10月19日、国公労連は2000年秋季年末闘争の第2次中央行動をおこないました。この日の行動は、@人事院に対する昇格改善での要求実現、A25%定員削減反対、B2年連続の賃下げとなる給与法「改正」法案反対という3つの課題を結合して、人事院前要求行動・総務庁前要求行動・国会議員要請行動を展開しました。行動には、全建労・全港建・開建労の公共事業関連省庁の組合、全気象、全司法、全労働が全国上京団を組み、国公全体で850名の仲間が参加しました。
●職務を正当に評価せよ!標準職務表を抜本的に改善せよ!
さわやかな秋晴れのもと、国公労連・東京国公の共催で、昼休みの人事院前の要求行動が東京国公・三井事務局長の司会で始まりました。主催者を代表して、国公労連・堀口委員長があいさつし、「複雑困難度が増している上、量的にも増大している業務を職場の仲間は身を削ってこなしている。国民の命と暮らしを守るため奮闘している行政第一線の職務の評価が行革の影響で年々低くなってきていることは許し難い。省庁再編にともなうポスト評価や級別定数査定の重要な局面で、人事院に対して標準職務表の抜本的な改正を求め、全国の仲間とともにたたかおう」と呼びかけました。つづいて、国公労連・小田川書記長は、「9月26日に2001年度の昇格改善要求書を人事院に提示して、国公労連はたたかっている。枠外号俸者の解消・行(二)部下数制限の撤廃・船舶のトン数区分解消・機関別性別格差の是正など、たくさんの深刻な問題があるのに、人事院はそれらに背を向け様々な矛盾を俸給表改定で乗り切ろうとしている。来年1月の省庁再編や行革の流れにあわせて、能力・実績主義を強化することによって、業務のありように対し職員個々人の責任のみを問うような危険性も出てきている。職務をまっとうに評価させ、抜本的な昇格改善を実現させることが重要になっている」と情勢報告をおこないました。
参加者を代表して、全法務・海藤組織部長が「法務局は70年代前半の大量の職員採用でポストが不足している。正当な職務の評価によるポスト確保を求めたたかう」と述べ、沖縄からかけつけた開建労・東浜副委員長は「沖縄開発庁は、もともと行革モデル官庁としてスタートしたため、ギリギリの人員で業務をこなしている。その上に他省庁と比較して処遇が劣悪となっている。省庁再編で沖縄開発庁は、米軍基地との関わりもあり内閣府に入ることになっているが、さらなる定員削減がおこなわれようとしている。昇格改善・定員削減阻止で全国の仲間とともに奮闘する」と語り、東京の国立大学で働く仲間・都大教の金井事務局次長は「大学では50代なかばから59歳でやっと6級に昇格する。5-17以上は、東京大学で39人いるがそのうち女性が34人、名古屋大学では17人いるがそのうち女性が15人いる。許し難い女性差別もおこなわれている。このような状況を打開するため、みなさんの支援も受けながらがんばりたい」と訴え、船舶連の長谷川さんは「海事職員は、2千名たらずの少数職種だが、職員は船の中で、汗と油と塩水にまみれ日夜奮闘している。8時間労働というが実際は船の中で24時間身柄を拘束され、長い場合は5カ月もの間、家族と離れ、親の死に目にも会えないのが実態だ。トン数区分をなくすことなどにより船舶職員の職責を正当に評価した昇格改善へ奮闘したい」と決意表明しました。これらの決意表明をうけて、国公労連・山川中執によるシュプレヒコール、東京国公・野口議長の閉会あいさつで、人事院前行動を終えました。
●許すな!行政サービス切りすての定員削減
その後、人事院前行動の参加者は、総務庁前要求行動と国会議員要請行動(公務労組連絡会主催による2年連続の賃下げとなる給与法「改正」法案に反対する国会闘争)にわかれ、午後1時15分から、それぞれの取り組みを展開しました。
