<国公労新聞第985号98年4月11日付より>

重大局面を迎えた「行革法案」--成立阻止へ「行革大規模署名」軸に全力投球を


 ◎一気に重要局面を迎えた行革闘争  欠陥が明らかな98年度予算の成立を受けて、「16兆円規模」の大型補正予算の中味論議が活発になっています。4月に入ってからも日本経済に対する国際的な信用不安が高まっており、不況も深刻化しています。  このような中で、財界からも「橋本首相更迭論」が出はじめていますが、政権維持に躍起になっている橋本首相は、96年総選挙での「公約」を口実にして、中央省庁等改革基本法案(行革基本法案)の早期成立をめざすことで局面打開をはかろうとしています。  そのことから、4月10日から「行革基本法案」の審議を開始し、早ければ連休前にも法案を成立させる審議日程で政府が国会対策を進めており、私たちの行革闘争も一気に重要局面を迎えています。
 ◎許されない橋本「内閣」の国民生活無視  3月末に相次いで公表された政府統計では、「個人消費が5ヶ月(97/9〜98/1)連続で前年比マイナスに」、「失業率は3.7%に(98/1)」、「97年度は23年ぶりに経済成長率がマイナスに」など、戦後最悪ともいえる国民生活の実態が明らかになっています。また、銀行の貸し渋りは改善されておらず、不況をさらに深刻化させています。  しかし政府は、「減税をするには財政構造改革法の改正が必要」、「財政構造改革法の見直しは、橋本首相の政治責任が問われる」などとして、対策を先送りしており、国の内外から厳しく批判されています。  その上に、橋本首相のメンツで、行革基本法案の審議を優先しようというのです。行政改革を突破口に、さらに国民いじめの悪政を強めようとする不当な姿勢のあらわれです。
 ◎橋本「行革」は大企業のための改革視  行革基本法案の審議日程が急浮上してきたことを受け、国公労連は4月3日に、あらためて国会議員要請行動を取り組むとともに、自民党などへの要請行動をおこないました。  対応した自民党行革推進本部の政策担当者は、「行革は、国民の自己責任を前提に、政府が負いすぎている責任をスリム化すること、公共性の分野を民間にどこまで任せられるか個別に検討すること」が基本の問題意識であることを明かにし、「(行革は)経営者サイドの強い要請」にもとづき進めていることを隠しませんでした。
 ◎徹底審議で行革基本法の成立阻止を 政府は、「この国のかたち」を変える行革基本法案を、2週間程度で成立させる構えを見せています。しかし、そのことに対する批判が強いことも事実です。「自分たちが選んだ総裁が決めたことだから」として、行革基本法案の早期成立の党内合意を得ていることは、自民党への先の要請でも明らかになっています。 消費税率引き下げなど国民のふところをあたためる景気対策をなどとする国民運動と呼応し、「国民のための行財政改革」の実現をめざす「行革大規模署名」を広げ、「大企業のための行革は許さない」とする世論で国会を大きく包囲し行革基本法案の成立をくい止めましょう。宣伝と署名を軸とする行革闘争を一気にやりあげるため、全組合員の決起を呼びかけます。

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