1万人の官民労働者が終日霞が関に春風呼ぶ
--新世紀春闘勝利!3・2中央行動

(「国公FAX速報」2001年3月2日付)
 3月2日、2001年国民春闘の勝利をめざす一大総決起の場として、「新世紀春闘勝利!3・2総行動」が1万人の参加で取り組まれました。この行動は、民間労働者と公務労働者が一体となった文字どおり「全労働者の共同行動」となるよう、官民39単産・団体と5地方の代表が「3・2総行動」実行委員会を結成し準備をすすめてきたものです。国公労連は事務局責任団体として奮闘し、1500人の国公の仲間が、終日霞が関総行動に取り組み、春闘勝利に向け内外に大きくアピールしました。

「すべての労働者に賃上げを」「働くルール確立しよう」
 〜1万人のシュプレがこだまし全国・全労働者に届け!〜


 午前8時から通信労組による日本一の大企業・NTTの横暴告発「NTT東日本本社前宣伝行動」を皮切りに、官民労働者による「3・2総行動」が多彩に始動。国公労連は、「3・2総行動」実行委員会・国立医療闘争委員会・中労委民主化対策会議主催による厚生労働省前要求行動からスタートしました。
 各ブロック・県国公の代表など800人が結集した厚生労働省前では、闘争報告に立った全医労・保木井委員長が「厚生労働省の政策は、結核緊急事態宣言を出す一方で、国立病院の結核病棟を閉鎖したりするなど矛盾ばかりだ。国民の願いは国立病院の充実・強化だ。力を合わせがんばろう」と訴えました。
 つづいて、「3・2総行動」での官民共同の取り組み「新世紀春闘勝利!中央総決起集会」が、日比谷野外音楽堂で行われ、1万人もの労働者が参加し、会場からあふれでた仲間は、公園内でデモ行進出発の待機となりました。
 総決起集会では、11時半から文化企画として、音楽家ユニオンの仲間・レディースオーケストラによる華麗なラテン・ジャズの演奏が行われ、参加者を魅了しました。集会では国民春闘共闘委員会を代表してあいさつに立った小林代表幹事(全労連議長)が、「森自公保内閣のひとケタ台の支持率、KSD・機密費疑惑、史上最悪の失業率などに国民・全労働者の怒りは沸騰している。この力を集めて、すべての労働者に賃上げを勝ち取り、働くルールを確立し春闘を勝利しよう」と述べました。そして、参加39団体の代表がそれぞれ「春闘勝利のトランペット」を手に携え壇上に勢揃いし、「全労働者の共同行動」による新世紀春闘勝利を高らかに誓い合いました。集会後、参加者は国会請願デモと銀座デモに向かい、「大企業のリストラ合理化反対」「すべての労働者に賃上げを」「働くルールを確立しよう」「森内閣はただちに退陣せよ」などとシュプレヒコールを響かせました。

