調整手当、総定員法の改悪許さない
―国公労連第四次中央行動を実施―
(「国公FAX速報」2000年4月13日付)
 国公労連は本日、公務労組連絡会に結集して、調整手当ならびに総定員法の改悪阻止、公務員制度の民主化、国民本位の行財政・司法の確立、リストラ「合理化」反対、解雇規制・労働者保護法の制定などを求めて第四次中央行動を実施しました。
 この日は海事職俸給表を適用されている国公船舶労働者も、早朝の宣伝行動から「2000年総行動」を展開しており、昼休みは公務労組連絡会と東京国公船舶連絡会の共催で人事院前要求行動を実施、約1,000人(国公労連は各ブロック・調整手当該当県国公の代表も含めて550人)が参加しました。
 また、すべての衆議院議員に対して、国家公務員の25%定員削減に反対し、総定員法改悪案の徹底審議を要請する行動も併せて展開しました。
海上労働を正当に評価しろ
―人事院前要求行動―-
 昼休みの人事院前要求行動(パートT)は、公務労組連絡会・山口副議長の主催者あいさつで始まりました。
 闘争報告にたった東京国公・牛越事務局次長(船舶連絡会事務局)は、11時から行った人事院交渉の結果(国公FAX速報N0 1066参照)にもふれながら、国家公務員のわずか0.36%、1740人というきわめて少数ながら海事職の仲間は、年間約180日も家族や一般社会と離れて海洋気象観測や漁業資源調査・取り締まり、海洋流出油の回収、航海訓練など地球環境の保全や国民生活に密接にかかわる分野の行政を担っていることを紹介。しかし、人事院は海上労働の特殊性を正当に評価しないばかりか、昨年の勧告で海事職の賃金水準を実質的に切り下げたことをきびしく批判し、少なくとも従前の対応に戻すことを求めて人勧期に向け、たたかいを強化していくことを呼びかけました。
 これを受けて、水産本庁の漁業取り締まり船「白嶺丸」の南野さん、東京水産大学職組委員長の宮崎さん、全厚生書記次長の山本さん、長崎高教組書記次長の山口さん、大阪自治労連執行委員の大下さんから、次々に職場の実態をふまえた切実な要求や、調整手当改悪を許さずたたかう決意が表明されました。5人の決意を参加者全体の総意として大きな拍手で確認した後、山川青年協議長の音頭でシュプレヒコールを人事院にぶつけました。 若干の休憩を挟んで人事院前要求行動(パートU)が行われました。
 パートUでは、調整手当の「見直し」改悪に関する状況やこの間のたたかいの到達点について、公務労組連絡会・吉良事務局次長から報告を受け、シュプレヒコールを浴びせながら各ブロック・地域代表の決意表明が続きました。
大阪から参加した近畿ブロックの滝口副議長は、「人事院はその存在と同様に所在地も霞ヶ関の端っこに追いやられている感じがする。調整手当の改悪には、組合員だけでなく当局の管理者も含むすべての職員が反対している。近畿では89の出先機関の長も人事院に要請をしており、直ちに作業を中止すべきだ」と声を張り上げていました。
なお、調整手当改悪反対署名の第3次提出行動も行われ、国公労連として25,295筆(累計で157,948筆)となりました。
総定員法に反対して国会議員要請
 午後の人事院前要求行動(パートU)と並行して、国公労連は独自に約100名が参加して国会議員要請行動にとりくみました。衆議院内閣委員会で審議されている総定員法の改悪に反対し、本日だけで衆議院の全議員に対して慎重審議を要請しました。
 職業安定所や航空管制など、職場の現状を参加した仲間が直接説明すると、対応した秘書も「たいへんなことは良くわかった。さっそく議員に伝える」との反応もありました。ちょうどこの時、委員会で趣旨説明が行われているなかでの要請となり、タイムリーなとりくみとなりました。
たたかいを継続・強化しよう
―中央総決起集会―

 14時から、舞台を日比谷公園野外音楽堂に移して中央総決起集会が行われました。
 主催者あいさつで福島議長は、「今春闘の連合相場は、定昇込みで1.87%、公務員の定昇率とピッタリ一致する。これでは人勧はゼロということもあり得るし、昨年に続いて一時金の切り下げも人事院は示唆している。調整手当問題では一定押し返しているが、改悪を阻止するまでたたかいを継続・強化しよう」と訴えました。
 日本共産党の吉川春子参議院議員は、「昨日の国公労連女性協との懇談会で、すさまじい男女差別や組合差別の実態が明らかにされ、愕然とした。女性の権利を守ることは全労働者の権利を守ること。医療ミスの多発も、看護婦が足りないことが大きな要因だ。2001年1月からの省庁再編や独立行政法人化にむけても、国公労働者の労働条件を守ると同時に国民の生命・財産・権利を守る立場で、みなさんとともに全力をあげて奮闘する」とのあいさつを、また、国民春闘共闘・全労連の国分武事務局次長からも激励と連帯のあいさつをいただきました。
 続いて闘争報告を行った山瀬事務局長は、「代表質問で自民党の野中幹事長は、国会議員の歳費10%カット、公務員の人件費カット、特殊法人の解体・民営化を政府に迫っている。調整手当について人事院は、スケジュールの先延ばしや新たな暫定も認めざるを得ないこと、基準のダブルがけの弾力的対応など、一定譲歩する姿勢を示しているが、あくまで6月末決着は変えていない。なんとしても改悪を阻止しよう」と強調。「景気は低迷、政局は混迷、小渕前首相は意識不明、裏で糸引くのは公明、労働者・国民は悲鳴で迷惑千万、まもなくメーデー、公務労働者の使命を発揮して引き続くたたかいに全力を」と締めくくりました。
 その後、各単産・地域の代表から決意表明が行われ、国公労連を代表して全司法の藤林委員長は、「昨年末の全活会議で国公労連は、今国民のなかへ、国民とともにというスローガンを確認しあった。今春闘では、25%定削阻止や、国民本位の行財政と司法の確立をめざして、全国縦断キャラバン行動を展開している。自らの要求と国民的な要求を結びつけ、今後も大いに奮闘する」と力強く発言しました。
 最後に、藤田副議長(国公労連委員長)が閉会あいさつを行い、団結がんばろうで集会を閉じました。

 集会後、参加者は右翼の妨害にも屈せず、シュプレヒコールを響かせながら元気良く国会請願デモに出発しました。

以 上

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