国民生活破壊の行革に反対し、大幅賃上げ、
働くルール確立にむけて奮闘しよう
2001年春闘アピール

 完全失業者が300万人を超え、企業倒産件数は戦後最悪になるなど、新たな世紀をむかえても、日本経済は依然として景気回復のきざしが見えない。いっぽうで、大企業は、膨大な内部留保をためこみ、ボロ儲けをつづけながらも、「国際競争力の維持」を最優先に、リストラ・人減らし「合理化」を競い合っている。そのなかで、理由なき首切り、法律違反の不払い・サービス残業が横行している。ルール破りがまかり通るこの国の姿は、あまりにも異常である。
 2001年国民春闘は、「働くルールの確立を」の旗を高く掲げ、人間らしく生き働くことのできる社会をめざして、共同をよりいっそうひろげていくことが求められている。
 年金・医療など社会保障の改悪が暮らしを直撃するなかで、賃上げによる生活改善は切実さを増している。冷え切った個人消費をあたため、景気回復によって日本経済を立て直すうえでも、大幅賃上げは正当で道理ある要求である。2001年春闘では、「月額15万円以上、時間給1,000円以上」の賃金要求実現をめざす全労連のたたかい結集し、すべての労働者との共同拡大にむけて奮闘する。また、国公労働者として、「22,000円、5.8%」の要求をかかげ、使用者である政府の責任を徹底追及するとともに、能力・業績給の強化など政府・人事院のねらう給与制度の改悪に反対してたたかいを強化する。
 新省庁体制がスタートしたもとで、「25%定員削減」など行政「減量化」を許さず、民主的行財政・司法の確立にむけた新たなたたかいが求められている。とりわけ、政府・自民党がねらう「もの言わぬ公務員づくり」とも言える公務員制度改革や、特殊法人や公益法人の「合理化」など新たな行革を阻止するために、幅広い国民と連帯した取り組みがこれまで以上に求められる春闘である。引き続き、「対話と共同」を機軸とした行革闘争の発展にむけて奮闘する。
 政治の民主的転換を求めるたたかいも重要となっている。自民党議員の逮捕、現職閣僚の辞任にまでおよんだKSD汚職では、自民党全体が丸ごと財団資金に汚染され、この党が、取り繕いようがなく大本から腐っている実態を国民の前にさらした。不況にあえぐ中小企業の経営者をくいものにし、ヤミ献金で行政をゆがめた事件の真相を明らかにするため、国会の場での徹底究明を求める。金権政治を根絶するために、企業・団体献金はただちに禁止すべきである。
 内閣支持率の低迷に見られるように、国民が求めるのは、いきづまった自民党政治からの転換である。参議院選挙を7月にひかえて、みずからの要求実現ともむすびつけて、国政の革新を展望してたたかう決意を新たにする。
 数々の情勢は、2001年春闘のきびしさを伝えている。しかし、政府・財界による攻撃の強まりは、労働者・国民の怒りやたたかうエネルギーを増大させ、国民的な運動へと発展する条件となっている。そのためにも、情勢のきびしさにたじろぐことなく、「国民のなかへ、国民とともに」の言葉を胸に、共同の広がりをめざして、職場・地域から2001年春闘に総決起しよう。
 750万労働者との共同をめざして、「50万労働者との対話」の取り組みを思い切ってすすめよう。労働者の過半数からの集約という壮大な運動を展望して全労連が提起した「働くルール確立署名」や、公務大産別規模の「100万枚ビラ」を手に、地域に足を踏み出そう。「2.21地域総行動」「3.2中央行動」の成功を通して、要求前進にむけた大きな流れをつくり出そう。
 新世紀をむかえて、たたかいの新たな発展をめざして、すべての仲間にたたかいへの結集をよびかける。

2001年2月2日

国公労連第110回拡大中央委員会



トップページへ  前のページへ