<国公労新聞・第953号97年4月21日付より>

生活部門を切り捨てる行革会議の省庁再編検討項目


 中央省庁再編を中心とする「行政改革」論議を進めている行政改革会議(橋 本首相を会長とする審議会)では、4月16日の第10回会議で、「各省ヒアリング 項目」を確認し、5月7日から6月25日の間にヒアリングをおこなうことを確認し ました。
 「ヒアリング項目」では、宮内庁を除く全省庁と公正取引委員会、人事院な どの行政委員会に対して、「存続することの必要性」、「業務の独立機関(エー ジェンシー)化」、「民営化」、「交通行政や国民生活行政などでの組織のあり 方」などについて、資料と説明を求めています。 「独立機関化」あるいは「民 営化」についての見解を求めているのは、「統計業務」、「研究機関」、「登記 、供託業務」、「国立病院・療養所」、「社会保険庁」、「特許庁」、「自動車 などの登録検査業務」、「航空管制」、「気象庁」、「職業紹介事業」、「国土 地理院」などです。これらの業務は「現業的である執行部門」として「政策部門 」との分離検討を求めているのです。
 また、中央省庁再編では、環境庁、沖縄開発庁、通産省、運輸省、厚生省、 労働省、建設省、自治省、人事院などに見解を求めていいます。
 以上のような「ヒアリング項目」の内容は、「1府10省制」を示した「橋本 行革ビジョン」を強く意識したものであることは明らかです。そして、マスコミ 等でも報道されているように「独立機関化」が行政改革の目玉として浮上してき ています。
 「独立機関化」の検討対象にあげられているのは、国民生活に密着した「行 政の第1線」の業務が大部分です。省庁再編の検討対象となっているのも、国民 の権利や生活に直接責任を負う行政分野が多くしめています。その一方で、「防 衛庁」を独立の省(庁)とする検討や、首相に「予算編成機能」や「(公務員) 人事」、「行政管理」権限を直接集中することの検討をもとめています。このよ うな省庁再編の方向は、国公労連が明らかにしている「民主的行財政改革の提言 」(第1次案)とは相い入れない内容であることは明らかです。 


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