<国公労新聞・第958号1997年6月21日付より>
【連載】海外調査団「行革」見聞録@
3つの公務員労働組合を訪問
国公労連は5月26日から約10日間、イギリス・ドイツへ海外調査団を派遣しました。調査団の行動の概要を、連載で報告します。
6月6日朝、成田空港の到着ゲート。ロンドンからの長旅の疲れをいくぶん見せながらも、調査団の一行は、どの顔も一つの仕事をやり終えたことに満足げに帰ってきました。
貴重な資料を収集
英国航空の手違いで、一便あとの飛行機に乗せられてしまったスーツケースには、それぞれ、海外で収集した貴重な資料がどっさりとつまっています。この資料をいかに活用するのか、イギリスやドイツを訪れ、目で見て、耳で聞いてきたことをいかに職場に伝えるか、大切な仕事はこれからが本番です。
「橋本行革」の目玉とされている行政機関の「エージェンシー」(外庁)化は、八八年より先行してすすめられているイギリスをお手本にするといわれており、今回の海外派遣の目的も、エージェンシーの調査をはじめ、各国の行政改革の現状や、そこではたらく労働者の状態、行政サービスの実態、国民の意識などを調査することが中心でした。
とりわけ、労働者のナマの声を聞くために、イギリス・ドイツそれぞれの公務員労組とのたたかいの国際的な交流・懇親も重視して日程調整をすすめ、今回の行動のなかでは、3つの労働組合を訪問しました。
エージェンシーの労働組合と交流
とくに、労働党への政権交代にわくイギリスでは、TUC(イギリス労働総同盟)傘下のCPSA(文官・公務労組)とPTC(公務・税・商業労組)の二つの労働組合との初の交流が実現し、エージェンシー職員を組織するこれらの労組から、日本のマスコミなどでは決して伝わってこない、行政改革のカゲの部分ともいえる労働者の状態や意識変化、行革にたいする労働組合のとりくみ、労働党への国民の期待など、さまざまな話をじかに聞くことができました。
また、参加した各単組の尽力で、イギリスの特許・登記などエージェンシーやドイツの雇用関係機関への職場視察、当該の労働組合との交流、利用者団体への聞き取り調査などが、短い日程のなかで精力的に取り組まれ、貴重な成果を残すことができました。
アポなし突撃訪問
とは言っても、出発日ぎりぎりまで日程調整に追いまくられ、あわや「アポなし突撃訪問か!」と冷や汗状態で成田を飛び立ち、ロンドンに着いたと思えば、旅行会社の不手際で、ホテルとは名ばかりのそまつな宿に放り込まれてしまうなど、調査団一同、悪戦苦闘の連続でした。
次号からは、そうした裏話をふくめてお伝えします。どうぞお楽しみに。
(つづく)
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