 公務員制度改悪、能力・実績主義強化は許さない
 〜行革推進本部前・総務省前・人事院前要求行動を展開〜


 公務労組連絡会は国会請願デモを行った後、行革推進本部前・総務省前・人事院前と3カ所にわかれ同時並行で要求行動を展開し、国公の仲間もそれぞれの要求行動に結集して奮闘しました。
 行革推進本部前要求行動には、200名が結集しました。国公の仲間からは、全通産・入沢副委員長が、「経済産業省は、4月から4000人の職員を独立行政法人に移行させる。全通産では、独立行政法人移行後の労働条件の確保に全力をあげている。産業技術総合研究所の労働条件改悪への動きは、公務員制度改革の先取りとなるものであり、絶対に認めることができない。独立行政法人への移行による労働条件改悪を許さないため奮闘する」と述べ、全国税東京地連・小林書記長は、「確定申告の時期で職場は大変な状況だ。今年は、例年以上に『税金を払いたくない』という国民の声が大きくなっている。理由は、KSD問題や機密費など税金の使われ方に対する不満にある。また、税務署の職場に成績主義が導入された場合は、『税金を集めるためにはどんなことでもする』ことになり、国民のためにはならない」と決意表明がありました。
 800人が参加した総務省前では、情勢報告に立った黒田書記次長は、公務労組連絡会が2月21日に「22,000円以上」の賃上げなどを柱とする要求書を政府に提出したことを紹介し、3月22日の政府・人事院からの最終回答にむけ、職場からの諸行動を強化することを強調し、「750万人との共同をひろげながら、政府・当局追及を強め、すべての仲間の結集で、要求前進を勝ち取ろう」と呼びかけました。また、全法務横浜支部の中澤彰さんから「登記の現場の職員は、この4年間で全国で281人もの人員削減がされている。最近は登記の相談が増加しており、窓口の人手不足は深刻だ。国民のための行政をおこなうためにも、今後、国民の声に耳をかたむけたい。全法務は国民とともにがんばる」と決意表明を述べました。
 人事院前には300人が結集し、全通信・飯島執行委員さんから「2年連続の賃下げで生活は苦しくなり、仕事は『IT革命』で、複雑・多忙になっている。人事院がいう能力・実績主義については、公務に成績はつけられないし、みんな優秀だ」と述べ、全港建・大前神戸港支部書記長は、「慢性的な長時間・過密労働なのに人事院には2年連続して賃下げ勧告で、裏切られた気持ちだ。今年の採用者がやめていく実情もあるのに、能力・実績主義が導入されると今より暗い職場になってしまう。青年を代表して若者の怒りをぶつけたい。働きがい、生きがいのある職場づくりの先頭にたちたい」と語り、全労働・安江執行委員は「窓口の対応で、仕事がなく困っているひと、賃金不払いにあっているひと、労災事故など、深刻な事例をまえに、国民のためにいい仕事をしようとがんばっているのに、能力・実績主義が導入されると、きちんとした評価の物差しがないので点数至上主義になり仕事がおろそかになり、職員の目が国民ではなく上司の方ばかりみて、みんながバラバラになる。物言わぬ職員づくりがすすみ、労働行政を後退させてしまう。真に国民に目をむけた労働行政のため奮闘したい」と決意表明がありました。

 中央行動の最後には公務労組連絡会主催の総決起集会が日比谷野外音楽堂で行われ、主催者あいさつに立った堀口副議長(国公労連委員長)が、「自・公・保政権は、公務員制度の改悪によって国民に奉仕する立場での公務員制度を破壊し、反動行政・教育の推進役となる公務員づくりをねらっている。公務労働者への攻撃をテコに国民との分断をはかり、悪政を推進しようとするのは自民党政治の常とう手段だ。全国の公務労働者が地域に打って出て、21世紀初頭の展望をつくりだすために奮闘しよう」と力強く述べました。最後に福島議長の団結がんばろうで、「3・2総行動」を終了しました。

 ★参加者の声

 ○全司法札幌支部の男性
 初めて中央行動に参加して、たくさんの仲間の熱気に圧倒され感動しています。今までテレビでしか見たことがなかった国会議事堂や霞が関のおっきな庁舎にもびっくりです。僕はまだ22歳ですが職場の先輩方から現在の労働条件がたくさんの仲間の努力でつくられてきたものだと言う話を聞き、またきょうの多くの人たちの奮闘を肌で感じ、労働組合の大切さを実感しています。職場に帰って青年部活動をがんばります。

 ○全港建松山港支部の男性
 働きはじめて2年ですが賃金が安く、大幅賃上げは切実な要求です。悲しいことに、お金がないから休日はどこにもいけないことも…。省庁再編で地方整備局体制になり、経理ではたらく僕としては実務が増えて大変ですが、労働運動も力の限りがんばります。

