました。
最後に、「平和と民主主義を守るため、憲法と教育基本法の改悪を断じて許さない共同のとりくみを大いに広げよう」と参加者全体の拍手で確認しました。
◆過半数世論の結集めざそう
憲法改悪反対共同センターが交流集会
◇改憲ハードル低くする国民投票法案
憲法改悪反対共同センターは9月2日、「国民投票法案阻止、憲法闘争の飛躍をめざす第4回全国交流決起集会」を都内で開催し、全国から約400人が参加しました。
「共同センター」は、2年前に全労連、新日本婦人の会、自由法曹団など労組や民主団体が2年前に立ち上げたもの。現在47都道府県・259地域で設立されています。
自由法曹団の坂本修団長は「国民投票法の危険な内容を読み解く」と題して講演。「(投票法は)憲法を抹殺するための仕組み」と強調し、改憲のハードルを低くしたり、改憲派優位の宣伝を保障する一方で国民の運動を規制したりするなど不公正な内容だと指摘。
国民の過半数が九条改憲に反対しているなか、法案の実態を国民に知らせれば阻止する可能性は広がると訴えました。
◇草の根のとりくみを
全労連の今井文夫常任幹事が基調報告し、(1)過半数世論の結集をめざし、草の根での取り組み強化、(2)国民投票法案、教育基本法改悪法案の廃案をめざす運動を展開、(3)学習の重視、(4)全自治体を網羅する共同センター確立、(5)思想信条を超えた共同を広げる役割発揮、を行動提起しました。
最後に「国民投票法案、教育基本法改悪法案の廃案をめざす緊急アピール」を参加者全員で確認しました。
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