総務庁前行動では、10年間10%の新たな定員削減計画の強行、「25%定員削減」という行政スリム化にあくまで反対し、2001年年度予算査定にあたって、行政需要・業務量に見合う要員体制の確保・増員の実現をめざして、要求行動をおこないました。主催者あいさつにたった国公労連・西田副委員長は「国会では、きょうの午後にも自公保与党が議会制民主主義をふみにじって参議院の選挙制度改悪を参院本会議で強行採決しようとしている。このような暴挙は断じて許せない。国民に犠牲をおしつけ行政サービスも後退させることになる25%定員削減を許さないためにも、悪政阻止のたたかいとも結んで、国民とともにたたかおう」と述べ、つづいて、国公労連・黒田書記次長は「ひとりの職員も減らせないというのが職場の実態だ。第一線で働く仲間は、激務のなか、もっと国民へのサービスを充実させたいと日夜奮闘している。いまこそ、国民との対話と共同を広げよう」と行動提起をおこない、決意表明では、職場から定削による業務量増・長時間過密労働の常態化など深刻な実態が語られ、総務庁に向け怒りのシュプレヒコールをおこない中央行動を終えました。
●参院議長の不信任案を提出して野党が堂々の論戦
−参議院選挙制度改悪法案を自公保が強行採決
参議院では本日午後、本会議が開会され、選挙制度改悪法案の採決が強行されました。
午後4時からはじまった本会議では、野党は、斎藤議長から交代した井上新議長への不信任案を提出し、正々堂々と最後までたたかいました。不信任案をめぐっては、民主党の江田五月、共産党の山下芳生、社民党の日下部禧代子の各議員が賛成討論にたちました。
討論では、自民党の党利党略で票の「横流し」をはかろうとする改悪法案の不当な内容をはじめ、与野党の選挙制度協議会での合意をふみにじる暴挙や、野党抜きで審議し、特別委員会で採決を強行した自公保三党の民主主義無視の横暴さなどがつぎつぎとのべられました。討論を通して、あらためて、法案の問題点をはじめ、二重にも三重にも民主主義をふみにじる与党三党の暴挙が明らかにされました。
約2時間の討論ののち、不信任案が採決され、記名投票で賛成少数で否決されました。その後、午後6時すぎから、選挙制度改悪法案の採決にうつり、野党の議員が退席するなかで、賛成多数で法案の採択が強行されました。
●与党の暴挙に強く抗議して緊急の議面集会を開催
国民大運動実行委員会、全労連などは、本会議での採決強行の危険性が伝えられるなか、午後から傍聴行動や要請行動にとりくみ、緊急な提起にもかかわらず、多くの人たちが国会にかけつけました。
採決が強行された直後には、参議院議員面会所で怒りの「抗議集会」を開催し、自公保三党の暴挙に抗議するとともに、衆議院段階でのたたかいの強化にむけた決意を固めあいました。
議面集会で国会報告した山下芳生参議院議員・共産党国会対策委員長は、「自公保の横暴で、委員会では野党はいっさい発言できなかったが、議長の不信任案の討論を通して、本会議で改悪法案の不当性を明らかにすることができた。そのことは、国民の世論の力だ。採択は強行されたが、今日の論戦では、どちらに道理があるか決着がついた」と論戦をふりかえり、「来年の参議院選挙では、おちぶれた自民党に最後の審判を下そう。与党をここまで追いつめた成果に確信を持とう」とのべながら、衆議院の場でのたたかいへの結集を力強くよびかけました。
抗議集会では、自公保への怒りをさらに大きく広げることを確認し、東京での「10.20集会」への多くの参加をはじめ、職場・地域から運動を盛り上げていくことなどが提起されました。
抗議集会には、日本共産党の参議院議員団が顔を見せ、国公労連・単組からは12名が参加し、多くの労働組合・民主団体の仲間とともに奮闘しました。
|