 ○全気象福岡分会の男性
 気象庁は3月1日に6測候所を廃止しましたが、その中に飯塚(福岡管内)がありショックでした。国民サービス低下につながる測候所廃止は許せません。そういえば、今日の行動の目的に「アメリカ原潜事件の徹底糾明」がありましたが、僕は水産高校を卒業したこともありとても関心をもっています。もっと原因究明をし、家族にきちんと謝罪してほしいと思います。

 ○全運輸近畿航空支部の男性
 僕は管制官をやっていますが、過密した空域で、飛行機の交通量が大変多く、緊張の連続です。いま関心があるのが空の安全問題と、最賃底上げ問題です。春闘でもっと横のつながりをいかすべきです。最後に、青年の組合への結集を期待したいです。

 ○全法務前橋支部の男性
 集会に参加して、「日本全国ですごく盛り上がっているな!」とうれしくなりました。2年連続賃下げで、賃金問題は関心あります。先日人事院が提案した俸給体系の見直し問題は、職場でも不安感がつのっています。もっと学習活動をして、分析する必要があると思います。前橋支部では毎年、行政相談活動「一日総行動」をおこなってます。これからも法務行政切り捨てを許さないとりくみをやっていきたいです。

 ○全労働佐賀支部の男性
 21世紀はじめての春闘であり、厚生労働省が発足してはじめての春闘という、まさに歴史的な春闘なんですよね!大幅賃上げは切実な要求ですよ。年収は下がっているし、子どもに関する経費とか、あれこれかかってね。いま職安の窓口は人であふれ、定員削減で業務量が増え、深刻な実態です。国民に充分なサービスを提供できないのがとても歯がゆいですね。地元住民のためにも、もっと人員を増やしてもらいたいと痛烈に感じます。

 ○全建労筑波地本の男性
 今の賃金では生活は厳しいので状態です。昼の集会では、民間の労働者を含め、大幅賃上げをめざしている仲間がたくさんいることを実感しました。2001年春闘では、ぜひ大幅賃上げを勝ち取りたいと思っています。また職場は、人減らしと業務量の増加により大変な状況になっています。総務省にはぜひとも大幅増員をお願いしたい。

 ○全医労肥前支部の女性
 中央行動への参加は今回が初めてです。中央行動の様子については新聞などで見ることはありましたが、実際に来てみると、新聞で見ている以上に多くの人が集まっており、労働組合の数の力を実感しました。職場では、2004年の国立病院の独立行政法人への移行問題で、職場がどうなるのかという不安が大きくなっており、先が見えないという状態です。

 ○全司法福岡支部の女性
 初めて中央行動に参加しました。参加者が多く、活気があるという印象を受けました。「賃金が上がらず生活がきびしい」「職場では、人員不足のため大幅増員が必要である。」などの、大幅賃上げや増員についての要求が強いですが、運動を進める上では盛り上がりに欠けている面があるように思っています。今回の行動に参加して、たたかう仲間の数に勇気づけられました。福岡に帰ってからの力にしたいと思っています。

 ○大阪国公の男性
 昨年から大阪国公の書記次長になったばかりです。近畿ブロックは公務員制度「改革」問題で、緊急にポスターを作成し、能力・成果主義賃金について議論を巻き起こすきっかけをつくりました。(そのポスターの裏面を活用して、ゼッケンをつくり集会に参加)大阪国公では春闘期に月1回の学習会を開催し、学習と運動を強め奮闘します。

 ○長野県国公の男性
 集会の参加者が大勢で驚きました。春闘で民間の仲間と一緒にやらなければと実感しました。長野県内での通信労組激励3・15行動の成功にむけてがんばります。

 ○愛媛県国公の男性
 愛媛県では、えひめ丸の引き揚げの求める署名が、県労連をはじめ県内のさまざまな団体で取り組まれています。今回の「新世紀春闘勝利3・2総行動」では、愛媛県労連の独自の行動として、えひめ丸の引き揚げ問題で外務省前で、また、国立愛媛南病院の存続を求めて厚生労働省前での要求行動を行いました。今後も、これら問題については、地域に結集したたかいを進めていきたい。

(以 上)


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