2000年春闘アピール

 新たな世紀を目前に、国境を越えて儲けを追求する多国籍大企業の横暴と、これを助長する政府の悪政が、労働者と国民のくらしを戦後最悪の状態に追いつめている。
 国会内の数あわせで成立した自自公連立内閣が、党利党略むきだしで、民主主義破壊の横暴な国会運営を続けていることが、社会の混乱に拍車をかけている。
 このような状況のもとでたたかう2000年春闘では、くらしと雇用を守り、21世紀の展望を切り開くため、全ての組織、組合員、国公労働者が職場から地域に打ってでて、政府・大企業の「いじめ」に苦しむ労働者・国民と力をあわせることが求められている。
 「国民の中に、国民とともに」を合い言葉に、国公労働運動のあらたな一歩をふみだそう。

 戦争法(新ガイドライン法)の成立以降、平和と民主主義をふみにじる悪法のごり押しが相次ぎ、平和と民主主義が危機にさらされている。
 開会中の通常国会でも、国会運営のルールさえ無視して「衆議院比例定数削減法」を強行成立させた自自公3党が、2000年度予算案や年金改悪法案など、国民生活に直接影響する法案まで、与党だけの審議を続け成立を狙っている。異なる意見を排除し続ける国会状況は、民主主義とは対極にある全体主義の「復活」さえ感じさせるものである。
 国民のくらしと平和・民主主義を大切にする政府か、主権者国民不在の政府の存続かは、国公労働者の要求実現にも直接かかわっている。「国会解散、総選挙で国民の審判を」の要求を前面に、国政の民主的な転換を求め、国公労働者も勇気をもって立ち上がろう。

 大企業は、労働者と家族の生活、地域経済への深刻な影響を顧みない「日産リバイバルプラン」に象徴される理不尽なリストラ「合理化」をなりふり構わずに進めている。日経連の「労問研報告」では、「賃下げも雇用リストラも」を公然と主張している。
 政府も、景気対策を口実に大型開発中心の「20世紀型」公共事業で財政を破綻させる一方で、医療、年金制度の改悪を繰り返し、「公務員25%削減」を数値目標に、医療、教育など国民生活を支える行政サービス切り捨ての「リストラ」攻撃を強めている。また、行革推進を目的に、能力実績評価の賃金制度や人事管理への転換など、競争原理を公務に持ち込む策動を、政府・人事院ともに強めている。全ての労働者が一致する「賃下げ・雇用破壊は許さない」との要求を高く掲げ、国と大企業の責任を追及するとりくみを全国各地で強めることが、今こそ求められている。 「総対話と共同」の拡大をめざし、「2.25列島怒りの総行動」や国公労連「全国縦断キャラバン行動」などの成功のために、組合員の力と英知を寄せ合おう。

 不況打開のためにも、労働者の生活改善が求められている。「誰でも15000円以上、平均27000円」の切実かつ正当な要求を掲げ、使用者・政府を徹底して追求しよう。
 雇用拡大や労働時間短縮のためにも、「25%削減」に反対し行政体制の充実を求めることは当然である。解雇規制法や労働者保護法の制定や公的責任での雇用拡大を求めるたたかいと一体で、国会請願署名を軸に、国民的な運動を大きく展開しよう。
 行革推進のための公務員制度「改悪」反対や、調整手当改悪阻止などの国公労働者の切実な要求をかかげて、全労連、公務労組連絡会に固く結集して、職場・地域から、たたかいの火の手をあげよう。
 悪政と大企業の横暴に怒り、たたかいに立ち上がっている労働者・国民と固く連帯し、くらしと職場をまもり、行財政・司法の民主的転換の扉を開く、2000年春闘を全力で闘いぬこう。

 2000年2月4日

日本国家公務員労働組合連合会
第107回拡大中央委員会

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