6月25日投票でたたかわれた衆議院議員選挙は、自民・公明・保守の与党三党が議席を大幅に減らし、野党第一党の民主党が議席数を伸ばす結果となった。
あらためて言うまでもなく、この選挙は、350万にせまる失業者を出す深刻な不況をどう打開していくのか、645兆円にもふくれ上がった財政赤字をどう解消していくのかなどを争点にし、21世紀にむけて、この国の政治のあり方を問う重要な選挙であった。しかし、自公保三党は、「政権の枠組みの選択」を前面にかかげ、徹底して政策論戦を回避し、もっぱら卑劣な反共宣伝により、争点かくしに明け暮れた。自公によるなりふり構わぬ選挙戦略のもとで、与党は衆議院における過半数の議席を確保はしたが、大幅な議席減は、悪政への国民のきびしい審判であり、与党三党はそのことを真摯に受けとめるべきである。
国公労連は、この選挙戦を夏季闘争におけるたたかいの柱に位置づけ、国公労働者の労働条件の改善や、国民本位の行財政・司法の実現などみずからの要求実現とも結びつけて、積極的なたたかいをすすめてきた。とりわけ、森首相による「神の国」発言に象徴されるように、国民主権など憲法の大原則がふみにじられるなかにあって、憲法遵守の義務を負う国公労働者として、「国民こそ主人公」の政治をつくりあげるために奮闘してきた。そのために、全国の仲間に政治の転換にむけた価値ある選択を訴え、職場・地域からの取り組みをすすめてきた。国公労連中央執行委員会は、この間の仲間の奮闘に心から敬意を表するものである。
新しい国会では、自公保三党を中心に、「絶対安定多数」を背景にしながら、国民いじめの悪政の継続が予想される。今回の選挙における一連の論戦を通して、与党各党が、将来の消費税増税をはじめ、従来型の財政支出により、国民にいっそうの負担と犠牲を強制しようとしていることも明らかとなった。こうしたことからも、引き続き民意無視の悪政を許さず、労働者の権利と国民生活の擁護にむけてたたかいを強めることが求められている。とりわけ、国公労働者にとっては、行政のスリム化・減量化、総人件費抑制の推進勢力が国会の多数を占めるという状況のもとで、いっそうのたたかいの強化が重要になっている。
今回の選挙を通して、自民党政治の行きづまりに対して、国民は耐えがたい不満を持ち、政治の転換を強く求めていることが明らかとなった。そのことに確信を持ち、こうした流れを太く大きく、確かなものにしていくために奮闘するとともに、当面する夏季闘争において、人事院勧告期要求の実現、調整手当の改悪や一時金の2年連続の引き下げ阻止、さらには、「10年間10%」とする新たな定員削減計画の策定反対などの切実な要求実現にむけて、あらためて全国の仲間の総決起を呼びかける。
2000年6月26日
日本国家公務員労働組合連合会
書 記 長 福 田 昭 生
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