大企業とアメリカいいなりに無責任な浪費つづける
この「約束」は、バブル不況下の94年に、630兆円に「増額」され、期間も2004年まで延長されます。「日本列島改造計画」が動き出した1970年から、道路や橋、埋め立てなどの「大型プロジェクト」中心の公共事業偏重の財政運営が続けられ、そのために「建設国債」や「地方債」が発行され、そのツケが雪だるま式に膨らんでいます。
また、軍事費やODA予算は「財政再建」の中でも「聖域」とされ、歳入面では大企業優遇税制にみられる「抑制」が長年おこなわれています。
このような税金のムダ遣いの一方での大企業への税免除が重なり、加えて地方自治体にも補助金等をつうじて公共事業偏重の運営をせまった結果が、約500兆円もの巨額な財政赤字です。
ムダづかいにメス入れず国民犠牲すすめる
一見公正そうに見えるこのような方法が、実は社会保障費や人件費など「自然増」を余儀なくされる分野により厳しい予算削減を求めるものになること明らかです。
それは、これまでの歳出のあり方にはほとんど手をつけず、これからの歳出をどう抑制するかが中心になっているからです。年金や医療について、制度改悪にまで踏み込んでいることがそのことを如実に示しています。
国民犠牲の上に「財政再建」もできない「改革法」
大蔵省は、97年度で7兆5千億円ある赤字国債を「2003年にゼロ」にするためには、毎年1兆2500億円づつ削減しなければならない、と試算しています。
ところが、「財政構造改革法」で削減するとしている公共事業費は6900億円であり、ODAなどの削減をあわせても1兆円にもなりません。最初から、目標達成が困難な内容になっているのです。
ここからも、一方で「自然増」となる社会保障費や人件費の「増加抑制」=「財政再建」とする「構図」が描かれることになります。
「ムダ遣い」を改めることなしには、財政再建ができないことは明らかです。
「改革」の名で国民生活関連をばっさり切る
ここから考えられることは、教育や社会保障など国民生活を豊かにし、最低生活を保障する分野の歳出を限りなく削減していくことを財政構造改革と称していることです。これは、「行政改革」での行政サービス部門の切り捨てと軌を一にしています。
同時に、気をつけなければならないことは、歳入の問題です。財政構造改革では、「集中期間」に目標達成が困難になった場合は、改めて検討を行うとしていますが、そのねらいが消費税率のさらなる引き上げにあることは明白です。「やらずぶったくり」とはこのことです。
公共事業や軍事費などのムダづかいをやめさせよう
東京都議選では、老人福祉切り捨ての「シルバーパス」の問題が争点となり、その廃止に対する都民の批判がわき起こりました。諫早湾干拓問題をはじめとして、環境問題からも公共事業のあり方が問われています。
このような国民の「常識」の声を背景に、「財政構造改革法」の問題点を国民に訴えていくことが大切です。
そのことは、「行財政改革」=「公務員べらし」とする世論誘導への反撃であり、国民本位の行政体制確立をもとめる運動の一つの柱です。
このことは、「財政再建」を名目に強まっている「賃金凍結」や「定員削減」に対する反撃のたたかいに対する国民の指示を広げることにもなるのです。