沖縄米軍基地の強化・固定化を狙う名護への基地建設に反対する決議


 日米両政府は、7月に予定する沖縄サミットをにらみながら、普天間基地の沖縄県内移設、那覇軍港の浦添移設に向け、急ピッチで作業をすすめている。沖縄での新基地建設・基地の固定化は、「新ガイドライン法」にもとづく「戦争をする国への改革」と一体であり、恒久平和をかかげる我が国の憲法とも相容れないものである。
 沖縄の普天間基地移設問題は、11月22日に稲嶺沖縄県知事が名護市・辺野古周辺地域への移設を表明し、地元の岸本名護市長も12月27日になって受け入れを表明した。これを待っていたかのように政府は、翌28日に、10年間で1000億円の沖縄北部地域の振興策を早々と閣議決定した。基地受けいれを前提とした『アメとムチ』の政策であり、露骨な利益誘導である。名護市民は、97年12月に行われた住民投票で、米軍基地受けいれを明確に否定しているにもかかわらず、その民意を蹂躙するこのような国の姿勢が、あらたな混乱を招いていることも重大な問題である。
 新たに建設される基地は、米軍海兵隊の最新鋭のMV22オスプレイ(垂直離着陸機)の配備が予定され、その機能は格段に強化される。また、運用年数40年、耐用年数200年という基地の半永久的固定化がねらわれている。半世紀をこえて外国の軍事基地が存在し続ける状態は、主権国家としては異常であり、冷戦構造が変化したもとでの世界の流れにも逆行している。今、日本政府がすべきことは、名護市民に基地受けいれを迫るのではなく、在日米軍基地の縮小を主張することであり、沖縄県内移設の方針を撤回することである。それは、600兆円を大きく超え、「世界一の借金王」と言われる財政状況のもとで、基地建設費に1兆円以上もつぎ込むことの無謀さを考えても、当然の結論だと考える。
 私たちは、名護への基地移設に反対するとともに、日本国内におかれたすべての米軍基地の撤去を求める。日本を戦争に巻き込むすべての策動に反対し、新ガイドライン法(戦争法)の発動を断じて許さない。私たちは、日米軍事同盟の強化に反対し、基地も安保もない平和な日本をめざすものである。そのためにも、県民120万の過半数以上をめざす「普天間基地・那覇軍港の県内移設の撤回を求める」70万要請署名をはじめとした沖縄における運動に固く連帯してたたかう決意である。
 その立場から、市民の意思を無視して、基地建設をごり押しする政府と、これに追従した沖縄県知事、名護市長に抗議し、次のことを強く要求する。

  1、96年の県民投票や97年12月の名護市民投票に示された民意を尊重せよ。
  1、名護への普天間基地移設をはじめとした米軍基地の県内移設を直ちに撤回せよ。
  1、日米軍事同盟を解消し、すべての米軍基地を撤去せよ。

 以上、決議する。

 2000年2月4日

日本国家公務員労働組合連合会
第107回拡大中央委員会

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