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全日本国立医療労働組合(略称・全医労)は、1991年11月13日に「看護婦の大幅増員、人事院夜勤判定の実現、賃金職員の定員化」などの諸課題をかかげて29分以内の時間内職場大会を実施した。 これに対して厚生省は、全医労の中央役員と職場の支部長173人に「戒告」、副支部長及び支部書記長399人に「訓告」、職場大会に参加した一般組合員のうち「現認」できたとする2,518人にも「厳重注意」の処分を強行するとともに、被処分者全員に対する勤勉手当カットという経済制裁をも行った。 全医労は人事院に対して不利益処分不服審査請求を行ったが、人事院はこれを棄却した。その判定において人事院は、26年前に自ら下した「夜勤判定」について、「行政措置要求制度における判定の内容は勧告的意見の表明であって、それ自体で職員の勤務条件に直接影響を及ぼすものでなく」と述べ、労働基本権の「代償措置」の一つである自らの機能を否定するとともに、夜勤判定を履行してこなかった政府・厚生省の責任を免罪した。 厚生省の不当処分と人事院の不当な裁決の取り消しを求めた行政訴訟に対して、東京地方裁判所は、「 人事院判定がいまだ完全に実行されず、本件職場大会実施の目的、動機自体は無理からぬ」と認めながら、結論的には「二・八判定は延引しているだけ」として、全医労の訴えを棄却する矛盾に満ちた判決を出した。この不当判決に対して全医労は、いま東京高等裁判所での控訴審をたたかっている。 複雑・高度化している医療・看護のもとで、その実態に見合わない人手不足の職場では深刻な医療事故も頻発している。また、今次給与勧告にみられるように、労働基本権の「代償機能」としての人事院の役割が問われ、公務員労働者の労働基本権回復闘争が重要課題として提起されている。 こうしたもとで、「11・13職場大会」への不当処分撤回、公正判決を求めるたたかいを改めて重視し、全国的なとりくみを展開していくものである。 以上、決議する。 2000年 8月30日
日本国家公務員労働組合連合会 第46回定期大会 |