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本日(11月14日)の参議院本会議で、「平均0.12%、447円」のベースアップ、一時金0.2月の切り下げなどを内容とする2000年勧告にもとづく給与法「改正」法が、共産党を除く政党の賛成で可決・成立した。民間のきびしい賃金実態も反映し、史上最低の官民格差となるもとで、その原資を扶養手当の一部改善のみにあて、現行の官民比較制度では初めて俸給表の改訂を見送りながら、そのうえ、生活費の一部ともなっている一時金の連続引き下げを強行する給与法「改正」は、公務員労働者の労働と生活の実態からしても、断じて認められるものではない。 この間、国公労連は、2年連続の年収ベースでの賃金引き下げという重大な事態にあたって、賃下げまでも勧告にゆだねていないとの立場から、その不当性を明らかにし、使用者たる政府の責任を徹底して追及し、労使協議のあらたなルール確立を迫ってきた。さらに、給与法「改正」案が提出された国会段階でも、継続して法案に反対するたたかいにねばりづよく取り組んできた。そのたたかいは、仲間たちの怒りを込めた「職場連判状」をはじめ、政府への繰り返しての「要求決議」の送付、さらには、公務労組連絡会に結集した給与法「改正」に反対する「国会要請署名」など、中央・地方、職場・地域からのさまざまな行動へとひろがった。 しかし、政府は、こうした職場の声に背をむけ、公務員労働者の生活を直撃する勧告の内容を全面的に受けいれ、使用者としての責任を放棄してきた。さらに、国会でも、衆・参それぞれ半日ずつの短時間の審議で採決が強行された。現在まで、国の人事院勧告をそのまま引きうつして、多くの自治体で俸給表の改訂見送りや、一時金引き下げの人事委員会勧告が出されている。それらをふくめ、国家公務員賃金の動向が750万労働者の賃金に直接影響をあたえることや、さらにその範囲もこえて、民間労働者の来春闘のベアにも影響していくことをふまえれば、景気回復もめざした個人消費拡大の観点という大きな視点からの検討こそ求められていた。そうした真剣な議論も十分にはおこなわず、数々の悪法審議の合間をぬうように、わずかばかりの審議で採決されたことは重大な問題を持っている。 こうした立場にたって、生活改善にむけた大幅賃上げを実現するため、あらためて労働者・国民との共同拡大めざして全力をあげる決意を新たにするものである。いま、きびしい情勢のなかで地方自治体で賃金確定闘争がすすめられている。また、民間組合では、リストラ「合理化」攻撃をはねかえして、年末一時金獲得のたたかいがねばりづよく取り組まれている。こうしたたたかいとも連帯して、すべての労働者の要求前進のため、引き続きたたかう決意である。 攻撃のきびしさは、仲間の不満や怒りをよびおこし、たたかいのエネルギーとなって発揮される。この間、全国税労組が取り組んだ「賃下げ反対押印署名」では、管理職や「連合」の第二組合員もふくめて全国税組合員数の10倍をこえる署名が集約されたことなどは、道理ある真摯なよびかけさえあれば、すべての国公労働者と共同したたたかいが大きく前進する可能性を示している。21世紀初のたたかいの場となる2001年春闘にむけて、すでに準備は着々と整いつつある。この間の全国の仲間の奮闘に心から敬意を表し、来春闘の勝利も展望したたたかいへのさらなる結集をよびかけるものである。 2000年11月14日
日本国家公務員労働組合連合会 中央執行委員長 堀口 士郎 |